日本の交通事情を語る際、左側通行は避けて通れない話題です。日本がなぜ左側通行を採用しているのか、その歴史的背景と現代における影響について探ってみましょう。実は世界には、日本のように左側通行を採用している国が多数存在します。なぜ日本は左側通行なのか、そして世界にはどのような左側通行の国があるのか。この記事では、その謎を紐解きながら、知られざる左側通行の世界をご案内します。
左側通行の国は?右側通行の国が圧倒的に多い!
190か国や地域を対象として、左側通行と右側通行の国の割合を調べてみました。その結果、約75%が右側通行、25%が左側通行だそうです。つまり、世界的には右側通行が一般的ということになります。
参考:TRAVELTOWNS
左側通行の国々はどこ?
日本以外にも、世界には多くの左側通行の国があります。世界には約60カ国が左側通行を採用しています。主な国としては、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、インド、タイ、シンガポール、南アフリカ共和国などがあります。
アジア
- マカオ
- 日本
- 香港
東南アジア
- インドネシア
- シンガポール
- タイ
- ブルネイ
- マレーシア
- 東ティモール
南アジア
- インド
- スリランカ
- ネパール
- バングラデシュ
- パキスタン
- ブータン
- モルディブ
ヨーロッパ
- アイルランド
- イギリス
- マルタ
- キプロス
南米
- ガイアナ
- スリナム
アフリカ
- ウガンダ
- エスワティニ
- ケニア
- ザンビア
- ジンバブエ
- セーシェル
- タンザニア
- ナミビア
- ボツワナ
- マラウイ
- モザンビーク
- モーリシャス
- レソト
- 南アフリカ
オセアニア
- オーストラリア
- キリバス
- クック諸島
- ソロモン諸島
- ツバル
- ナウル
- ニウエ
- ニュージーランド
- パプアニューギニア
- フィジー
- 米領サモア
これらの国々は、歴史的な背景やイギリスの影響など、さまざまな理由で左側通行を採用しています。
右側通行の国々はどこ?
ヨーロッパのほとんどの国が右側通行です。
アジア
- モンゴル
- 中国
- 北朝鮮
- 台湾
- 韓国
東南アジア
- カンボジア
- フィリピン
- ベトナム
- ミャンマー
- ラオス
ヨーロッパ
- アンドラ
- イタリア
- オランダ
- オーストリア
- サンマリノ
- ジブラルタル
- スイス
- スペイン
- ドイツ
- バチカン
- フランス
- ベルギー
- ポルトガル
- ポーランド
- モナコ
- リヒテンシュタイン
- ルクセンブルク
- アルバニア
- アルメニア
- ウクライナ
- ギリシャ
- クロアチア
- ジョージア
- スロバキア
- スロベニア
- チェコ
- トルコ
- ハンガリー
- ブルガリア
- ベラルーシ
- ボスニア・ヘルツェゴビナ
- マケドニア
- モルドバ
- ルーマニア
- アイスランド
- エストニア
- グリーンランド
- スウェーデン
- デンマーク
- ノルウェー
- フィンランド
- ラトビア
- リトアニア
オセアニア
- ウェーク島
- グアム
- サモア
- トンガ
- ニューカレドニア
- バヌアツ
- パラオ
- フランス領ポリネシア
- マーシャル諸島
- ミクロネシア連邦
- 北マリアナ諸島
北米
- アメリカ
- カナダ
- サンピエール島
- ミクロン島
南米
- アルゼンチン
- アルバ
- ウルグアイ
- エクアドル
- コロンビア
- チリ
- パラグアイ
- フランス領ギアナ
- ブラジル
- ベネズエラ
- ペルー
- ボリビア
アフリカ
- アルジェリア
- アンゴラ
- エジプト
- エチオピア
- エリトリア
- カメルーン
- カーボベルデ
- ガボン
- ガンビア
- ガーナ
- ギニア
- ギニアビサウ
- コモロ
- コンゴ共和国
- コンゴ民主共和国
- コートジボワール
- サントメ・プリンシペ
- シエラレオネ
- ジブチ
- スーダン
- セネガル
- ソマリア
- チャド
- チュニジア
- トーゴ
- ナイジェリア
- ニジェール
- ブルキナファソ
- ブルンジ
- ベナン
- マダガスカル
- マリ
- モロッコ
- モーリタニア
- リビア
- リベリア
- ルワンダ
- レユニオン
- 中央アフリカ
- 赤道ギニア
中東
- アゼルバイジャン
- アフガニスタン
- アラブ首長国連邦
- イエメン
- イスラエル
- イラク
- イラン
- オマーン
- カタール
- クウェート
- サウジアラビア
- シリア
- バーレーン
- ヨルダン
- レバノン
中央アジア
- ウズベキスタン
- カザフスタン
- キルギス
- タジキスタン
- トルクメニスタン
日本の左側通行の起源
日本の左側通行の起源には、諸説あります。有力な説としては、武士の時代の名残という説があります。武士は刀を左腰に差しており、すれ違う際に刀がぶつからないように自然と左側通行になっていたと言われています。また、江戸時代には籠も左側を通行するよう定められており、明治時代初期にイギリスから鉄道技術を導入した際、イギリス式の左側通行がそのまま採用されたという説もあります。
左側通行が定着した理由
明治時代に入ると、イギリスから鉄道技術が導入され、イギリス式の左側通行が鉄道にも採用されました。さらに、自動車の普及とともに、道路交通法でも左側通行が規定され、日本の交通ルールとして定着していきました。
明治時代から現代までの変遷
明治時代以降、日本の交通ルールは何度か改正されていますが、左側通行の基本原則は変わっていません。ただし、戦後の一時期にGHQによって右側通行への変更が検討されたこともありましたが、最終的には左側通行が維持されることになりました。
その後、昭和24(1949)年に施行された道路交通法によるものです。現在は、昭和35(1960)年に施行された道路交通法において、「車両は、道路の中央から左側を通行しなければならない」(道路交通法第17条第4項)と、車両の左側通行が規定されています。これにより、車両については路上の左側を通行しなくてはなりません。
左側通行と右側通行のメリット・デメリット
左側通行と右側通行には、それぞれメリットとデメリットがあります。
左側通行のメリット
左側通行は、右利きの人にとって運転しやすいというメリットがあります。一方、右側通行の国との行き来が不便というデメリットもあります。左側通行は、歩行者や自転車にとって安全という意見もあります。しかし、自転車は車道を左側通行するため、自動車との接触事故には注意が必要です。
- 右利きの人にとって運転しやすい
- 歩行者とすれ違う際に安全
左側通行のデメリット
左側通行の国では、左ハンドル車が一般的です。これは、運転席から道路の左側が見やすいという理由からです。
- 右側通行の国との行き来が不便
- 国際的な標準化から外れる
左側通行の自動車メーカーと車両仕様
左側通行対応車両の設計と販売
自動車メーカーは、左側通行の国向けに左ハンドル車を設計・販売しています。また、右側通行の国でも左ハンドル車の需要があるため、一部のメーカーは右ハンドル車と左ハンドル車の両方を生産しています。
日本車と海外車の違い
日本車は、左側通行の国向けに設計されているため、左ハンドル車が一般的です。一方、海外の自動車メーカーの中には、右側通行の国向けに右ハンドル車を生産しているメーカーもあります。
右ハンドル車と左ハンドル車の輸出入
右側通行の国で左ハンドル車を運転する場合や、左側通行の国で右ハンドル車を運転する場合には、特別な許可が必要な場合があります。
編集部から一言
日本を含む世界には、さまざまな理由で左側通行を採用している国々が多数存在します。左側通行には、右利きの人にとって運転しやすいなどのメリットがある一方で、国際的な標準化から外れるなどのデメリットもあります。
この記事を通して、左側通行の起源や世界に広がる左側通行の国々について理解を深めていただければ幸いです。