BYD Auto Japanは2026年9月29日、ミドルサイズSUV「BYD ATTO 3」を全面的に刷新した新型「BYD ATTO 3 EX(アット スリー イーエックス)」を全国のBYD正規ディーラーで発売しました。
メーカー希望小売価格は、後輪駆動(RWD)モデルが437万8,000円、四輪駆動(AWD)モデルが487万3,000円(いずれも税込)です。
ATTO 3は2023年1月、BYDが日本市場に投入した乗用車第1弾として登場したモデル。取り回しの良いボディサイズと広い室内空間、EVならではの走行性能を武器に、日本におけるBYDの主力SUVとして定着してきました。今回の「EX」は、そのATTO 3を単なるマイナーチェンジではなく、プラットフォームから駆動方式、バッテリー、デザインに至るまで刷新した“フルモデルチェンジ級”のアップデートとなっています。
「EX」に込められた3つの価値
車名に加わった「EX」には、新型が掲げる3つのコンセプトが込められています。

まず「EXTEND(生活を広げる)」。RWDモデルでは一充電走行距離を従来の470kmから620km(WLTCモード)へと大幅に伸ばし、行動範囲そのものを拡張しました。次に「EXPLORE(選択肢を広げる)」。日本導入モデルとして初めてAWD(四輪駆動)を設定し、走る場所や用途の幅を広げています。そして「EXPERIENCE(体験を広げる)」。AWDモデルに標準装備される車載温冷庫をはじめとする新装備により、クルマと過ごす時間の質を高めました。

「毎日を、もっと広げる。」というブランドメッセージのもと、日常の街乗りからロングドライブまで、より幅広いライフスタイルに応えるEVへと進化しています。
航続距離620km・充電性能も向上
新型最大のトピックは、航続距離の飛躍的な伸長です。搭載するブレードバッテリーの容量を現行の58.56kWhから74.88kWhへと拡大したことで、一充電走行距離はRWDモデルで620km、AWDモデルで550km(いずれもWLTCモード)を実現しました。従来比で約1.3倍となる航続性能は、EV選びで最も気になる「充電の頻度」という不安を大きく軽減してくれます。
充電面では、急速充電の最大受電能力を85kWから100kWへ向上。加えて、充電前にバッテリー温度を最適にコントロールする「充電予熱機能」を新たに採用し、冬場など低温時の充電性能低下を抑えます。普通充電ではAC充電電流を段階的に設定できるため、家庭の電力契約や電力環境に合わせた柔軟な運用が可能です。EVを日常使いするうえで実用性を左右するポイントを、しっかり押さえたアップデートといえます。
CTB技術採用で安全性と剛性を強化
プラットフォームは、現行モデルのCTP(Cell to Pack)から、BYD独自のCTB(Cell to Body)へと進化しました。CTBはバッテリーを車体構造の一部として組み込む技術で、キャビンスペースの拡大とボディ剛性の向上を両立します。
ボディには約74%の高強度鋼を採用し、7つのエアバッグとあわせて乗員保護性能を高めています。運転支援(ADAS)のセンサー構成も、従来の「3つのミリ波レーダー+1つのフロントビューカメラ」から「5つのミリ波レーダー+1つのフロントビューカメラ」へと強化されました。
さらに、ドライバーの疲労や注意散漫を検知するドライバーモニタリングシステム(DMS)を新採用。車内に取り残された子どもなどを検知する幼児置き去り検知システム(CPD)も搭載しました。CPDは車内のミリ波レーダーで動く生命体を検知し、警告や空調作動によって早期発見・救助をサポートする、ファミリー層にとって心強い装備です。
駆動方式を刷新、AWDでは0-100km/h加速4.0秒
走行性能も大きく進化しました。現行のFWD(前輪駆動)からRWD(後輪駆動)へと駆動方式を刷新し、モーター最高出力を150kWから230kWへ大幅にアップ。フロントにはデュアルボールジョイント式マクファーソンストラット、リアには5リンク式サスペンションを採用し、高出力化に対応した足回りで、パワフルな走りと安定したハンドリングを両立しました。RWDモデルの0-100km/h加速は5.5秒で、現行の7.9秒から大きく短縮しています。
そして注目の新設定AWDモデルは、フロントに100kW、リアに230kWのモーターを搭載し、システム最高出力330kW・最大トルク560N・mを発揮。0-100km/h加速はわずか4.0秒と、スポーツカー並みの俊足を実現しました。雪道や悪路での安定性はもちろん、走る愉しさを求めるユーザーにも応える一台です。
快適・利便装備を大幅に拡充
インテリアの快適性・利便性も見どころです。AWDモデルの前席センターコンソールには容量4.5Lの車載温冷庫を標準装備。保温は35℃~50℃、冷蔵は-6℃~6℃で設定でき、飲み物やお弁当の保管、アウトドアやレジャーなど幅広いシーンで活躍します。



このほか、フロントおよび前席ドアの防音ガラス、前席シートベンチレーション、3段階のステアリングヒーター、冷却ファン付き50Wワイヤレス充電など、日常の快適性を高める装備を充実。ボンネット下にはEVならではの95Lフロントトランク(フランク)を新設し、荷室容量もリアの490Lとあわせて実用性を高めました。メータークラスターは5インチから8.8インチへ拡大し、AWDモデルにはヘッドアップディスプレイ(HUD)も備わります。



グレード・価格・ボディカラー一覧
| モデル | 駆動方式 | 総電力量 | 航続距離(WLTC) | 0-100km/h | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| ATTO 3 EX | 後輪駆動(RWD) | 74.88kWh | 620km | 5.5秒 | 437万8,000円 |
| ATTO 3 EX AWD | 四輪駆動(AWD) | 74.88kWh | 550km | 4.0秒 | 487万3,000円 |
ボディカラーはルビーレッド、コスモスブラック、スキーホワイト、ハーバーグレー、アトランティスグレーの全5色。内装色はいずれもグレーとなります。
現行モデルとの主な違い(比較まとめ)
| 項目 | ATTO 3(現行) | ATTO 3 EX(新型) |
|---|---|---|
| 駆動方式 | 前輪駆動 | 後輪駆動/四輪駆動 |
| プラットフォーム | CTP | CTB |
| バッテリー容量 | 58.56kWh | 74.88kWh |
| 航続距離 | 470km | 620km(RWD)/550km(AWD) |
| モーター最高出力 | 150kW | 230kW(RWD)/330kW(AWD) |
| 急速充電 | 85kW | 100kW |
| フロントトランク | なし | 95L |
| メーター | 5インチ | 8.8インチ |
| DMS/CPD | なし | 標準装備 |
まとめ:EV普及の追い風となる一台
新型「BYD ATTO 3 EX」は、航続距離620kmという実用性、日本導入初のAWD設定による走りの選択肢、そして車載温冷庫や充実の安全装備による快適性と、EVに求められる要素をバランスよく強化したモデルです。400万円台からという価格設定も、輸入EVとしては競争力の高い水準といえます。
日常の足として、あるいは家族でのロングドライブのパートナーとして、EVを本気で検討したい方にとって、有力な選択肢となりそうです。詳細は公式製品ページ(https://www.byd.com/jp/lineup/atto3-ex)や最寄りのBYD正規ディーラーで確認できます。

