スバルのSUVラインナップで人気を二分する新型フォレスターとクロストレック。同じスバルのSUVながら、そのキャラクターと用途は大きく異なります。
「どちらを選べばいいのか分からない」「サイズ感や使い勝手の違いが知りたい」そんな悩みを持つ方のために、元自動車メーカー設計者の視点も交えながら、両車を徹底比較していきます。
この記事では、ボディサイズ、室内空間、荷室容量、走行性能、乗り心地、燃費、安全装備、価格など、購入を検討する上で重要なポイントを網羅的に解説します。
あなたに合うのはどっち?スバルSUV選びの決定版
【結論】こんな人におすすめ
新型フォレスターがおすすめな人:

- アウトドアやキャンプを本格的に楽しみたい
- 家族4人以上での長距離移動が多い
- 広い荷室と車中泊の快適性を重視
- 雪国在住、またはスキー場への頻繁なアクセスが必要
- SUVらしい迫力あるスタイリングを求める
クロストレックがおすすめな人:

- 都市部での運転が中心で取り回しの良さを重視
- 1〜2人での使用がメイン
- 最新の安全装備と洗練された乗り心地を優先
- 狭い道や駐車場での扱いやすさが重要
- 初めてSUVを購入する方
1. ボディサイズ比較|運転のしやすさと駐車場問題を徹底解説
基本スペック比較表

| 項目 | 新型フォレスター | クロストレック |
|---|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,655×1,830×1,730mm | 4,480×1,800×1,575mm |
| ホイールベース | 2,670mm | 2,670mm |
| 最小回転半径 | 5.4m | 5.4m |
| 最低地上高 | 220mm | 200mm |
| 車両重量 | 1,640〜1,780kg | 1,540〜1,955kg |
サイズの違いが生む使い勝手の差

全長差175mmは、都市部での縦列駐車や狭い駐車場での取り回しに影響します。クロストレックの方がコンパクトで、鼻先を入れやすく、車庫入れもスムーズです。
全幅差30mmは運転席から感じる横幅感覚にはそれほど影響しませんが、フォレスターの方がサイドウィンドウが立っているため、車両の端を把握しやすいというメリットがあります。
全高差155mmは室内の開放感に直結します。フォレスターは天井が高く、後席の頭上空間に余裕があり、大人4人が長時間乗車しても圧迫感を感じません。
⚠️ 重要:機械式駐車場の高さ制限に注意
多くの機械式駐車場(タワーパーキング)の高さ制限は1,550mmです。
- クロストレック:1,575mm → 入庫不可
- 新型フォレスター:1,730mm → 入庫不可
購入前に、ご自宅やよく利用する駐車場の高さ制限を必ず確認してください。「クロストレックならコンパクトだから大丈夫」と思い込むのは危険です。
最小回転半径は同じでも取り回しの印象は異なる
両車とも最小回転半径は5.4mと同じですが、全長が短いクロストレックの方が内輪差が小さく、Uターンや狭い路地での方向転換がしやすいと感じます。
2. 室内空間と快適性|乗り心地と静粛性の違い

室内寸法の比較
| 項目 | 新型フォレスター | クロストレック |
|---|---|---|
| 室内長×室内幅×室内高 | 1,950×1,540×1,270mm ※サンルーフ装着車は-15mm | 1,930×1,505×1,200mm |
後席の居住性:ファミリーユースならフォレスター
室内高で70mmの差があることで、フォレスターは後席の頭上空間に余裕があり、身長180cm程度の大人でも窮屈さを感じません。長距離ドライブや家族4人での旅行では、この差が快適性に大きく影響します。
クロストレックも必要十分な広さはありますが、後席は「十分だが余裕たっぷりとは言えない」レベルです。
乗り心地の違い:最新プラットフォームの恩恵
クロストレック:最新SGPによる上質な乗り心地
クロストレックには進化した**「フルインナーフレーム構造」**が採用され、ボディ剛性が大幅に向上しています。これにより:
- 路面からの衝撃をサスペンションが正確に吸収
- 段差通過後の揺れの収まりが素早い
- 不快な微振動が少ない
さらに、医学的アプローチに基づくシート設計により、骨盤をしっかり支えて背骨の自然なS字カーブを維持。長時間運転でも疲れにくい構造になっています。
新型フォレスター:ゆったりとした大らかな乗り心地
フォレスターはサスペンションストロークが長く、路面の凹凸を優しくいなす「SUVらしいゆったり感」が特徴です。高速道路での直進安定性に優れ、長距離クルージングで安心感があります。
ただし、設計年次がクロストレックより古いため、荒れた路面での微振動に関しては、クロストレックの方が優れています。
静粛性:クロストレックがリード
クロストレックは屋根パネルに**「高減衰マスチック」**という特殊な接着剤を使用し、雨音や共鳴音を熱エネルギーに変換して吸収します。車内の静けさはクラスを超えたレベルです。
フォレスターも遮音ガラスなどで対策していますが、車体が大きい分、風切り音は若干クロストレックより目立ちます。
3. 荷室容量と収納力|キャンプと車中泊の実力差
荷室容量の圧倒的な違い
| 項目 | 新型フォレスター | クロストレック |
|---|---|---|
| 荷室容量(VDA方式) | 485〜512L | 315L |
フォレスターの荷室は約1.6倍の容量を誇ります。この差は数値以上に実用面で大きく感じられます。
荷物の積みやすさ
新型フォレスター:高さと開口部の広さが武器
- 床面が低く、重い荷物を「よいしょ」と持ち上げる負担が少ない
- 天井が高く、背の高い荷物も余裕で収納
- ゴルフバッグを横向きに積める
- 電動パワーゲート標準装備(上位グレード)で手が塞がっていても楽々
クロストレック:日常使いには十分だがレジャーには工夫が必要
- 開口部はやや高め、重い荷物の積載に少し力が必要
- ハッチバック形状のため、傾斜したリアガラスが大きな荷物に干渉しやすい
- 買い物や1泊旅行レベルなら問題なし
- 4人乗車でキャンプに行く場合、荷物の積み方に工夫が必要
車中泊適性:快適性で選ぶならフォレスター
新型フォレスター:快適な車中泊が可能
- 後席を倒すとほぼフラットで広大な空間
- 身長175cmの大人でも足を伸ばして寝られる
- 室内高1,250mmで起き上がる時に頭をぶつけにくい
- マットを敷けば完全にベッドルーム化
クロストレック:緊急避難的には可能
- 後席を倒してフラットにはできるが、荷室長が不足
- 前席を最前部にスライドさせ、クッションで隙間を埋める工夫が必要
- 快適とは言い難く、「仮眠レベル」と考えるべき
収納の充実度
両車とも荷室床下に**サブトランク(アンダーボックス)**を装備。汚れた靴や洗車道具の収納に便利です。
フォレスターは荷室側面のフック、電源ソケット、天井のハンギングポイントなど、アウトドアでの使い勝手を考えた細やかな装備が充実しています。
4. パワートレインと走行性能|e-BOXERとターボの違い

エンジンラインナップ
新型フォレスター
| タイプ | エンジン | 最高出力 | 最大トルク | モーター出力 | モータートルク |
|---|---|---|---|---|---|
| 2.5L S:HEV | 2.5L水平対向4気筒 | 160PS/5,600rpm | 21.3kgm/4,000-4,400rpm | 119.6PS | 27.5kgm |
| 1.8Lターボ | 1.8L水平対向4気筒ターボ | 177PS/5,200-5,600rpm | 30.6kgm/1,600-3,600rpm | - | - |
クロストレック
| タイプ | エンジン | 最高出力 | 最大トルク | モーター出力 | モータートルク |
|---|---|---|---|---|---|
| 2.5L S:HEV | 2.5L水平対向4気筒 | 160PS/5,600rpm | 21.3kgm/4,000-4,400rpm | 119.6PS | 27.5kgm |
| 2.0L e-BOXER | 2.0L水平対向4気筒 | 145PS/6,000rpm | 19.2kgm/4,000rpm | 13.6PS | 6.6kgm |
走りの特徴
S:HEV(ストロングハイブリッド):滑らかで燃費重視
フォレスターとクロストレック共通の2.5L S:HEVは、モーターの強力なアシスト(119.6PS/27.5kgm)により:
- 発進時のスムーズな加速
- ストップ&ゴーの多い街中で快適
- モーター単独での短距離走行も可能(トヨタのTHSほどではない)
車重が軽いクロストレックの方が、同じS:HEVでも軽快でキビキビした走りを感じられます。
1.8Lターボ(フォレスター専用):余裕の走り
- 低回転から太いトルクが出て、アクセルを軽く踏むだけでグイグイ加速
- 高速道路の合流、追い越し、山道の登坂で圧倒的な余裕
- レギュラーガソリン仕様でコストパフォーマンス◎
- 長距離ドライブや高速走行が多い人に最適
**現時点でクロストレックにターボ設定はありません。**余裕ある走りを求めるならフォレスターのターボモデル一択です。
悪路走破性:X-MODEとAWDシステム
両車ともシンメトリカルAWDを採用し、雪道や雨天時の安定性は世界トップクラスです。
X-MODEも両車に搭載され、雪道や泥道でのタイヤ空転時に、エンジンとブレーキを制御してグリップを回復させます。
最低地上高は:
- フォレスター:220mm
- クロストレック:200mm
深雪や大きな石が転がるハードな路面ではフォレスターが有利ですが、一般的なキャンプ場やスキー場へのアクセスなら、クロストレックの200mmでも全く問題ありません。
5. 燃費性能と維持費|実燃費とランニングコスト
カタログ燃費(WLTCモード)比較
| 車種・グレード | 燃費 | 燃料タンク容量 |
|---|---|---|
| 新型フォレスター 2.5L S:HEV | 18.4〜18.8km/L | 63L |
| 新型フォレスター 1.8Lターボ | 13.6km/L | 63L |
| クロストレック 2.5L S:HEV | 18.9km/L | 63L |
| クロストレック 2.0L e-BOXER | 15.8〜16.4km/L | 48L |
燃費の優位性
車重が軽く空力性能に優れるクロストレックが、わずかながら燃費面でリードしています。
ただし、S:HEV同士の比較ではわずか0.1〜0.5km/Lの差であり、実用上はほぼ同等と考えて良いでしょう。
年間ガソリン代のシミュレーション
条件:年間走行距離10,000km、ガソリン価格170円/L
| 車種・グレード | 実燃費(想定) | 年間ガソリン代 |
|---|---|---|
| フォレスター S:HEV | 15.0km/L | 約113,000円 |
| フォレスター 1.8Lターボ | 11.0km/L | 約155,000円 |
| クロストレック S:HEV | 15.5km/L | 約110,000円 |
| クロストレック 2.0L e-BOXER | 13.0km/L | 約131,000円 |
年間差額:
- S:HEV同士:約3,000円(月250円程度)
- ターボとS:HEV:約42,000円(月3,500円程度)
燃費差は気にするほど大きくありません。使い勝手や走りの余裕を優先して選ぶべきでしょう。
6. 安全装備と先進機能|アイサイトの進化
共通の安全装備:アイサイトX

両車ともアイサイトXを搭載し、以下の機能を標準またはオプションで装備:
- プリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)
- アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
- レーンキープアシスト
- 歩行者保護エアバッグ(フォレスターは全車標準、サイクリスト対応)
- 後側方警戒支援システム
新型フォレスターの優位点
- サイクリスト対応歩行者エアバッグ:自転車との衝突時にも効果
- X-MODEの充実:オフロードでの安全性をサポート
- 視界の良さ:高い着座位置と大きなウィンドウで死角が少ない
クロストレックの優位点
- 最新世代のアイサイト:認識性能と制御精度が向上
- 11.6インチ大型モニター:見やすく操作しやすいインターフェース
- 都市部での運転支援:狭い道や駐車場での取り回しをサポート
7. 価格とグレード構成|コストパフォーマンス比較
新型フォレスター 価格一覧
1.8Lターボモデル
- Touring:385万円
- Touring EX:399万円
- SPORT:404.8万円
- SPORT EX:419.1万円
- SPORT Black Selection:415.8万円
- SPORT EX Black Selection:430.1万円
2.5L S:HEVモデル
- X-BREAK S:HEV:425万円
- X-BREAK S:HEV EX:452万円
- Premium S:HEV:453万円
- Premium S:HEV EX:464万円

クロストレック 価格一覧
2.0L e-BOXERモデル
- Touring(FF):301.4万円
- Touring(4WD):323.4万円
- Limited(FF):323.4万円
- Limited(4WD):344.85万円
- Limited Style Edition(FF):335.5万円
- Limited Style Edition(4WD):356.95万円
2.5L S:HEVモデル
- Premium S:HEV(4WD):383.35万円
- Premium S:HEV EX(4WD):405.35万円

コストパフォーマンスで選ぶなら
エントリー価格重視:クロストレック Touring(FF)
- 301.4万円で最新のスバルSUVが手に入る
- 2.0L e-BOXERながら街乗りには十分
- FFモデルで燃費も良好
バランス重視:フォレスター Touring(1.8Lターボ)
- 385万円で1.8Lターボの余裕ある走りと広大な室内・荷室
- 新設定グレードでお買い得感あり
- ファミリーユースに最適
最新技術重視:クロストレック Premium S:HEV
- 383.35万円でストロングハイブリッドと最新プラットフォーム
- 燃費性能と乗り心地の良さを両立
リセールバリューの傾向
フォレスター:
- 本格SUVとしての需要が安定
- ターボモデルは走り好きからの人気が高い
- 北海道や東北など降雪地域で特に強い
クロストレック:
- 都市部での需要が高い
- 新しい設計のため中古車市場でも評価が高い傾向
- 燃費の良さが中古車購入者に訴求
8. 2026年C型改良|新型フォレスターの最新情報
2026年1月に新型フォレスターはC型改良を実施し、以下の変更が加えられました:
新設定グレード「Touring」
- 1.8Lターボエンジン搭載
- 385万円というエントリー価格
- 4WD、11.6インチモニター標準装備
- SPORTグレードよりシンプルで実用重視
S:HEVグレードの装備充実
- AC100V/1,500Wコンセント追加(一部グレード)
- アウトドアでの電源確保がさらに便利に
X-BREAK S:HEVも継続設定
- オフロードテイストの外観
- 専用シートや樹脂パーツで差別化
2026年2月時点で納期は約4〜5ヶ月と比較的安定しています。
9. クロストレックの最新動向|Limited Style Edition追加
2025年7月、クロストレックに特別仕様車**「Limited Style Edition」**が追加されました。
Limited Style Editionの特徴
- 専用18インチアルミホイール
- LEDフォグランプ(イルミネーション機能付)
- 本革シート&ステアリング
- シルバー加飾パネル
- 2.0L e-BOXERベースで価格は335.5万円(FF)/356.95万円(4WD)
装備充実度でLimitedをベースに上質感をプラスした仕様です。
10. まとめ|あなたに最適な1台を選ぶために
新型フォレスターを選ぶべき人
✅ 家族4人以上での使用がメイン
✅ キャンプ、アウトドア、車中泊を本格的に楽しみたい
✅ 荷物をたくさん積む機会が多い
✅ 雪国在住、降雪地域への頻繁な移動
✅ 高速道路や山道で余裕のある走りを求める(ターボ)
✅ SUVらしい存在感のあるスタイリングが好き

クロストレックを選ぶべき人
✅ 都市部での運転がメイン、取り回しの良さ重視
✅ 1〜2人、カップルや独身での使用が中心
✅ 最新の乗り心地と静粛性を体感したい
✅ 狭い道や駐車場でのストレスを減らしたい
✅ 初めてのSUVで運転に自信がない
✅ 洗練されたデザインとカジュアルなスタイルが好き

迷った時の最終判断基準
**「週末にどう使うか」**をイメージしてください。
- アウトドア、車中泊、スキー、釣り → フォレスター
- ドライブ、買い物、日帰り旅行 → クロストレック
両車ともスバルならではのシンメトリカルAWDとアイサイトにより、安全性と走破性は折り紙付きです。あとは「あなたのライフスタイル」に合うかどうかだけです。
試乗は必須!実際に体感してから決めよう
カタログやネット情報だけで決めず、必ず両車を試乗してください。
- 運転席からの視界
- ハンドルの重さ、アクセルのレスポンス
- 後席の広さ、乗り降りのしやすさ
- 荷室の開け閉め、荷物の積みやすさ
これらは実際に体験しないと分かりません。週末にスバルディーラーを訪れ、じっくり比較検討することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
- 機械式駐車場に入る?
-
両車とも高さ1,550mm制限の駐車場には入りません。購入前に駐車場の高さ制限を必ず確認してください。
- 雪道性能はどちらが上?
-
最低地上高が高いフォレスター(220mm)がわずかに有利ですが、両車ともシンメトリカルAWDとX-MODE搭載で十分な雪道性能を持ちます。
- 燃費差はどのくらい?
-
S:HEV同士ではほぼ同等(クロストレックが0.1〜0.5km/L上回る程度)。年間コスト差は3,000円程度です。
- リセールバリューが高いのは?
-
フォレスターは降雪地域での需要が安定。クロストレックは新しい設計で都市部での評価が高い傾向。どちらも人気モデルでリセール◎。
- ターボモデルはクロストレックにも設定される?
-
2026年2月時点では未設定。余裕ある走りを求めるならフォレスターを選びましょう。
【まとめ】
新型フォレスターとクロストレック、どちらも優れたSUVですが、明確なキャラクターの違いがあります。
「本格アウトドア派のファミリーSUV」がフォレスター、「都会派カジュアルクロスオーバー」がクロストレックです。
あなたのライフスタイルに合った1台を選び、充実したカーライフをお楽しみください!

