政府は2025年12月、クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金制度を2026年1月から大幅に見直す方針を正式に発表しました。この改定により、電気自動車(EV)購入者への補助金上限額が現行の90万円から最大130万円へと40万円増額されることになります。
エコカー補助金が40万円増額、CEV補助金制度の大幅見直しが決定
この制度改定は、日米関税協議での合意を踏まえた措置であり、エコカー間の公平性を確保するための重要な政策転換となります。
【車種別】2026年1月以降の補助金上限額一覧
補助金額の変更内容(2026年1月1日以降登録車両対象)
| 車種区分 | 現行(2025年) | 改定後(2026年～) | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 電気自動車(EV・普通車) | 90万円 | 130万円 | +40万円 |
| 軽・小型EV | 58万円 | 58万円 | 変更なし |
| プラグインハイブリッド車(PHEV) | 60万円 | 85万円 | +25万円 |
| 燃料電池車(FCV) | 255万円 | 150万円 | -105万円 |
この改定により、補助金額は平均車両価格の2割相当に統一される基準が導入されます。
主要メーカー別・最新補助金対象車種と補助額
テスラ(Tesla)の補助金額
令和7年12月19日現在の銘柄ごとの補助金交付額によると、テスラ各モデルの補助金額は以下の通りです:
- モデル3 RWD: 127万円(87万円+地域補助)
- モデル3 AWDロングレンジ: 127万円
- モデル3 パフォーマンス: 127万円
- モデルY RWD: 127万円
- モデルY AWDロングレンジ: 127万円
- モデルY パフォーマンス: 127万円
- モデルS: 87万円
- モデルS Plaid: 69.6万円
- モデルX: 67.8万円
- モデルX Plaid: 53.6万円
テスラは輸入車の中で唯一、**最大87万円(国の補助金単体)**という最高額の補助金対象となっています。これは車両性能の向上に加え、重要鉱物の安定確保、サイバーセキュリティ対応、環境負荷が低い鋼材の使用計画などの企業評価項目で高評価を得たためです。
国産EVメーカーの補助金額
トヨタ bZ4X
- 全グレード: 130万円(2026年1月以降)
- 現行: 90万円
日産
- アリア(全グレード): 129万円
- リーフ(全グレード): 129万円
スバル SOLTERRA
- 全グレード: 130万円(2026年1月以降)
輸入EVメーカーの補助金額
BMW
- i4シリーズ: 52万円～85万円
- i5シリーズ: 52万円～68万円
- iXシリーズ: 52万円～68万円
- iX1/iX2/iX3: 65万円～68万円
アウディ
- Q4 e-tron: 86万円
- Q6 e-tron: 86万円～68.8万円
- e-tron GT quattro: 52.8万円
BYD(比亜迪)
- ATTO 3: 89万円
- SEAL: 89万円
- SEALION 7: 127万円
- DOLPHIN: 127万円
ヒョンデ(HYUNDAI)
- KONA: 128万円
- IONIQ 5: 89万円～128万円
東京都など自治体補助金との併用で最大200万円超の支援も
国のCEV補助金に加えて、多くの自治体が独自のEV購入補助金を提供しています。
東京都のZEV補助金(2025年度)
東京都では最大80万円のゼロエミッションビークル(ZEV)補助金を提供しており、国の補助金と併用可能です。
テスラ モデル3の実質購入価格例(東京都内)
- 車両本体価格: 約531.3万円
- 国のCEV補助金: -87万円
- 東京都ZEV補助金: -80万円
- 区独自補助金(千代田区など): -20万円
- 実質購入価格: 約344.3万円
このように、最大187万円もの補助金を活用することで、高性能EVを大幅に安く購入できる可能性があります。
CEV補助金の申請方法と注意点
申請資格と条件
- 対象車両: 経済産業省が指定するCEV補助金対象車両
- 申請期限: 初度登録日から1ヶ月以内
- 処分制限: 補助金受給後4年間は車両の譲渡・転売禁止
- 申請先: 一般社団法人次世代自動車振興センター
申請の流れ
- 車両購入・登録: CEV補助金対象車両を購入し、初度登録を完了
- 書類準備: 申請書、車検証写し、振込先情報など必要書類を揃える
- 申請提出: 初度登録から1ヶ月以内に次世代自動車振興センターへ郵送
- 審査: センターによる書類審査(約2～3ヶ月)
- 補助金振込: 審査通過後、指定口座へ振込
令和6年度補正予算の申請期限
経済産業省の発表によると、令和6年度補正予算で実施しているCEV補助金の申請期限は以下の通りです:
- 補助対象となる初度登録期間: 2026年2月1日まで
- 申請書提出期限: 初度登録から1ヶ月以内(消印有効)
- 特例措置: 令和6年12月17日～令和7年3月31日に登録された車両は、令和7年5月31日まで申請可能
2026年1月以降の補助金改定の背景
日米関税協議と公平性の確保
今回の補助金見直しは、日米関税協議での合意に基づく措置です。従来の制度では、車種によって補助金額に大きな格差があり、特に燃料電池車(FCV)への手厚い支援が批判を受けていました。
政府は補助金額を平均車両価格の2割相当に統一することで、各エコカー技術間の公平性を確保する方針です。
EV普及促進とカーボンニュートラル実現
日本政府は2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2035年までに新車販売の100%を電動車にする目標を掲げています。今回のEV補助金増額は、この目標達成を加速するための重要な施策となります。
国際競争力の強化
欧州や中国では、すでに大規模なEV補助金制度が導入されており、日本の自動車産業が国際競争力を維持するためには、魅力的な購入支援策が不可欠です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 2026年1月以降に購入すれば130万円の補助金がもらえますか?
A: 補助金額は車両ごとに異なります。130万円は上限額であり、実際の補助金額は各車両の性能評価や価格帯によって決定されます。詳細は次世代自動車振興センターの「銘柄ごとの補助金交付額」をご確認ください。
Q2: すでに購入済みの車両でも新制度の補助金を申請できますか?
A: 補助金額は初度登録日を基準に決定されます。2026年1月1日以降に初度登録された車両のみが新制度の対象となります。
Q3: 中古EVでも補助金は受けられますか?
A: CEV補助金は新車購入のみが対象です。中古EVは対象外となります。
Q4: 個人事業主や法人でも申請できますか?
A: 可能です。ただし、自家用車両と事業用車両(貸自動車業用など)では処分制限期間が異なる場合があります。
Q5: 補助金の審査にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 通常、申請から補助金振込まで2～3ヶ月程度かかります。申請書類に不備がある場合は、さらに時間がかかる可能性があります。
まとめ:2026年はEV購入の大チャンス
2026年1月からのCEV補助金制度改定により、電気自動車の購入支援が大幅に拡充されます。国の補助金最大130万円に加え、自治体の補助金を併用すれば総額200万円以上の支援を受けられるケースもあります。
カーボンニュートラル実現に向けた社会的機運の高まりと、充電インフラの整備進展により、EVへの乗り換えは今後さらに加速すると予想されます。
**補助金制度は予算枠に限りがあるため、早期に申請することをおすすめします。**購入を検討されている方は、次世代自動車振興センターの公式サイトで最新情報を確認し、販売店と相談しながら計画的に進めましょう。
