シボレーは、フラッグシップスポーツ「コルベット」の最上位モデル「コルベットZR1」を2024年7月26日(現地時間)に発表し、2025年の生産開始を予定しています。シボレー・コルベットは長年ブランドを代表するスポーツモデルであり、2020年にフルモデルチェンジした現行車「コルベットC8」では、伝統的なFRレイアウトからMRレイアウトに変更され、高い走行性能が人気となっています。シボレーは、コルベットZR1をこのモデルは、カモフラージュを外した状態での最終テストを実施後、一般に販売される予定です。
シボレー 新型 コルベットZR1 について
新たに設定された「コルベットZR1」は、「コルベット Z06」に搭載されていたレーシングカー「C8.R」のV型8気筒5.5L自然吸気「LT6」エンジンをベースに、ターボチャージャーを採用した「LT7」エンジンを搭載しています。この「LT7」エンジンは、より大きな燃焼室と独自のポートを備えたシリンダーヘッド、ターボチャージャー用に最適化されたバルブタイミングとリフトプロファイル、専用ピストンとコネクティングロッド、および二次燃料噴射システムを採用しています。さらに、8速デュアルクラッチトランスミッションがギアプロファイルの拡大、シャフトの強化、潤滑の改善といった大幅な改良を受け、「LT7」の強力な出力に対応しています。
シボレー 新型 コルベットZR1 スペックについて
このエンジンは驚異的な最高出力1,064hp(1,079ps)と最大トルク1123Nm(114.3kgm)のトルクを発生し、前世代の「C7コルベットZR1」のV型8気筒6.2Lスーパーチャージャーエンジンを大幅に上回るパフォーマンスを実現しています。最高速度は346km/hを超え、10秒未満で4分の1マイル(約402.33m)を駆け抜ける動力性能を持っています。
コルベットZR1のボディタイプには、ベースモデルと同様にクーペとコンバーチブルが設定されており、車重はクーペで1665kg、コンバーチブルで1705kgです。フロント15.7インチ(400mm)、リア15.4インチ(390mm)のカーボンセラミックブレーキシステムを備え、80-200-80mph(129-322-129km/h)の加減速を24.5秒で完了する性能を持っています。また、新型コルベットZR1は、ダウンフォースを獲得するフロントフード、カーボンファイバー製ルーフと調整可能なスポイラー、ミシュラン製パイロットスポーツ4Sタイヤを装着した20インチと21インチのホイールを採用しています。
さらに、サーキット走行性能を高めるZTKパフォーマンスパッケージも提供され、巨大なリアウィングやフロントダイブプレーン、フロントフードに取り付けられるガーニーリップ、フロントアンダーウィングから変更されるアンダーストレーキ、ハードなスプリング、専用ダンパー、ミシュラン製パイロットスポーツカップ2Rタイヤが装備されています。エアロパーツは最高速度で544kgを超えるダウンフォースを生成し、Carbon Aeroパッケージとしてエアロパーツのみを装備することも可能です。
ZR1はニュルブルクリンクで最高速度200mph(322km/h)を記録し、ドラッグストリップでは1/4マイルを150mph(241km/h)で9.7秒未満で走破する性能を持っています。クーペの乾燥重量は1,665kg、コンバーチブルは1,705kgであり、フロント15.7インチ、リア15.4インチのカーボンセラミックブレーキシステムを備え、80-200-80mph(129-322-129km/h)の加速と減速を24.5秒で完了します。
シボレー 新型 コルベットZR1 他社との比較
一方で、ブガッティヴェイロンは約20年前に987hpのW16エンジンを搭載して登場しましたが、最新のコルベットZR1はそのパフォーマンスを上回ります。新しいZR1はツインターボ5.5リッターフラットプレーンクランクV8エンジンを搭載し、1,064hpと1,121Nmのトルクを発生します。このエンジンは、「LT7」と呼ばれ、コルベットZ06に搭載されている「LT6」と多くの共通点がありますが、ターボチャージャーと追加されたパフォーマンスに対応するために大幅なアップグレードが施されています。
ZR1は、フェラーリ296 GTB、ランボルギーニ・レヴエルト、マクラーレン750S、パガーニ・ウアイラ、メルセデスAMGワンを上回る性能を持ち、シボレーはこれがアメリカの自動車メーカーがこれまでに製造した中で最も強力なV8エンジンであると述べています。このエンジンは、より大きな燃焼室、独自のポート、バルブタイミングとリフトプロファイルの最適化、新しい吸気口とインテリジェントなアンチラグエンジン調整技術を備えています。
さらに、8速デュアルクラッチトランスミッションも徹底的に改良され、ギアプロファイルの幅が広くなり、シャフトが強化され、潤滑も改善されています。シボレーのエグゼクティブチーフエンジニア、タッジ・ジュエクター氏は、これらの変更によりZR1は「貨物列車のように引っ張る」と語っています。
シボレー 新型 コルベットZR1 デザインについて
フォードGTよりも高い出力を持ちながら、コルベットZR1は驚くほど控えめなデザインです。フロントグリルから空気を取り入れ、インタークーラーを通過してフードから排出することで冷却とフロントのダウンフォースを増加させるフロースルーフード、カーボンファイバー製ルーフ、調整可能なスポイラー、ミシュラン製タイヤを装着したカーボンファイバー製またはアルミ製のホイールなど、多くの特徴があります。
ZR1はクーペとコンバーチブルの2種類で提供され、ZTKパフォーマンスパッケージやCarbon Aeroパッケージをオプションとして選択可能です。内装には、ZR1バッジが施されたステアリングホイール、シルプレート、内装プレート、3LZバリアントにはブーストゲージと独自のドアパネルステッチが特徴です。
編集部から一言
ボレーが発表した新型コルベットZR1は、驚異的なパフォーマンスと先進的な技術を誇るスポーツカーとして注目を集めています。伝統のコルベットシリーズに新たな歴史を刻むこのモデルは、1,064馬力を発揮するツインターボV8エンジンを搭載し、時速346km/hを超える最高速度と10秒未満での1/4マイル走破を実現。クーペとコンバーチブルの2種類のボディタイプが用意され、軽量でありながら強力なブレーキシステムや調整可能なエアロパーツなど、多彩な特徴を備えています。また、最高速度の王者としてのスタンダードモデルと、トラックでのパフォーマンスを追求したZTKパフォーマンスパッケージも選択可能です。
今回の発表により、コルベットZR1はスポーツカーの新たな基準を打ち立てる存在となり、シボレーの技術力と情熱が凝縮された一台として、自動車ファンにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
新型コルベットZR1は、その驚異的な性能と先進的な技術で、自動車業界に大きなインパクトを与えています。シボレーが誇る技術の結晶ともいえるこのモデルは、スポーツカーの未来を体現しており、私たちの期待を大きく超えるものでした。コルベットのファンのみならず、全ての車好きにとって、一度は体感してみたい一台です。これからの展開が楽しみであり、シボレーの更なる飛躍に期待が高まります。
シボレー コルベット 関連記事
シボレー