スバル(SUBARU)は2026年9月17日、コンパクトクロスオーバーSUV「クロストレック」の改良モデルを発表しました。今回の改良における最大のトピックは、全グレードへのストロングハイブリッドシステム「e-BOXER(S:HEV)」の搭載です。これまでラインアップに存在していたガソリンエンジン専用グレードを廃止し、すべてのグレードを電動化。燃費性能・走行性能・快適装備の三拍子を揃えた、クロストレック史上もっとも充実したモデルへと進化を遂げました。
今回の改良モデル発表の背景と意義
クロストレックは、2022年のフルモデルチェンジ以降、年次改良を重ねながら熟成が進んできたモデルです。コンパクトなボディに本格的なSUV性能とラギッドかつスポーティなデザインを兼ね備え、都会からアウトドアシーンまで幅広く活躍するクロスオーバーSUVとして高い人気を誇っています。
今回の2026年9月改良において最も重要なポイントは、ラインアップの完全なるe-BOXER(ストロングハイブリッド)への一本化です。これまで設定されていたマイルドハイブリッド仕様のグレードを廃止し、全グレードに水平対向4気筒2.5Lエンジン+ストロングハイブリッドシステムを搭載。スバルとして「クロストレック=ストロングハイブリッド」という明確なブランドメッセージを打ち出した改良と言えます。自動車業界全体でハイブリッド・電動化が急速に進む中、スバルがクロストレックの電動化を完結させたことは、コンパクトSUVセグメントにおける競争力強化という点でも大きな意味を持ちます。
改良モデルの主要ポイント一覧
今回の改良は、ラインアップ・装備・燃費・デザイン・ボディカラーの5つの観点から大きなアップデートが行われています。以下にその概要をまとめます。

- ラインアップ: 全グレードをe-BOXER(ストロングハイブリッド)搭載モデルに統一
- 装備: 「Premium S:HEV EX」にハーマンカードンサウンドシステムをメーカーオプション追加。「Premium S:HEV」にナビゲーション機能をメーカーオプション追加
- 燃費性能: エンジン制御の最適化によりWLTCモードで19.5km/Lを達成
- エクステリア: ルーフレール色をダークグレーからブラックへ変更、リアのe-BOXERオーナメントのデザインを変更
- ボディカラー: 新色「イグニッションレッド」を新たに採用
スバルのストロングハイブリッド「e-BOXER(S:HEV)」とは
スバルのストロングハイブリッドシステム「e-BOXER(S:HEV)」は、単なる燃費向上のための補助装置ではなく、スバルが長年培ってきた水平対向エンジンとシンメトリカルAWDの技術資産に、トヨタハイブリッドシステム(THS)の技術を融合させた、世界唯一のハイブリッドシステムです。

シリーズ・パラレル方式を採用し、発電用と駆動用の2つのモーターを搭載。走行状況に応じてエンジンとモーターを効率よく使い分けます。具体的には、エンジンが苦手とする発進や低速走行時はモーターが主体となり、中〜高速域の巡行時はエンジンが中心、急加速時にはエンジンとモーターを同時使用することでエネルギー効率を最大化します。また、ドライバーの意思でモーターのみで走行できる「EVドライブモード」も搭載しており、早朝・深夜の住宅街など騒音や排気ガスを抑えたいシーンで活躍します。
パワートレインのスペックは、エンジンが水平対向4気筒2.5L DOHC直噴(最高出力118kW/5,600rpm、最大トルク209N・m)、モーターが最高出力88kW・最大トルク270N・mという強力な構成です。0〜100km/h加速は8.7秒を実現しており、コンパクトSUVとして十分すぎるパフォーマンスを発揮します。さらに、63Lの大容量燃料タンクを搭載しており、1回の給油での航続可能距離が大幅に伸長しています(従来のマイルドハイブリッド仕様は48L)。
他社のハイブリッドAWDシステムの多くが前後にモーターを配置して必要時のみ駆動する方式を採用しているのに対し、スバルのS:HEVはプロペラシャフトで前後輪を直結した機械式AWDとストロングハイブリッドを組み合わせる方式を採用しています。これにより、凍結路面ではFF車比較で30%多くエネルギーを回生できるほか、あらゆる路面でスバルらしい走行安定性を発揮します。キャンプ場の悪路や雪道でも、走破性と燃費効率を高い次元で両立できる点が最大の強みと言えるでしょう。
また、ストロングハイブリッドならではの恩恵として、エンジン停止時でも快適な冷暖房を実現する電動コンプレッサーの採用や、回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御によるガソリン車と変わらない自然なブレーキフィールなど、日常使いにおける快適性・安全性も大幅に向上しています。
WLTCモード燃費19.5km/Lの実力
今回の改良でエンジン制御をさらに最適化した結果、WLTCモード燃費は19.5km/Lを達成しました。市街地・郊外・高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モードでこの数値を実現していることは、日常的な使用シーンでも高い燃費性能を期待できることを意味します。
大容量の63L燃料タンクと組み合わせることで、単純計算で満タン走行可能距離は約1,200kmに達する計算となります。長距離ドライブや旅行が多いユーザー、アウトドア派のユーザーにとっても、「給油を気にせず目的地まで走り切れる」という安心感は大きなメリットとなるでしょう。
充実した装備:ハーマンカードン&ナビゲーション機能
今回の改良ではパワートレインの刷新だけでなく、車内での快適性・上質感を高める装備面のアップデートも注目ポイントです。
「Premium S:HEV EX」グレードのメーカー装着オプションに、プレミアムオーディオブランドとして世界的に知名度の高いハーマンカードン(harman/kardon)サウンドシステムが新たに追加されました。ドライブ中の音楽体験を一段上のレベルへと引き上げ、長距離移動や日常の通勤も上質な空間で過ごせるようになります。
また、「Premium S:HEV」グレードのメーカー装着オプションにはナビゲーション機能が新たに設定され(「Premium S:HEV EX」は標準装備)、初めての場所へのドライブや旅行シーンでの利便性が大幅に向上しました。
エクステリアデザインの変更点:ブラックルーフレールと新色イグニッションレッド
外観面では、メーカーオプションのルーフレールのカラーがダークグレーからブラックへと変更されています。これによりスポーティかつシャープな印象がさらに強調され、クロストレックのラギッドなキャラクターをより鮮明に演出します。また、リアのe-BOXERオーナメントもデザインが変更され、ストロングハイブリッドモデルとしての存在感を高めています。
ボディカラーには新色「イグニッションレッド」が追加されました。情熱的かつ力強い印象のレッドカラーは、クロストレックのアクティブなキャラクターにぴったりマッチするカラーです。なお、イグニッションレッドは標準カラーより55,000円高(消費税10%込)の設定となります。カラーバリエーションは、クリスタルホワイト・パール、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、イグニッションレッド(新色)、サファイアブルー・パール、シトロンイエロー・パール、サンドデューン・パールの全8色が設定されています。
グレード構成と価格
改良後のクロストレックのグレード構成は以下の2グレードとなります。
- Premium S:HEV: 3,833,500円(消費税10%込)
- Premium S:HEV EX: 4,053,500円(消費税10%込)
両グレードとも駆動方式はAWD(全輪駆動)、変速機はCVT、エンジンは水平対向4気筒2.5L DOHC直噴+e-BOXER(ストロングハイブリッド)の組み合わせで統一されています。クリスタルホワイト・パール、シトロンイエロー・パール、サンドデューン・パールは33,000円高、イグニッションレッドは55,000円高となります。
なお、販売計画は500台/月と設定されています。
まとめ:クロストレックが「完全電動化SUV」として新時代へ
2026年9月の改良により、スバル クロストレックは全グレードにストロングハイブリッドe-BOXERを搭載した完全ハイブリッドモデルへと生まれ変わりました。世界唯一のプロペラシャフト直結AWD×ストロングハイブリッドという独自の技術構成、WLTCモード19.5km/Lの優れた燃費性能、63Lの大容量タンクによる長大な航続距離、そしてハーマンカードンサウンドシステムや充実したナビゲーション機能といった快適装備の拡充により、クロストレックは走行性能・環境性能・快適性のすべてにおいて高いレベルを実現しています。
アウトドアから日常使いまで幅広く対応するコンパクトSUVを検討中の方、また電動化・燃費性能にこだわる方にとって、今回の改良クロストレックは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。最新の詳細情報や試乗については、スバル公式サイトおよび最寄りのスバル販売店へお問い合わせください。
参考情報:
- SUBARU 公式ニュースリリース:https://www.subaru.co.jp/news/2026_09_17_104044/
- スバル クロストレック 公式サイト:https://www.subaru.jp/crosstrek/

