ホンダの人気コンパクトSUV「ヴェゼル(VEZEL)」が、2026年10月下旬に一部改良を実施することが明らかになっています。今回の改良は単なるイヤーチェンジにとどまらず、日本市場初となる新グレード「e:HEV TRAIL SPORT(トレイルスポーツ)」の追加や、Honda S+ Shiftの搭載など、商品力の底上げが図られる内容となっています。現在ヴェゼルの購入を検討中の方にとって、「今すぐ買うべきか、それとも新型を待つべきか」は最大の悩みどころではないでしょうか。本記事では、2026年発売の新型ヴェゼル(一部改良モデル)について、発売スケジュール・グレード構成・新色・装備の変更点・気になるポイントまで網羅的に解説します。

2026年10月、ヴェゼルが大きく進化する 発売スケジュール:標準車とTRAIL SPORT・RSで約2ヶ月のズレがある
2026年一部改良版ヴェゼルの発売は、グレードによってスケジュールが異なります。ガソリンG・e:HEV X・e:HEV Z・e:HEV Z PLaY Packageといった標準車は2026年10月下旬に発表・発売が予定されているのに対し、新設定グレードの「e:HEV TRAIL SPORT」と既存の「e:HEV RS」については2026年12月中旬の発売が見込まれています。購入を検討しているグレードによって受注・納車スケジュールが約2ヶ月前後ずれる点は、事前にしっかり把握しておく必要があります。また、正式発表は2026年9月末から順次行われる予定とされており、続報も注目です。
グレード構成:日本初「e:HEV TRAIL SPORT」が登場、HuNT Packageは廃止
今回の一部改良で最も大きなトピックのひとつが、日本市場初となる「e:HEV TRAIL SPORT(2WD/4WD)」の新設定です。これと同時に、アウトドア志向のエントリーグレードとして人気を集めていた「e:HEV X HuNT Package(2WD/4WD)」が廃止されます。カラーリングのコンセプトや価格帯の近さからも、TRAIL SPORTはHuNT Packageの実質的な後継グレードと位置付けられています。
改良後の全グレード構成は以下のとおりです。
- 1.5Lガソリン:ガソリンG(4WDのみ)
- 1.5L e:HEV:e:HEV X(2WD/4WD)、e:HEV TRAIL SPORT【NEW】(2WD/4WD)、e:HEV Z(2WD/4WD)、e:HEV Z PLaY Package(2WD/4WD)、e:HEV RS(2WD/4WD)
- 廃止:e:HEV X HuNT Package(2WD/4WD)
なお、廃止を予測する声も多かったノンハイブリッドのガソリンGは、今回の一部改良モデルでも継続設定が確認されています。ただし、次期型ヴェゼル(2028年デビュー予定)ではガソリンモデルが廃止され、e:HEVに全面集約される見通しです。
新グレード「e:HEV TRAIL SPORT」の特徴と魅力
e:HEV TRAIL SPORTは、ホンダがグローバルで展開する新しいブランド軸「TRAIL LINE」の一翼を担う重要なグレードです。HuNT Packageが国内向けのアウトドア演出にとどまっていたのに対し、TRAIL SPORTは北米で人気の「パスポート トレイルスポーツ」や「CR-V トレイルスポーツ」とも共通のブランドアイデンティティを持ち、グローバルなアウトドアSUVとして正式に位置付けられています。
装備面では、Honda S+ Shiftがe:HEV RSとともにTRAIL SPORTに標準装備される予定です。また、インテリアには北米のパスポート トレイルスポーツに近いオレンジアクセントを取り入れた専用カラーが採用される見込みで、外観だけでなく室内においてもアクティブで個性的なキャラクターが演出されます。メーカーオプションとしてマルチビューカメラシステム(MVCS)および後退出庫サポートも設定可能となっており、この点はエントリーグレードのe:HEV Xとの明確な差別化ポイントとなっています。
ボディカラー:TRAIL SPORT専用の新色「ボタニカルグリーンパール」が登場
一部改良モデルではカラーラインナップも刷新され、特にe:HEV TRAIL SPORT向けに新色「ボタニカルグリーンパール」が追加されます。自然の緑を彷彿とさせるこの色は、アウトドア志向のTRAIL SPORTのキャラクターを視覚的にも強く表現するものとなっています。モノトーンとツートンカラーの全ラインナップは以下のとおりです。
【モノトーン】
- プラチナホワイトパール(G/X/TRAIL SPORT/Z/RS)
- プレミアムサンライトホワイトパール(G/X/Z)
- クリスタルブラックパール(G/X/TRAIL SPORT/Z/RS)
- スレートグレーパール(G/X/TRAIL SPORT/Z/RS)
- プレミアムクリスタルレッドメタリック(Z/RS)
- シーベッドブルーパール(G/X/TRAIL SPORT/Z/RS)
- ボタニカルグリーンパール(TRAIL SPORT/Z) ※新色
【2トーンカラー】(e:HEV Z PLaY Package専用)
- プレミアムサンライトホワイトパール×ブラックルーフ 2トーン
- スレートグレーパール×ブラックルーフ 2トーン
- ボタニカルグリーンパール×ブラックルーフ 2トーン
- クリスタルブラックパール×シルバールーフ 2トーン
- シーベッドブルーパール×シルバールーフ 2トーン
東京オートサロン2026で世界初公開|ヴェゼル トレイルスポーツ HRC コンセプトとは
2026年1月9日、幕張メッセで開催された東京オートサロン2026において、ホンダは「TRAIL LINE HRC Concept」と銘打った4車種のコンセプトモデルを世界初公開しました。公開されたのはCR-V・ZR-V・ヴェゼル・WR-VのHRCコンセプト4車種で、いずれも「薄いブルーのボディ×オレンジの差し色」という共通のカラーリングで統一されています。
HRC(Honda Racing Corporation)はF1やMotoGPといった世界最高峰のモータースポーツで培ったレーシングテクノロジーとDNAを持つブランドです。そのHRCがSUVライン全体に本格展開することは、ホンダが「スポーツDNAをあらゆる領域へ広げる」という強い意志を持っていることの表れといえます。
ヴェゼルのHRCコンセプトが4車種の中でも特に注目を集めた理由は、「やりすぎない強さ」を体現しているからです。CR-VのHRCコンセプトが大径タイヤや本格的なスキッドプレートを装着した本格オフローダー志向であるのに対し、ヴェゼルのHRC仕様は都会的な洗練さを残しながらアクティブなキャラクターをさりげなく付与するスタイリングが特徴です。フロントグリル周辺のブラックアウト化、サイドのプロテクションモールによる実用性とワイルドさの演出などが変更点として挙げられます。「街でも違和感なく、週末はそのまま自然の中へ入っていける」というデュアルユース性が徹底して重視されており、市販モデルのTRAIL SPORTにもそのコンセプトが色濃く反映される見通しです。
改良型ヴェゼルの気になるポイント・残念な点も正直チェック
新型ヴェゼルへの期待が高まる一方で、今回の一部改良では採用されない機能や装備も複数あります。購入前にしっかり把握しておくべき「残念なポイント」を正直にまとめます。
電動パワーシートが依然として設定されない
実は先代ヴェゼルでは運転席のみ8way式電動パワーシートが採用されていましたが、現行モデルになってから全グレードで廃止されており、今回の一部改良でも復活しません。年々高騰する部品コストや重量バランス、メンテナンス面での判断と思われますが、上位グレードのe:HEV Z・e:HEV Z PLaY Packageにだけでも設定があっても良かったと感じるユーザーは少なくないでしょう。この点は次期フルモデルチェンジ(2028年以降)への宿題として残りました。
メーターデザインは変更なし
今回の改良ではメーターパネルのデザインも変わりません。引き続き7インチ液晶+アナログメーターのハイブリッドタイプが採用されます。フィット4やフリードのような7インチ液晶+LCDハイブリッドメーター、あるいはステップワゴンやZR-Vのような10.25インチ大型液晶メーターの採用を期待していた方には残念な結果です。このレベルの変更は、おそらく2028年以降の次期型ヴェゼルまで持ち越しになると予想されます。
Googleビルトインナビはヴェゼルでも非採用
昨今のホンダ車では多くのモデルでGoogleビルトインナビの採用が進んでいますが、今回の改良型ヴェゼルでも採用されません。引き続きHonda CONNECT 9インチディスプレイオーディオが標準となります。2026年7月に発売されたビッグマイナーチェンジ版フィット4やN-BOXでも非採用となった一方で、AセグメントモデルのスーパーワンではGoogleビルトインナビが標準装備されるという謎の状況が続いており、ホンダのモデル別装備戦略は依然として不透明です。
Honda SENSINGのアップデートなし
予防安全装備Honda SENSINGについても、今回の改良では実質的なアップデートが施されません。アダプティブクルーズコントロール(ACC)の動作精度については、トヨタのToyota Safety SenseやNissanのプロパイロットと比較して課題が残るという指摘も多く、下り坂での不自然なブレーキ介入や前方車両への車間距離調整の不自然さなどが依然として改善されないまま次世代モデル(2028年以降)まで持ち越しとなる見通しは、安全装備を重視するユーザーにとって大きなマイナスポイントといえます。
e:HEV Xグレードではマルチビューカメラが設定不可
エントリーグレードのe:HEV Xでは、今回の改良でも運転席・助手席シートヒーターが標準装備されるなど使い勝手が向上しますが、マルチビューカメラシステム(MVCS)と後退出庫サポートについてはメーカーオプションでも設定不可のままです。また、ブラインドスポットインフォメーション(BSI)やアダプティブドライビングビーム(ADB)もe:HEV Xには設定されないため、こうした先進装備を重視するなら最低でもe:HEV Zグレード以上を選ぶ必要があります。
ホンダ ヴェゼル 価格帯の変遷:値上げ傾向は続いている
2026年(2025年10月実施)の一部改良時に行われた価格改定では、グレードによって最大14万3,000円の値上げが実施されました。参考として直近の価格情報を整理すると、e:HEV Xが約299万円(2WD)から、e:HEV Zが約326万円(2WD)から、e:HEV Z PLaY Packageが約370万円(2WD)からとなっていました。2026年10月発売の今回の一部改良モデルについても、TRAIL SPORTグレードの追加や装備充実化に伴い、さらなる価格上昇が予想されます。正式な価格は2026年9月末以降の公式発表を待つ必要がありますが、装備内容と価格のバランスを見極めたうえで検討することをおすすめします。
HuNT PackageからTRAIL SPORTへ:ホンダのアウトドア戦略の大きな転換
これまでヴェゼルのアウトドア・アクティブ路線を担ってきたHuNT Packageが廃止され、TRAIL SPORTへと引き継がれることは、ホンダがグローバルな「TRAIL LINE」ブランド戦略に商品展開を統合していく重要な転換点を意味します。HuNT Packageが国内向けの限定的なアウトドア演出にとどまっていたのに対し、TRAIL SPORTはホンダが北米や世界市場で展開するアウトドアSUVラインと同一のブランドアイデンティティのもとに立ち位置が定められています。ターゲットとして想定されるのは、「本格的なオフローダーは必要ないが、週末はキャンプや自然を楽しみたい」という都市生活者やカップル、若年層です。価格も含めてより明確なポジショニングが取られる点で、HuNT Packageよりも訴求力が高まると考えられます。
新型ヴェゼルは待つべき? 購入判断のポイントまとめ
2026年10月発売の一部改良版ヴェゼルが「買い」かどうかは、狙うグレードと重視する装備によって異なります。総合的な購入判断の目安を整理するなら、以下のような考え方が参考になるでしょう。
待つべき人の条件としては、まず新グレード「e:HEV TRAIL SPORT」のアウトドアテイストのデザインや専用カラー・インテリアに惹かれているケース、Honda S+ Shiftを体感したいケース、あるいはまだ購入時期が急ぎでない場合が挙げられます。一方で、今すぐ購入を検討しても良い条件は、現在販売中のe:HEV RS・e:HEV Z・e:HEV Z PLaY Packageのグレード構成で十分満足できる場合、または納期を含めたスケジュール的に待てない事情がある場合です。また、メーターデザインの刷新やGoogleビルトインナビ・Honda SENSINGの大幅改良を期待しているなら、それらが搭載される2028年以降の次期フルモデルチェンジまで待つという選択肢も現実的です。
まとめ:2026年発売 新型ヴェゼル 一部改良モデルのポイントを総整理
2026年10月発売予定のホンダ ヴェゼル 一部改良モデルは、「新型を待つ価値があるか」という問いに対して、TRAIL SPORTグレードを狙うなら明確に「待つべき」と答えられるほどの内容を持っています。日本初上陸の新グレード・新色・Honda S+ Shiftの搭載と、外装・内装ともにアクティブな世界観が強化されたこの改良版は、ヴェゼルの歴史の中でも節目となる商品改良です。一方で、電動パワーシートの非採用・Googleビルトインナビの非搭載・Honda SENSINGの据え置きなど、残念なポイントも正直なところ少なくありません。これらの点が重要であれば、2028年以降の次期型まで待つのも賢明な判断といえます。いずれにせよ、正式発表が見込まれる2026年9月末以降の情報を待ちながら、最終的な購入判断を下すことをおすすめします。

