日産の子会社でNISMOブランドを手がける日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は2026年10月15日、フェアレディZ(RZ34)用の「スポーツチタンマフラー」と、フェアレディZ NISMO MT車用の「NISMOスポーツリセッティング」を発表しました。
どちらも、2026年8月27日のマイナーチェンジでフェアレディZ NISMOに6速MTが追加されたことに合わせて用意された新商品です。チタンマフラーは純正比で約35%軽く、2027年9月から始まる新しい騒音規制にも先回りして対応しました。スポーツリセッティングは、サーキット走行向けにスピードリミッターの作動速度だけを変更するメニューです。
この記事では、2つのNISMOパーツの価格、重さや音量などの仕様、適合する車、保証の注意点、ベースとなるフェアレディZ NISMOのスペックまで、わかりやすくまとめました。


そもそもNISMOの「スポーツチタンマフラー」「スポーツリセッティング」とは?
NISMOは、日産のモータースポーツ活動と、市販車向けのチューニングパーツを担うブランドです。マフラーやサスペンションなどの「NISMOパーツ」は日産の販売店で購入でき、メーカー系ならではの品質の高さが特長です。
今回のスポーツチタンマフラーは、フェアレディZのマフラー(センターパイプとリヤマフラー)を、高純度チタン合金製に交換する商品です。一方のNISMOスポーツリセッティングは、エンジンを制御するコンピューター(ECM)をNISMO専用品に交換するメニューで、フェアレディZ NISMOのMT車用に「TYPE-1」が新しく設定されました。
【新商品まとめ】今回発表された2つのNISMOパーツ
今回の発表のポイントは、以下の通りです。
スポーツチタンマフラー(受注生産)
- 約35%の軽量化:高純度チタン合金を使い、純正マフラーより約8.4〜8.5kg軽い
- 騒音規制フェーズ3に先行対応:2027年9月1日以降の生産車に適用される規制をクリアした認定品
- 黒いDLCコーティング:エキゾーストフィニッシャーは熱による変色を抑えた高級感のあるブラック
NISMOスポーツリセッティング TYPE-1
- Z NISMO MT車専用:専用ECMでスピードリミッターの作動速度だけを変更(サーキット向け)
- 2027年1月中旬に出荷開始:NISMO大森ファクトリーとNISMOパフォーマンスセンターで取り扱い
① スポーツチタンマフラーはNISMOの6MT車にも適合
フェアレディZ用のスポーツチタンマフラーは、これまでMT車(NISMO以外)用が販売されていました。今回はNISMO 6MT車の追加に合わせて、AT車(NISMO以外)用と、NISMO全車(MT・AT)用が新しく設定されました。センターパイプとリヤマフラーはチタン合金製、フロントチューブはステンレス製で、パイプ径はメインΦ60、テールΦ110です。NISMOのロゴも入ります。

② スポーツリセッティング TYPE-1はスピードリミッターだけを変更
NISMOスポーツリセッティングには「TYPE-1」「TYPE-2」「TYPE-3」の3種類があります。今回フェアレディZ NISMOのMT車用に設定されたTYPE-1は、エンジンの出力特性には手を加えず、スピードリミッターの作動速度だけを変更した仕様です。もともと420psを発揮するZ NISMOの性能を、サーキットなどのクローズドコースで気持ちよく使い切るためのメニューといえます。なお、NISMO以外のフェアレディZには、ブースト圧と点火時期を最適化して出力特性を高める「TYPE-2」が用意されています。
NISMO新パーツの価格と適合車種一覧
メーカー希望小売価格(税込)と適合車種は以下のとおりです。
| 商品 | 適合車種 | 価格(税込) | 発売・出荷 |
|---|---|---|---|
| スポーツチタンマフラー 【新設定】 | フェアレディZ AT車(NISMO以外) | 69万800円 | 受注生産 |
| スポーツチタンマフラー 【新設定】 | フェアレディZ NISMO(MT・AT) | 69万800円 | 受注生産 |
| スポーツチタンマフラー | フェアレディZ MT車(NISMO以外) | 69万800円 | 販売中の商品がフェーズ3に対応 |
| NISMOスポーツリセッティング TYPE-1 【新設定】 | フェアレディZ NISMO MT車 | 14万3,000円 | 2027年1月中旬出荷開始 |
スポーツリセッティングの価格には、事前点検、納車前点検、作業工賃が含まれています。取り扱いはNISMO大森ファクトリーとNISMOパフォーマンスセンター(NPC)に限られ、もともと付いている純正ECMは回収されます。マフラーは受注生産のため、注文してから届くまでに時間がかかる場合があります。
スポーツチタンマフラーの重さと音量
| 項目 | NISMO以外用 | NISMO用 |
|---|---|---|
| 製品重量 | 15.5kg(純正比-8.5kg) | 15.6kg(純正比-8.4kg) |
| 近接騒音値(AT車) | 75dB | 75dB |
| 近接騒音値(MT車) | 84dB(販売中の商品) | 77dB |
| 最低地上高の変化 | 約-5mm | 約-5mm |
| 保証 | 1年間 | 1年間 |
重さはNISMOの実測値です。純正より8kg以上軽くなるのは、車の後ろ側の重さが減ることにつながり、スポーツカーにとってはうれしいポイントです。サウンドは、チタン素材を生かして全回転域で軽快で心地よい音を目指したとされています。
騒音規制フェーズ3への先行対応とは?
今回のマフラーは「交換用マフラー事前認証制度」の認定品で、2027年9月1日以降に生産される車に適用されるマフラー騒音規制(フェーズ3)に先行して対応しています。規制が厳しくなっても使える交換用マフラーを、いち早く選べるのは安心材料です。なお、チタンは使ううちに色が変わる特性がありますが、エキゾーストフィニッシャーの外側(アウターシェル)はDLCコーティングにより熱による色焼けが起きないとされています。
NISMOスポーツリセッティングの保証と注意点
スポーツリセッティングを行うと、エンジンや補機類、駆動系部品などの保証が、日産の保証からNISMOの保証に切り替わります。保証期間は、施工から1年間または2万kmです。ただし、初度登録から5年、または総走行距離6万kmを超えた車は保証の対象外になります。
また、TYPE-1はサーキット走行を目的にスピードリミッターを変更しているため、走る速度に合った速度記号のタイヤを使うよう注意が呼びかけられています。燃料は市販のプレミアムガソリンに限られます。NISMO以外の部品でエンジンや吸排気系、制御装置に手を加えた車は施工の対象外となる場合もあるので、事前に取扱店で確認しましょう。
ベース車:マイナーチェンジしたフェアレディZ NISMOのおさらい
2026年8月27日のマイナーチェンジで、フェアレディZ NISMOには要望の多かった専用ショートストローク6MTが加わりました。6MT専用にスロットルと点火タイミングの制御を最適化し、「STANDARD」「SPORT」の2つのドライブモードと専用の加速サウンドチューニングも採用しています。フロントブレーキには「NISSAN GT-R」で使われていた2ピースドリルドローターを搭載し、バネ下の軽量化も図られました。



| 項目 | フェアレディZ NISMO(6MT) | フェアレディZ NISMO(9M-ATx) |
|---|---|---|
| エンジン | 3.0L V6ツインターボ(VR30DDTT・NISMO専用チューニング) | |
| 最高出力 | 309kW(420PS)/6,400rpm | |
| 最大トルク | 520N・m/2,000〜5,200rpm | |
| 全長×全幅×全高 | 4,410×1,870×1,315mm | |
| 車両重量 | 1,640kg | 1,670kg |
| 燃費(WLTCモード) | 9.0km/L | 9.2km/L |
| 価格(税込) | 975万2,600円 | 975万2,600円 |
フェアレディZ NISMOは特別塗装色の選択が必須で、価格には特別塗装色代(4万9,500円〜)が加わります。標準のフェアレディZは最高出力298kW(405PS)、最大トルク475N・mで、グレードと価格は次のとおりです。
| グレード | トランスミッション | 燃費(WLTC) | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| フェアレディZ | 6MT | 9.5km/L | 573万7,600円 |
| フェアレディZ Version S | 6MT | 9.5km/L | 658万6,800円 |
| フェアレディZ Version ST | 6MT | 9.5km/L | 699万9,300円 |
| フェアレディZ | 9M-ATx | 10.2km/L | 573万7,600円 |
| フェアレディZ Version T | 9M-ATx | 10.2km/L | 619万9,600円 |
| フェアレディZ Version ST | 9M-ATx | 10.2km/L | 699万9,300円 |
チタンマフラーは、標準モデルならAT車用が新設定、MT車用は販売中の商品がそのままフェーズ3に対応しています。つまり、今回の発表で標準モデルもNISMOも、すべての仕様でチタンマフラーを選べるようになりました。
標準モデルはZエンブレム復活とタン内装
標準のフェアレディZは、S30型からZ32型までフロントに付いていた「Z」モチーフのエンブレムが復活し、フロントノーズの先端を延ばした新しいバンパーを採用しました。内装には、S30型をオマージュしたタンの内装色がグレード別に設定されています。

どれを選ぶべきか?おすすめの組み合わせ
おすすめ① 【サーキットも走るなら】Z NISMO 6MT+スポーツリセッティング TYPE-1
価格:14万3,000円(工賃込み)
サーキット走行会に参加するZ NISMO 6MTのオーナーなら、まず検討したいのがTYPE-1です。エンジンの特性は純正のままなので、街乗りの扱いやすさは変わりません。点検と工賃が含まれた価格なのも分かりやすい点です。ただし保証がNISMOの保証に切り替わるので、新車から間もないうちに施工するのがおすすめです。
おすすめ② 【音と軽さを楽しむなら】スポーツチタンマフラー
価格:69万800円
街乗り中心でも、エンジンをかけるたびに満足感を得られるのがチタンマフラーです。AT車でも近接騒音値は75dBに抑えられており、規制が厳しくなっても安心して使える認定品です。高価ですが、約8.5kgの軽量化とチタンならではの見た目は、ほかのパーツでは得にくい魅力です。

購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は、保証です。スポーツリセッティングを行うと、エンジンなどの保証が日産からNISMOの保証(1年または2万km)に変わり、初度登録から5年または6万kmを超えた車は対象外です。購入のタイミングを考えておきましょう。
2つ目は、最低地上高です。チタンマフラーに交換すると最低地上高が約5mm下がります。段差の多い道や、車止めの高い駐車場をよく使う人は注意が必要です。
3つ目は、納期と取扱店です。マフラーは受注生産、リセッティングは2027年1月中旬の出荷開始で、施工できる店舗も限られます。早めに日産の販売店やNISMOパフォーマンスセンターに相談しておくと安心です。
フェアレディZ NISMOパーツに関するよくある質問(FAQ)
Q. スポーツチタンマフラーはいくらですか?
A. メーカー希望小売価格は69万800円(税込)です。受注生産です。
Q. スポーツリセッティング TYPE-1で馬力は上がりますか?
A. 上がりません。スピードリミッターの作動速度だけを変更する仕様です。
Q. スポーツリセッティングはいつから施工できますか?
A. 出荷開始は2027年1月中旬の予定です。NISMO大森ファクトリーとNISMOパフォーマンスセンターで取り扱います。
Q. NISMO以外のフェアレディZでもスポーツリセッティングはできますか?
A. 今回のTYPE-1はZ NISMO MT車専用です。NISMO以外のフェアレディZには、ブースト圧と点火時期を最適化して出力特性を高める「TYPE-2」が用意されています。
Q. マフラーを交換すると車検は大丈夫ですか?
A. 「交換用マフラー事前認証制度」の認定品で、騒音規制フェーズ3にも対応しています。
まとめ:Z NISMO 6MTを楽しみ尽くすための2つの新パーツ
NISMOが発表したフェアレディZ用スポーツチタンマフラーとスポーツリセッティング TYPE-1は、8月のマイナーチェンジで6MTを手に入れたZ NISMOを、もっと楽しむための新商品です。マフラーは軽さと音、将来の規制への対応を、リセッティングはサーキットでの走りを、それぞれ後押ししてくれます。
どちらも保証や地上高などの注意点があるので、内容をよく確認したうえで取扱店に相談しましょう。最新情報が入り次第、随時更新していきます。

