メルセデス・ベンツ日本は2026年10月28日、ミドルサイズSUV「GLC」初の電気自動車「electric GLC(エレクトリック GLC)」を発表し、全国の正規販売店で予約注文の受け付けを始めました。価格は「GLC 250 electric」が913万円、「GLC 300 4MATIC electric」が957万円です。
GLCは2016年にSUV、2017年にクーペが日本で登場し、2020年と2021年にはメルセデス・ベンツのSUVで世界一売れたモデルになりました。日本でも2025年の輸入車モデル別登録台数で4位に入り、ミドルサイズSUVではトップという、日本でいちばん選ばれているメルセデスです。その人気モデルに、電気自動車専用プラットフォームで作られたまったく新しいバリエーションが加わりました。
一充電あたりの航続距離は最大642km、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)は最大98万円が適用できる見込みです。ガソリン車やハイブリッドのGLCと迷っている方も、一度比べてみる価値があります。
この記事では、electric GLCの価格、変更点、ボディサイズ、内外装、スペック、航続距離と充電、安全装備、おすすめグレード、購入前の注意点まで、わかりやすくまとめました。


新型 electric GLCとは?GLC初の電気自動車
electric GLCは、新世代の電気自動車専用プラットフォーム「MB.EA-M(Mercedes-Benz Electric Architecture Midsize)」を採用したプレミアムミドルサイズSUVです。名前こそGLCですが、エンジン車のGLCとは土台から別物で、床下に大容量バッテリーを積むことを前提に設計されています。
2026年9月にはドイツの「German Premium Car of the Year 2027」を受賞しており、本国での評価も高いモデルです。日本ではエンジン車(ガソリン・ディーゼル・PHEV)のGLCも引き続き販売されるため、同じGLCの中から「電気かエンジンか」を選べるようになります。
- 発表・予約開始日:2026年10月28日
- グレード:GLC 250 electric(後輪駆動)/GLC 300 4MATIC electric(四輪駆動)
- ハンドル位置:右ハンドル
- 納車時期:公式発表では未発表(販売店で確認が必要)
新型 electric GLCの特徴まとめ
electric GLCのポイントは、主に以下の通りです。
- 新プラットフォーム:電気自動車専用の「MB.EA-M」を採用
- 航続距離:GLC 250 electricで642km、GLC 300 4MATIC electricで618km
- 新しい顔:942個のドットが光るイルミネーテッドパネル付きグリル
- 最新のソフトウェア:自社開発OS「MB.OS」と第4世代MBUXを搭載
- 使える荷室:GLC初のフロントトランク(128L)と520〜1,690Lのラゲッジ
- 補助金:CEV補助金はGLC 250 electricで98万円、GLC 300 4MATIC electricで78.4万円
① 光るグリルで「新しいメルセデスの顔」に
フロントには、300SELなどの名車に使われた伝統のグリルを電気自動車向けに作り直した、イルミネーテッドパネルを採用しました。ポリカーボネート製の942個のドットが光り、アニメーション表示もできます。中央のスターやグリルの枠もいっしょに光るので、夜の存在感はかなりのものです。
② 39.1インチのMBUXハイパースクリーンを選べる
標準はコックピット・センター・助手席の3画面をつなげた「MBUXスーパースクリーン」ですが、オプションでメルセデス史上最大となる39.1インチの「MBUXハイパースクリーン」を選べます。焚火や水族館の映像を映すエモーショナルモードなど、停車中に楽しめる機能もそろっています。

③ 2速トランスミッションで街も高速も効率よく
リアのモーターには2速トランスミッションを組み合わせています。1速は発進加速と街なかの効率、2速は高速道路での伸びと効率を受け持ち、バッテリーから車輪までのエネルギー変換効率は93%とされています。電気自動車で多段ギアを持つのは珍しく、長距離を走る人ほど恩恵を感じやすい仕組みです。
新型 electric GLCのグレードと価格一覧
| グレード | 駆動 | モーター | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| GLC 250 electric | 後輪駆動 | 1基(リア) | 913万円 |
| GLC 300 4MATIC electric | 四輪駆動 | 2基(フロント/リア) | 957万円 |
2つのグレードの価格差は44万円です。どちらも右ハンドルで、AMGラインパッケージ、アドバンスドパッケージ、レザーエクスクルーシブパッケージ、ドライバーズパッケージなどの有償オプションで装備を足していく形になります。
新型 electric GLCの補助金(CEV補助金)で実質いくら?
国の補助金
メルセデス・ベンツ日本の発表では、CEV補助金としてGLC 250 electricに98万円、GLC 300 4MATIC electricに78.4万円が適用できるとしています。2026年4月1日以降に登録した車には、令和7年度補正予算の補助額が適用されます。
補助金を引いた車両価格の目安
| グレード | 車両価格 | CEV補助金 | 差し引き |
|---|---|---|---|
| GLC 250 electric | 913万円 | 98万円 | 815万円 |
| GLC 300 4MATIC electric | 957万円 | 78.4万円 | 878.6万円 |
補助金の差まで含めると、2グレードの差は63万6,000円に広がります。自治体によっては独自の補助金もあります。なお、国の補助金を受けた車は4年間保有する義務があり、予算がなくなると受付が終わります。
新型 electric GLCのボディサイズ

日本仕様の全長・全幅・全高は、今回の発表資料には載っていません。公式に示されているのは、エンジン車のGLCと比べてホイールベースが84mm、全長が120mm長いという点です(欧州参考値)。
ホイールベースが伸びたぶん、後席の足元や荷室にゆとりが生まれています。いっぽうで、マンションの機械式駐車場などを使う方は、正式な寸法が出てから必ず確認しましょう。
先進的なデザイン!新型 electric GLCの外装(エクステリア)
フロント
イルミネーテッドパネルに、スターモチーフを取り入れたLEDヘッドライトを組み合わせます。オプションのデジタルライトは、マイクロLEDを使った新世代のもので、照らせる範囲が従来より約40%広がり、消費電力は約50%少なくなりました。

リア
リアは2ピース構造のLEDリアコンビネーションランプが特徴で、ここにもスターモチーフが入ります。空気抵抗を表すCd値は0.26と優秀で、ボディと一体になったシームレスドアハンドルも空力に効いています。

ボディカラーとホイール
ボディカラーは、新色のラベンダーシルバー、シアーブルー、ソーダライトブルー(いずれもメタリック)を含む全8色です。ホイールは19インチが標準で、オプションで最大21インチまで選べます。
くつろげる空間!新型 electric GLCの内装(インテリア)
コックピット
ダッシュボードからセンターコンソールまでを大きなウッドトリムでつなぎ、「家に帰ってきたような安心感」をテーマにした室内です。センターコンソールにはワイヤレス充電トレイを2つ備え、カップホルダーは充電トレイと別の場所に分けられて使いやすくなりました。ステアリングヒーターも標準です。
SKY CONTROL パノラミックルーフ
9つのエリアごとに透明度を切り替えられるパノラミックルーフを標準装備しています。オプションでは、ガラスに入った162個のスターが夜に光るイルミネーション機能も選べます。

シート・荷室
シートはドイツの脊椎健康推進協会(AGR)の認証を取った新開発品です。内装色は標準のブラック(レザーARTICO)のほか、パッケージオプションで本革のビーチブラウン/ブラックやアイボリーベージュ/ブラックも選べます。荷室は520〜1,690Lで、5人乗車のままゴルフバッグ3個を積めます。さらにボンネットの下に128Lのフロントトランクがあり、充電ケーブルなどの置き場所に便利です。


画像:メルセデス・ベンツ
新型 electric GLCのパワートレインとスペック
| 項目 | GLC 250 electric | GLC 300 4MATIC electric |
|---|---|---|
| 駆動方式 | 後輪駆動 | 四輪駆動(4MATIC) |
| モーター | 永久磁石同期モーター×1(リア) | 永久磁石同期モーター×2(フロント/リア) |
| 最高出力 | 260kW(354PS) | 310kW(421PS) |
| 最大トルク | 505N・m | 800N・m |
| トランスミッション | 2速(リア・アクスル) | |
| バッテリー容量 | 85.5kWh(リチウムイオン) | |
| 一充電航続距離 | 642km | 618km |
4MATICモデルは、必要なときだけ前のモーターをつなぐディスコネクトユニット(DCU)を持っており、四輪駆動でも無駄な電力を使いにくい作りです。GLC 300 4MATIC electricには、ボンネットの下の路面をカメラ映像で見せる「トランスペアレントボンネット」も付きます。
新型 electric GLCの航続距離と充電

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 普通充電 | 最大6.0kW(200V・30Aの場合) |
| 急速充電 | 最大100kW(CHAdeMO) |
| 急速充電 10%→80% | 45分(メーカー調べ) |
| 急速充電 30分(10%から) | 58%まで(+48%) |
| 外部給電(V2L) | 対応(別途充放電器が必要) |
メルセデスとして初めてのマルチソースヒートポンプを採用し、モーターの排熱、バッテリーの熱、外気の3つから熱を集めます。暖房に使う電力を一般的な補助ヒーターの約3分の1に抑えられるとされ、冬の航続距離の落ち込みを小さくする効果が期待できます。回生ブレーキは最大約300kWで、ワンペダルに近い「D-」から、前の車に合わせて自動で強さを変える「D AUTO」まで4段階から選べます。
新型 electric GLCの安全装備「MB.DRIVE」
新世代の運転支援システムを「MB.DRIVE」としてまとめています。最大10個のカメラ(日本仕様は発表時点で2台の外部カメラを使用しない)、5基のレーダー、12個の超音波センサーで周囲を見張ります。
- ディスタンスアシスト・ディストロニック+ステアリングアシスト
- レーンチェンジアシスト(ウインカー操作で高速道路の車線変更を支援)
- MB.DRIVE PARKING ASSIST/PARKING ASSIST 360(360°カメラ)
- リムプロテクション警告(縁石でホイールを傷つけにくくする)
- SRSセンターエアバッグ、SRSサイドバッグ(リア)を含む多数のエアバッグを標準装備
新型 electric GLCはどのグレードを選ぶべきか?おすすめグレード
おすすめ① 【航続距離と補助金重視なら】GLC 250 electric(後輪駆動)
価格:913万円
航続距離が642kmと長く、補助金も98万円と多いため、差し引き815万円と実際に払う額をもっとも抑えられます。354PSと出力も十分で、雪の少ない地域で街乗りと高速道路の移動が中心なら、こちらがいちばん合理的な選択です。
おすすめ② 【雪道・力強さ重視なら】GLC 300 4MATIC electric(四輪駆動)
価格:957万円
421PS・800N・mの力強さと四輪駆動の安心感が魅力です。トランスペアレントボンネットも付くため、スキー場への移動や未舗装路に行く機会がある方に向いています。航続距離は618kmと、250との差は24kmにとどまります。
エンジン車のGLCとどちらを選ぶ?
GLCには引き続きエンジン車もあります。自宅に200Vの充電設備を付けられ、毎日の移動の多くを自宅充電でまかなえる方は、静かさや加速、燃料代の面でelectric GLCのメリットが大きくなります。反対に、月極駐車場で充電設備が付けられない方や、長距離を頻繁に走って充電の待ち時間を避けたい方は、エンジン車やPHEVのほうが使いやすい場面もあります。
新型 electric GLCの日本発売日はいつ?
予約注文の受け付けは2026年10月28日に始まりました。納車がいつ始まるかは、今回の発表では示されていません。気になる方は、早めに販売店で納期の見込みを確認しましょう。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は充電環境です。普通充電は最大6.0kWなので、自宅に200Vのコンセントや充電器を付けられるかどうかで使い勝手が大きく変わります。
2つ目は補助金の条件です。CEV補助金は4年間の保有義務があり、予算がなくなれば終わります。登録の時期によって条件が変わる可能性もあるため、契約前に最新の情報を確認してください。
3つ目はパッケージオプションの選び方です。ハイパースクリーン、デジタルライト、Burmester 3Dサラウンド、エアサスペンションなど魅力的な装備の多くがパッケージ扱いです。あとから付けられないものも多いので、見積もりの段階でよく比べましょう。
新型 electric GLCに関するよくある質問(FAQ)
Q. electric GLCの価格はいくらですか?
A. GLC 250 electricが913万円、GLC 300 4MATIC electricが957万円(税込)です。
Q. 航続距離はどのくらいですか?
A. GLC 250 electricが642km、GLC 300 4MATIC electricが618kmです。
Q. 補助金はいくらもらえますか?
A. CEV補助金はGLC 250 electricで98万円、GLC 300 4MATIC electricで78.4万円が適用できるとされています。
Q. 急速充電の規格は?
A. CHAdeMOで、最大100kWに対応します。10%から80%までは45分(メーカー調べ)です。
まとめ:新型 electric GLCは「補助金込みで815万円から」の本命EV SUV
electric GLCは、日本でいちばん選ばれているメルセデスが、電気自動車専用の土台で生まれ変わった1台です。最大642kmの航続距離、光るグリル、39.1インチのハイパースクリーン、フロントトランクなど、エンジン車のGLCにはない魅力が詰まっています。
コスパで選ぶならGLC 250 electric、雪道や力強さを求めるならGLC 300 4MATIC electricがおすすめです。納車時期は未発表のため、気になる方は早めに販売店へ相談しましょう。最新情報が入り次第、随時更新していきます。

