国土交通省は、ダイハツ工業等の不正事案を踏まえ、型式指定を取得している自動車メーカー等85社に対し、型式指定申請における不正行為の有無等に関する調査・報告を指示していました。その結果、5月末までにトヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキの自動車メーカー計5社から、型式指定申請における不正行為が行なわれていたとの報告があったと、2024年6月3日発表しました。
目次
報告のあった不正行為の内容
トヨタ自動車株式会社(※調査継続中のため、現時点で判明している不正行為のみ記載)
- 現行生産車3車種について、歩行者保護試験における虚偽データの提出等
- 過去生産車4車種について、衝突試験における試験車両の不正加工等
マツダ株式会社
- 現行生産車2車種について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換え
- 過去生産車3車種について、衝突試験における試験車両の不正加工
マツダ 「ロードスターRF」「MAZDA2」現行モデル2車種などで型式指定申請における不正行為が判明
マツダは2024年1月26日に国土交通省から要請を受けた「型式指定申請における不正行為の有無等に係る実態調査」に基づき、調査対象期間におけるすべての型式指定申請2,40...
ヤマハ発動機株式会社
- 現行生産車1車種について、騒音試験における不適正な試験条件での実施
- 過去生産車2車種について、警音器試験における試験成績書の虚偽記載
本田技研工業株式会社
- 過去生産車22車種について、騒音試験における試験成績書の虚偽記載等
ホンダ、過去販売した22車種の四輪車で型式指定申請における不適切事案の判明 騒音試験やエンジンの出力...
2024年1月26日に国土交通省より「型式指定申請における不正行為の有無等に係る実態について」の調査指示を受け、社内調査を実施しました。その結果、当社が過去に販売し...
スズキ株式会社
- 過去生産車1車種について、制動装置試験における試験成績書の虚偽記載
スズキ 「アルト」型式指定申請における不正行為 過去(2014年)の不正事案が1件発見
スズキ株式会社は、国土交通省からの型式指定申請における不正行為の有無に係る実態調査指示を受け、調査結果を同省に報告いたしました。調査の結果、過去(2014年)の...
国土交通省の対応
不正行為の報告があった5社に対し、以下のとおり指示した。
- 国土交通省が基準適合性を確認するまで、不正行為のあった車種の出荷を停止すること
- 最終的な調査結果を速やかに提出すること
- ユーザー等への丁寧な説明や対応に努めること
今後の対応
- 不正行為の報告があった5社に立入検査を行い、不正行為の事実関係等の確認を行う。
- 国土交通省及び(独)自動車技術総合機構において、不正行為のあった車種の基準適合性を速やかに確認する。
- 立入検査及び基準適合性の確認結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処する。
国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_005134.html