スバルは2025年6月12日、軽ワゴン「ステラ」のフルモデルチェンジを発表し、同日より販売を開始しました。長らくOEMモデルとして親しまれてきたステラは、2023年の前モデル生産終了から時を経て、最新の技術とデザインをまとい、新世代の軽自動車として復活を遂げました。価格は135万8500円から205万7000円という幅広い設定で、全4グレード展開となります。
スバル 新型 ステラ 主要変更点と特徴
- 発売日と価格:
- 2025年6月12日にフルモデルチェンジして発売されました。
- 価格帯は135万8500円から205万7000円です。
- OEM元と前モデルの状況:
- ダイハツ「ムーヴ」のOEMモデルです。
- 前モデルは2023年に生産終了していました。
- 主な変更点:
- 最新プラットフォームを採用し、室内空間が拡大されました。
- 後席にスライドドアが採用され、利便性が向上しました。
- 9インチディスプレイオーディオが設定されました。
- オートブレーキホールド機能付き電動パーキングブレーキが採用されました。
- 最新のスマートアシスト安全システムを搭載し、機能が強化されました。
- 前モデルで設定されていた「ステラカスタム」は廃止されました。
- ターボエンジン搭載の「ZS」グレードが新設定されました。
- ボディサイズと車体設計:
- 全長3395mm、全幅1475mm、全高1655mm、ホイールベース2460mmと、前モデルとほぼ同寸です。
- 新プラットフォームにより、サスペンションやアンダーボディの構造が合理化され、軽量化と剛性アップが実現しました。
- 上下曲げ剛性は従来比30%アップし、乗り心地が向上しました。
- インテリア:
- 最新のデザインと装備により機能性が向上しました。
- 9インチディスプレイオーディオや電動パーキングブレーキが採用されました。
- 室内空間は拡大され、多彩なシートアレンジが可能です。
- ワイヤレス充電機能や豊富な収納スペースが確保されました。
- シート、インパネ、ドアトリムがカラーコーディネートされ、上質感が演出されています。
- スライドドアには「ウェルカムオープン機能」「タッチ&ゴーロック機能」「イージークローザー機能」が備わります(G、Z、ZSグレード)。
- パワートレイン:
- 自然吸気(NA)エンジン:直列3気筒660cc、52ps/6.1kgm
- ターボエンジン:直列3気筒660ccターボ、64ps/10.2kgm
- 駆動方式はFF/4WD、トランスミッションはCVTです。
- 燃焼素性の改善、マルチスパーク(複数回点火)、燃料噴射方式の変更などにより、燃費・走行・環境性能が向上しました。
- 安全装備「スマートアシスト」:
- 最新のステレオカメラを搭載し、衝突警報・衝突回避支援ブレーキ機能が夜間歩行者や追従二輪車検知に対応、検知距離と対応速度が向上しました。
- ブレーキ制御付誤発進抑制機能が追加されました。
- 全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKC(レーンキープコントロール)で運転負荷を軽減します。
- 「プラスサポート(急アクセル時加速抑制)システム」が設定されました。
- パノラミックビューモニターとスマートパノラマパーキングアシスト(駐車支援システム)で駐車をサポートします。
- 燃費(WLTCモード値):
- 660cc自然吸気エンジン:22.6km/L
- 660ccターボエンジン:21.5km/L
- 前モデルの自然吸気エンジン(20.7km/L)から大幅に改善されました。
新型ステラがもたらす変更点:進化の全貌
今回のフルモデルチェンジでは、ステラの魅力を多方面から引き上げる大幅な進化が図られました。
まず、特筆すべきは最新プラットフォームの採用です。これにより、室内空間は従来モデルと比較して格段に拡大され、乗る人すべてにゆとりと快適性を提供します。また、後席には念願のスライドドアが採用されました。狭い場所での乗り降りや荷物の積み下ろしが格段に楽になり、利便性が飛躍的に向上しています。
インテリアにおいては、先進的な9インチディスプレイオーディオが設定され、現代のデジタルライフに合わせた機能が充実。さらに、停車状態を維持するオートブレーキホールド機能付きの電動パーキングブレーキが採用され、日常使いの利便性が向上しています。
安全面では、スバルの誇る先進安全システム「スマートアシスト」が最新の形に進化して搭載されました。これにより、夜間歩行者検知や追従二輪車検知にも対応し、検知距離と対応速度が向上しています。加えて、誤発進抑制機能にはブレーキ制御が追加され、万が一の際の安全性が高められました。
モデルラインナップでは、これまでの「ステラカスタム」が廃止され、よりシンプルなグレード構成となりました。その代わりに、ターボエンジンを搭載し、走行性能を追求した「ZS」グレードが新設定され、多様なニーズに応える選択肢が用意されています。
期待の新価格帯:全4グレードが織りなす選択肢
新型ステラの価格は、FFモデルが135万8500円から、4WDモデルが148万5000円からとなっており、機能性の向上に伴い、前モデルと比較して価格帯はやや上昇しました。しかし、スライドドアの新採用や先進装備の充実を考慮すれば、軽自動車ミドルクラスとしての魅力は十二分にアピールされています。
スバル新型ステラ グレード別価格表
グレード構成は以下の通りです。
グレード名 | エンジンタイプ | 駆動方式 | 価格(税込) |
---|---|---|---|
L | 自然吸気エンジン | FF | 1,358,500円 |
4WD | 1,485,000円 | ||
G | 自然吸気エンジン | FF | 1,523,500円 |
4WD | 1,650,000円 | ||
Z | 自然吸気エンジン | FF | 1,804,000円 |
4WD | 1,930,500円 | ||
ZS | ターボエンジン | FF | 1,930,500円 |
4WD | 2,057,000円 |
特に注目されるのは、前モデルで人気だった「ステラカスタム」に代わり、走行性能を重視した「ZS」グレードが設定された点です。これにより、単なる移動手段としてだけでなく、運転の楽しさも求めるユーザーにも訴求できるモデルとなっています。
先進的かつスタイリッシュ:内外装デザインの刷新
新型ステラのデザインは、新世代にふさわしい先進性とスタイリッシュさを追求しています。
エクステリア:凛々しさと安心感を両立
フロントデザインは、フロントグリルからヘッドランプまでが滑らかに連続し、ワイドで切れ長な印象を与え、凛々しい表情を演出しています。空力性能も考慮されたバンパーは、全体のプロポーションをより洗練されたものにしています。
リアビューは、スマートな縦型リアコンビネーションランプが採用され、スタイリッシュな印象を強調。そして、従来のスイング式から大きく開口するスライドドアへの変更は、デザイン面だけでなく、限られたスペースでの使い勝手を劇的に向上させています。
サイドビューは、水平に軸を通した厚みのあるボディによって、安心感のあるスタイリングを実現しました。ボディカラーには新色の「グレースブラウンクリスタルマイカ」が加わり、2トーンカラーを含め全12色の豊富なバリエーションから選択できるため、ユーザーは自分らしい一台を見つけることができるでしょう。
インテリア:上質さと機能美の融合
新型ステラの内装は、上質感と居心地の良さを追求した空間へと進化しています。インパネやドアトリムとカラーコーディネートされたシートは、車内全体に調和の取れたデザインをもたらし、乗員を優しく包み込みます。
ディスプレイは低い位置にレイアウトされ、インパネ上面をすっきりとさせることで、ドライバーは広々とした視界を確保できます。また、最新プラットフォームの恩恵により室内空間は拡大され、多彩なシートアレンジに対応することで、乗員の快適性と積載性を両立しました。特に、前後席の距離が広がったことで、後席の居住性も向上しています。
荷室においては、開口部の高さと幅にゆとりを持たせることで、従来型よりも荷物の積み下ろしが容易になりました。さらに、スマートフォン連携9インチディスプレイオーディオや、置くだけで充電できるワイヤレス充電機能(Qi)がメーカー装着オプションとして設定されており、現代のライフスタイルに合わせた利便性の高い装備が充実しています。
乗り心地と走行性能の向上:新プラットフォームの真価
新型ステラは、全長3395mm、全幅1475mm、全高1655mmという軽自動車規格いっぱいのボディサイズを維持しつつも、最新プラットフォームの採用により、走行性能と乗り心地が大幅に向上しています。
新開発のプラットフォームは、サスペンションやアンダーボディの構造を合理化し、板厚の最適化や部品点数の削減、高張力鋼板の多用、樹脂部品の活用などによって、基礎部分の軽量化が図られました。その結果、上下曲げ剛性は従来比で30%もアップした「新開発アンダーボディ」が実現され、新開発のサスペンションと相まって、路面からの不快な振動を効果的に吸収し、上質な乗り心地を提供します。
車両重量は860kgと、前モデルの820kgから微増していますが、これはスライドドアや先進装備の追加によるものであり、新プラットフォームの軽量化技術によって最小限に抑えられています。
パワートレインには、最新プラットフォームに合わせて開発された660ccエンジンが採用されています。自然吸気(NA)エンジンは52ps/6.1kgmの出力を発生し、ターボエンジンは64ps/10.2kgmの力強い走行性能を発揮します。これらのエンジンは、燃焼素性を改善することで、燃費性能、走行性能、環境性能のすべてにおいて性能を向上させています。
特に注目すべきは、「マルチスパーク(複数回点火)」の採用です。これにより、シリンダー内での燃焼速度が早まり、ノッキングを抑制することで燃費性能を向上。さらに、噴射燃料の形状を粒状から霧状に変更することで、ポート内や燃焼室内への燃料付着を低減し、シリンダー内への燃料直入率を高めています。高タンブルストレートポートの採用により、燃焼室内での混合気の縦方向回転がより強化され、燃焼速度のアップが実現されているのです。駆動方式はFFと4WDが設定され、トランスミッションはCVTが組み合わされます。
充実の安全装備:先進技術で守る安心
新型ステラは、ドライバーと同乗者、そして歩行者の安全を最大限に守るため、先進の安全装備「スマートアシスト」を搭載しています。
このスマートアシストは、最新のステレオカメラの搭載により、その性能を飛躍的に向上させました。衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能は、これまでの車両検知に加え、夜間歩行者検知や追従二輪車検知にも対応し、検知距離と対応速度が向上しています。これにより、暗い場所での歩行者や、前方を走る二輪車との衝突リスクを低減します。
また、万が一のアクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を抑制する「ブレーキ制御付誤発進抑制機能」が採用され、ドライバーのうっかりミスによる事故を未然に防ぎます。
さらに、運転負荷軽減機能も充実しています。「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」は全車速追従機能付きとなり、先行車に合わせて自動で速度を調整し、長距離運転や高速走行時のドライバーの疲労を大幅に軽減します。また、車線の中央を走れるようステアリング操作をアシストする「LKC(レーンキープコントロール)」も搭載され、より安全で快適なドライブをサポートします。
そのほかにも、前後左右に搭載された4つのカメラで、運転席から見えにくい状況を確認できる「パノラミックビューモニター」や、音声と画面で駐車時のハンドル操作をアシストする「スマートパノラマパーキングアシスト(駐車支援システム)」が採用され、駐車場や狭い路地での運転もサポートし、運転に自信がない方でも安心して駐車できるよう配慮されています。
加えて、専用の電子カードキーでドアを解錠すると急アクセル時の加速を抑制する「プラスサポート(急アクセル時加速抑制)システム」も設定されており、障害物の有無に関わらず、アクセルの踏みすぎや踏み間違いを検知し、警報とディスプレイ表示で注意喚起するとともに、クルマの加速を抑制することで、さらなる安全性の向上に貢献しています。
衝突安全性能においても、軽量高剛性の新プラットフォームは、フロントサイドメンバーの高効率なエネルギー吸収構造に加え、高張力鋼板の採用により、軽量ながら強固なキャビンを実現し、万が一の衝突事故における乗員保護性能を高めています。また、対人事故を考慮して、フロントフェンダーやフードなどには衝撃緩和装置と吸収スペースが設けられ、歩行者保護性能も向上しています。
大幅な燃費改善:環境性能と経済性を両立
新型ステラの燃費性能は、新世代パワートレインの搭載によって大幅に改善されました。
- 660cc自然吸気エンジン:22.6km/L(WLTCモード値)
- 660ccターボエンジン:21.5km/L(WLTCモード値)
前モデルの自然吸気エンジンが20.7km/Lであったことを考えると、新型ステラの自然吸気エンジンは22.6km/Lと、約2km/Lも燃費を向上させています。これは、日常のガソリン代を抑えるだけでなく、環境負荷の低減にも貢献するものであり、ミドルクラス軽自動車としての魅力を一層高めています。
発売日と今後の展望
フルモデルチェンジを果たしたスバル新型ステラは、2025年6月12日に満を持して発売されました。
スバルは、この新型ステラを「新世代」と位置づけ、幅広いユーザー層にアピールしていく方針です。OEMモデルでありながら、スバルのこだわりと安全思想が随所に反映された新型ステラは、軽自動車市場に新たな選択肢を提示する一台となるでしょう。
今後の最新情報にも引き続き注目が集まります。
スバル ニュースリリース