MENU

【2027年ダカール参戦】トヨタ 新型 DKR GR FC ハイラックス公開!水素FCEVのスペック・市販化を徹底解説

本ページにはプロモーションや広告が含まれています。
トヨタ DKR GR FC Hilux とドライバーのダニア・アキール選手

Googleで最新自動車情報のコンテンツを優先表示

Google 優先ソース

トヨタ(GAZOO Racing)は2026年10月21日、2027年のダカールラリーに参戦する水素燃料電池車(FCEV)「DKR GR FC Hilux」の車両製作が完了し、競技デビューに向けた走行テストを始めたと発表しました。ドライバーにはサウジアラビア出身のダニア・アキール選手が起用されます。

この車は、ダカールラリーのトップカテゴリーで実績を残してきた競技車「DKR GR Hilux」をベースに、ガソリンエンジンをトヨタの燃料電池システムに置き換えた試作車です。2026年7月に参戦が予告されていましたが、今回は主要諸元とドライバーが初めて明らかになりました。トヨタにとって、水素を燃料とする燃料電池車で本格的なモータースポーツ競技に挑むのは今回が初めてです。

市販車の新型ハイラックスは2026年5月に日本で発売されたばかりで、海外ではFCEVモデルの投入も予告されています。ラリーで鍛えた燃料電池技術が、将来の市販車にどうつながるのかにも注目が集まります。

この記事では、DKR GR FC Hiluxのスペック、参戦カテゴリーの仕組み、ドライバー、市販ハイラックスとの違い、FCEVモデルの今後まで、わかりやすくまとめました。

トヨタ DKR GR FC Hilux のテスト走行(フロント)
画像:トヨタ自動車
あわせて読みたい
トヨタ ハイラックス マイナーチェンジ(9代目)完全解説 2026年日本発売・FCEV 2028年市場投入予定まで... トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」が、9代目へとフルモデルチェンジを果たし、2026年5月28日に日本国内での販売を正式に開始しました。 前モデルから約10年...
目次

そもそも新型 DKR GR FC Hiluxとは?

DKR GR FC Hiluxは、GAZOO Racingが2027年のダカールラリーに投入する、水素で走る燃料電池車の競技用プロトタイプです。名前の「FC」はFuel Cell(燃料電池)を意味し、ベースとなった「DKR GR Hilux」の燃料電池版という位置づけになります。

燃料電池車は、タンクに積んだ水素と空気中の酸素を燃料電池スタックで反応させて電気をつくり、その電気でモーターを回して走ります。走行中にテールパイプからCO₂を出さず、排出されるのは水だけです。トヨタは乗用車の「MIRAI」で燃料電池車を市販していますが、砂丘や岩場を高速で走り続けるラリーレイドで使うのは初めての試みです。

開発は短期間に集中して行われ、ベルギー・ブリュッセル近郊にあるトヨタの欧州R&Dセンター、TOYOTA GAZOO Racing W2RCチームを運営するOverdrive Racing、ドイツ・ケルンのTOYOTA RACING GmbH、そしてトヨタ自動車が協力しました。オフィシャルスポンサーはJameel Motorsportで、デンソー、TOYO TIRE、IAV社がパートナーとして支援します。

【特徴まとめ】新型 DKR GR FC Hiluxはここがすごい

今回の発表で明らかになったポイントは、主に以下の4点です。

  • 燃料電池スタック2基:2基を1つのシステムとして組み合わせたツインスタックで、システム出力は400kW
  • MIRAIと同じ水素タンク:高圧水素タンクを4本搭載し、水素を合計8.4kg積む
  • 実績ある車体を活用:DKR GR Hiluxのチューブラーフレーム、セーフティセル、サスペンション、ブレーキを流用
  • 新しい素材と冷却:一部のカーボン部品を天然繊維パネルに置き換え、新しい高電圧冷却システムを採用

① 燃料電池スタック2基で400kWを発生

最大の特徴は、燃料電池スタックを2基搭載し、それを1つの高出力ユニットとして使う「ツインスタック」構成です。システム出力は400kWと発表されています。制御にはIAV社の「Dragoon」ECUを使い、駆動には専用のeアクスル(モーターと減速機などを一体にした駆動ユニット)を組み合わせます。

燃料電池は、発電するときに熱が出るため、冷却が大きな課題になります。気温が高く、全開で走る時間が長いダカールラリーでは特に厳しい条件です。トヨタが7月の参戦予告で「燃料電池の小型化」「冷却の改善」「耐久性の向上」を開発の重点に挙げていたのは、このためです。

② MIRAI用の高圧水素タンクを4本搭載

水素の貯蔵には、市販車MIRAIと同じ高圧水素タンクを採用しました。タンクは4本で、搭載できる水素は合計8.4kgです。市販車の部品をそのまま過酷な競技で使うことで、量産部品がどこまで耐えられるのかを確かめる狙いもあります。

③ DKR GR Hiluxの車体をベースに開発

シャシーは、DKR GR Hiluxと同じプラットフォームを使います。鋼管を組み合わせたチューブラーフレームに、乗員を守るセーフティセル、ダブルウィッシュボーン式サスペンション(ストローク350mm)、ブレーキまでを受け継ぎ、パワートレインだけを燃料電池システムに置き換えた形です。実績のある車体を使うことで、新しい技術の検証に集中できます。

トヨタ DKR GR FC Hilux の走行シーン(サイド)
画像:トヨタ自動車

④ 天然繊維パネルと新しい高電圧冷却システム

ボディはカーボンファイバー製ですが、一部の部品を天然繊維のパネルに置き換えています。また、燃料電池やモーターまわりの熱を逃がすため、新しい高電圧冷却システムを導入しました。タイヤはTOYO TIREの「OPEN COUNTRY M/T-R」を装着します。


新型 DKR GR FC Hiluxのパワートレインとスペック

トヨタが公表した主要諸元は以下のとおりです。

項目DKR GR FC Hilux
シャシーチューブラーフレーム
ボディカーボンファイバーおよび天然繊維
パワートレイン燃料電池スタック2基(ツインスタック)、IAV ECUによる制御
システム出力400kW
燃料圧縮水素ガス
燃料搭載量MIRAI用高圧水素タンク4本(合計8.4kg)
冷却高電圧システム
サスペンションダブルウィッシュボーン、ストローク350mm
車両総重量2,500kg未満
タイヤOPEN COUNTRY M/T-R

最高速度、航続距離、水素1回の充填で走れる距離、モーターの最大トルクなどは公表されていません。

新型 DKR GR FC Hiluxのボディサイズ

ボディサイズは全長4,500mm×全幅2,300mm×全高2,100mmです。日本で販売されている市販車の新型ハイラックス(全長5,325mm×全幅1,885mm×全高1,865mm)と比べてみましょう。

項目DKR GR FC Hilux市販車 新型ハイラックス(日本仕様)
全長4,500mm5,325mm
全幅2,300mm1,885mm
全高2,100mm1,865mm
パワートレイン燃料電池(水素)2.8Lディーゼル(1GD-FTV)

全長は市販車より825mm短い一方、全幅は415mm広く、全高も235mm高くなっています。荷台をもつピックアップトラックの市販車に対し、競技車は前後のオーバーハングを切り詰め、太いタイヤと長いストロークのサスペンションを収めるために幅を大きく広げた形です。名前は同じハイラックスでも、中身はまったく別の競技専用車と考えてよいでしょう。


新型 DKR GR FC Hiluxが挑む「Dakar Future Mission 1000」とは?

2027年のダカールラリーは、2027年1月1日から1月15日までサウジアラビアで開かれ、キング・アブドラ・エコノミック・シティがスタートとゴールになります。砂丘、岩の多い未舗装路、乾いた川床などを高速で走り抜ける、世界で最も過酷といわれるラリーです。

DKR GR FC Hiluxが参戦するのは、総合優勝を争うクラスではなく、新しい技術を使った実験車両のためのカテゴリー「Dakar Future Mission 1000」です。ドライバーとナビゲーターは10ステージ、合計1,000kmの競技区間でタイムを競います。トヨタは、ここで燃料電池技術の性能、安全性、信頼性を実証することを目標にしています。

このカテゴリーでは、トヨタも参加する水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE)が、水素エンジンを積んだバギー「HySE-X1」で2024年に完走し、2025年には進化型の「HySE-X2」も完走しています。水素エンジンではなく燃料電池で挑むのは、トヨタのモータースポーツ活動として初めてです。

新型 DKR GR FC Hiluxのドライバーはダニア・アキール選手

トヨタ DKR GR FC Hilux とダニア・アキール選手
画像:トヨタ自動車

テストと本番のドライバーを務めるのは、サウジアラビア出身のダニア・アキール選手です。2021年にラリーレイドでのキャリアを始め、初出場のダカールラリーではT3クラスでトップ10入りを果たしました。2025年にはチャレンジャーカテゴリーでダカールラリーのステージ優勝を挙げています。

その後もW2RC(世界ラリーレイド選手権)の2025年・2026年シーズンで複数のステージ優勝を重ね、W2RCアブダビ・デザート・チャレンジではチャレンジャークラスで優勝しました。2024年と2025年には、Overdrive Racingがエントリーしたトヨタ・ハイラックスでFIA中東バハカップを2度制しており、ハイラックスとチームをよく知るドライバーです。

アキール選手は、新しい技術が形になる過程を運転席から見られることを光栄に感じていると話し、さまざまな地形で状況の変化に対応するラリーレイドは、新しい車両の信頼性と耐久性を試すのに最適だとコメントしています。


トヨタの水素モータースポーツの歩みをおさらい

DKR GR FC Hiluxは、トヨタが続けてきた水素モータースポーツの延長線上にあります。公式発表をもとに、これまでの主な取り組みを振り返ります。

2021年:水素エンジンのカローラでスーパー耐久に参戦

Rookie Racingが水素エンジンを積んだ「ORC ROOKIE Corolla H2 Concept」でスーパー耐久シリーズに参戦したのが始まりです。

2022年〜2026年:ラリーで水素エンジン車をデモ走行

2022年に「GR YARIS H2」がWRCのイープル・ラリー・ベルギーでデモ走行を行い、「GR Yaris Rally2 H2 Concept」は2025年のラリー・フィンランドと2026年のラリー・モンテカルロで走行を披露しました。

2026年:液体水素のル・マン試作車と超電導技術

2026年のル・マン24時間レースでは、液体水素エンジンを積んだ「TR LH2 Racing Prototype」がデモ走行を行いました。同じ年のスーパー耐久では、超電導技術を搭載した水素エンジンのGRカローラが完走しています。

これまでの取り組みの多くが「水素を燃やすエンジン」だったのに対し、DKR GR FC Hiluxは「水素で発電してモーターで走る」燃料電池車です。トヨタが掲げる、さまざまな動力を並行して開発するマルチパスウェイの考え方を、モータースポーツでも形にした1台といえます。

新型 DKR GR FC Hiluxと市販ハイラックスFCEVの関係は?

トヨタは2025年11月に9代目となる新型ハイラックスを世界初披露した際、ディーゼルモデルとBEVモデルに加えてFCEVモデルの開発を進め、欧州とオセアニアに2028年以降に投入する予定だと発表しています。

トヨタは、ダカールラリーで得た知見を、乗用車、トラック、バス、列車、船舶、レース車両、定置用発電機など、幅広い燃料電池の用途に生かすとしています。DKR GR FC Hiluxは市販FCEVの試作車そのものではありませんが、燃料電池の小型化、冷却、耐久性、エネルギーマネジメントといった課題は共通しており、厳しい環境でのデータが今後の開発に役立つと考えられます。

なお、日本で2026年5月28日に発売された新型ハイラックスは2.8Lディーゼル(1GD-FTV)のみで、価格はZが498万800円、Z“Adventure”が550万円(いずれも税込)です。日本へのFCEVモデルの導入は発表されていません。

新型 DKR GR FC Hiluxのデビューはいつ?

競技デビューは、2027年1月1日に始まるダカールラリーです。車両はすでに完成しており、現在は本番に向けた走行テストが進められています。

注目したい3つのポイント

1つ目は、1,000kmを走り切れるかどうかです。Dakar Future Mission 1000は順位よりも新技術の実証が目的のカテゴリーなので、まずは10ステージを完走できるかが最大の注目点になります。

2つ目は、熱への対策です。砂漠の高い気温の中で、400kWの燃料電池システムをどれだけ安定して冷やせるかは、市販車の開発にも直結するテーマです。

3つ目は、水素の補給と運用です。車載できる水素は8.4kgで、競技の中でどのように水素を扱うのかも、燃料電池車の実用性を考えるうえで参考になります。補給の方法などは、今のところ公表されていません。


新型 DKR GR FC Hiluxに関するよくある質問(FAQ)

Q. DKR GR FC Hiluxはどんな車ですか?
A. 2027年ダカールラリーに参戦するための、水素燃料電池車(FCEV)の競技用試作車です。DKR GR Hiluxのガソリンエンジンを燃料電池システムに置き換えています。

Q. 出力はどれくらいですか?
A. 燃料電池スタック2基を組み合わせたシステムで、システム出力は400kWです。

Q. 水素はどれだけ積めますか?
A. MIRAIと同じ高圧水素タンクを4本搭載し、合計8.4kgです。

Q. ドライバーは誰ですか?
A. サウジアラビア出身のダニア・アキール選手です。テストと本番の両方を担当します。

Q. この車は買えますか?
A. 競技用の試作車で、販売は発表されていません。市販車のハイラックスでは、FCEVモデルを欧州とオセアニアに2028年以降に投入する予定と発表されています。

DKR GR FC Hilux をドライブするダニア・アキール選手
画像:トヨタ自動車

まとめ:新型 DKR GR FC Hiluxは市販FCEVにつながる「走る実験室」

DKR GR FC Hiluxは、燃料電池スタック2基で400kWを発生し、MIRAI用の水素タンク4本を積んだ、トヨタ初の本格的な燃料電池車の競技車両です。実績あるDKR GR Hiluxの車体を使い、2027年1月のダカールラリー「Dakar Future Mission 1000」で、10ステージ・1,000kmの完走と技術の実証を目指します。

市販のハイラックスには2028年以降にFCEVモデルが欧州とオセアニアで加わる予定で、砂漠で得られるデータは今後の燃料電池車の開発に生かされます。日本で買えるハイラックスは今のところディーゼルのみですが、トヨタの水素への挑戦がどこまで進むのか、2027年1月の本番に注目です。

最新情報が入り次第、随時更新していきます。

参考ページ

Googleで最新自動車情報のコンテンツを優先表示

Google 優先ソース
トヨタ DKR GR FC Hilux とドライバーのダニア・アキール選手

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

最新自動車情報 編集部 サイト運営11年目となりました。車(クルマ)に関する記事は6000本以上書いてきました。新車・中古車、各メーカー、日本車から外車まで幅広い情報を紹介致します。フォローお願い致します。

目次