スズキは新型「エブリイ」に「e-SMART ELECTRIC」を採用したバッテリーEV(BEV)モデル「eエブリイ(eEVERY)」をラインナップし、2026年2月2日に発売します。
当初は、2023年12月頃でしたが、3社共同の1社である、ダイハツ工業の認証手続きに関する不正問題が発覚したため、発売時期が変更となっています。東京ビッグサイトを中心に開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」に出展しました。
スズキ 新型「エブリイ」一部改良 BEV 「eエブリイ」について
BEV商用軽バンの導入にあたり、スズキとダイハツの軽自動車製造のノウハウと、トヨタの電気自動車技術を融合し、3社共同で軽商用車に適したBEVシステムを開発しました。車両はダイハツが生産し、スズキ、ダイハツ、トヨタがそれぞれ2023年度内に導入する予定でした。
- スズキ: EVERY EV
- ダイハツ: HIJET CARGO EV
- トヨタ: PIXIS VAN EV
走行性能は、一充電あたりの航続距離は250kmを見込んでいます。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
ジャパンモビリティショー2023では、「eエブリイ・コンセプト」が展示・公開され、実際に筆者も身近で見て、デザインや機能なども聞き撮影もさせて頂きました。






スズキ eエブリイとは?3社共同開発の新時代EV

トヨタ・ダイハツ・スズキとの協業で実現した軽商用EV
スズキ eエブリイは、スズキ、ダイハツ、トヨタの3社が協力して開発した、BEV(バッテリー電気自動車)システムを搭載する商用軽バンです。スズキとダイハツの「小さなクルマづくりのノウハウ」とトヨタの「電動化技術」を融合させることで、軽商用車に最適なEVシステムを実現しました。
車両の生産はダイハツが担当し、スズキ、ダイハツ、トヨタがそれぞれ独自のブランド名で販売する予定です。スズキでは「eエブリイ」、ダイハツでは「ハイゼットカーゴEV」、トヨタでは「ピクシスバンEV」として展開される見込みです。
ジャパンモビリティショー2025で披露された「eエブリイ・コンセプト」

2025年のジャパンモビリティショーにおいて、スズキは「eエブリイ・コンセプト」を出展しました。このコンセプトモデルは、商用車としての堅実さと未来に向けたデジタル感を融合したエクステリアデザインが特徴です。
会場では、フリート管理サービス「SUZUKI FLEET」とコラボレーションしたイメージ動画も上映され、法人ユーザー向けのソリューションとしての活用方法も提案されました。
eエブリイの主要スペック・特徴
パワートレイン:トヨタのEVシステムを搭載
スズキ eエブリイには、トヨタが開発したEVシステムが搭載されます。主なスペックは以下の通りです。
パワートレイン
- 電気モーター×1基
- 最高出力:64ps
- 最大トルク:18.0kgm(約177Nm)
- 駆動方式:RWD(後輪駆動)
- 航続距離:約250km(WLTCモード想定)
最大トルクは、現行のターボエンジン(9.7kgm)の約1.8倍に達し、荷物を満載した状態でも坂道でもたつくことなく、力強い走りを実現します。EVならではの静粛性とトルクフルな加速により、配送業務や移動販売など、さまざまな商用用途で快適な運転環境を提供します。
ボディサイズ:軽自動車規格内で最大限の室内空間
主要諸元(参考値)
- 全長×全幅×全高:3,395mm×1,475mm×1,890mm
- ホイールベース:2,430mm(予想)
軽自動車規格を最大限に活用した設計により、広い荷室空間を確保。現行エブリイと同様の全長・全幅を保ちながら、バッテリーの配置を工夫することで「荷室容量の減少はわずか」と公式にアナウンスされています。
バッテリー配置の工夫:荷室への影響を最小化

EVの最大の課題とされるバッテリー搭載による荷室容量の減少について、eエブリイでは独自の配置技術により「ほんのわずかで済んでいる」とスズキは説明しています。床下や座席下などに効率的にバッテリーを配置することで、従来の軽バンと同等の積載性を維持しています。
航続距離250km:1日の業務に十分対応

フル充電時の航続距離は約250km(WLTCモード)を実現。ラストワンマイル輸送や地域配送など、1日の走行距離が限定的な商用利用に最適化されています。
一般的な軽商用車の1日あたりの平均走行距離は50〜100km程度とされており、250kmの航続距離があれば、充電の心配なく1日の業務を完遂できます。夜間に充電することで、翌朝にはフル充電の状態で出発できる運用が可能です。
充電ポート:フロントグリル部に配置

eエブリイの充電ソケットは、フロントバンパー・グリル部分に設置されています。従来のガソリン車の給油口と同様の位置関係により、充電スタンドでの操作性が向上しています。
外部給電機能:災害時や現場での電源として活用
eエブリイには外部給電機能(V2L:Vehicle to Load)が搭載される見込みです。災害時の非常用電源としてだけでなく、工事現場やイベント会場での電源供給など、移動式バッテリーとしての活用が期待されます。
この機能により、地域社会への貢献と新たなビジネスモデルの創出が可能になります。
デザイン:商用車らしさと先進性の融合
エクステリア:スズキ独自のバンパーデザイン

eエブリイ・コンセプトは、ベース車両がダイハツのハイゼットカーゴとなりますが、フロントバンパーとグリルにはスズキ独自のデザインを採用。現行エブリイとの統一感を保ちながら、EVらしい先進的なデザイン要素を加えています。
商用車としての堅実でかっちりとした印象と、未来に進むデジタル感を表現したデザインが特徴です。LEDヘッドランプの採用により、視認性と省電力性を両立しています。
インテリア:実用性重視の設計

インテリアは商用バンとしての使い勝手を最優先した設計となる見込みです。現行エブリイ同様、運転席・助手席ともに広いスペースを確保し、長時間の運転でも疲れにくい快適な空間を提供します。
シートバックテーブルやインパネセンターアンダーボックスなどの収納スペースも充実し、書類や工具の整理整頓が容易です。
価格予想:補助金活用で200万円程度から
車両本体価格は200万円台前半を予想
eエブリイの車両本体価格は、200万円台前半になると予想されます。これは現行のエブリイワゴンの最上級グレード(約190万円)よりやや高い価格帯です。
CEV補助金で実質負担額を大幅軽減
2024年度のCEV補助金制度では、軽自動車のEVに対して最大85万円の補助金が交付されます。この補助金を活用することで、実質負担額を約200万円程度に抑えることが可能になります。
補助金活用後の実質負担額(試算)
- 車両本体価格:約220〜240万円
- CEV補助金:▲85万円
- 実質負担額:約135〜155万円
さらに、地方自治体の独自補助金が上乗せされる場合、実質負担額はさらに低減される可能性があります。
ランニングコストの優位性
EVは燃料費(電気代)がガソリンに比べて大幅に安く、メンテナンスコストも低減されます。
ランニングコスト比較(年間1万km走行の場合)
現行エブリイ(ガソリン車):
- 燃費:約16km/L
- ガソリン代(170円/L想定):約106,000円/年
eエブリイ(EV):
- 電費:約6km/kWh(予想)
- 電気代(30円/kWh想定):約50,000円/年
年間約56,000円の燃料費削減が期待でき、5年間では約28万円のコスト削減になります。加えて、オイル交換などのメンテナンス費用も不要となるため、トータルコストではガソリン車と遜色ない、あるいはそれ以下での運用が可能です。
ターゲット層:大企業から中小事業者まで
当初は環境意識の高い大企業がメインターゲット
スズキは、eエブリイの当初のメインターゲットを「ゼロエミッションを担う大企業」と位置づけています。ESG経営やカーボンニュートラルへの取り組みを進める企業にとって、商用車のEV化は重要な施策となっています。
大手物流企業、通信事業者、公共団体などが、既存の商用車をeエブリイに置き換えることで、CO2排出量の削減と企業イメージの向上を図ることができます。
中小事業者にもメリット大
補助金を活用することで初期費用を抑えられるため、中小事業者にとっても導入しやすいEV商用車となります。特に以下のような事業者に適しています。
- 配送・宅配業者:毎日の配送ルートが決まっており、航続距離250kmで十分カバーできる
- 移動販売業者:外部給電機能を活用して調理器具などを稼働できる
- 介護・福祉サービス:静粛性が高く、利用者に優しい移動環境を提供
- 設備工事業者:工具や資材の運搬に加え、現場での電源として活用
スズキ 新型 BEV 「eエブリイ」ライバル車種について
商用軽自動車のEVモデル開発は他社でも進んでおり、ホンダは軽バン「N-VAN」をベースとした新型軽商用EV「N-VAN e:」を2024年5月先行予約開始、2024年10月10日に発売予定です。

ホンダは2030年までにグローバルで30種類のEV展開を計画しており、取り外し可能なバッテリーを搭載した「MEV-VAN Concept」を「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で展示しました。
詳しくはこちらの記事にまとめましたので参考にしてみて下さい。
軽自動車 商用EV の需要について
- 軽自動車商用EVならではの小回りの利く車両(最小回転半径が5m以下)
- 必要な荷室性能と積載量を確保。
- 走行時や起動・停車時の静粛性も高く、住宅街で使用する際にも安心して使える。
- モーター駆動のEVならではの力強い走りで、重い荷物も軽快に運ぶことが可能。
軽商用バンとして必要な荷室性能と積載量を確保しながらも、モーター駆動のEVならではの力強い走りで、重い荷物も軽快に運ぶことが可能。走行時や起動・停車時の静粛性も高く、早朝や深夜をはじめ、住宅街で使用する際にも安心して使える。
街では既に、日本郵便、2019年以降、配送用車両に電気自動車(EV)と電動二輪車を本格導入しています。配送作業用の軽四輪自動車は三菱自動車工業の「ミニキャブ・ミーブ バン」、電動二輪車は本田技研工業の「BENLY e:(ベンリィ イー)」を採用し、東京都内の町で見かける機会も多くなった。ヤマト運輸ではホンダの新型「N-VAN e:(エヌバン イー)」の集配業務における実用性の検証を2023年6月から開始している。このように特に軽自動車商用EVは集配業務において小回りの利く車両が必要とされています。
2026年度「EV」「PHEV」「FCEV」クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)について
EVの補助金の利用により、eエブリイの購入価格は大幅に下がる可能性もあります。
補助金予算額1,100億円
2026年度の補助金総額は1100億円規模と、依然として高水準が維持される見通しです。
補助金額
補助金額は、車両の種類や燃費性能等によって異なりますが、2026年度(令和8年度補正予算)は、以下の通りです。
| 車両種別 | 補助金額 |
|---|---|
| 電気自動車(EV) | 最大130万円 |
| 軽電気自動車(軽EV) | 最大58万円 |
| プラグインハイブリッド車(PHEV) | 最大85万円 |
| 燃料電池自動車(FCEV) | 最大150万円 |
引用:クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)
価格予想:補助金活用で200万円程度から
車両本体価格は200万円台前半を予想
eエブリイの車両本体価格は、200万円台前半になると予想されます。これは現行のエブリイワゴンの最上級グレード(約190万円)よりやや高い価格帯です。
CEV補助金で実質負担額を大幅軽減
2026年度のCEV補助金制度では、軽自動車のEVに対して最大58万円の補助金が交付されます。この補助金を活用することで、実質負担額を約200万円程度に抑えることが可能になります。
補助金活用後の実質負担額(試算)
- 車両本体価格:約220〜240万円(予想)
- CEV補助金:▲58万円
- 実質負担額:約182万円
さらに、地方自治体の独自補助金が上乗せされる場合、実質負担額はさらに低減される可能性があります。
ランニングコストの優位性
EVは燃料費(電気代)がガソリンに比べて大幅に安く、メンテナンスコストも低減されます。
ランニングコスト比較(年間1万km走行の場合)
現行エブリイ(ガソリン車):
- 燃費:約16km/L
- ガソリン代(170円/L想定):約106,000円/年
eエブリイ(EV):
- 電費:約6km/kWh(予想)
- 電気代(30円/kWh想定):約50,000円/年
年間約56,000円の燃料費削減が期待でき、5年間では約28万円
編集部から一言
軽自動車 商用EVは他社のホンダ、三菱、など各社2026年2月にはラインナップが揃うほど、多くの需要があります。新しいEVの世界に目が離せませんね。新しい情報が入り次第お知らせいたいます。
スズキニュースリリース
https://www.suzuki.co.jp/release/a/2022/0407a/index.html
エブリ
https://www.suzuki.co.jp/car/every/
エブリワゴン

