スバルの人気クロスオーバーSUV「フォレスター」はフルモデルチェンジを行い、2025年4月17日に発売しました。骨太で存在感のあるデザインへの刷新、そして多くのユーザーが待ち望んだ「ストロングハイブリッド」の搭載。その進化は、まさに革命的とも言える内容で、長年のスバルファンはもちろん、上質で高性能なSUVを求める多くのユーザーから熱い視線が注がれています。
しかし、華々しいデビューの裏で、購入を検討する方々の胸には様々な疑問や不安が渦巻いていることでしょう。「新しいデザインは魅力的だけど、実際の使い勝手はどうなのか?」「ターボとハイブリッド、自分にはどちらが合っている?」「グレードごとの違いが複雑で、最適な選択がわからない」「ネットのレビューでは語られない、購入前に知るべき注意点や“残念な点”はないのだろうか?」
本記事は、実際に新型フォレスターを購入した友人の経験を元に、その全貌を徹底的に解剖します。
価格やグレード構成、注目の新装備といった基本的な情報はもちろんのこと、本記事の核心である購入を決断する前に必ずチェックすべき「8つの注意点」、そしてユーザーによっては「残念」と感じてしまうかもしれない細かなポイントまで、どこよりも深く、そして分かりやすく解説していきます。
この記事を最後までお読みいただければ、新型フォレスターがあなたにとって本当に「買い」なのか、そしてどのグレードがあなたのライフスタイルに完璧にフィットするのか、その答えがきっと見つかるはずです。後悔しないクルマ選びのために、ぜひ最後までお付き合いください。
【最重要】購入前に必ずチェック!8つの注意点と「残念な点」
ここまで新型フォレスターの魅力を余すところなくお伝えしてきましたが、完璧なクルマというものは存在しません。購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、ここでは良い面ばかりでなく、購入前に必ず知っておくべき8つの注意点、そして人によっては「残念」と感じるであろうポイントを、包み隠さず解説します。
注意点1:グレードによってパワートレインが固定されている
これは新型フォレスターのグレード選びにおける最大の制約です。
- 1.8Lターボが欲しい場合 → 「SPORT」グレードしか選べない
- 2.5Lハイブリッドが欲しい場合 → 「X-BREAK」か「Premium」しか選べない
例えば、「X-BREAKのアクティブなデザインは好きだけど、走りはパワフルなターボが良い」という希望や、「Premiumの上質な内装は魅力的だけど、シンプルなターボエンジンで十分」といったニーズには応えられません。デザイン、装備、そしてパワートレインが密接にリンクしているため、何かを優先すれば何かを諦めなければならない場面が出てきます。これは、購入検討の初期段階で理解しておくべき最も重要なポイントです。
新型 フォレスター 2025年 日本モデル 価格 グレード
モデル | エンジン | トランスミッション | 駆動方式 | 価格 (10%) |
---|---|---|---|---|
SPORT | 1.8L DOHC 直噴 ターボエンジン “DIT” | リニアトロニック | AWD | 4,048,000円 |
X-BREAK S:HEV | 2.0L水平対向 4気筒 DOHC 直噴 +モーター | 電気式 無段変速機 | 4,202,000円 | |
X-BREAK EX S:HEV | 4,477,000円 | |||
Premium S:HEV | 4,488,000円 | |||
Premium EX S:HEV | 4,598,000円 |
注意点2:シートベンチレーションと19インチホイールは「Premium」のみ
夏の快適ドライブの切り札「シートベンチレーション」と、引き締まった足元を演出する「19インチアルミホイール」。この2つの魅力的な装備は、最上位グレードである「Premium S:HEV / Premium S:HEV EX」でしか選択することができません。
特にシートベンチレーションは、本革シートとのセットオプションとなるため、必然的に価格も上がります。「SPORT」や「X-BREAK」のデザインが気に入っていても、この快適装備が欲しければグレードの変更を余儀なくされます。自身の装備に対する優先順位を明確にしておく必要があるでしょう。
注意点3:SPORTのアイサイトX非搭載グレードのみ液晶メーターが付かない
先進性の象徴とも言える「12.3インチフル液晶メーター」。しかし、これは全グレード標準ではありません。「SPORT」グレードにおいて、高度運転支援システム「アイサイトX」を装着しない標準モデル(SPORT)を選ぶと、メーターが従来のアナログメーター(中央に4.2インチのインフォメーションディスプレイ付き)になります。
前述の通り、アイサイトXとの価格差は約14.6万円。高速道路を多用するユーザーであれば迷わずEXを選ぶべきですが、そうでないユーザーにとっては、コストを抑えるか、先進的なメーターを取るかの悩ましい選択を迫られることになります。
注意点4:X-BREAKにはワイヤレス充電と1500W外部給電が装備不可
これは、アウトドア派にとって最も「残念」なポイントかもしれません。アウトドア仕様を謳う「X-BREAK」グレードには、スマートフォン用のワイヤレス充電器と、AC100V・1500Wのアクセサリーコンセント(外部給電機能)が、オプションでも装備することができません。
ワイヤレス充電は利便性の問題ですが、アクセサリーコンセントは重大です。「アウトドアに使えそうなX-BREAKなのに、キャンプなどで役に立つ外部給電が使えないのは結構痛い」と指摘しています。キャンプで調理家電を使ったり、災害時に非常用電源として活用したりといった、ハイブリッド車ならではの大きなメリットを享受できないのです。この機能が必須な場合は、「Premium」グレードを選ぶ必要があります。撥水仕様の内装を取るか、外部給電機能を取るか、非常に悩ましいトレードオフと言えます。
注意点5:パワーウィンドウのAUTO機能は前席のみ
これも細かな点ですが、日常の使い勝手に影響するポイントです。運転席や助手席のパワーウィンドウは、スイッチを一度操作するだけで全開・全閉が可能な「AUTO機能」が付いていますが、後部座席のパワーウィンドウにはこの機能がありません。
後席に人を乗せる機会が多いユーザーにとっては、少し不便に感じるかもしれません。同価格帯のライバル車では全席AUTO機能付きも増えている中、コストダウンの影響が伺える少し残念なポイントです。
注意点6:フロントの近接センサーが無い
新型フォレスターには、車両の前後左右に4つのカメラを搭載し、上空から見下ろしたような映像で駐車を支援する「360度アラウンドビューモニター(デジタルマルチビューモニター)」が装備されています。しかし、物理的なフロントバンパーのコーナー部分に、障害物との接近を音で知らせる「近接センサー(クリアランスソナー)」がありません。(リアには装備されています)
カメラ映像があれば十分という考え方もありますが、雨天時や夜間などカメラ映像が見づらい状況や、目視と音で二重に確認したい慎重なドライバーにとっては、不安要素となる可能性があります。
注意点7:デイライトはディーラーオプション
日中の被視認性を高め、安全性を向上させる「デイライト(デイタイムランニングランプ)」。近年の欧州車や国産車では標準装備化が進んでいますが、新型フォレスターでは標準装備されておらず、ディーラーオプションでの後付けとなります。
ヘッドランプのデザインと一体化して美しく点灯するため装着したいと考えるユーザーは多いと思われますが、追加の費用が発生する点は留意しておく必要があります。
注意点8:S:HEVでも環境性能割と重量税がかかる(軽減措置あり)
「ハイブリッド車=税金が免除(免税)」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、注意が必要です。新型フォレスターの2.5Lストロングハイブリッド(S:HEV)は、燃費基準の達成度により、購入時にかかる「環境性能割」と、車検ごとに発生する「自動車重量税」が免税にはなりません。
ただし、基準に応じた軽減措置(エコカー減税)は適用されるため、ガソリン車よりは優遇されます。購入時の諸費用を計算する際には、免税ではないことを念頭に置き、ディーラーで正確な金額を確認するようにしましょう。
新型フォレスターの全体像:コンセプトとデザインの進化
6代目となる新型フォレスターは、これまでのモデルが築き上げてきた信頼と実績を継承しつつ、新時代のニーズに応えるべく大胆な進化を遂げました。そのコンセプトの核心に迫ります。
デザインの刷新
特に注目されるのが、エクステリアデザインの大幅な変更です。フロントマスクは大型のヘキサゴングリルと、シャープなLEDヘッドランプが一体化したようなデザインとなり、より力強く、モダンな印象を与えます。リアもまた、左右のコンビネーションランプを繋ぐガーニッシュが特徴的で、ワイド感を強調しています。
サイズはほぼ不変!扱いやすさと室内の広さを両立
デザインは大きく変わったものの、実はボディサイズは先代モデルからほとんど変わっていません。具体的な数値は「全長 +15mm 、全幅 +15mm 、全高±0mm」という、ごくわずかな拡大に留まっています。
これは、フォレスターが長年支持されてきた理由の一つである「日本の道路環境に最適な、コンパクトで扱いやすい外寸と、見た目からは想像できないほど広い室内空間」という美点を、新型でも一切損なわないというスバルの強い意志の表れです。最小回転半径も維持されており、街中での取り回しや駐車のしやすさは健在。それでいて、後席の居住性や広大なラゲッジスペースといったファミリーユースやアウトドアシーンでの実用性も、これまで通り高いレベルで確保されています。
項目 | 先代フォレスター (SK型 e-BOXER) | 新型フォレスター (6代目 次世代e-BOXER) | 先代との差 |
---|---|---|---|
全長 | 4625mm | 4,655mm | +30mm |
全幅 | 1,815mm | 1,830mm | +15mm |
全高 | 1,715-1,730mm | 1,730mm | ほぼ同じ |
ホイールベース | 2,670mm | 2,670mm | - |
エンジン | 2.0L水平対向4気筒 + モーター | 2.5L水平対向4気筒 + モーター (次世代e-BOXER) | ストロングHV化 |
エンジン最高出力 | 107kW(145PS)/6000rpm | 118kW(160PS)/5600rpm | +11kW(+15PS) |
エンジン最大トルク | 188Nm/4000rpm | 209Nm/4000-4400rpm | +21Nm |
モーター最高出力 | 10kW(13.6PS) | 88kW(119.6PS) | +78kW(+106PS) |
モーター最大トルク | 65Nm | 270Nm | +205Nm |
駆動方式 | AWD | AWD | - |
燃料タンク容量 | 48L | 63L | +15L |
使用燃料 | レギュラー | レギュラー | - |
WLTCモード燃費 | 14.0km/L | 18.4-18.8km/L | +4.4~4.8km/L |
トランスミッション | CVT (リニアトロニック) | CVT (リニアトロニック) | - |
タイヤサイズ(例) | 225/60R17, 225/55R18 | 225/55R18,235/50R19 | 18インチから |
車両重量 (例) | 1,620-1,640kg | 1640-1750kg | ストロングハイブリッド車は重くなっている |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m | - |
最低地上高 | 220mm | 220mm | - |
アプローチアングル | 20.1-20.2° | (未発表) | - |
ランプブレークオーバーアングル | 21.0-21.5° | (未発表) | - |
ディパーチャーアングル | 25.8-26.5° | (未発表) | - |
ラゲッジスペース容量 | 509L-520L (VDA法) | 484L-512L(VDA法) | - |
乗員定員 | 5名 | 5名 | - |
価格 | 約306.9万円~385万円 | 404.8万円~459.8万円 | 最新の装備を採用したことで、価格は前モデルよりもアップ |
ターゲット層は「すべての人」へ
新型フォレスターは商品力に今までになく素晴らしいです。その理由は、快適装備、運転支援、安全装備のすべてが極めて高いレベルでバランスされているからに他なりません。
これまでのスバル車は、走行性能や安全性はピカイチである一方、快適装備の面でライバルに一歩譲る部分が見受けられました。しかし、新型フォレスターは、後述するシートベンチレーションや最新のデジタル機器など、ユーザーが望むほぼすべての機能を網羅。「本当に万人にオススメできる一台」へと昇華したのです。アクティブな趣味を持つ若者から、家族での利用を考えるファミリー層、そして上質な走りと快適性を求めるシニア層まで、あらゆるライフステージのユーザーに自信を持って推薦できる、それが新しいフォレスターの姿です。
納車時期
2025年4月に正式にフルモデルチェンジされた新型フォレスター。注目度の高さから、発売と同時に注文が殺到しました。
パワートレイン徹底比較!「1.8Lターボ」vs「2.5Lストロングハイブリッド」
新型フォレスターの最大のトピックの一つが、パワートレインの選択肢です。伝統のターボエンジンと、待望のストロングハイブリッド。あなたのカーライフに最適なのはどちらでしょうか。
1.8L DOHC 直噴ターボ “DIT”
- 最高出力: 130kW〔177ps〕/ 5,200-5,600rpm
- 最大トルク: 300N·m〔30.6kgf·m〕/ 1,600-3,600rpm
- 燃費 (WLTCモード): 13.6km/L
レヴォーグやクロストレック(海外仕様)、レガシィ アウトバックにも搭載され、高い評価を得ている1.8Lターボエンジン。いわゆる「モーターなしのターボがついているハイパワーエンジン」であり、その魅力は「単純な加速の速さ」と「力強さ」にあります。
わずか1,600rpmという低回転域から300N·mもの分厚いトルクを発生させるため、アクセルを踏み込んだ瞬間から力強い加速感を味わうことができます。高速道路での合流や追い越し、山道の上り坂など、パワーが求められるシーンでその真価を発揮します。純粋なドライビングプレジャーを追求するユーザーには、こちらが魅力的な選択肢となるでしょう。
2.5L ストロングハイブリッド (e-BOXER)
- エンジン:
- 最高出力: 118kW〔160ps〕/ 5,600rpm
- 最大トルク: 209N·m〔21.3kgf·m〕/ 4,000rpm
- モーター:
- 最高出力: 88kW〔119.6ps〕
- 最大トルク: 270N·m〔27.5kgf·m〕
- 燃費 (WLTCモード): 18.8km/L (18インチ) 〜 18.4km/L (19インチ)
- 駆動用バッテリー: リチウムイオン電池 (総電力量 1.1kWh)
こちらは、新型フォレスターのもう一つの主役、スバル待望のストロングハイブリッドシステムです。新型クロストレックに続き、トヨタのハイブリッドシステム(THS II)の知見を活かして開発されたこのシステムは、これまでの「e-BOXER(マイルドハイブリッド)」とは一線を画す性能を誇ります。
特筆すべきはその燃費性能です。車重がより重いフォレスターでありながら、先行して搭載されたクロストレックと比較しても「燃費性能はほとんど悪化していない」点は驚異的です。
しかし、このハイブリッドの真の価値は、燃費の数値だけでは測れません。「街中でのストップ&GOが続くようなシーンではこのハイブリッドの静粛性が際立って」おり、モーターのみで走行するEV走行領域が大幅に拡大されています。信号待ちからのスムーズな発進、住宅街での静かな走行など、日常使いでの快適性はターボモデルを凌駕します。「エンジンを回さずに走ってる時間が長ければ長いほど燃費には効いてきます」、市街地走行がメインのユーザーにとっては、静粛性と経済性の両面で大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。
そして特筆すべきは燃費性能です。WLTCモード燃費は18.4km/L~18.8km/L(プロトタイプ社内測定値)と、先代e-BOXERモデルの14.0km/Lから約30%以上向上しています。燃料タンク容量も先代の48Lから63Lへと大幅に拡大されており、航続距離の延伸にも貢献します。
駆動方式とトランスミッション
駆動方式は、スバルの代名詞であるシンメトリカルAWDが全グレードで標準装備。トランスミッションは、リニアトロニック(CVT)が組み合わされます。これにより、あらゆる路面状況で高い安定性と走破性を発揮し、ドライバーに安心感を提供します。
グレード構成と価格、後悔しないための賢い選び方
新型フォレスターは、大きく分けて3つのグレードが設定されています。パワートレインや装備内容が異なるため、ご自身の予算と使い方に合ったグレードを選ぶことが重要です。 (※価格は先行予約時点の税込価格です)
SPORT / SPORT EX (1.8Lターボ)
- パワートレイン: 1.8Lターボ
- 特徴: 銅色のアクセントカラーを内外装に施した、上質でスポーティな印象のグレード。
- 価格例: SPORT: 440.1万円 / SPORT EX: 454.7万円
走りの楽しさを追求するターボモデルが欲しいなら、この「SPORT」グレード一択となります。上質な内外装も魅力ですが、ここで重要なのが「EX」の有無です。
- SPORT EX: 高度運転支援システム「アイサイトX」と「12.3インチフル液晶メーター」が装備される。
- SPORT (無印): 上記2点が装備されず、メーターはアナログ式になる。
その価格差は約14.6万円。「アイサイトXと12.3インチ液晶メーターが付いて14.6万円高だったら、こっちのSPORT EXのほうが絶対良い」と断言しています。高速道路での運転負荷を劇的に軽減するアイサイトXと、先進的なフル液晶メーターの価値を考えれば、予算が許す限り「SPORT EX」を選ぶのが賢明な判断と言えるでしょう。
X-BREAK S:HEV / X-BREAK S:HEV EX (2.5L S:HEV)
- パワートレイン: 2.5L ストロングハイブリッド
- 特徴: 本格アウトドア仕様。随所に配されたグリーンのアクセントカラーと、撥水素材のシート&ラゲッジが最大の特徴。
- 価格例: X-BREAK S:HEV EX: 501.1万円(オプション多数装着時)
アクティブなライフスタイルを送るユーザーに最適なのが、この「X-BREAK」です。濡れたウェアや汚れたアウトドアギアを気兼ねなく積み込める撥水仕様は、他のグレードにはない大きなアドバンテージです。
価格設定も絶妙で、「ハイブリッドになったのに(ターボのSPORTと比べて)価格差があんまり無い」と評価されています。ただし、アウトドアに特化している分、一部の快適装備が意図的に省かれている点には注意が必要です(詳細は後述)。こちらも「EX」付きグレードではアイサイトXが搭載されます。
Premium S:HEV / Premium S:HEV EX (2.5L S:HEV)
- パワートレイン: 2.5L ストロングハイブリッド
- 特徴: 快適装備が最も充実した最上位グレード。唯一シートベンチレーションや19インチホイールが選択可能。
- 価格例: Premium S:HEV EX: 532.7万円(オプション多数装着時)
新型フォレスターが持つすべての魅力を味わい尽くしたいなら、この「Premium」グレードが唯一の選択肢となります。理由はシートベンチレーションがつけられるグレードで、安全装備&快適装備を全部載せであることです。
最上級の快適性と先進性を求めるユーザーにとって、まさに理想の一台と言えるでしょう。
スバル史上初「全部入り」!注目の主要装備と特徴
新型フォレスターは、走行性能や安全性だけでなく、快適装備の面でもライバルを凌駕するレベルに達しました。「これまでのスバル車に“あとこれさえあれば…”と思っていた機能が、すべて詰まっている」と言っても過言ではありません。
驚くほど充実した全車標準装備
まず驚くべきは、ベースグレードから標準装備が非常に充実している点です。
- アイサイトセイフティプラス(運転支援・視界拡張): 通常のアイサイトに加え、後側方警戒支援システムなどを標準化。
- ステアリングヒーター&シートヒーター(前席・後席左右): 冬場の快適性を高める装備が全車標準。
- 11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム: 大画面ナビが全車標準。
- ETC2.0
- ルーフレール
これだけの装備が最初から付いているため、どのグレードを選んでも高い満足感が得られます。
待望の新機能①:シートベンチレーション
近年の日本の猛暑において、シートベンチレーション(シート座面から冷風が出る機能)はもはや高級車だけの装備ではありません。
新型フォレスターでは、最上位の「Premium / Premium EX」グレードで本革シートを選択した場合に限り、このシートベンチレーションが同時装着されます。長時間のドライブでも背中やお尻の蒸れを防ぎ、快適性を劇的に向上させるこの機能は、Premiumグレードを選ぶ大きな動機となるでしょう。
待望の新機能②:オートビークルホールド メモリー機能
長年のスバルユーザーが待ち望んだ、まさに“悲願”とも言える機能が、ついに搭載されました。信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持する「オートビークルホールド」。これまでのスバル車では、エンジンを始動するたびにスイッチをONにする必要がありました。
しかし新型フォレスターでは、ドライバーモニタリングシステムと連動。顔認識でドライバーを識別し、**「次乗った時にいちいちオートビークルホールドのボタン押さなくてもメモリーしてくれる」**のです。この地味ながらも革新的な進化は、日々の運転の小さなストレスを確実に解消してくれます。
大幅に向上した「静粛性」と上質な「乗り心地」
快適性の向上は、装備面だけではありません。「今回やっぱ静粛性には相当力を入れた」との言葉通り、走行中の静かさも大きな進化点です。特に、先に登場した新型クロストレックと比較しても「より静かになってる」と評価されており、風切り音やロードノイズが巧みに抑えられています。これは、ルーフパネルの制振性を高めるなどの地道な改良の賜物です。
乗り心地に関しても、友人はが購入した19インチタイヤを装着するPremiumグレードで高評価。18インチに比べて、より「設置感」があり「重めのステアフィール」である。一般的にインチアップは乗り心地が硬くなる傾向にありますが、新型フォレスターではサスペンションが巧みにセッティングされており、19インチでも不快な突き上げを感じさせない、しなやかで上質な乗り心地を実現しています。
「何1つかけることない」スバル車 ついに完成形へ。
これまでのスバル車は、どこか「惜しい」点がありました。「走りは最高だけど、ナビが…」「安全装備は良いけど、快適装備が…」といった声が聞かれたのも事実です。しかし、新型フォレスターは違います。
「シートベンチレーションまで付いていて、360°カメラでデジタルミラーでステアリングヒーターも付いてるし、デジタルメーターも付いてる」まさに「何1つかけることなく」、現代のクルマに求められる安全・快適装備がすべて揃っているのです。これは、スバルが新たなステージに到達したことを示す、記念碑的なモデルと言えるでしょう。
【実録】著者の購入体験レポート
では、実際に新型フォレスターを購入すると、総額はいくらになるのでしょうか。友人が実践したリアルな購入事例を見ていきましょう。
- 購入グレード: Premium S:HEV EX
- 内装色: タンカラー
- 装着メーカーオプション:
- 有料外装色(リバーロック/ブラックシリカ 2トーン)
- 大型サンルーフ
- 本革シート(ナッパレザー/シートベンチレーション付き)
- harman/kardon サウンドシステム
- アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)
- 最終価格: 5,583,000円
まさに「全部載せ」仕様です。新型フォレスターの商品力を最大限に引き出すために、選択できるメーカーオプションをすべて装着しました。友人は特にボディカラーにはスバルが押している「クリスタルブラック・シリカ/リバーロック・パールの2カラー」を選び、「選んで良かった」と非常に満足しています。
ただし、ここで一つ重要な注意喚起があります。この特別な2トーンカラーは88,000円のオプション料金がかかるだけでなく、「生産工程がよりかかるということで1.5ヶ月ぐらい今だと納期が余分にかかってしまう」とのこと。一刻も早く手に入れたい方は、ボディカラーの選択が納期に影響することを覚えておく必要があります。
この購入事例は、最上級グレードに全オプションを搭載した場合の一つの指標となります。ご自身の予算や必要なオプションと照らし合わせ、商談の際の参考にしてください。
結論:新型フォレスターは「買い」か?後悔しないための最終チェック
さて、長きにわたる解説もいよいよ終わりです。これまでの情報を踏まえ、新型フォレスターは果たして「買い」なのでしょうか。
新型フォレスターの魅力(メリット)
- スバル史上初の「全部入り」: シートベンチレーションや電動パーキングのメモリー機能など、快適装備に死角がない。
- 待望のストロングハイブリッド: 街乗りでの圧倒的な静粛性と、優れた燃費性能を両立。
- 伝統の走行性能と安全性: 全グレードAWDによる抜群の安定性と、世界トップクラスのアイサイト。
- 絶妙なボディサイズ: 取り回しやすいサイズ感と、広大な室内空間・荷室を維持。
- 大幅に向上した内外装の質感と静粛性: 所有する満足感を高める、上質な仕上がり。
新型フォレスターの注意点(デメリット)
- グレードと装備の厳しい縛り: パワートレインや特定の人気装備(シートベンチレーション、外部給電等)がグレードによって固定されている。
- アウトドア仕様のジレンマ: X-BREAKで外部給電が選べないなど、コンセプトと装備に矛盾点がある。
- 細かな残念ポイント: 後席パワーウィンドウ非AUTO、フロント近接センサー不在など、完璧ではない部分も。
- 税金の注意: ハイブリッドでも免税ではない。
編集部から一言
結論として、2025年新型フォレスターは、これまでのスバル車の概念を覆す、極めて商品力の高い傑作SUVであり、多くの人にとって「買い」であると断言できます。
特に、静かで快適な走りを重視する方、最新の安全・快適装備を妥協なく求める方、そして家族や仲間との時間を大切にするアクティブな方にとって、これほどバランスの取れた選択肢は他にないでしょう。スバルが初めて実現した「全部入り」の完成度は、乗るたびに深い満足感を与えてくれるはずです。
しかし、本記事で指摘した「8つの注意点」を無視してはいけません。特に、グレードとパワートレイン、そして特定装備の組み合わせに強いこだわりがある場合は、その希望が叶えられない可能性があります。X-BREAKのアウトドア性能とPremiumの快適装備(特に外部給電)の間で、どちらを優先するのかは、購入前にじっくりと検討すべき最大のテーマです。
後悔しないクルマ選びの鉄則は、情報を集め、実車を見て、そして試乗することです。この記事で得た知識を元に、ぜひスバルのディーラーへ足を運び、ターボとハイブリッドを乗り比べてみてください。そして、シートの座り心地、メーターの視認性、荷室の広さなど、カタログだけではわからない部分をご自身の五感で確かめてください。
そうすれば、新型フォレスターがあなたの未来のカーライフを輝かせる、最高のパートナーになり得るかどうかが、きっと見えてくるはずです。
参照:スバル フォレスター