三菱自不正、下請け7800社を直撃 地域経済や雇用に影響 三菱自動車が燃費データ不正問題により、岡山県倉敷市の水島製作所での軽自動車の生産を停止したことで、約7800社とされる下請け企業への影響が懸念されている。すでに県内では操業停止に踏み切る取引先が出始めた。三菱自の従業員約1300人も自宅待機が続いており、地域経済や雇用への打撃は避けられない状況だ。
三菱自動車 下請け7800社を直撃
岡山県は28日、商工団体や金融機関を集めた対策会議を開催。聞き取り調査の結果、15社が工場の一部や全体の操業を停止していることが分かった。県内には取り引きの8~9割が三菱自向けという中小企業もあり、県経営支援課は「これから操業が止まるところも出てくるだろう。相当大きな影響があると思う」と危機感を募らせる。このため、資金繰りを支援する融資制度の創設など対策に乗り出した。帝国データバンクが28日発表した調査では、三菱自グループから直接もしくは間接的に仕事を得ていた下請け企業は全国で7777社、従業員は約41万人に上る。所在地は名古屋製作所がある愛知県が1409社と最多で、岡山県や広島県も500社以上。年商でみると、1億~10億円未満の小規模の企業が半数以上を占めている。三菱自も購買部門が取引先を訪問してヒアリングを行っており、今後、支援などは「個別に対応していく」という。
三菱自の水島製作所では20日の軽生産停止を受け、従業員の約4割に当たる約1300人が自宅待機。給料は出るが、残業手当などが減る可能性がある。相川哲郎社長は27日の会見で「社員、(取引先などの)ステークホルダーに安心してもらうことに全力を尽くしたい」と述べたが、生産再開のめどは立っていない状況だ。
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