三菱自動車が誇る伝説的クロスカントリーSUV「パジェロ」が、約7年のブランクを経てついに復活を果たします。2026年8月4日、三菱自動車は今秋に新型パジェロを世界初披露することを公式に発表し、あわせて足まわりにフォーカスした新たな情報と動画をスペシャルサイトで公開しました。「PAJEROがもう一度、走り出す。」というキャッチコピーとともに、往年のファンのみならず本格オフロードSUVを求めるすべてのドライバーにとって、胸が躍るビッグニュースです。
パジェロとはどんなクルマ?その歴史と伝説
新型パジェロを語るうえで、まずその輝かしい歴史を振り返ることは欠かせません。1982年5月に初代パジェロがデビューし、オフロードにおける高い走破性と乗用車並みの扱いやすさを両立させたモデルとして国内外で人気を博しました。車名「パジェロ(Pajero)」はアルゼンチン南部に生息する野生の猫の名前に由来しています。

デビューの翌年1983年から世界最高峰の過酷なモータースポーツ競技「パリ・ダカールラリー」に参戦し、1985年には日本車として初の総合優勝を達成。その後も通算26回の参戦で、7大会連続を含む計12回の総合優勝という輝かしい戦績を収め、世界に「パジェロ」の名を轟かせました。
1991年には2代目へフルモデルチェンジ。時代のRVブームの波にも後押しされ、当時の絶対王者であったトヨタ「カローラ」を抑えて国内新車月間販売台数1位を獲得するほどの社会現象的なヒットを記録しました。また、1994年から2011年まで放送されたTBS系「関口宏の東京フレンドパークII」でダーツの景品として長年採用されたことで、幅広い世代の日本人にとって親しみ深いクルマとなりました。
その後、1999年に3代目、2006年に4代目へとフルモデルチェンジを重ねましたが、市場ニーズが本格クロカンからスマートなSUVへ移行したことで販売が低迷。2019年4月には特別仕様車「ファイナルエディション」が700台限定で販売され、37年にわたる歴史に幕を下ろしました。4世代にわたって累計325万台が生産され、170ヵ国以上に輸出された、まさに日本を代表する一台です。
新型パジェロ復活への道のり
生産終了から約5年。2026年1月の「東京オートサロン2026」プレスカンファレンスにおいて、三菱自動車の加藤 隆雄 社長 兼CEOが新型クロスカントリーSUVの年内投入を予告。その後、2026年4月の「オートモビルカウンシル2026」では岸浦 恵介 代表執行役社長 兼COOが改めて発表し、ファンの期待を高めました。

そして同年5月29日、新中長期ビジョンの発表の場でついに新型クロスカントリーSUVが「新型パジェロ」であることが正式に明言されました。この段階で、トライトンのラダーフレームを採用した新規専用開発モデルであること、タイで生産されること、そして三菱のフラッグシップモデルとして位置づけられることが公表されています。
5月29日〜31日に静岡県富士宮市の朝霧高原で開催されたファンイベント「三菱スターキャンプ2026」では、ごく一部の来場者に新型パジェロと目されるモデルが限定公開され、現地に集まったファンの間で大きな話題を呼びました。
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/teaser/starcamp
2026年8月公開の最新情報:ラダーフレーム×S-AWCで走りを極める
2026年8月4日に公開された新たな情報では、新型パジェロの走りを支える「足まわり」の詳細が明らかになりました。
ラダーフレーム構造の採用により、オフロードで大きな凹凸や強い衝撃がかかる路面でも卓越した走破性を発揮します。同時に、高い路面追従性を発揮するサスペンションとの組み合わせにより、オンロードでの荒れた路面やうねりでも車体の不快な揺れや振動を最小限に抑え、長距離ドライブでも疲れにくい上質な乗り心地を実現しています。本格オフロード性能と日常の快適性という、相反しがちな二つの要素を高次元で両立させているのが新型パジェロの大きな特徴です。

さらに、三菱が誇る車両運動統合制御システム「S-AWC(Super-All Wheel Control)」を採用。走行状況に応じてリアルタイムに最適な操縦性・走破性・安定性を実現し、ドライバーがあらゆる天候・路面状況でも安全・安心に走行できるようサポートします。S-AWCはヨーコントロール機能(AYC)を組み合わせることで、4WDシステムとしての完成度をさらに高めており、泥濘(ぬかるみ)・岩場・急勾配など世界中のあらゆる自然環境に対応できる走破力が与えられています。
スペシャルサイトでは、足まわりにフォーカスした動画も公開されており、実際のオフロード走行シーンでその実力の一端を垣間見ることができます。
注目の装備「マルチメーター」が令和版として復活
新型パジェロの発表当初から注目を集めていたのが、歴代モデルの象徴的装備「マルチメーター」の復活です。高度計・方位計・温度計・車体の前後左右の傾き・左右のトルク配分など、オフロード走行で必要となる多彩な情報をリアルタイムに表示し、ドライバーが自信を持って運転できるようサポートする機能です。

急勾配の山道、狭く険しい林道、凹凸の激しい岩場、スコールによる泥濘など、刻々と変化する走行状況と車体姿勢をリアルタイムで把握できるこのシステムは、歴代パジェロへのオマージュを込めながら現代技術で大幅に進化した、まさに「令和のマルチメーター」と呼ぶべき装備です。
予想スペック・パワートレイン
現時点では正式なスペックは公表されていませんが、これまでに公開された情報をもとにした予想スペックは以下の通りです。
ボディサイズは全長4,900mm × 全幅1,895mm × 全高1,850mm、ホイールベース2,780mmが想定されており、ランドクルーザー250・300と並ぶ本格クロスカントリーSUVとしての堂々たるサイズ感です。最低地上高も250〜300mm程度が見込まれ、高いオフロード性能を裏付けています。
パワートレインはPHEV(プラグインハイブリッド)が有力視されており、2.4L 直列4気筒DOHCエンジン(出力98kW/195Nm)にフロント・リアの電気モーター(フロント85kW/255Nm、リア100kW/195Nm)を組み合わせたシステムが搭載される見込みです。バッテリー容量は約20kWhで、EV走行も可能なプラグインハイブリッドシステムが採用されると予想されています。ガソリンモデルには8ATが組み合わされる可能性もあります。
安全装備については、三菱の先進運転支援システム「MI-PILOT」をはじめ、FCM(前方衝突被害軽減ブレーキ)・EAPM(誤発進抑制機能)・AHB(オートマチックハイビーム)・TSR(交通標識認識)・LDA(車線逸脱警報)など充実した予防安全機能の搭載が想定されます。
デザインのコンセプト:ENGELBERG TOURERが示す方向性
新型パジェロのデザイン方向性を読み解くヒントとなるのが、三菱が発表したコンセプトカー「ENGELBERG TOURER」です。「Drive your Ambition」「Robust & Ingenious(堅牢さと独創性)」をテーマに、LEDを多用した先進的なフロントフェイスと、クリーンで力強いボディラインを融合させたデザインが提案されています。現行のトライトンから継承するラダーフレームベースのクロスカントリーSUVとして、無骨さと上質感を高い次元で両立させる外観が期待されます。
発売時期・価格の見通し
三菱自動車は「2026年度中(〜2027年3月)」の国内投入を予告しており、今秋の世界初公開後に正式な発売日と価格が明らかになる見込みです。首都圏の三菱ディーラーによれば「発売直後は相当な反響が予想される」「確実に入手したいなら今から購入の意思を示しておくことを勧める」とのコメントもあり、争奪戦になる可能性が高いとされています。フラッグシップモデルとしての位置づけを考えると、価格帯はPHEVで700〜900万円台が予想され、競合するランドクルーザー250やレクサスGXと同水準となる可能性があります。
まとめ:新型パジェロは本格オフロードSUV復権の象徴
7年のブランクを経て復活する新型パジェロは、ラダーフレーム×S-AWCによる本格的な走破性、PHEVパワートレインによる電動化時代への対応、そして「マルチメーター」に代表される歴代モデルへのオマージュを融合させた、まさに三菱の総力を結集した一台です。
かつてパリ・ダカールラリーで世界を席巻し、国内新車販売台数1位を誇ったパジェロが、時代を超えて再び走り出す。ランドクルーザー250・300、日産パトロール(海外仕様)などが強みを持つ本格クロスカントリーSUV市場において、新型パジェロがどのような存在感を示すのか、今秋の世界初公開から目が離せません。発売に向けた最新情報は随時更新予定ですので、引き続きチェックしてください。
パジェロ
https://www.mitsubishi-motors.com/jp/newsroom/newsrelease/2026/20260804_1.html

