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ヤマハ 「YZFーR1」型式指定申請における2つの認証試験で不適切事案

YZF-R1

ヤマハ発動機は、国土交通省からの型式指定申請における不正行為の有無等について調査指示を受け、社内の実態調査を行いました。その結果、2つの認証試験において不適切事案が判明しましたので、その内容および今後の対応について、2024年5月31日、国土交通省にご報告しました。

目次

騒音試験:不適切な条件によるコンディショニング(試験準備調整)

騒音試験にあたっては、グラスウール製吸音材を使用した消音器(マフラー)を通常路上で使用する状態にするコンディショニング(試験準備調整)を行うところ、認証試験担当者は、コンディショニングの過程で、熱によって試験器具が溶損する事態が生じたため、規定とは異なるエンジン出力にて、コンディショニングを行っておりました。認証試験担当者は、グラスウール製吸音材の耐久劣化状態に影響を与えず、排気圧力・持続時間・試験サイクル数等の試験条件を満たす範囲であれば、試験機器の溶損を避けるためにエンジン出力を変更することは問題ないと誤った判断をしたものです。なお、不適切な条件で実施した対象現行車種について、全て規定どおりの条件で再試験を行ったところ、いずれも基準に適合していることを確認いたしました。対象の製品については、現在出荷を停止しています。

関係当局に再試験の試験成績書の提出・相談を行ったうえで、必要な対応を行ってまいります。また、出荷を停止している対象の車両および過去に出荷済みの車両に関して、実際の使用に支障を生じさせる事案は確認されておりません。

対象車両

対象となる車両は以下のとおりです。

大型バイク「YZFーR1」(2020年8月20日~発売中)

過去に生産していた

「YZFーR3」(2015年4月20日~2017年7月、2018年1月20日~2018年9月)

「TMAX」(2017年4月7日~2019年9月、2020年5月8日~2021年10月)

原因

騒音試験:不適切な条件によるコンディショニング(試験準備調整)

  • コンディショニングの条件を一部変更しても技術的にグラスウール製吸音材の飛散への影響が無ければ法令上も問題無いという、誤った法令の理解をしておりました。
  • 認証試験において、試験結果への影響だけでなく、試験プロセスも含めた遵法性が重要であることの認識が不足しておりました。
  • 試験プロセスの遵法性を担保するための方法や、プロセスごとの責任所在に不明確な部分があったため、適切な確認が行われず、試験実施部門の誤った判断を発見できておりませんでした。

警音器の音圧試験:型式申請時、試験を実施した車両以外の車台番号を申請書類に記載

認証申請にかかわる法令やルールについて、社内展開が正確にできておりませんでした。その結果、申請方法のルールについて十分に理解をしないまま誤った申請を行っていました。

再発防止策

二度とこのような事態を引き起こすことがないよう、以下の再発防止を徹底いたします。

  • 試験規程において認証業務と開発業務を明確に区別する。
  • 認証業務の遵法性の担保と維持のために、試験プロセスの重要性と留意事項等を継続的に教育する。
  • 認証部門を明確に責任部署と定めて、試験プロセスの遵法性を担保する。
  • 認証業務および開発業務において管理すべき項目について、抜け漏れなく記録を残す仕組みづくりをした上で、社内記録と申請書類の整合性およびその遵法性を確認する。
  • 申請書類と社内報告書の部内確認を行う仕組みを作り、形式的な単純照合作業とならないように作成者と承認者が相互に牽制を効かせた実効性のあるチェックを行う。
  • 認証試験用車両のコンディショニングについて、社内の法令解釈を明確にした上で規定化して周知する。
  • 法令等によって求められる認証申請に必要な手順について、抜け漏れなく社内規定に展開する仕組みを構築する。

このたびの不適切事案につきましては、重大に受け止め深く反省しております。お客さま、お取引先さま、その他の関係者をはじめ、当社を取り巻くステークホルダーの皆さまの信頼を損なうこととなり、心よりお詫び申し上げます。なお、このたびの不適切事案の報告に伴い、現在出荷を停止している対象の車両および過去に出荷済みの車両に関しては、再試験の上、実際の使用に支障は生じないことを確認済みです。

ヤマハ ニュースリリース

https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2024/0603/corporate.html

YZF-R1

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この記事を書いた人

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