新型「フォレスター」(6代目)フルモデルチェンジモデルは2024年に北米で発表され、日本仕様は、2025年4月3日に発表し、4月17日に発売を開始しました。その最大の注目点は、新たに採用されるストロングハイブリッドシステム「次世代e-BOXER」でしょう。ボディサイズは全長4,655mm、全幅1,830mm、全高1,730mm、ホイールベース2,670mm、最低地上高220mmとなり、最小回転半径は5.4mと、優れた基本パッケージングは健在です。 今回は、この新型フォレスターのサイズ情報を基に、先代やライバル車と比較するとともに、大幅に進化したパワートレインにも注目し、その魅力に迫ります。
スバル 新型フォレスター(6代目) サイズ&パワートレイン まとめ
- 新型フォレスター vs 先代フォレスター(SK型)
- 新型は**全長4,655mm(+30mm)、全幅1,830mm(+15mm)、全高1,730mm(ほぼ同じ)**となり、先代(全長4625mm)より全長・全幅が拡大。
- ホイールベース(2,670mm)、最低地上高(220mm)、最小回転半径(5.4m)は先代から変更なし。
- パワートレインは「次世代e-BOXER」ストロングハイブリッドに進化。エンジン(118kW/209Nm)と高出力モーター(88kW/270Nm)を組み合わせる。(※プロトタイプ社内測定値)
- 燃費はWLTCモード18.4-18.8km/Lと、先代マイルドハイブリッド(14.0km/L)から大幅に向上。(※プロトタイプ社内測定値)
- 燃料タンク容量は63Lに拡大(先代48L)。
- 新型フォレスター vs ミドルクラスSUV(RAV4, エクストレイル)
- 新型フォレスター(全長4,655mm, 全幅1,830mm, 全高1,730mm)は、RAV4(全長4,610mm, 全幅1,865mm, 全高1,690mm ※Adventure)より全長で+45mm、全幅で-35mm、全高で+40mm。最小回転半径はRAV4(5.5-5.7m)より小さい。
- 新型フォレスターは、エクストレイル(全長4,660mm, 全幅1,840mm, 全高1,720mm ※X e-4ORCE)より全長で-5mm、全幅で-10mm、全高で+10mm。最小回転半径はエクストレイル(5.4m)と同等。
- ライバルと比較して、高めの全高と220mmの最低地上高、5.4mの最小回転半径に加え、進化したハイブリッドシステムによる優れた燃費性能が特徴。
- 新型フォレスター(6代目)の特徴
- 新開発「次世代e-BOXER」ストロングハイブリッド搭載による、力強くスムーズな走行性能とWLTCモード18.4-18.8km/Lという優れた燃費性能の両立。(※プロトタイプ社内測定値)
- 先代(SK型)をベースに、内外装デザインを刷新し、より力強くモダンな印象に。
- ボディ剛性の向上やサスペンションの改良により、走行性能と乗り心地を高次元で両立。
- 最新世代の「アイサイト」を搭載し、安全性能が大幅に進化。
- 良好な視界や使い勝手の良い荷室など、フォレスター伝統の実用性を継承・進化。
- クラス最高水準の最低地上高220mmと進化したAWDシステムによる高い悪路走破性。
- 最小回転半径5.4mによる、街中でも扱いやすい優れた取り回し性能。
- 新型フォレスターはこんな人におすすめ!
- 高い安全性と信頼性を求める方
- アウトドアレジャーや雪道走行など、タフな使い方をしたい方
- 優れた燃費性能と走行性能を両立したSUVを求めている方
- 運転しやすく、実用性の高いSUVを探している方(最小回転半径5.4m)
- 最新のデザインと先進機能を兼ね備えた車に乗りたい方
- 家族での使用も考え、快適な室内空間を重視する方
新型フォレスター vs 先代フォレスター(SK型):サイズとパワートレインの違い
まずは、ベースとなる先代フォレスター(SK型)と新型フォレスター(6代目)のサイズとパワートレインを比較してみましょう。 ボディサイズは、新型が全長4,655mm、全幅1,830mm、全高1,730mmです。先代の全長は4625mmであったため、新型は全長が30mm長く、全幅が15mm大きくなっています。全高は先代(1,715-1,730mm)とほぼ同じです。ホイールベース(2,670mm)、最低地上高(220mm)、最小回転半径(5.4m)は先代から変更ありません。 パワートレインは大きく進化し、先代のマイルドハイブリッド(2.0L e-BOXER)に対し、新型では「次世代e-BOXER」と名付けられた新開発のストロングハイブリッドシステムが搭載されます。これにより、燃費性能と走行性能の大幅な向上が期待されます。
基本スペック比較(新型 vs 先代)
項目 | 先代フォレスター (SK型 e-BOXER) | 新型フォレスター (6代目 次世代e-BOXER) | 先代との差 |
---|---|---|---|
全長 | 4625mm | 4,655mm | +30mm |
全幅 | 1,815mm | 1,830mm | +15mm |
全高 | 1,715-1,730mm | 1,730mm | ほぼ同じ |
ホイールベース | 2,670mm | 2,670mm | - |
エンジン | 2.0L水平対向4気筒 + モーター | 2.5L水平対向4気筒 + モーター (次世代e-BOXER) | ストロングHV化 |
エンジン最高出力 | 107kW(145PS)/6000rpm | 118kW(160PS)/5600rpm | +11kW(+15PS) |
エンジン最大トルク | 188Nm/4000rpm | 209Nm/4000-4400rpm | +21Nm |
モーター最高出力 | 10kW(13.6PS) | 88kW(119.6PS) | +78kW(+106PS) |
モーター最大トルク | 65Nm | 270Nm | +205Nm |
駆動方式 | AWD | AWD | - |
燃料タンク容量 | 48L | 63L | +15L |
使用燃料 | レギュラー | レギュラー | - |
WLTCモード燃費 | 14.0km/L | 18.4-18.8km/L | +4.4~4.8km/L |
トランスミッション | CVT (リニアトロニック) | CVT (リニアトロニック) | - |
タイヤサイズ(例) | 225/60R17, 225/55R18 | 225/55R18,235/50R19 | 18インチから |
車両重量 (例) | 1,620-1,640kg | 1640-1750kg | ストロングハイブリッド車は重くなっている |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m | - |
最低地上高 | 220mm | 220mm | - |
アプローチアングル | 20.1-20.2° | (未発表) | - |
ランプブレークオーバーアングル | 21.0-21.5° | (未発表) | - |
ディパーチャーアングル | 25.8-26.5° | (未発表) | - |
ラゲッジスペース容量 | 509L-520L (VDA法) | 484L-512L(VDA法) | - |
乗員定員 | 5名 | 5名 | - |
価格 | 約306.9万円~385万円 | 404.8万円~459.8万円 | 最新の装備を採用したことで、価格は前モデルよりもアップ |
パワートレイン詳細:「次世代e-BOXER」ストロングハイブリッド
新型フォレスター最大の進化点は、新開発の「次世代e-BOXER」ストロングハイブリッドシステムです。これはトヨタのハイブリッドシステム(THS)の技術をベースに、スバル独自の水平対向エンジンとAWD技術を組み合わせたものと考えられます。
主な諸元
- エンジン: 2.5L 水平対向4気筒DOHC
- 最高出力: 118kW (160PS) / 5,600rpm
- 最大トルク: 209Nm / 4,000-4,400rpm
- 駆動用モーター: MC2 交流同期電動機
- 最高出力: 88kW (119.6PS)
- 最大トルク: 270Nm
- 駆動用バッテリー: リチウムイオン電池 (総電力量 1.1kWh)
このシステムにより、エンジンとモーターの出力を効率的に制御し、力強くスムーズな加速と静粛性の高い走行を実現します。特にモーターの出力・トルクが大幅に向上(先代モーター比: 出力+78kW, トルク+205Nm)しているため、EV走行領域の拡大や、よりダイレクトな加速感が期待できます。
そして特筆すべきは燃費性能です。WLTCモード燃費は18.4km/L~18.8km/L(プロトタイプ社内測定値)と、先代e-BOXERモデルの14.0km/Lから約30%以上向上しています。燃料タンク容量も先代の48Lから63Lへと大幅に拡大されており、航続距離の延伸にも貢献します。
新型フォレスターとトヨタ RAV4のサイズ比較
次に、人気のミドルクラスSUVであるトヨタ RAV4と新型フォレスターを比較してみましょう。(RAV4はガソリンAdventureグレード参考)
スペック | トヨタ RAV4 (Adventure) | 新型フォレスター (6代目) | RAV4との差 |
---|---|---|---|
全長 | 4,610mm | 4,655mm | +45mm |
全幅 | 1,865mm | 1,830mm | -35mm |
全高 | 1,690mm | 1,730mm | +40mm |
ホイールベース | 2,690mm | 2,670mm | -20mm |
最小回転半径 | 5.5-5.7m | 5.4m | -0.1~-0.3m |
最低地上高 | 200mm | 220mm | +20mm |
新型フォレスターはRAV4と比較すると、全長は45mm長く、全幅は35mm狭く、全高は40mm高くなっています。ホイールベースは20mm短いです。最低地上高はフォレスターが20mm高く、悪路走破性でアドバンテージがあります。また、最小回転半径はフォレスターの方が0.1m~0.3m小さく、より小回りが利くことを示しています。
新型フォレスターと日産 エクストレイルのサイズ比較
続いて、同じくミドルクラスSUVの日産 エクストレイルと比較します。(エクストレイルはX e-4ORCEグレード参考)
スペック | 日産 エクストレイル (X e-4ORCE) | 新型フォレスター (6代目) | エクストレイルとの差 |
---|---|---|---|
全長 | 4,660mm | 4,655mm | -5mm |
全幅 | 1,840mm | 1,830mm | -10mm |
全高 | 1,720mm | 1,730mm | +10mm |
ホイールベース | 2,705mm | 2,670mm | -35mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m | - |
最低地上高 | 185mm | 220mm | +35mm |
新型フォレスターはエクストレイルと比較すると、全長で5mm、全幅で10mm小さく、全高は10mm高いです。ホイールベースは35mm短くなっています。最低地上高はフォレスターが35mm高く、こちらも悪路走破性で明確な差があります。最小回転半径は5.4mでエクストレイルと同等であり、取り回しの良さでは互角と言えます。
新型フォレスターはどんな人におすすめ?
新型フォレスターは、先代(SK型)で好評だった「良好な視界」「高い実用性」「信頼性の高いAWDシステムによる走行安定性・悪路走破性」といった美点を継承・進化させています。全長4,655mm、全幅1,830mmというサイズは、日本の道路環境でも過度に大きすぎず、最小回転半径5.4mにより、街中での運転も容易です。そして最低地上高220mmはアウトドアシーンでの大きな安心感につながります。
これらに加え、最大の魅力である「次世代e-BOXER」ストロングハイブリッドは、WLTCモード18.4-18.8km/Lという優れた燃費性能と、モーターアシストによる力強くスムーズな走りを提供します。さらに、最新の安全運転支援システム「アイサイト」や、よりモダンで力強くなったデザインも備わっています。
ライバルと比較しても、特に最低地上高の高さ、最小回転半径の小ささ、そして大幅に向上した燃費性能は大きなアドバンテージとなるでしょう。
具体的には、以下のような方におすすめです。
- 安全性を最優先する方: 最新のアイサイトによる高度な安全性能を求めている。
- アクティブな趣味を持つ方: キャンプ、スキー、釣りなどで未舗装路や雪道を走る機会が多く、220mmの最低地上高を活かしたい。
- 燃費性能と走行性能の両立を重視する方: ストロングハイブリッドによる低燃費と気持ちの良い走りを求めている。
- 日常での使いやすさを重視する方: 全長4,655mm×全幅1,830mmという扱いやすいサイズと視界の良さ、そして最小回転半径5.4mによる取り回しの良さを求めている。
- 長く安心して乗りたい方: スバルならではの信頼性や走行安定性を評価している。
- 最新のデザインや機能を求める方: フルモデルチェンジによる新しい内外装や先進のハイブリッドシステムに魅力を感じる。
新型フォレスターは、伝統の強みを活かしつつ、パワートレインを中心に現代のニーズに合わせて総合力を大きく高めた、多くのドライバーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
編集部から一言
新型フォレスターは、フルモデルチェンジにふさわしい大きな進化を遂げました。特に注目すべきは**「次世代e-BOXER」ストロングハイブリッド**の採用です。これにより、先代から燃費性能が大幅に向上し(WLTCモード18.4-18.8km/L )、走行性能もより洗練されました。サイズは先代から若干拡大されましたが(全長4,655mm)、最小回転半径5.4m、最低地上高220mmといったフォレスターならではの扱いやすさ、走破性は健在です。デザインや安全性能も最新世代へとアップデートされており、まさに全方位に進化したと言えるでしょう。
フォレスター