2026年は、日本の本格SUV市場にとって歴史的な年となりました。トヨタ自動車が2021年にフルモデルチェンジしたランドクルーザー300(以下:ランクル300)が2026年9月にハイブリッドモデルを追加するという大型アップデートを実施し、同じタイミングで三菱自動車が約7年の沈黙を破りフラッグシップSUV「パジェロ」をフルモデルチェンジして世界初公開したのです。


2026年、フラッグシップSUV市場が動いた
この2台は、単なる偶然の一致ではありません。三菱自動車は新型パジェロの国内テスト走行において、ライバル比較車としてランクル300を選んで並走させていたことが複数のスパイショットで確認されています。三菱が新型パジェロの仮想敵として真っ先にランクル300を意識していたことは明白であり、その本気度と自信の表れといえるでしょう。

本記事では、2026年を代表するフラッグシップSUVである「三菱 新型パジェロ」と「トヨタ ランドクルーザー300(HEV含む)」を、ボディサイズ・パワートレイン・走行性能・インテリア・安全装備・価格のあらゆる面から徹底比較していきます。どちらが自分に合うSUVなのかを判断する上で、ぜひ参考にしてください。

両車のプロフィールと立ち位置
まず両車の成り立ちと立ち位置を整理しておきましょう。
三菱 新型パジェロは1982年に初代が誕生して以来、パリ・ダカールラリーでの輝かしい実績を背景に世界170以上の国と地域で愛され続けてきた三菱自動車のフラッグシップSUVです。4代目モデルが2019年に生産終了となってから約7年、満を持して2026年9月2日に世界初公開されたフルモデルチェンジ版です。「悪路走破性・信頼性(Confidence)」「快適性と扱いやすさ(Comfort)」という歴代のDNAに、新世代では「フラッグシップにふさわしい上質さ(Prestige)」を新たに加えた三菱の総力を結集した一台です。生産はタイで行われ、2026年12月17日に日本での正式発売が予定されています。

トヨタ ランドクルーザー300は2021年8月に登場した現行型で、先代の200系から約14年ぶりのフルモデルチェンジを経て誕生しました。新開発のGA-Fプラットフォームを採用し、約200kgの大幅な軽量化を実現。初代から70年以上続くランドクルーザーの哲学「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」を現代の技術で昇華させた、世界中で絶大な信頼と人気を誇るSUVです。2025年3月にはマイナーチェンジを実施し、12.3インチディスプレイオーディオやToyota Safety Sense最新版などを追加。さらに2026年9月にはV6 3.5Lハイブリッド(HEV)を追加し、ラインナップを一層強化しています。

ボディサイズ比較:どちらが大きい?
ボディサイズは、実際に購入を検討する上で日常使いのしやすさや駐車場適性に直結する重要な要素です。
新型パジェロのボディサイズは全長4,920mm×全幅1,925mm×全高1,910mm、ホイールベースは2,870mmです。タイヤサイズは255/55 R20、車両重量は2,460kgとなっています。最低地上高は230mm(20インチタイヤ装着時)を確保しており、前後重量配分は52対48と良好なバランスを実現。最小回転半径は5.8mです。

一方のランクル300(ガソリンモデル)は全長4,985〜4,990mm×全幅1,980〜1,990mm×全高1,880〜1,925mm(グレードによる)、ホイールベースは2,850mmです。車両重量は2,360kg前後(グレードにより異なる)、最低地上高は225mmとなっています。

比較してみると、全長はランクル300がやや長く、全幅においてはランクル300が約55〜65mm広く、全高は新型パジェロがやや高めです。ホイールベースは新型パジェロが20mm長く、室内の余裕感や後席の居住性においては新型パジェロに若干のアドバンテージがある可能性があります。また、全幅についてはランクル300(最大1,990mm)が2,000mmに迫るのに対し、新型パジェロは1,925mmに抑えられており、日本の立体駐車場(幅1,950mm以下が目安とされることが多い)での取り回しを考慮した際に新型パジェロのほうが有利になるケースもあります。
新型パジェロ:全長 4,920mm × 全幅 1,925mm × 全高 1,910mm|WB 2,870mm
ランクル300:全長 4,985〜4,990mm × 全幅 1,980〜1,990mm × 全高 1,880〜1,925mm|WB 2,850mm
パワートレイン比較:ディーゼルターボ vs ガソリン&ハイブリッド
両車の最大の違いのひとつが、搭載するパワートレインの種類と方向性です。
新型パジェロには、ワイドレンジVGシングルターボを採用した専用開発の直列4気筒2.4Lクリーンディーゼルターボエンジンが搭載されます。最高出力150kW(201PS)/3,500rpm、最大トルク480Nm(1,750〜2,500rpm)というスペックを誇り、トランスミッションはスポーツモード付き8速ATが組み合わされます。前モデルの3.2Lディーゼル(190PS/450Nm)から排気量は縮小しながらも、出力・トルクともに上回るという進化を遂げており、WLTCモード燃費は11.5km/Lが見込まれています。2.4Lという排気量でありながら大型ボディを力強く引っ張る480Nmの最大トルクは、オフロードや急勾配の上り坂においても安心感を与えてくれます。
ランクル300には現時点でガソリンモデルとディーゼルハイブリッドモデルが設定されており、2026年9月にはV6 3.5Lガソリンハイブリッド(HEV)が追加されます。ガソリンモデルはV6 3.5L(415PS/650Nm・10AT)、ディーゼルモデルはV6 3.3Lディーゼルターボ(309PS/700Nm・10AT)、そして新たに加わるHEVはV6 3.5L+モーターによるシステム最高出力463PS・最大トルク80.1kgm(785Nm)という圧倒的なスペックを持ちます。WLTC燃費はガソリン9.7km/L、ディーゼル7.9〜8.0km/Lで、ガソリンHEVは燃費の大幅改善も期待されています。
エンジンの性格を比べると、パジェロのディーゼルターボは低回転域から湧き上がる大トルクが持ち味で、オフロードや低速域での力強い走りが特徴です。ランクル300のV6ガソリン/HEVは高出力・高トルクによる余裕あふれる動力性能が持ち味であり、特に新HEVの463PSは圧倒的な加速感を誇ります。燃費面では2.4Lディーゼルの新型パジェロ(11.5km/L)が優位ですが、HEVのランクル300が正式発表されれば差は縮まる可能性があります。維持費や長距離ドライブにおける使いやすさも含めて検討したい部分です。
オフロード走破性能比較:本格4WD性能を深掘り
フラッグシップクロスカントリーSUVを比較する上で、オフロード走破性能は最重要項目のひとつです。

新型パジェロのアプローチアングルは30.4度、ランプブレークオーバーアングルは22.6度、デパーチャーアングルは25.8度(いずれも20インチタイヤ装着時)。最低地上高は230mmです。4WDシステムにはスーパーセレクト4WD-II(SS4-II)を搭載し、2H(後輪駆動)、4H(フルタイム4WD)、4HLc(センターデフロック)、4LLc(ローギヤ+センターデフロック)の4モードを選択可能。さらに三菱自動車が誇るS-AWC(スーパー・オールホイール・コントロール)との組み合わせにより、電子制御によるトルク配分が高い次元で走破性をサポートします。走行モードはNORMAL・ECO・GRAVEL・SNOW・MUD・SAND・ROCKの7種類と充実しています。

ランクル300のアプローチアングルは32度、ランプブレークオーバーアングルは26度、デパーチャーアングルは44度(ZX)・45度(GR SPORT)という極めて優秀な数値を誇ります。最低地上高は225mmで、渡河性能は最大700mmという圧倒的な性能を持っています。4WDシステムにはセンターデフロック+ローギヤを備えたパートタイム4WD(Lo付き)を採用し、電子デバイスのMulti-Terrain SelectやKinetic Dynamic Suspension System(KDSS)などを組み合わせて高い悪路走破性を実現します。
走破性の数値を比較するとデパーチャーアングルや渡河深度においてランクル300が優位です。一方で、新型パジェロのS-AWC+SS4-IIは電子制御の緻密さと扱いやすさで高い評価を得ており、7つのドライブモードによる路面適応性は日常からハードなオフロードまで幅広いシーンを強力にカバーします。どちらも本格的なクロスカントリー走行に十分な性能を持っており、「どこまで攻めるか」という使い方によって評価が分かれるでしょう。
インテリア・インフォテインメント比較:質感と先進性
室内の質感と先進装備は、フラッグシップSUVを選ぶ上で大きな差別化ポイントとなります。

新型パジェロには、14.3インチの大型ディスプレイ2枚で構成される「モノリスディスプレイ」(グレードによっては12.3インチ)が搭載されています。このデュアルディスプレイは走行モードごとの専用演出やリアルタイム変化するビジュアル(全16種類)、さらに時間の経過とともにメーター背景が変化する機能など、視覚的な楽しさと情報性を高次元で両立させています。インストルメントパネルやドアトリムには日本の伝統工芸「木目込み」にインスパイアされた縫製技法のソフトマテリアルを採用し、フラッグシップにふさわしい上質感と立体感を演出。音響システムはヤマハと共同開発した「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」(12スピーカー+デジタルアンプ)を採用し、車速連動のサウンド補正機能によりあらゆるシーンで最高の音楽体験を提供します。

ランクル300(2025年マイナーチェンジ後)は12.3インチのフルデジタルメーターと12.3インチディスプレイオーディオの2画面構成を採用。JBLプレミアムサウンドシステム(14スピーカー)を装備し、Apple CarPlay・Android Autoにも対応。Toyota Teammate(先進運転支援)やG-Linkコネクテッドサービス、三列シートへの対応など、使い勝手の高さも特徴です。さらに2026年のHEVモデルではAC1,500Wの外部給電機能が追加されており、キャンプや災害時の電源確保においても大きな強みとなります。
ディスプレイサイズでは新型パジェロの14.3インチデュアルが視覚的なインパクトで優位に立ちますが、ランクル300もトヨタの充実したコネクティッドサービスと実績ある操作性で高い評価を誇ります。ドライビングの楽しさとエンタメ性を重視するなら新型パジェロ、利便性と実用性をバランスよく求めるならランクル300という評価軸になるでしょう。
安全装備比較:最新技術の搭載状況
安全装備においても、両車は異なるアプローチで最新技術を搭載しています。
新型パジェロには衝突被害軽減ブレーキ(FCM:歩行者・自転車・自動二輪車検知+交差点アシスト付き)、前方衝突予測警報(PFCW)、踏み間違い衝突防止アシスト(EAPM)、緊急時車線維持支援機能(ELA)、前進時交差車両検知警報(FCTA)などが搭載されます。さらに高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット(MI-PILOT)」を装備し、ACC(レーダークルーズコントロール)とLKA(車線維持支援機能)の統合制御で長距離ドライブ時の疲労を大幅に軽減します。三菱自動車として初採用となるSRSセンターエアバッグを含む計8つのSRSエアバッグや、3Dマルチアラウンドモニター、フロントアンダーフロアビューも搭載されています。
ランクル300(2025年マイナーチェンジ後)はToyota Safety Sense 3.0を採用し、車線変更支援(LCA)、前方交差車両検知警報(FCTA)、歩行者・自転車・自動二輪車対応の衝突被害軽減ブレーキなどを装備。Toyota Teammate(Advanced Drive)やAdvanced Parkなども設定され、自動駐車機能まで網羅する先進性を備えています。2026年のHEVモデルでも最新の安全システムが継続搭載されます。
安全装備の充実度では両車とも最新水準にあり、大きな差は見られません。ただしランクル300はToyota TeamateによるAdvanced Driveや自動駐車機能など、より高度な自動化機能において若干のアドバンテージを持っています。一方で新型パジェロのフロントアンダーフロアビューはオフロード走行時の安心感に直結する独自機能であり、使い方に応じた優位性があります。
価格比較:コストパフォーマンスを見極める
価格面は購入の最終決断に直結する重要な要素です。
新型パジェロの日本国内正式価格は2026年10月29日の国内正式発表時に公開される予定で、現時点では未発表です。ただし車格・装備内容・生産コスト(タイ生産)を踏まえると、競合のランクル300の中堅グレード程度を意識した価格帯に設定されることが予想されており、業界内ではおおよそ600〜900万円台前半が予想ラインとして挙げられています。
ランクル300の現行価格(2025年3月マイナーチェンジ後・税込)は次の通りです。GX(3.5Lガソリン)が5,252,500円、AX(同)5,630,900円、VX(同)6,436,100円、ZX(3.5Lガソリン)7,436,000円、GR SPORT(3.5Lガソリン)7,836,400円、ZX(3.3Lディーゼル)7,736,300円、GR SPORT(3.3Lディーゼル)8,136,700円となっています。2026年9月に追加されるHEVモデルはZXで860〜870万円台、GR SPORTで900〜910万円台が予想されており、現行モデルより120〜130万円程度高くなる見込みです。
価格帯を比較した場合、ランクル300は幅広いグレード構成によって約525万円から813万円以上まで選択肢が用意されており、購入予算に応じたグレード選びが可能です。新型パジェロの価格次第では、競合との価格優位性(特にコストパフォーマンスの観点)が大きな購入動機となる可能性があります。
$$\text{ランクル300 GX(3.5L):5,252,500円 ~ GR SPORT(3.3Lディーゼル):8,136,700円}$$
$$\text{ランクル300 HEV(予想):ZX 860〜870万円台、GR SPORT 900〜910万円台}$$
$$\text{新型パジェロ(予想):約600〜900万円台前半(2026年10月29日正式発表予定)}$$
主要スペック一覧比較表
| 比較項目 | 三菱 新型パジェロ | トヨタ ランクル300(HEV) |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2026年12月17日(日本) | 2026年9月(HEV追加) |
| 全長 | 4,920mm | 4,985〜4,990mm |
| 全幅 | 1,925mm | 1,980〜1,990mm |
| 全高 | 1,910mm | 1,880〜1,925mm |
| ホイールベース | 2,870mm | 2,850mm |
| エンジン | 2.4L直4ディーゼルターボ | V6 3.5Lガソリン+モーター(HEV) |
| 最高出力 | 201PS(150kW) | 463PS(システム合計) |
| 最大トルク | 480Nm | 785Nm(80.1kgm) |
| トランスミッション | 8速AT | 10速AT |
| WLTC燃費 | 11.5km/L(予定) | 未発表(HEV)/9.7km/L(3.5L) |
| 最低地上高 | 230mm | 225mm |
| 渡河深度 | 非公表 | 700mm |
| アプローチアングル | 30.4度 | 32度 |
| デパーチャーアングル | 25.8度 | 44〜45度 |
| 4WDシステム | SS4-II+S-AWC | センターデフロック+Lo |
| ドライブモード | 7モード | Multi-Terrain Select |
| ディスプレイ | 14.3インチ×2(デュアル) | 12.3インチ×2 |
| 音響システム | Yamaha Ultimate(12SP) | JBL(14SP) |
| 外部給電 | 非搭載 | AC1,500W(HEV) |
| 価格(目安) | 約600〜900万円台前半(予想) | 860〜910万円台(HEV・予想) |
どちらを選ぶべきか?ターゲット別おすすめ診断
両車のキャラクターを踏まえたうえで、どちらが自分のライフスタイルに合っているかを整理してみましょう。
三菱 新型パジェロが向いている人として、まず挙げられるのはディーゼルターボの低重心トルクと優れた燃費効率を活かして長距離ドライブやアウトドアを楽しみたい方です。2.4Lクリーンディーゼルは高速道路での巡航でも高トルクを維持しながら11.5km/Lという燃費水準を実現しており、ガソリン代の節約にも貢献します。また全幅1,925mmという取り回しのしやすさは、日本の住宅密集地や立体駐車場を多用する都市部ユーザーにとっても大きな安心感です。さらにパジェロ復活を待ち望んでいた歴代ファンや、三菱SUVのDNAであるS-AWCの精緻な4WD制御を求める走行好きのドライバーにもぴったりです。14.3インチのデュアルディスプレイとYamahaオーディオが織りなすインテリア体験、日本の伝統工芸にインスパイアされた上質な室内空間は、フラッグシップSUVとして新しい価値観を提示しています。

トヨタ ランクル300(HEV)が向いている人としては、まず圧倒的な463PSとV6エンジンのフィーリングに価値を見いだす方が挙げられます。HEVモデルのAC1,500W外部給電機能はキャンプや車中泊、近年増加する自然災害時の非常電源としても強力な武器であり、電動化の恩恵を最大限に活かしたいユーザーに響くポイントです。また70年を超えるランドクルーザーの歴史と世界的なブランド信頼性、そして700mmという圧倒的な渡河性能やデパーチャーアングル44〜45度という本格走破性は、ガチのオフロードユーザーに対して唯一無二の説得力を持っています。世界約180カ国でのサービス網とリセールバリューの高さも、長期的なオーナーシップを考える際の大きな安心材料となります。
まとめ:2026年フラッグシップSUV頂上決戦の結論
三菱 新型パジェロとトヨタ ランドクルーザー300は、それぞれが異なる強みを持ちながら「本格フラッグシップSUVの頂点」を争う好敵手です。テスト走行でランクル300を比較車として選んだ三菱の本気度が示す通り、新型パジェロはその走りの質・デザインの完成度・インテリアの先進性においてランクル300と真っ向から勝負できる一台に仕上がっています。
一方のランクル300(HEV)は、2026年9月の大型アップデートにより463PSの圧倒的動力性能とAC1,500W外部給電を手に入れ、さらに磐石な存在感を放っています。
購入の判断軸をシンプルにまとめるなら、「ディーゼルの経済性・取り回しのよさ・新世代インテリアの先進感」を重視するなら新型パジェロ、「ガソリンHEVの高出力・圧倒的な渡河性能・外部給電・ブランドの信頼性とリセールバリュー」を重視するならランクル300 HEVという構図になります。
新型パジェロの日本での正式発売は2026年12月17日。価格の正式発表は2026年10月29日に予定されています。価格が判明した時点で、両車のコストパフォーマンス比較もより具体的な判断が可能になるはずです。2026年のフラッグシップSUV市場は、まさに目が離せない状況が続いています。
パジェロ
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/pajero/special/index.html
ランドクルーザー300

