ダイハツの人気軽スーパーハイトワゴン「タント」が、2026年8月31日に一部改良モデルを発売します。改良後の価格は1,496,000円〜2,145,000円(税込)。今回の改良では主に「スマートアシスト」の機能強化と、ターボ車への運転支援機能の標準装備化が実施され、安全性・快適性がさらに向上します。本記事では、新型タントの変更点・価格・安全装備・スペックを詳しく解説します。
新型タント一部改良の概要|2026年8月31日発売:
ダイハツは、軽スーパーハイトワゴン「タント」の一部改良モデルを2026年8月31日に正式発売することを予定しています。現行型タントは2019年7月にフルモデルチェンジして以来、2022年10月の外観刷新・ファンクロス追加、2024年10月の安全装備追加と段階的に進化を重ねてきました。今回の一部改良は、発売から7年を経過した現行型のさらなる熟成と位置づけられており、フルモデルチェンジではなく安全性能の強化を中心とした改良内容となっています。

2026年上半期(1〜6月)の国内新車販売データでは、軽自動車が全体の36%を占めており、そのうちスーパーハイトワゴン(全高1,700mm以上+スライドドア装着車)が軽乗用車全体の50%以上を占める人気カテゴリーとなっています。同期間の軽自動車販売ランキングでは1位がホンダ N-BOX、2位がスズキ スペーシア、3位がダイハツ ムーヴ+ムーヴキャンバス合算、そして4位にダイハツ タントがランクインしており、タントは依然としてダイハツの主力車種として高い人気を維持しています。

今回の変更点まとめ:
2026年8月の一部改良における主な変更点は以下のとおりです。
- 予防安全機能「スマートアシスト」に対横断自転車の検知機能を追加
- 「交差点右折時の対向車線の車両」検知機能を追加
- 「右左折時の対向方向から来る横断歩行者」検知機能を追加
- 対歩行者への衝突被害軽減ブレーキ作動の最高速条件を60km/hから80km/hに引き上げ
- ACC(アダプティブクルーズコントロール)の先行車検知距離と精度を改善し、滑らかな挙動を実現
- LKC(レーンキープコントロール)の作動時のふらつきを低減し、安心感を向上
- ターボエンジン搭載車に「スマートクルーズパック」を標準装備化
内外装のデザイン変更についてはほとんど行われない見込みであり、今回の改良は安全性能と運転支援機能の強化に集中した内容となっています。
過去の変更点については、2025年7月に特別仕様車「タント リミテッド」が設定、2024年10月にバックソナーを2個追加・価格改定、2022年10月に新エクステリアデザイン採用・ファンクロス新設定・燃費性能向上などが実施されています。
新型タントの価格一覧(2026年改良版):
改良後の新型タントの価格(税込)は以下のとおりです。カッコ内は改良前モデルとの価格差です。
▼タント(標準ボディ)
- L FF:1,496,000円(+11,000円)/4WD:1,622,500円
- X FF:1,628,000円(+11,000円)/4WD:1,749,000円
- Xターボ FF:1,793,000円(+60,500円)/4WD:1,914,000円
▼タントカスタム
- カスタムX FF:1,881,000円(+11,000円)/4WD:2,002,000円
- カスタムRS FF:2,024,000円(+60,500円)/4WD:2,145,000円
▼タントファンクロス
- FUNCROSS FF:1,820,500円(+11,000円)/4WD:1,941,500円
- FUNCROSS TURBO FF:1,963,500円(+60,500円)/4WD:2,084,500円
エントリーグレードの「L」(FF)は1,496,000円からとなり、最上位の「カスタムRS」(4WD)は2,145,000円となります。価格改定の幅は、自然吸気エンジン搭載車が+11,000円、ターボエンジン搭載車が+60,500円と、グレードによって値上げ幅が異なります。
値上げの理由と内訳:
自然吸気(NA)エンジン車の11,000円の値上げは、スマートアシストの機能強化にかかるコストと原材料費の高騰分を反映したものです。一方、ターボエンジン車の60,500円という比較的大きな値上げ幅については、「スマートクルーズパック」のオプションから標準装備への移行が主な要因と考えられています。
改良前の現行型において「スマートクルーズパック」(全車速追従機能付ACC・LKC・スマートクルーズ専用ディスプレイ・ステアリングスイッチ・ETCユニット・CTAを含む)のセットオプション価格は55,000円に設定されていました。これにNA車と共通の値上げ分11,000円を加算すると合計66,000円となり、ターボ車の実際の値上げ幅60,500円とほぼ一致する計算になります。ライバルのホンダ N-BOXなどが運転支援機能を標準装備している状況を踏まえると、タントもターボ車においてこれらの機能を標準化する必要性が高まっていたといえます。
スマートアシストの進化|安全装備の詳細:
今回の一部改良で最も注目される点は、予防安全機能「スマートアシスト」の大幅な機能強化です。改良前後の衝突被害軽減ブレーキの検知対象を比較すると、以下のように変化します。
- 車両検知:改良前○ → 改良後○(継続)
- 歩行者検知:改良前○ → 改良後○(継続)
- 自転車検知:改良前なし → 改良後○(新規追加)
- 右左折時の横断歩道上の歩行者検知:改良前なし → 改良後○(新規追加)
自転車の検知機能追加により、住宅街や交差点付近での事故リスクがさらに低減されます。また右折・左折時に対向方向から来る横断歩行者を検知する機能は、交差点での見落とし事故を防ぐうえで非常に重要な追加機能です。さらに対歩行者の衝突被害軽減ブレーキが作動できる最高速条件が60km/hから80km/hに引き上げられたことで、郊外や幹線道路での走行シーンにおける安全性も大きく向上しています。
ACCは先行車の検知距離と精度が改善されており、高速道路や渋滞時の追従走行がより滑らかになります。LKCも作動時のふらつきが低減され、長距離ドライブでの疲労軽減効果が期待されます。
スマートアシストには、これらの機能に加えて「スマートパノラマパーキングアシスト」(左右のカメラが駐車枠の白線を検知し、ステアリング操作をアシスト)、「レーンキープコントロール」、「車線逸脱抑制制御機能」なども引き続き搭載されており、総合的な安全性能は軽自動車トップクラスの水準を維持しています。
ターボ車に「スマートクルーズパック」が標準装備:
今回の改良における大きなトピックのひとつが、ターボエンジン搭載全グレードへの「スマートクルーズパック」の標準装備化です。スマートクルーズパックには以下の装備が含まれます。
- 全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)
- LKC(レーンキープコントロール)
- スマートクルーズ専用ディスプレイ
- ステアリングスイッチ(運転支援用)
- ETCユニット
- CTA(コーナリングトレースアシスト)
これまでターボ搭載グレード(Xターボ・カスタムRS・ファンクロスターボ)には標準装備グレードが設定されていなかった全車速追従機能付ACCやLKCが標準化されることで、高速道路での長距離移動や渋滞時の運転負荷が大幅に軽減されます。ETCユニットも標準で付いてくるため、別途購入・取り付けの手間とコストが省ける点も実用的なメリットです。
ストロングハイブリッド追加は見送り:
以前から一部ユーザーの間で噂されていた「eスマートハイブリッド」の搭載については、今回の改良では見送られることが複数の販売店への取材で確認されています。ダイハツ ロッキーやトヨタ ライズに搭載されるeスマートハイブリッドはモーター走行主体で燃費性能が高く評価されていますが、タントへの展開はこの改良では実現しませんでした。したがって、今回の改良によるユーザーへの主なメリットは安全装備の充実と運転支援機能の標準化という点に集約されます。
タントのボディタイプ・グレード構成:
タントのラインナップは、改良後も従来と同様に3つのボディタイプで構成されます。標準ボディ(タント)は、高い機能性と使い勝手の良さを重視したベースモデルで、親しみやすいデザインが特徴。タントカスタムは、角を強調した押し出し感のあるフロントデザインを採用したスポーティモデル。そしてタントファンクロスは、2022年10月に新たに設定されたクロスオーバーテイストのモデルで、樹脂製専用エクステリアパーツや防水加工ラゲッジルームなどアウトドア志向の装備が充実しています。
外装・内装デザインについて:
今回の一部改良では内外装のデザイン変更はほとんど行われない見込みです。現在のデザインは2022年10月の改良時に刷新されており、タントカスタムはフロント部分が角を強調したより存在感のあるスタイルに変更されています。タントファンクロスはタフな印象の専用エクステリアパーツを装備したクロスオーバーデザインを採用しています。
内装面では、運転席と助手席の両方がロングスライドに対応するミラクルオープンドアとの組み合わせが使いやすさを高めています。また、パワースライドドアに搭載された「ウェルカムオープン機能」は、降車時に予約しておくことで両手がふさがった状態でも車に近づくだけでドアが自動で開く便利な機能です。タントファンクロスには防水加工ラゲッジルーム、ラゲッジへのUSBソケット・ライトの追加、オレンジ内装アクセントなど、アウトドア・レジャーシーンに対応した装備が充実しています。
パワートレインと燃費:
新型タントのパワートレインは、DNGAプラットフォームに合わせて性能を向上させた660ccエンジンを搭載しています。
エンジンのスペックは以下のとおりです。
- 自然吸気(NA)エンジン:直列3気筒660cc、最高出力52ps、最大トルク6.1kgm
- ターボエンジン:直列3気筒660ccターボ、最高出力64ps、最大トルク10.2kgm
- トランスミッション:D-CVT
- 駆動方式:FF/4WD
トランスミッションには新世代「D-CVT」を採用しており、ギヤを組み込むことで「ベルト駆動」と「ベルト+ギヤ駆動」を使い分ける「パワースプリット技術」を搭載。高速域での伝達効率を従来比約8%向上させ、変速比幅をローからハイまで従来の5.3から7.3へと拡大することで、低速域のパワフルな加速と高速域での低燃費な走りを両立しています。
燃費性能(WLTCモード)は以下のとおりです。
- 660cc自然吸気エンジン:FF 22.7km/L、4WD 21.4km/L
- 660ccターボエンジン:FF 21.2km/L、4WD 19.6km/L
2022年の改良以前の前モデル(NA・FF)は21.2km/Lでしたが、現行型では最大1.5km/Lの燃費改善を達成しています。
ボディサイズと車体設計:
新型タントのボディサイズは以下のとおりです。
- 全長×全幅×全高:3,395mm×1,475mm×1,755mm(4WD車は全高1,775mm)
- ホイールベース:2,460mm
- 室内長×室内幅×室内高:2,180mm×1,350mm×1,370mm
- 車重:880kg
全長と全幅は軽自動車規格いっぱいまで活用した設計を引き継いでいます。プラットフォームには最新の「DNGAプラットフォーム」を採用し、サスペンションやアンダーボディの構造合理化・ハイテン率向上・樹脂部品活用などにより車体重量を前モデル比で大幅に軽量化。フロア高も前モデルから16mm低床化されており、子どもや高齢者の乗り降りのしやすさ、荷物の積み降ろしのしやすさが向上しています。また上下曲げ剛性を従来比30%アップした新開発アンダーボディと新開発サスペンションの採用により、乗り心地の質も高められています。
買い得グレードはどれ?:
改良後においても最もコストパフォーマンスに優れるグレードは、標準ボディの「X」(FF:1,628,000円)です。主要なライバル車であるホンダ N-BOX標準ボディ(176万8,800円)と比較すると、タント「X」は14万800円安い価格設定となっており、装備面でもタントならではの使いやすさが備わっています。
特にタントの最大の特長のひとつが、左側のピラー(柱)をスライドドアに埋め込んだ「ミラクルオープンドア」です。前後のドアを両方開くと開口幅が1,490mmにまで広がり、チャイルドシートへの子どもの乗せ降ろし、ベビーカーを抱えたままの乗り込み、高齢者の体をねじらない乗降など、さまざまなシーンでの使い勝手が格段に向上します。この実用性の高さまで含めて考慮すると、標準ボディの「X」は非常に高いコストパフォーマンスを持つグレードといえます。
タントの歴史と立ち位置:
ダイハツ・タントは2003年に初代が発売された、軽自動車ワゴン(モアスペース系)の先駆け的存在です。車名の「tanto」はイタリア語で「とても広い、たくさんの」という意味を持ち、日本語の「たんと」にも通じる車名として採用されました。初代から大きな室内空間を武器に、それまでダイハツの主力車種だった「ムーヴ」を販売台数で追い抜くほどの人気を獲得。代を重ねるごとにミラクルオープンドアなどの独自機能を進化させ、現在もスーパーハイトワゴンカテゴリーの主力車として支持を集めています。
現行の4代目は2019年7月に登場し、DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームを初採用。軽量化・高剛性化・低床化を同時に実現し、走行性能・安全性能・快適性のすべてを引き上げた意欲的なモデルとなっています。2026年の今回の一部改良は、現行モデルが発売から7年目を迎えてなお進化を続けている証といえるでしょう。
まとめ|発売7年でも選ぶ価値は十分:
ダイハツ 新型タント 一部改良(2026年8月31日発売)の主なポイントをまとめます。
- 発売日:2026年8月31日
- 価格:1,496,000円〜2,145,000円(税込)
- 主な変更点:スマートアシストへの自転車・交差点横断歩行者検知機能の追加、対歩行者ブレーキ作動の最高速60→80km/hへ引き上げ、ACCおよびLKCの性能改善
- ターボ車にスマートクルーズパックを標準装備
- ストロングハイブリッド追加は今回は見送り
- 内外装のデザイン変更はほぼなし
発売から7年が経過してなお、価格の割安感とミラクルオープンドアに代表される独自の使い勝手の良さを武器に、スーパーハイトワゴン市場で存在感を発揮しているタント。今回の安全装備の強化によって現代の交通事情に対応した安全性能がさらに高まり、特にファミリー層や高齢者のいるご家庭に向けた訴求力がより一層増しています。購入を検討されている方は、2026年8月31日の発売後にぜひ販売店でミラクルオープンドアの使い勝手を体感し、ライバル車と比較試乗してみることをおすすめします。

