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2025年11月10日、トヨタ自動車はタイ・バンコクで開催された新車発表イベントにて、第9世代となる新型「ハイラックス」を世界初公開しました。日本モデルは2026年5月28日に発売される予定です。

現行の8代目が2015年にデビューしてから約10年ぶりとなる今回のフルモデルチェンジでは、従来のディーゼルエンジンに加え、バッテリーEV(BEV)モデルを新たにラインアップに追加。カーボンニュートラル社会の実現に向けた、トヨタの「マルチパスウェイ」戦略を体現するモデルとして注目を集めています。

日本市場向けには、ディーゼルモデルを2026年年央に発売予定です。
イベントにはトヨタのサイモン・ハンフリーズ氏(チーフ・ブランディング・オフィサー)に加え、元横綱の白鵬氏も参加し、大きな盛り上がりを見せました。




新型ハイラックスのデザインは「タフ&アジャイル」というテーマに基づいて開発されました。これは、他のトヨタモデルで見られるハンマーヘッドスタイリングとは一線を画すアプローチです。
フロントマスクは、スリムなLEDヘッドライト、ボディ同色のハニカムグリル、角張ったバンパーインテーク、頑丈なスキッドプレートを特徴としています。新型カローラクロスやクラウンエステートのようなボディ同色グリルを採用し、その上部には「TOYOTA」のレタリングバッジが配されています。
フロントウィンカーはLEDデイライトの反転式になると予想され、洗練されたモダンなデザインに仕上げられています。
BEVモデルの外観的特徴は、独自のフロントバンパー、ブロックされたグリル、改良されたインテークによって、内燃機関モデルと明確に差別化されています。

興味深いことに、トヨタはシングルキャブとエクステンデッドキャブのボディスタイルを廃止することを決定しました。つまり、今回公開されたダブルキャブバージョンが、購入者にとって唯一の選択肢となります。
これにより、より実用性の高いファミリーユース向けの仕様に集約されることになります。

リアエンドは以前よりも彫刻的に仕上げられ、シャープなLEDテールライトとモダンなバンパーが採用されています。サイドプロファイルは、グリーンハウス、ピラー、ドアが先代モデルから引き継がれているため、見慣れた印象を受けますが、再設計されたフロントおよびリアフェンダーと箱型のホイールアーチ、新しいホイールによって、新鮮さが加えられています。
内装面でも大幅な進化を遂げています。新型ハイラックスのインテリアは、トヨタの最新技術とスタイリング要素を採用し、ランドクルーザー250やランドクルーザーFJのような武骨でタフな印象を与える仕様に刷新されました。

箱型のダッシュボードには、以下の最新装備が搭載されています。



最大の注目ポイントは電動パーキングブレーキの採用です。これまでのハイラックスは手引き式のハンドブレーキを採用していましたが、新型では電動パーキングブレーキ(EPB)とオートブレーキホールド(ABH)を装備。ランドクルーザーFJやハイラックス・チャンプとの差別化を図り、使い勝手を大幅に向上させています。
この装備により、より快適で現代的なドライビング体験が提供されるようになりました。

安全装備については、「大幅に拡張された」ADAS(先進運転支援システム)スイートを搭載し、ハイラックスを乗用車ラインアップと同等のレベルに引き上げています。最新の予防安全技術「トヨタセーフティセンス3.0」を標準搭載し、「パノラミックビューモニター」と「マルチテレインモニター」により、狭い場所での取り回しや悪路走行時の安全性を向上させました。
トヨタのリージョナル・チーフ・エンジニアは、新型ハイラックスの開発において世界195カ国以上で累計2,800万台以上を販売してきた実績を踏まえ、中東の砂漠地帯から南米の高地まで、世界中の過酷な環境下でリサーチを実施したと説明しています。
その結果、新型モデルは以下の3つの点で大幅な進化を遂げました。

ハイラックスの伝統である「タフネス」をさらに向上させるため、ボディ剛性を強化しました。新設計のサスペンションシステムを採用することで、オフロードでの走破性を高めつつ、オンロードでの快適性も両立。また、電動パワーステアリング(EPS)を新たに搭載し、より正確なステアリングフィールと運転の自信を提供します。

現代のニーズに応える先進装備を充実させました。内外装デザインを一新し、より洗練されたスタイルを実現。安全面では、最新の予防安全技術「トヨタセーフティセンス3.0」を標準搭載しています。さらに、視界をサポートする「パノラミックビューモニター」と「マルチテレインモニター」により、狭い場所での取り回しや悪路走行時の安全性を向上させました。

顧客の多様なニーズに応じたカスタマイズアクセサリーの対応力も強化されています。


今回のモデルチェンジにおける最大の注目点は、電動化ラインアップの拡充です。トヨタが推進する「マルチパスウェイ(全方位)」アプローチに基づき、「誰一人取り残さない」モビリティの実現を目指します。
表面下では、ハイラックスは先代のIMVラダーフレーム・アーキテクチャのアップグレード版に乗っています。それでも、新しい電動パワーステアリングの恩恵を受け、全グレードで独立コイルスプリング式フロントサスペンションとリジッドアクスル・リーフスプリング式リアサスペンションという改良されたサスペンションセットアップを採用しています。

トヨタ・オーストラリアによると、2種類の異なるチューニングが用意されています。
オフロード性能に関しては、4×4バージョンはハイ・ローレンジレシオを備えたパートタイム4WDシステムを採用。リアロッキングディファレンシャルの標準装備と、オプション装備のマルチテレインセレクトシステムにより、さらに改善されています。
オフロード性能を重視したTRAVO 4 TREXは、スタンダードモデルとは異なる装備が特徴です。
最上級グレードのOVERLANDは、さらに洗練されたオフロード仕様となっています。
ボディサイズは従来通りのハイラックスらしい伸びやかなサイドビューを維持しており、日本で販売される場合は「1ナンバー」での登録になると予想されます。

内燃機関モデルには、以下のエンジンが採用されます。
マイルドハイブリッドシステムの搭載により、燃費性能と加速性能の両立を実現しています。

新型ハイラックスに追加されるバッテリーEV(BEV)モデル「TRAVO-e」は、都市部でのゼロエミッション走行を可能にしながら、ハイラックスの本質であるタフネスと実用性を損なわない設計となっています。




リチウムイオンバッテリーパックは、フレーム幅を最大限に活用しながら床下に収まるよう最適配置されています。前後に高出力タイプのeAxle(電動駆動システム)を採用することで、システム最高出力144kW(196ps)を実現。さらに、進化した制御システムにより、伝統のボディオンフレーム構造の優れた悪路走破性を維持しています。
eAxleの高効率化により、59.2kWhという比較的コンパクトなバッテリー容量でも300km以上の航続距離を確保。渡河性能や十分な牽引・積載能力も確保されており、商用車としての実用性を犠牲にしていません。
航続距離は300km以上と決して長くはありませんが、都市部での配送業務やゼロエミッションエリアでの使用を想定した実用的な設定となっています。
トヨタは今回発表したディーゼルモデルとBEVモデルに加え、燃料電池電気自動車(FCEV)モデルの開発も進めています。FCEVモデルは欧州およびオセアニア地域に2028年以降の投入を予定していますが、現時点ではまだ実車を公開できる段階には至っていないとのこと。
より多様なパワートレーン選択肢を提供することで、各地域のエネルギー事情に柔軟に対応します。
イベントで登壇したトヨタのサイモン・ハンフリーズ氏(チーフ・ブランディング・オフィサー)は、ハイラックスとタイの60年以上にわたる深い関係について語りました。
1968年に誕生したハイラックスは、2004年の「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)プロジェクト」によってグローバル化を加速。このプロジェクトの中心的役割を担ったのがタイでした。タイは日本以外のアジアで初めてトヨタが自動車を生産した国であり、現在では多くの人々がハイラックスを「タイの国民車」と呼ぶまでになっています。
タイで生産されたトヨタ車両は累計1,300万台を超え、世界133カ国の人々に利用されています。
新型ハイラックスは、世界中の多様な顧客の声に耳を傾けて進化してきました。
鉱山労働者が求める頑丈さ、家族が望む快適性、フリートオーナーが重視する燃費性能、若者が期待するデザインやテクノロジー——こうした世界中のユーザーからのフィードバックが、第9世代モデルに反映されています。
農家が農産物を運ぶ時も、家族が長距離旅行に出かける時も、建設現場で働く人々が街を築く時も、ハイラックスは「品質・耐久性・信頼性(QDR)」で高い評価を確立してきました。
タイ市場では、新型ハイラックスに複数のグレードが用意されています。








アウトドアや冒険志向のユーザー向けに特別装備を施したモデル
新型トヨタ・ハイラックスは、以下のスケジュールで世界各地に投入されます。
各市場向けの価格と詳細仕様は、発売が近づいた時点で発表される予定です。
日本市場向けの新型ハイラックスは、2026年5月28日に発売予定です。日本仕様ではディーゼルモデルが導入される見込みで、BEVモデルの国内投入については今後の発表が待たれます。
トヨタは本日より特設サイトを立ち上げ、順次最新情報を更新していく予定です。
トヨタが推進する「マルチパスウェイ」とは、カーボンニュートラルの実現に向けて、単一の解決策に頼るのではなく、各国・各地域のエネルギー事情や顧客のニーズに応じた多様な選択肢を提供する取り組みです。
電力網が整備された都市部ではBEVが最適解となる一方、電力インフラが限られた地域では内燃機関やハイブリッド、水素燃料電池など、異なるパワートレーンが求められます。新型ハイラックスは、ディーゼル・BEV・FCEVという3つのパワートレーンを揃えることで、この戦略を具現化したモデルと言えます。
ピックアップトラック市場において、新型ハイラックスは以下の競合車種と競争することになります。
BEVモデルの追加により、電動ピックアップトラック市場においても先行者利益を確保する狙いがあります。
第9世代トヨタ ハイラックスは、10年ぶりのフルモデルチェンジにより、伝統のタフネスと信頼性を維持しながら、電動化時代に対応した革新的なモデルへと進化しました。
電動パーキングブレーキの採用という大きな進化により、ハイラックス・チャンプやランドクルーザーFJとの明確な差別化を実現。使い勝手の向上により、より幅広いユーザー層へのアピールが可能になりました。
BEVモデルの追加は、商用車やピックアップトラックの電動化という新しい時代の幕開けを告げるものです。さらに2028年以降のFCEVモデル投入により、トヨタは「誰一人取り残さない」モビリティ社会の実現に向けて着実に前進しています。
日本国内での発売は2026年5月28日を予定。ディーゼルモデルから投入される見込みですが、今後BEVやFCEVモデルの国内導入も期待されます。
世界195カ国以上、累計2,800万台以上の販売実績を誇るハイラックス。その伝説は、第9世代でさらなる新章を刻むことになるでしょう。
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自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。