スズキ アクロス(Suzuki Across)は、トヨタとスズキの提携関係から生まれたクロスオーバーSUVです。2026年2月、欧州市場向けに新型モデルが発表され、大きな注目を集めています。
新型スズキ アクロスの最大の特徴は、トヨタ RAV4をベースにしたOEMモデルであること。特に今回のモデルは、RAV4アドベンチャー(北米ではウッドランドエディション)とほぼ同一のデザインを採用しており、「スズキエンブレムを装着したRAV4」と言っても過言ではありません。
スズキ アクロスとは?RAV4との関係性を徹底解説

スズキ アクロスの歴史と進化
初代アクロスは2020年に登場し、トヨタ RAV4のプラグインハイブリッドモデルをベースとしていました。当時は中国市場向けトヨタ ワイルドランダーのフロントデザインを採用し、RAV4との差別化を図っていました。
しかし、2026年の新型モデルでは戦略を転換。RAV4アドベンチャーとの類似性を高め、トヨタのSUVとしての信頼性とブランド力を前面に打ち出す方向へシフトしています。
新型スズキ アクロス 2026年モデルのエクステリアデザイン
RAV4アドベンチャーとの共通性
新型アクロスは、RAV4のラインナップの中でも「アドベンチャー」グレードのスタイリングを採用しています。これは単なるデザイン上の選択ではなく、実用的な理由もあります。
アドベンチャーグレードの再設計されたグリルは、スズキの大型エンブレムを装着するのに最適な形状となっており、大幅なデザイン変更を必要としません。この戦略により、開発コストを抑えつつ、スズキブランドとしてのアイデンティティを確保しています。
ボディサイズとホイール

- 全長: 4,600mm(181.1インチ)
- ホイール: 18インチ ダークグレー仕上げ
- 車高: RAV4アドベンチャーと同様の高めの設定
ラギッド(頑丈)なスタイリングは、アウトドア志向のユーザーや、悪路走破性を重視するドライバーにアピールするデザインとなっています。
カラーバリエーション
新型アクロスは4色のボディカラーを用意:
- マッシブグレー(Massive Gray) - 力強い印象のグレー
- エバーレスト(Ever Rest) - 落ち着いたカラー
- スーパーホワイト(Super White) - 定番の白
- アティチュードブラック(Attitude Black) - 精悍な黒
シンプルながら、各カラーがアクロスのアドベンチャー志向を強調する配色となっています。
リアデザインの特徴

リアデザインもRAV4アドベンチャーとほぼ同一ですが、細かな部分で変化があります。テールゲートには「SUZUKI」のエンブレムが配置され、ブランドアイデンティティを明確にしています。
新型スズキ アクロス インテリア・装備の詳細
基本的にトヨタRAV4と同一の内装
インテリアデザインはトヨタRAV4と完全に共通しており、ステアリングホイールのエンブレムのみがスズキブランドに変更されています。これは、トヨタが培ってきた品質と使い勝手をそのまま享受できることを意味します。
充実のデジタル装備

新型アクロスは最新のデジタル技術を搭載:
- 12.3インチデジタルメータークラスター - 視認性に優れた大型ディスプレイ
- 12.9インチインフォテインメントスクリーン - タッチ操作対応の大画面
- ヘッドアップディスプレイ - 運転中の情報確認をサポート
- ワイヤレス充電器 - スマートフォンをケーブルレスで充電
- USB-Cポート×5 - 全席で充電可能
先進運転支援システム(ADAS)
安全装備も充実しており、トヨタの先進運転支援システムを全面的に採用しています。具体的な機能は明らかにされていませんが、RAV4に搭載されているToyota Safety Senseと同等のシステムが期待できます。
乗り心地とシート

3列シートではなく、5人乗り2列シートを採用。アドベンチャーグレードらしい、快適性とホールド性を両立したシートデザインとなっています。
スズキ アクロス パワートレインとスペック
プラグインハイブリッドシステムの詳細
新型アクロスは、プラグインハイブリッド(PHEV)専用モデルとして展開されます。スズキはRAV4に用意されているセルフチャージングハイブリッド(HEV)バリアントを採用せず、PHEVのみに絞っています。
エンジン・モーター構成
- エンジン: 2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン
- 電気モーター: デュアルモーター(前後)
- システム総出力: 300hp(224kW / 304PS)
- トランスミッション: E-CVT(電気式無段変速機)
- 駆動方式: E-Four(電動四輪駆動システム)
バッテリーと航続距離
- バッテリー容量: 22.7kWh
- EV走行距離: 最大100km(62マイル) ※WLTP基準、欧州仕様RAV4 PHEVと同等
この航続距離は、日常の通勤や買い物であれば、ほとんど電気のみで走行可能な実用的な数値です。
走行性能とドライブモード
加速性能
- 0-100km/h加速: 6.1秒
※興味深いことに、ベースとなるRAV4 PHEVの0-100km/h加速は5.8秒とされており、アクロスの方がわずかに遅い数値となっています。この差がセッティングの違いによるものか、測定条件の違いによるものかは不明です。
ドライブモード
ドライバーは走行状況に応じて、以下のモードを選択可能:
- ノーマルモード - 日常走行向けバランス型
- エコモード - 燃費重視の走行
- スポーツモード - パワフルな加速を楽しむ
- E-Fourトレイルモード - 悪路走破性を高める四駆制御
E-Fourトレイルモードは、オフロードやスリッピーな路面での走破性を高める機能で、アドベンチャーグレードならではの装備です。
スズキ アクロスとトヨタRAV4の違い・比較
共通点
- 基本的な車体構造、プラットフォーム
- パワートレイン(PHEV)システム
- インテリアデザインと装備
- 安全装備と先進運転支援システム
- ボディサイズと外形
相違点
| 項目 | スズキ アクロス | トヨタ RAV4 |
|---|---|---|
| グレード展開 | アドベンチャースタイルのみ | コア、GRスポーツ、アドベンチャーなど多数 |
| パワートレイン | PHEVのみ | HEV、PHEV、BEV(地域による) |
| エンブレム | スズキブランド | トヨタブランド |
| 販売地域 | 欧州中心(一部地域では異なるモデル) | グローバル展開 |
| 価格 | 未発表(RAV4より若干安価と予想) | 地域により異なる |
トヨタアクセサリーとの互換性
新型アクロスの大きなメリットの一つは、トヨタRAV4用のアクセサリーがそのまま使用できること。これは事実上、RAV4と同一の車体を使用しているため、以下のアクセサリーが利用可能です:
- ルーフラック、ルーフボックス
- サイドステップ、マッドガード
- インテリアパネル、フロアマット
- トーイングヒッチ
- 各種純正アクセサリー
スズキ アクロス 価格予想と競合車種
価格(予想)
具体的な価格はまだ発表されていませんが、ベースとなるRAV4 PHEVの欧州価格を参考にすると、**45,000ユーロ〜55,000ユーロ(約700万円〜850万円)**のレンジが予想されます。
スズキブランドとしての価格戦略により、RAV4よりも若干安価に設定される可能性もあります。
競合車種
新型アクロスが競合する主なSUVモデル:
- ホンダ CR-V - 信頼性の高い定番SUV
- スバル フォレスター - AWD性能に定評
- 三菱 アウトランダーPHEV - プラグインハイブリッドの先駆者
- 日産 エクストレイル - e-POWERシステム搭載
- プジョー 5008 - フランス製7人乗りSUV
- シュコダ コディアック - 実用性重視の大型SUV
- フォルクスワーゲン タイゴン - ドイツの技術力
これらの競合に対し、アクロスは「トヨタの信頼性」と「スズキブランドの価格競争力」という二つの武器を持っています。
スズキ アクロス 発売時期と販売地域
欧州市場での展開
新型アクロスは2026年2月にオランダで初公開され、2026年中に欧州各国で順次発売される予定です。
欧州市場では、環境規制の厳格化に伴いプラグインハイブリッドやEVへの需要が高まっており、アクロスはこのトレンドに合致したモデルと言えます。
日本市場への導入は?
残念ながら、現時点では日本市場への導入予定はありません。
初代アクロスも日本では販売されておらず、欧州専売モデルという位置づけです。日本のスズキは軽自動車やコンパクトカーに注力しており、大型SUVのラインナップは限定的です。
ただし、トヨタとスズキの提携関係は今後も続くため、将来的に何らかの形で日本市場にも関連モデルが導入される可能性はゼロではありません。
セイシェルでは別のアクロスが存在
興味深いことに、スズキは**セイシェル市場で全く異なる「アクロス」**を販売しています。
こちらはマルチ・スズキ ビトリスのリバッジモデルで、欧州版のRAV4ベースのアクロスとは全く関係のない、より小型のSUVです。
同じ車名を使いながら地域によって全く異なる車両を販売するという戦略は、消費者に混乱を招く可能性もありますが、地域ごとのニーズに柔軟に対応するスズキの姿勢とも言えます。
スズキ アクロスのメリット・デメリット
メリット
- トヨタRAV4の信頼性をそのまま享受 - トヨタの品質管理と耐久性
- プラグインハイブリッドの実用性 - 100kmのEV走行で日常は電気のみ
- 300馬力の力強い走り - デュアルモーターAWDによる安心感
- 充実した装備 - 12.9インチの大画面、最新の安全装備
- アクセサリーの豊富さ - RAV4用アクセサリーが使える
- アドベンチャースタイル - タフでアクティブな外観
デメリット
- オリジナリティの欠如 - 事実上RAV4のリバッジ
- グレード選択肢の少なさ - アドベンチャースタイルのみ
- 価格競争力が不明 - RAV4との差別化ポイントが価格頼み
- ブランド価値 - トヨタブランドと比較してリセールバリューが不透明
- 日本市場では購入不可 - 欧州限定モデル
トヨタ・スズキ提携の歴史とアクロスの位置づけ
業務提携の背景
トヨタとスズキは2019年に業務資本提携を締結しました。この提携の目的は:
- 電動化技術の共有 - トヨタのハイブリッド技術をスズキ車に展開
- インド市場での協力 - スズキの強力な販売網を活用
- 自動運転技術の共同開発 - 次世代技術への共同投資
- 商品の相互供給 - OEMによる効率的な商品展開
アクロスは、この提携の具体的な成果の一つです。
他のOEM事例
トヨタ・スズキ間では、アクロス以外にも以下のようなOEM供給が行われています:
- トヨタ RAV4 → スズキ アクロス(欧州)
- スズキ スイフト → トヨタ バレーノ(インド)
- スズキ バレーノ → トヨタ グランザ(インド)
- トヨタ グランエース → スズキ ディーラー販売(日本)
このように、両社は相互補完的な関係を築いています。
スズキ アクロス よくある質問(FAQ)
Q1: スズキ アクロスは日本で買えますか?
A: いいえ、現時点では日本市場での販売予定はありません。欧州市場専売モデルです。
Q2: アクロスとRAV4の違いは何ですか?
A: 基本的に同じ車ですが、エンブレムがスズキになっている点、グレード展開がアドベンチャースタイルのみという点が異なります。
Q3: 燃費・電費はどのくらいですか?
A: 公式な数値は未発表ですが、RAV4 PHEVと同等の性能が期待できます。EV走行では100km走行可能で、ガソリン併用時の燃費はWLTPモードで20km/L前後と予想されます。
Q4: 充電時間はどのくらいですか?
A: 具体的な数値は未発表ですが、RAV4 PHEVでは:
- 家庭用200V: 約3時間
- 家庭用100V: 約10時間
が目安となっています。
Q5: アクロスの保証内容は?
A: 詳細は各国のスズキディーラーによりますが、一般的に:
- 車両保証: 3年または100,000km
- バッテリー保証: 8年または160,000km
程度が予想されます。
Q6: 中古車市場での価値は?
A: 新型が発表されたばかりで中古車市場はまだ形成されていません。初代アクロスのリセールバリューは、RAV4と比較してやや低めの傾向がありました。
スズキ アクロス 2026年モデル まとめ
新型スズキ アクロスは、トヨタRAV4の信頼性とスズキブランドの親しみやすさを融合させたプラグインハイブリッドSUVです。
評価ポイント
- ✅ 実証済みのトヨタ技術
- ✅ 100kmのEV走行距離
- ✅ 300馬力の力強いパフォーマンス
- ✅ 充実した装備と安全性能
- ✅ アドベンチャー志向のスタイリング
懸念点
- ❌ オリジナリティの欠如
- ❌ グレード選択肢の限定
- ❌ 日本市場での入手不可
欧州市場において、環境規制に対応しつつ、SUVの実用性と走行性能を求めるユーザーにとって、新型アクロスは魅力的な選択肢となるでしょう。
トヨタRAV4の購入を検討している欧州のバイヤーは、価格や販売条件を比較した上でアクロスも候補に入れる価値があります。特に、スズキディーラーの方が自宅に近い、あるいはサービス面で優位性がある場合は、積極的に検討すべきモデルです。
今後、スズキからの正式な価格発表や詳細スペックの公開が待たれます。また、実際の試乗レポートやオーナーレビューが出てくることで、アクロスの真の価値が明らかになるでしょう。

