2026年8月27日、日産はスポーツクーペ「フェアレディZ」のマイナーチェンジモデルを正式発表・発売しました。2027年モデルとなった新型フェアレディZ(RZ34型)は、伝説的なGノーズをイメージした新フロントバンパーの採用や、待望の「フェアレディZ NISMO 6速MT」の追加など、Zファンにとって見逃せない変更が多数盛り込まれています。価格は573万7,600円〜975万2,600円という設定です。
この記事では、マイナーチェンジの変更点・スペック・グレード別価格を詳しく解説し、「どのグレードが自分に合っているのか」を選びやすくまとめています。

日産 フェアレディZとは?歴史と現行モデルの概要:
日産フェアレディZは1969年に初代S30型が登場した、日本を代表する歴史あるスポーツクーペです。「フェアレディ」というモデル名はミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」に由来し、日産は流麗なボディラインを「美しいお嬢さん」に例えています。「Z」は未知への可能性と夢を表すサブネームとされており、海外では「Z-car(ズィーカー)」の愛称でも広く親しまれてきたモデルです。

現行モデルであるRZ34型は2022年8月に日本で発売されました。2023年8月にはハイパフォーマンスモデル「フェアレディZ NISMO」が追加設定され、2024年11月には一部改良とボディカラーの追加が行われました。そして今回の2026年8月の改良で、2027年モデルとして大幅にブラッシュアップされています。RZ34型としてのビッグマイナーチェンジから数えると4年が経過しており、フロントマスクを刷新する大幅な変更として注目を集めています。
マイナーチェンジの主な変更点まとめ:
今回の改良は、エクステリア・シャシー・パワートレイン・装備と多岐にわたります。

まずエクステリアの最大の変更点は、歴代モデルで名高い「Gノーズ」をオマージュした新造形フロントバンパーの採用です。フロントノーズが30mm延長されたことで、空力性能が大幅に向上しており、フロントリフトを従来モデル比3.3%低減、空気抵抗を1%低減しています。あわせてエンブレムも「NISSAN」ロゴから「Z」ロゴへと変更され、スポーツカーとしてのアイデンティティをより強く打ち出しています。
ボディカラーには、初代S30型のグランプリグリーンをオマージュした新色「ウンリュウグリーン×スーパーブラックルーフ 2トーン」が新設定されました。さらにインテリアカラーには新たに「タンインテリア(スエード調ファブリックコンビシート+シートヒーター付)」が追加されており、ヘリテージ感のある雰囲気が大幅に増しています。アルミホイールのデザインもZ31時代のデザインをイメージした新デザインに刷新されました。
走行性能の面では、ショックアブソーバーが大径化され、受圧面積が26.6%増大したことで減衰力の応答性が向上しています。振動の収束時間は従来型比18%改善されており、コーナリング中に路面の不整があっても姿勢が乱れにくく、より安定した走りが体感できるようになっています。
新型フェアレディZ NISMOの変更点(新たに6速MT設定):
今回のマイナーチェンジで最も話題を集めたのが、「フェアレディZ NISMO」に6速MTが新設定されたことです。これまでNISMOは9速ATのみの設定でしたが、ファンから強い要望があった6速MTがついに選択できるようになりました。マニュアル操作でマシンコントロールをより深く楽しみたいというドライバーにとっては、待望の選択肢となります。

サスペンションも見直され、サーキットなどでの高速コーナリング時の安定感と安心感が向上しています。従来モデルのユーザーから指摘されていた「乗り心地が硬い」という点についても改善が加えられ、日常的な走行でのコンフォート性も高まっています。ブレーキは前後ブレーキローターを2ピースタイプに変更することでバネ下質量が低減されており、より鋭いストッピングパワーを実現しています。
NISMO専用装備として、フロント381mm・リア350mmの大径ローターとレッドブレーキキャリパー、グロスブラック仕上げの軽量RAYS製19インチ鍛造ホイール、NISMO専用チューニングのRECARO製スポーツシートなどが継続して設定されています。9速ATはシフトダウン時間を約50%短縮するなどの改良も加えられています。
エンジン・スペック:
新型フェアレディZに搭載されるエンジンは引き続きV型6気筒3.0Lツインターボ「VR30DDTT」で、スペックは以下の通りです。
標準モデル(Z / Version S / Version T / Version ST):405ps/48.4kgm
フェアレディZ NISMO:420ps/53.0kgm
駆動方式はFR(後輪駆動)で、トランスミッションは全グレードで6速MTまたは9速ATが選択可能(グレードによって異なる)です。燃費はWLTCモードで9速AT車が10.2km/L、6速MT車が9.5km/Lと、前モデルの3.7L自然吸気エンジン(9.2km/L)から改善されています。
ボディサイズは全長4,380mm × 全幅1,845mm × 全高1,315mm、ホイールベース2,550mm、車両重量1,570kgです。
グレード別の価格一覧(2027年モデル・税込):
マイナーチェンジにより全グレードで価格が改定されました。標準グレードは前モデル比で一律239,800円の値上げ、NISMOは400,400円の値上げとなっています。
- フェアレディZ(ベースグレード) 6速MT または 9速AT:5,737,600円
- フェアレディZ Version S 6速MTのみ:6,586,800円
- フェアレディZ Version T 9速ATのみ:6,199,600円
- フェアレディZ Version ST 6速MT または 9速AT:6,999,300円
- フェアレディZ NISMO 6速MT(新設定) または 9速AT:9,752,600円
なお、実際に諸費用やオプションを含めた総支払額の目安は、Version ST(6速MT)で約783万円、NISMO(6速MT)では1,000万円を超える約1,057万円となります(2026年4月以降の自動車税・環境性能割廃止の恩恵もあり、以前より実質的な負担は軽減されています)。
グレード別の特徴と違い:
各グレードの違いを理解することが、自分に合った1台を選ぶうえで最も重要なポイントです。
「フェアレディZ(ベースグレード)」は、ZらしいV6ターボの走りをもっとも手頃な価格で体感できるエントリーグレードです。6速MTと9速ATの両方が選択できるため、ドライビングスタイルに合わせた選択が可能です。Zというクルマの本質的な魅力はこのグレードでも十分に体感できます。
「Version T」は9速AT専用グレードで、快適なオートマチック走行を重視しつつ、スポーティな走りも楽しみたい方向けのモデルです。日常使いの利便性を最優先に考えるなら、こちらが選択肢に挙がります。
「Version S」は6速MT専用グレードで、スポーツ走行を最大限楽しみたいMT派のためのグレードです。ベースグレードよりも走りに特化した装備が充実しており、サーキット走行なども視野に入れるなら検討したい選択肢です。19インチのRAYS製鍛造ホイールが標準装備されるなど、足回りの装備が充実しています。
「Version ST」は6速MTと9速AT両方から選択でき、スポーツ装備と快適装備を高次元で両立した最上位の標準グレードです。走りの質・快適性・装備の充実度すべてにおいてバランスが取れており、「フラッグシップ的な存在感」を求めるなら最適な1台です。
「NISMO」は日産のモータースポーツブランド「NISMO」によるチューンが施された究極のフェアレディZで、エンジン出力はもちろん、エアロパーツ・サスペンション・ブレーキ・シートに至るまで別次元の仕様を誇ります。今回のマイナーチェンジで6速MTが追加されたことにより、よりピュアなスポーツ体験が可能になりました。
おすすめグレードはどれ?ユーザー別に解説:
フェアレディZのグレード選びは、走りへのこだわり・使用シーン・予算の3つを軸に考えると失敗しにくいです。
「コストパフォーマンスを重視したい方」には「フェアレディZ(ベースグレード)」がおすすめです。 573万円台でV6ツインターボ405psを体感できるのは、スポーツカーとして破格のバリューです。6速MTを選べばドライビングの醍醐味も十分に味わえます。
「AT車でスポーツカーを日常的に楽しみたい方」には「Version T(9速AT)」がおすすめです。 渋滞や街乗りが多い環境でも快適に使え、高速道路でのロングツーリングにも向いています。スポーツモードにすればスポーティな走りも楽しめます。
「最もバランスが良く、後悔しないグレードを選びたい方」には「Version ST」が最もおすすめです。 6速MTと9速ATを選択できる柔軟性、走り・快適性・装備の充実度を高いレベルで両立しており、実際の販売現場でも売れ筋グレードとして知られています。今回の見積もりでも注目されているのがこのVersion ST(6速MT)であり、実際の購入検討者の多くが最終的にこのグレードに行き着きます。
「走りを突き詰めたい、特別な一台が欲しい方」には「NISMO(6速MT)」がおすすめです。 価格は975万円台(諸費用込みで約1,057万円)とプレミアムですが、RECARO製スポーツシートや専用エアロ、ブレーキ、サスペンションなどNISMOならではの装備はほかのグレードでは得られない特別な体験を提供します。今回のマイナーチェンジで6速MTが選べるようになったのは大きな進化であり、真のスポーツカーを求めるなら唯一無二の選択肢です。
ボディカラーの選択肢について:
2027年モデルでは、今回新設定された「ウンリュウグリーン×スーパーブラックルーフ 2トーン」が最大の注目カラーです。S30型フェアレディZに設定されていたグランプリグリーンのDNAを受け継いだこのカラーは、Zのヘリテージを強く感じさせる選択肢であり、今回のマイナーチェンジを象徴するカラーとも言えます。2024年11月に追加された「ワンガンブルー」「ミッドナイトパープル」「バイブラントレッド/スーパーブラック 2トーン」「ブリリアントホワイトパール/スーパーブラック 2トーン」も引き続き選択可能です。
まとめ:2027年モデル フェアレディZはこんな人におすすめ:
今回のマイナーチェンジは、単なる一部改良を超えた「走りの質とデザインの両面での大幅進化」と評価できます。Gノーズをオマージュした新フロントバンパーによってビジュアルが一新され、ショックアブソーバーの大径化による乗り心地の改善、そしてNISMO 6速MTの追加という3つの大きな変化が、あらゆるZユーザーの期待に応えています。
価格の値上がりは確かにありますが、2026年4月からの自動車税・環境性能割廃止の恩恵もあり、実質的な負担は軽減されています。505馬力クラスの輸入スポーツカーと比較しても、日本製の純スポーツカーとして高いコストパフォーマンスを誇ります。
初めてZを購入する方にはVersion ST(6速MT)、AT派にはVersion T、限られた予算でZを体験したい方にはベースグレード、そして究極の走りを求める方にはNISMO 6MTが、それぞれ最も満足度の高い選択となるでしょう。フェアレディZのマイナーチェンジを機に、ぜひ一度ディーラーで試乗することをおすすめします。

