Googleで最新自動車のコンテンツを優先表示


2026年6月18日、イタリアの名門スポーツカーブランド「マセラティ」が、フラッグシップGTカー「グラントゥーリズモ」と、そのオープントップモデル「グランカブリオ」のビッグマイナーチェンジモデルを世界初公開しました。エクステリアデザインの大幅刷新、パワートレインの出力向上、インテリアの近代化と、あらゆる面で進化を遂げた2027年型の全貌を詳しく解説します。
マセラティは今回の改良について、「ラグジュアリーセグメントにおけるポジションを戦略的に強化するため」と説明しています。現行世代のグラントゥーリズモは2023年にフルモデルチェンジを果たし、新世代となったばかりですが、販売面での苦戦が続いていたことも事実です。今回のビッグマイナーチェンジは単なる細部の修正にとどまらず、デザイン、パワー、装備のすべてにおいて実質的な底上げが図られており、マセラティが販売回復に向けて本腰を入れた施策といえるでしょう。また、同日にSUVの「グレカーレ」も同時改良が発表されており、ブランド全体の刷新を一気に推し進めるという強い意志を感じさせます。

今回のビッグマイナーチェンジにおける主な変更点は以下の通りです。デザイン面では、フロントバンパー・グリルの大幅刷新とフルLEDテールライトの新採用、「シャークノーズ」の導入、空力性能を大幅に向上させるエアカーテンやサイドインテークの追加が行われました。パワートレイン面では、上位グレード「トロフェオ」のV6エンジンが従来の550psから590psへ出力アップ、フォルゴーレ(EV)モデルの航続距離が大幅に延長されています。インテリア面では、モータースポーツインスパイアードの新型ステアリングホイール、新デザインのデジタルクロック、立体的なシフトセレクターへの変更、そして「疲労・わき見監視システム」などの安全装備が新たに追加されました。
2027年型の最も大きな見どころのひとつが、大胆に刷新されたエクステリアデザインです。マセラティは2023年のサーキット専用モデル「MCXtrema(エムシーエクストレーマ)」に端を発し、スーパースポーツ「GT2ストラダーレ」や「MCプーラ」を通じて進化してきた"新しいデザイン言語"を、グラントゥーリズモ・グランカブリオにも本格的に導入しました。

フロントエンドは水平基調でシャープかつアグレッシブなイメージへと一新。新しいフロントバンパーとグリルには「シャークノーズ」が新たに採用され、CFD(数値流体力学)シミュレーションを駆使して開発されたエアカーテンやスリット付きサイドインテーク、最適化されたセンタースプリッターにより、フロントのダウンフォースを高めながら空気抵抗を低減しています。ヘッドライトのデザインも刷新されており、精悍さと現代的なエレガンスを両立しています。

リアには、新デザインのフルLEDクリアレンズテールライトが採用され、よりモダンで洗練されたイメージに変貌を遂げました。ホイールについても、スーパースポーツ「MC20チェロ」からインスパイアされたグロスブラック仕上げの新型「Trident」ホイールが選択可能となっており、これを選択すると従来よりホイールトレッドが10mm拡大し、高速安定性やコーナリング性能のさらなる向上にも寄与します。
グレードは3種類が用意されており、中でも最も存在感を放つのがトップグレードの「トロフェオ」です。トロフェオモデルには、よりアグレッシブなフロント・リアバンパー、専用設計の「ペガソ」鍛造ホイール、そして剥き出しのカーボンファイバーパーツが多数採用されており、GTカーでありながらスーパーカー顔負けのオーラを放ちます。

フォルゴーレ(EV)モデルは、専用バンパーやホイール、銅色のバッジ(コッパーバッジ)、そしてイルミネーテッドのサイドエアインテークが与えられており、ガソリン車とは異なる独自の個性を強調しています。ブランド史上初めて、グランカブリオ向けにカスタムプログラム「Fuoriserie(フォーリセリエ)」を選択した場合、ソフトトップ自体の完全なビスポークカスタマイズが可能となった点も特筆すべきポイントです。

ボディカラーは7色が新たに追加され、グリーン・ジュピター・マット、ブルー・デニム、ブロンズ・ルチード、ブロンズ・マット、グリジオ・ミステロ、ロッソ・ベルート、オロ・リリコが選択肢として加わりました。
2027年型グラントゥーリズモのボディサイズは以下の通りです(現行世代からの継続)。
全長×全幅×全高は4,959mm×1,957mm×1,353mm、ホイールベースは2,929mmです。先代モデル(全長4,920mm×全幅1,915mm×全高1,380mm、ホイールベース2,940mm)と比較すると、現行世代では全長・全幅が拡大された一方で全高が低められており、よりスポーティでワイド&ローなフォルムを実現しています。車重はV6モデルで1,795kg、EVモデルでは92.5kWhの大容量バッテリーを搭載するため2,260kgとなります。
インテリアもマイナーチェンジを機に大きく進化しました。最も目を引くのは、モータースポーツから着想を得た新型ステアリングホイールです。上下がフラットな形状(フラットボトム&フラットトップ)のレーシング形状を採用しており、ドライバーの操作性と高揚感を高めます。

ダッシュボード中央のデジタルクロックは八角形へとデザインが刷新され、走行モード変更時には関連情報を表示するなど実用性も兼ね備えています。シフトセレクター(PRND)は、従来のフラットなボタン式から立体的な形状へと変更され、静電容量式タッチセンサーとバックライトが統合されたことでクリック感と視認性が向上しています。さらに、13km/h以下の低速時にパドルシフトを操作するだけでドライブ(D)とリバース(R)を切り替えられる機能が追加され、駐車時の利便性も飛躍的に改善されました。

ディスプレイ構成は、12.2インチのカスタマイズ可能なデジタルメーターパネル、12.3インチのセンターインフォテインメントディスプレイ、8.8インチのコンフォートディスプレイ(センターコンソール下段)の3画面体制を継続しつつ、グラフィックスが刷新されました。ヘッドアップディスプレイも引き続き装備されます。音響面では、Sonus Faber製1,195Wのプレミアムサウンドシステムが引き続き設定されており、イタリアを代表するオーディオブランドとのコラボレーションが上質な音楽体験を提供します。

安全装備面での大きな進化として、新たに「疲労・わき見監視システム」が導入されました。ダッシュボード中央の専用カメラがドライバーの目の開閉状態やスマートフォン閲覧行為をリアルタイムで直接監視し、危険を検知した際には視覚と音声で速やかに警告を発します。現代の安全基準に応えるための重要な追加装備といえるでしょう。

2027年型グラントゥーリズモ・グランカブリオのパワートレインは、大きく3種類が用意されています。
まず、ガソリンモデルのベースグレードには、マセラティが自社で開発しスーパーカー「MC20」で初搭載された「Nettuno(ネットゥーノ)」エンジンが引き続き搭載されます。排気量3.0リッターのV型6気筒ツインターボエンジンで、F1マシンにも用いられる副室燃焼技術「MTC(Maserati Twin Combustion)」とダイレクトインジェクション、ポートインジェクションを組み合わせた独自の燃焼方式を採用。高負荷時には副室(プレチャンバー)を活用することで短時間で完全燃焼を実現し、高出力と日常の使い勝手を高い次元で両立しています。出力は483hp(約490ps)・最大トルク600Nm(61.2kgm)で、グランカブリオで最高速度300km/h、グラントゥーリズモでは302km/hに達します。

上位グレードの「トロフェオ」では、同エンジンがチューンアップされ、最高出力が従来の550psから590ps(582hp)へと大幅に引き上げられ、最大トルクも620Nm(63.2kgm)に向上しています。また、トランスミッションのキャリブレーションも変更が加えられ、シフトアップを意図的に遅らせることで加速の伸びを強調する一方、ブレーキングの強度に応じてシフトダウンを前倒しする緻密な制御が採用されています。これにより、グランカブリオで最高速度316km/h、グラントゥーリズモでは320km/hという驚異的な数値を達成します。0-100km/h加速はグラントゥーリズモで3.3秒、ベースモデルでも3.7秒とされており、実用性を兼ね備えたGTカーとしては卓越した動力性能を誇ります。
全電動モデルの「Folgore(フォルゴーレ)」は、フロントに1基、リアに2基の独立制御式電気モーターを搭載するトリプルモーター&4WD構成を継続。最高出力751hp(約760ps)、最大トルク1,349Nm(137.7kgm)という凄まじいスペックを誇ります。2基のリアモーターによる緻密なトルクベクタリングが理想的なコーナリングを実現するのも大きな特徴です。搭載バッテリーは92.5kWh。今回の改良では、フロントバンパーやシャシーアンダーボディ、リアディフューザーの空力最適化、新しいピレリタイヤの採用、熱管理システムの進化、回生ブレーキ制御の刷新などにより、航続距離が大幅に延伸されました。グランカブリオ・フォルゴーレで508km(従来比約68km増)、グラントゥーリズモ・フォルゴーレで540km(従来比約86km増)と、実用性が大きく向上しています。
また、フォルゴーレには新たに「AWD Disconnect(オールホイールドライブ・ディスコネクト)」システムが標準装備されました。4WD駆動が不要な状況においてわずか0.5秒で前輪のドライブシャフトをハブから物理的に切り離し、完全な後輪駆動へと移行することで、電費(電力消費効率)を最適化します。
足まわりにおいても走行モードの進化が見られます。高さ調整可能なエアスプリングサスペンション仕様(490CV仕様およびフォルゴーレ仕様限定)に、新たに「Countryモード」が設定されました。このモードを選択すると車高が20mm引き上げられ、120km/hまでの速度域で都市部の段差や凹凸路面をよりスムーズにいなすことができます。
スペックをまとめると以下の通りです。
ベースグレード(V6):最高出力490ps、最大トルク600Nm、最高速度302km/h(グラントゥーリズモ)/300km/h(グランカブリオ)。トロフェオ(V6強化版):最高出力590ps、最大トルク620Nm、最高速度320km/h(グラントゥーリズモ)/316km/h(グランカブリオ)。フォルゴーレ(EV):最高出力760ps、最大トルク1,349Nm、最高速度325km/h(グラントゥーリズモ)/290km/h(グランカブリオ)、航続距離540km(グラントゥーリズモ)/508km(グランカブリオ)。
2027年型の日本仕様の価格は現時点では未発表となっていますが、現行2026年型グラントゥーリズモの日本での価格は「グラントゥーリズモ モデナ」が2,444万円、「グラントゥーリズモ トロフェオ」が2,998万円とされています。また、グランカブリオは「グランカブリオ」が2,363万円、「グランカブリオ トロフェオ」が2,915万円です。今回の改良では大幅な価格アップは抑えられる方向が示唆されており、向上した質感とスペックをコストパフォーマンス良く手に入れられる可能性があります。日本仕様の正式価格については、今後マセラティジャパンから公式に発表される予定です。
2027年型マセラティ・グラントゥーリズモ&グランカブリオは、2026年6月18日にワールドプレミアされました。同時に、マセラティは専用の「マセラティ ウェブコンフィギュレーター」も公開しており、あらゆるデバイスからすべての仕様をリアルタイムかつ視覚的に確認・選択できる環境が整備されています。日本市場への導入時期や日本仕様の詳細については、今後の公式発表を待つ必要があります。
2027年型マセラティ・グラントゥーリズモ&グランカブリオは、すでに高い評価を得ていた現行世代をさらに磨き上げ、デザイン・パワー・装備・安全性のすべての面で大きな進化を遂げたモデルです。特にトロフェオグレードの590psという出力は、4人乗りのGTカーとしては圧倒的なスペックであり、官能的なネットゥーノエンジンのサウンドとともに類まれなドライビングエクスペリエンスを提供するでしょう。一方でフォルゴーレは540kmという現実的な航続距離を手に入れ、「EVのGTカー」として長距離ドライブにも十分対応できる実用性を獲得しています。マセラティが「ラグジュアリーGTのアイコン」としての地位をより確固たるものにしようという強い意志が、このビッグマイナーチェンジには凝縮されています。今後の日本市場への導入発表から目が離せません。
マセラッティ
この記事が気に入ったら
フォローしてね!
自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。