本田技研工業は2026年10月9日、2027年からグローバル市場へ順次投入する次世代ハイブリッドシステムの名称を「Honda Hybrid」に決定したと発表しました。これまでホンダのハイブリッド車を支えてきた独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」で培った技術をベースに進化させた、まったく新しい世代のハイブリッドシステムです。
「Honda Hybrid」とは?次世代ハイブリッドシステムの名称が決定
「Honda Hybrid」は単なるシステム名にとどまらず、ホンダが提供するハイブリッドの価値を世界中の顧客へより直感的に伝えるためのコミュニケーション名称としても、今後グローバルで順次展開されていきます。拡大するハイブリッド車需要に迅速に対応するためのブランド戦略の中核と位置づけられています。
なぜ今「Honda Hybrid」なのか|四輪事業再構築との関係
今回の発表の背景には、ホンダが2026年5月に公表した四輪事業の再構築があります。世界的にハイブリッド車の需要が急速に拡大するなか、ホンダはハイブリッド領域への開発・生産リソースの再配分を積極的に進めてきました。
電動化への移行が各市場で異なるペースで進むなか、ハイブリッド車は内燃機関と電動化技術をつなぐ現実的な選択肢として、依然として大きな存在感を持っています。ホンダは「Honda Hybrid」を軸に、特に需要の大きい北米市場をはじめとするグローバル市場での競争力強化を図る方針です。
2029年度までに15車種を投入|グローバル展開のロードマップ
ホンダは2029年度までに、北米市場をはじめとするグローバル市場へ「Honda Hybrid」を搭載したモデルを15車種投入する計画を明らかにしています。2027年の投入開始から数年のうちに一気にラインアップを拡充する積極的な電動化戦略で、ハイブリッドを事業の柱の一つとして明確に据えた形です。
「Honda Hybrid」の進化ポイント|燃費性能と走る喜びを高次元で両立
さらなる燃費向上を実現
「Honda Hybrid」では、エンジンの高効率領域を拡大するとともに、ドライブユニットの高効率化・小型化、そして制御技術の進化を図っています。これらの技術革新により、従来システムからさらなる燃費向上を目指します。
「操る喜び」を追求する新技術
ホンダが掲げるのは「優れた燃費性能」と「五感に響く操る喜び」の高次元での両立です。次世代のハイブリッドモデルには、以下の先進技術が採用されます。
- 新開発プラットフォーム:ボディのしなりを活用してタイヤの接地力を高める「新操安剛性マネジメント」を採用。剛性の最適化と軽量化を同時に実現します。
- Motion Management System:ホンダ独自の統合制御技術により、クルマの動き全体を緻密にコントロールします。
- 新開発の電動AWD(オールホイールドライブ):上質で爽快な走りと、安心して意のままに操れる走行性能を実現します。
これらの技術を組み合わせることで、ホンダならではの五感に響く上質・爽快な走りと、安心で意のままの走りの両立を目指しています。
ホンダのハイブリッド技術の歴史|IMAからHonda Hybridまで
「Honda Hybrid」は、ホンダが四半世紀以上にわたって積み重ねてきたハイブリッド技術の集大成といえます。ここで、ホンダのハイブリッド技術の変遷を振り返ってみましょう。
IMA(Integrated Motor Assist)|1999年
1999年、初代インサイトに初搭載されたホンダ最初のハイブリッドシステム。エンジンを主動力とし、発進・加速時などにモーターがアシストする、軽量・コンパクトなパラレル方式が特徴でした。高い環境性能と走る楽しさを両立し、ホンダの電動化の原点となりました。
SPORT HYBRID i-DCD(Intelligent Dual Clutch Drive)|2012年
高出力モーターを内蔵した7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用した1モーターハイブリッドシステム。優れた燃費性能に加え、力強くリズミカルで伸びのある加速感を実現しました。
SPORT HYBRID i-MMD(Intelligent Multi-Mode Drive)/e:HEV|2012年
発電用・走行用の2モーターを備えたハイブリッドシステムで、現在の「e:HEV」の原型です。日常のほとんどを効率の良いモーターで走行し、走行状況に合わせて3つの走行モードをシームレスに自動で切り替えます。滑らかで力強い加速、高い静粛性、優れた環境性能を高度に融合。2020年以降はコミュニケーション名称を「e:HEV」とし、ホンダのハイブリッドを象徴する存在となりました。この技術が「Honda Hybrid」のベースとなっています。
SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling All Wheel Drive)|2012年
エンジンと3つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム。左右独立モーターによる独自のトルク制御技術で四輪の駆動力を最適配分し、優れた環境性能と高い運動性能を両立しました。
Honda Hybrid|2026年
e:HEVのエンジンやドライブユニットなどの構成部品と制御技術を進化させた次世代ハイブリッドシステム。システム名称であると同時に、今後はコミュニケーション名称としても展開されます。
まとめ|「Honda Hybrid」がホンダの電動化を牽引する
ホンダは「Honda Hybrid」を軸に、2027年からのグローバル展開、そして2029年度までの15車種投入という明確なロードマップを掲げました。1999年のIMAから続くハイブリッド技術の蓄積を土台に、燃費性能と走る喜びを高次元で両立させる次世代システムは、ホンダの電動化戦略を大きく前進させる存在となりそうです。
新開発プラットフォームやMotion Management System、電動AWDといった先進技術を組み合わせた次世代ハイブリッドモデルが、今後どのような形で登場するのか。2027年以降のホンダのラインアップに、ますます注目が集まります。
ホンダ ニュースリリース

