「スポーツカーは速いけれど燃費が悪い」というイメージは、もう過去のものになりつつあります。ハイブリッド技術の進化やダウンサイジングターボの普及によって、走る楽しさと経済性を両立したモデルが各社から登場しています。この記事では、2026年現在「新車で購入できる」現行スポーツカーのなかから、WLTCモード燃費が優秀な10台をランキング形式で紹介します。
近年はスポーツカーの世代交代が進み、長年ランキングの常連だった日産GT-R(2025年8月生産終了)、レクサスRC/RC F(2025年11月生産終了)、スズキ スイフトスポーツ(2025年12月生産終了)、そしてトヨタ GRスープラ(2026年3月で生産終了・受注も終了済み)などが、惜しまれつつ新車販売を終えています。本記事ではこうした生産終了モデルを除外し、いま注文できる車だけを対象にしました。これから購入を検討している方にとって、より実用的な内容になっています。
燃費のいいスポーツカーの選び方
スポーツカーの燃費を比較する際は、まず統一基準である「WLTCモード」の数値を確認するのがポイントです。WLTCモードは市街地・郊外・高速道路の3つの走行パターンを平均的な時間配分で測定したもので、以前のJC08モードよりも実燃費に近い値が出やすいとされています。
また、同じスポーツカーでも「軽スポーツ」「コンパクトカーベースのホットハッチ」「ハイブリッドを搭載した高級クーペ」「大排気量のピュアスポーツ」では燃費の傾向が大きく異なります。日常の足として使うなら軽スポーツやコンパクトスポーツ、走りと上質さを求めるならハイブリッドクーペ、といった具合に、用途に応じて選ぶとよいでしょう。
【2026年版】新車で買える燃費のいいスポーツカー ランキングトップ10
まずは一覧表で全体像を確認してください。燃費値はいずれも各メーカー公表のWLTCモード(最良グレード基準)で、2026年時点で新車購入可能なモデルを対象としています。
| 順位 | 車種 | メーカー | WLTCモード燃費 | ボディタイプ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | N-ONE RS | ホンダ | 21.6km/L | 軽スポーツ |
| 2 | コペン GR SPORT | ダイハツ | 19.2km/L | 軽オープン |
| 3 | GRヤリス | トヨタ | 18.2km/L | ホットハッチ |
| 4 | ロードスター/ロードスター RF | マツダ | 17.2km/L(RFは15.8km/L) | オープンスポーツ |
| 5 | LC500h | レクサス | 14.4km/L | ハイブリッドクーペ |
| 6 | シビック タイプR | ホンダ | 12.5km/L | ホットハッチ |
| 7 | GRカローラ | トヨタ | 12.4km/L | ホットハッチ |
| 8 | BRZ | スバル | 12.0km/L | 2シータークーペ |
| 9 | GR86 | トヨタ | 12.0km/L | 2シータークーペ |
| 10 | フェアレディZ | 日産 | 10.2km/L | 2シータークーペ |
ここからは、各モデルの特徴を順に見ていきます。
1位 ホンダ N-ONE RS(21.6km/L)
堂々の1位は、軽自動車ながら「6速MT」を選べる貴重なモデル、ホンダ N-ONE RSです。WLTCモード燃費は21.6km/L(FF・CVT)と、スポーツカーのなかでは群を抜く経済性を誇ります。2025年11月に一部改良を受けた最新仕様が購入可能です。

S660亡き後、ホンダの軽ラインナップで「運転そのものを楽しめる」キャラクターを担うのがこのN-ONE RS。64psの自然吸気エンジンに軽量ボディを組み合わせ、MTで操る楽しさを存分に味わえます。燃費・税金・維持費のすべてが安く、スポーティな走りも手に入る万能選手です。なお一部報道では2026年中の生産終了も取り沙汰されているため、検討している方は早めの情報確認をおすすめします。
2位 ダイハツ コペン GR SPORT(19.2km/L)
トヨタ「GR」の名を冠した軽オープンスポーツ、コペン GR SPORT。WLTCモード燃費はCVTで19.2km/L、5MTでも18.6km/Lと優秀です。電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を備え、気軽にオープンエアドライブを楽しめるのが最大の魅力。

GRチューニングによる専用サスペンションやボディ補強により、ノーマルのコペンよりも引き締まった走りを実現しています。小排気量ターボと軽量ボディの組み合わせで、刺激と経済性を両立した一台です。
3位 トヨタ GRヤリス(18.2km/L)
WRCの技術をフィードバックして誕生したGRヤリスは、2024年の改良で1.6L直3ターボの最高出力を304psまで引き上げた本格スポーツです。それでいてWLTCモード燃費は最良グレードで18.2km/Lと、ハイパワー4WDとは思えない経済性を実現しています。

MTに加え、スポーツ走行に特化した8速AT「GR-DAT」も設定され、サーキットから日常まで幅広くカバー。コンパクトなボディに凝縮された走りは唯一無二の存在です。
4位 マツダ ロードスター/ロードスター RF(17.2km/L/RFは15.8km/L)
世界で最も売れた2シーターオープンスポーツとしてギネス記録を持つマツダ ロードスター。1.5Lの自然吸気エンジンと約1トンの軽量ボディの組み合わせで、WLTCモード最良17.2km/Lという軽快さと経済性を両立しています。「人馬一体」を掲げるハンドリングは唯一無二で、小排気量を意のままに操る楽しさを存分に味わえる、ライトウェイトスポーツの代名詞的存在です。

姉妹モデルの「ロードスター RF」は、電動格納式ハードトップ(リトラクタブルファストバック)を備えたバリエーションです。2.0Lエンジンを搭載し、WLTCモードは最良で15.8km/L前後。ソフトトップより少し重く排気量も大きいぶん、より余裕のある走りと、クローズド時の静粛性・上質感が魅力です。開放感重視ならソフトトップ、静粛性とGT性能も求めるならRF、という形で好みに応じて選べます。
5位 レクサス LC500h(14.4km/L)
フラッグシップクーペのLC500hは、マルチステージハイブリッドシステムを搭載し、WLTCモード14.4km/Lを記録。1,400万円超のラグジュアリースポーツクーペとしては驚異的な燃費性能です。

流麗なデザインと最上級の内外装、そしてGT的な走りの質感を兼ね備えながら、ハイブリッドによって環境性能にも配慮。レクサスのRCシリーズが生産終了となった今、ブランドのスポーツクーペを象徴する存在となっています。
6位 ホンダ シビック タイプR(12.5km/L)
FF最速クラスの走りを誇るシビック タイプR(FL5)は、2.0Lターボで330psを発生させながらWLTCモード12.5km/Lを達成。ハイパフォーマンスFFとしては優秀な数値です。

ニュルブルクリンクでFFの量産車最速記録を樹立した本格派でありながら、5ドアハッチバックの実用性も兼ね備えています。サーキットも日常も一台でこなしたいユーザーに最適です。
7位 トヨタ GRカローラ(12.4km/L)
GRヤリス譲りの1.6L直3ターボを5ドアボディに搭載したGRカローラ。WLTCモード最良12.4km/Lで、4WDスポーツとしては標準的かつ実用的な燃費を実現しています。

MTに加えて2025年以降は8速ATも拡充され、選択肢が広がりました。後席も使える実用性と、ラリー由来の本格的な走りを両立した、ファミリーでも楽しめるスポーツモデルです。
8位 スバル BRZ(12.0km/L)
スバルの水平対向2.4Lエンジンを搭載するFRスポーツ、BRZ。WLTCモード12.0km/Lで、低重心による安定したコーナリングが持ち味です。2025年の一部改良では安全性も強化され、現行モデルとして販売が続いています。

GR86とは兄弟車の関係にありますが、サスペンションのセッティングなどで異なるキャラクターに仕上げられています。手の届く価格で本格的なFRスポーツを味わえる貴重な一台です。
9位 トヨタ GR86(12.0km/L)
BRZと同じプラットフォームを持つGR86は、WLTCモード12.0km/Lを記録。2.4L自然吸気水平対向エンジンとFRレイアウトにより、アクセルを踏み込んで操る楽しさをダイレクトに味わえます。

スポーツカー入門にも適した価格帯でありながら、本格的な走行性能を備えているのが魅力。チューニングやモータースポーツのベース車両としても高い人気を誇ります。
10位 日産 フェアレディZ(10.2km/L)
伝統のZカーは、現行RZ34型で3.0L V6ツインターボを搭載。WLTCモード最良10.2km/L(9AT)と、大排気量スポーツとしては健闘しています(6MTは9.5km/L)。

レトロモダンなデザインと400psを超えるパワフルな走りで、往年のZファンから若い世代まで幅広く支持されています。GT-Rが生産終了となった今、日産を代表する現行スポーツカーとしての存在感が一段と高まっています。
まとめ|新車で買えるスポーツカーも燃費で選べる時代に
今回のランキングを振り返ると、上位は軽スポーツ・コンパクトスポーツ・ハイブリッドクーペが占める結果となりました。トップのN-ONE RSは21.6km/Lと、もはや燃費面で普通車にも引けを取りません。一方で、フェアレディZのような大排気量スポーツは燃費こそ控えめですが、その走りには唯一無二の価値があります。
近年はGT-R、RC F、GRスープラといった名車が相次いで生産終了となり、新車で買えるピュアスポーツは年々貴重になっています。だからこそ、気になる一台があるなら早めの検討がおすすめです。スポーツカー選びでは、燃費はもちろん大切な要素ですが、どんな走りを楽しみたいか、どんなシーンで使うかを軸に考えることが満足度を高めるポイントです。経済性を重視するなら軽スポーツやホットハッチ、上質さも求めるならハイブリッドクーペ、という形で、自分に合った一台を見つけてください。
※掲載している燃費数値は各メーカー公表のWLTCモード値(主に最良グレード)で、2026年時点の情報に基づいています。グレードや年式、一部改良、生産・受注状況は変動する場合があります。最新かつ正確な情報、および受注状況については各メーカー公式サイトや販売店で必ずご確認ください。

