2026年5月、レクサスのフラッグシップミニバン「LM」に関する新たな商標「LM400h」が、デンマーク特許商標庁(DKPTO)および世界知的所有権機関(WIPO)へ出願されたことが明らかになりました。さらに日本国内においても、特許情報プラットフォーム(J-PLATPAT)に「LEXUS LM400h」として商標が出願されており(商願2026-051505、審査待ち)、トヨタ自動車株式会社が国内外で同時進行的にこの商標を押さえにかかっていることが確認できます。この動きはいったい何を意味するのか——現行LMのラインナップ構成から、新グレードのパワートレイン予想、そして今後のレクサスHEV戦略への波及まで、詳しく考察していきます。
現行レクサスLMのラインナップ構成
現行モデルの立ち位置を整理する:
レクサスLMは2023年10月に発表・同年12月に発売されたフラッグシップミニバンです。日本市場では、2.4L直列4気筒ターボエンジンとデュアルブーストハイブリッドを組み合わせた「LM500h」を展開しています。一方、中国や欧州市場ではLM500hに加えて、2.5L直列4気筒ダイナミックフォースエンジン+デュアルモーターハイブリッドの「LM350h」もラインナップされています。

このLM350hに搭載されているパワートレインは、トヨタ・アルファード(40系)やヴェルファイアのハイブリッドモデルと共通のシステムであり、システム総出力は247hpとなっています。日本市場ではLM350hが未設定のため、LM500hのみが選べる状況です。今回出願された「LM400h」は、このLM350hとLM500hのあいだに位置する中間グレードとして設定される可能性が高いと見られています。



LM400h商標出願の詳細
国内外で同時進行した商標出願:
今回確認された商標出願の情報は以下の通りです。
デンマーク・WIPO出願の詳細は以下の通りです。
- 出願番号:VA 2026 00795
- 出願日:2026年5月12日
- 商標の種類:図形商標(Figurative)
- 区分:第12類(自動車・輸送機械関連)
- 商標権者:TOYOTA JIDOSHA KABUSHIKI KAISHA(トヨタ自動車株式会社)
- 代理人:Zacco Denmark A/S(デンマーク)
日本国内出願(J-PLATPAT)の詳細は以下の通りです。
- 出願番号:商願2026-051505
- 出願日:2026年5月8日
- 商標(検索用):LEXUS LM400h
- 区分:第12類(自動車・その部品及び付属品)
- 出願人:トヨタ自動車株式会社
- ステータス:係属-出願-審査待ち
国内出願(5月8日)とデンマーク・WIPO出願(5月12日)がほぼ同じタイミングで実施されている点は非常に重要です。これはレクサスが日本を含むグローバル市場での展開を前提にこの商標を確保していることを意味しており、LM400hが日本市場にも投入される可能性を強く示唆しています。
市販化のタイミング予想:
商標出願から実際の市販化まで、通常は概ね2〜3年程度かかる傾向があります。今回の出願が2026年5月であることを踏まえると、LM400hが市場に登場するのは2028年〜2029年頃になると予想されます。レクサスLMは2023年12月の発売から数えてちょうど3年目を迎えるタイミングであり、マイナーチェンジの時期とも自然に重なることから、改良のタイミングで新グレードとして追加される可能性が十分に考えられます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/TR/JP-2026-051505/40/ja
LM400hのパワートレインを予想する
第六世代THSの採用が濃厚:
LM400hに搭載されると予想されるパワートレインは、第六世代THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)です。ベースとなるエンジンは現行LM350hと同じく2.5L直列4気筒ダイナミックフォースエンジンが継続採用されると見られており、変更の核心はモーター出力の大幅な向上にあります。
現行LM350hのシステム総出力は247hpですが、第六世代THSへのアップデートにより、LM400hではシステム総出力270hp〜300hpへの引き上げが期待されています。グレード名が「350h」から「400h」に変わることは、単なる数字の変化ではなく、モーター性能の実質的な刷新を反映したものと理解すべきでしょう。レクサスのネーミング規則において「400h」という数字は、より高いシステム出力・性能水準を持つハイブリッドグレードであることを示します。
駆動方式は4WD(E-Four)のみに絞られる可能性:
もう一つの注目ポイントが駆動方式です。現行LM350hは2WD(前輪駆動)と4WD(E-Four)の両方をラインナップしていますが、LM400hはモーター出力向上を最大限に活かす設計思想から、4WD(E-Four)のみの設定になると推測されます。LM350hとの明確な差別化という商品企画上の観点からも、4WD専用設定は合理的な選択です。なお参考として、新型RAV4でもE-Fourのみの設定が採用されていることが、この予想を裏付けるひとつの根拠となっています。
フラッグシップミニバンとしてのブランドイメージを守るうえでも、よりパフォーマンスと高級感の高いグレードを4WD専用とする方針は自然であり、LM350h(2WD・4WD)とLM400h(4WD専用)という棲み分けが実現すれば、ユーザーの選択肢が整理されてわかりやすいラインナップになると言えます。
LM400hがNXやRXの「400h化」にも影響する
次世代HEV戦略はレクサス全体に波及する:
LM400hの商標出願は、LM単体のグレード追加にとどまらず、レクサス全体のパワートレイン刷新戦略の一環として捉えるべき動きです。すでに北米専売の3列シートSUV「TX」においても「TX400h」の商標が出願されており、RXについても「RX350h」から「RX400h」へのシフトが考えられます。
またビッグマイナーチェンジが近づいているレクサスNXにおいても、ニュルブルクリンクでのテストカーが新型RAV4と共通レイアウトへのプラグ位置変更を示していたことから、第六世代THS搭載の「NX400h」が登場する可能性は十分に高いと言えます。現行NX350hとNX450h+がそれぞれNX400hとNX500h+へ進化するシナリオが現実味を帯びています。
LM400hはいわばこの「400hシリーズ」拡大戦略の象徴的な先頭走者であり、第六世代THSを軸にしたレクサスの電動化ロードマップが着実に進行していることを示す重要なシグナルと位置付けることができます。
まとめ
2026年5月にほぼ同時進行で行われた「LM400h」の国内外商標出願は、レクサスがLM350hの上位グレードとして新型ハイブリッドモデルを計画していることを強く示唆しています。第六世代THSの採用によりシステム総出力270〜300hpを実現し、4WD(E-Four)専用設定で現行LM350hとの差別化を図ると予想されるこのモデルは、2028〜2029年頃の市販化が見込まれます。LM発売から3年目というマイナーチェンジのタイミングとも重なるこの商標出願は、レクサスが描く「400h時代」への移行を告げる布石と言えるでしょう。今後の公式発表に引き続き注目です。

