2025年11月10日、トヨタはタイで待望の新型ハイラックス9代目を正式発表しました。この発表と共に、日本国内での発売も明言され、2026年にいよいよ日本市場に投入されることが確定しています。日本国内で販売される本格的なピックアップトラックは、現在トヨタ・ハイラックスと三菱トライトンの2台が中心となっており、新型ハイラックスの登場により、この市場での競争が一層激化することは間違いありません。
2026年に登場する新型ハイラックス9代目とトライトンの真っ向勝負

特に注目すべきは、新型ハイラックス9代目が2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、最大トルク500Nmを発揮する点です。これにより、三菱トライトンの470Nmを上回り、パワートレイン性能で真っ向勝負を挑む形となりました。
本記事では、2026年モデルのトヨタ・ハイラックス9代目と現行の三菱トライトンを、デザイン、パフォーマンス、装備、価格など、あらゆる角度から徹底的に比較します。購入を検討されている方はもちろん、ピックアップトラックに興味がある方必見の内容です。
1. エクステリアデザイン徹底比較 - 対照的なデザイン哲学
トヨタ・ハイラックス9代目:力士の四股を踏む踏ん張り感

新型ハイラックス9代目は、8代目から大きく進化し、よりSUVライクなデザイン言語を採用しています。最大の特徴は、高い位置に配置されたヘッドライトとグリルです。従来モデルよりも重心を上げることで、力強さとリフトアップ感を強調しています。
デザインの特徴:
- スリムなLEDヘッドライト:高い位置に配置され、横一文字のシグネチャーランプと融合
- ボディ色のパンチンググリル:RAV4やカローラクロスと共通するトヨタの最新デザイン言語を採用
- 相撲力士がモチーフ:トヨタ公式のデザインコンセプトでは、力士の四股を踏む姿勢からインスピレーションを得た踏ん張り感を表現
- 斜めのラインが基調:垂直ラインをあえて避け、すべてのラインが斜めに流れる構成
- リアバンパーの革新的ステップ:リアだけでなくサイドからも荷台にアクセスできるステップを装備
注目ポイント:コスト戦略とデザインの両立
新型ハイラックスはフルモデルチェンジながら、ドアパネルは8代目と共通という戦略を採用しています。これはコスト削減と価格競争力を維持するための英断ですが、サイドビューでは柔らかいラインが残り、フロント・リアの硬質な表現とのギャップが生まれています。
一方で、顔つきとリアデザインは完全刷新され、特にリアはC面(角を削いだ面)を多用したメカニカルな造形が印象的です。サイドステップをリアバンパーからサイドまで延長させる革新的なアイデアは、実用性とデザイン性を両立させた秀逸なソリューションです。
三菱トライトン:縦横の直線美を追求した無骨なスタイル

対する三菱トライトンは、縦横の直線を徹底的に強調したデザインが特徴です。
デザインの特徴:
- 垂直・水平ラインの多用:フェンダー、グリル、バンパーすべてに直線的な要素を配置
- ホライゾンタルアクシス(HORIZONTAL AXIS):ダッシュボードからエクステリアまで貫く水平基調
- 光沢ブラックのオーバーフェンダー:高級感とモダンさを演出
- 完全新規設計のドアパネル:サイドボディもバキバキの硬質な造形
- 四角いサイドミラー:ワイルドさを強調する無骨なデザイン
デザインの対比まとめ:
- ハイラックス:斜めのライン、モダンでアジャイル、都会派SUVの要素
- トライトン:垂直・水平のライン、ワイルドで無骨、オフローダーの本格派
両車を並べると、ハイラックスがスタイリッシュな「攻めの都会派」、トライトンが骨太な「ガチのオフローダー」という印象の違いが鮮明になります。現役カーデザイナーの分析でも、この対照的なデザイン哲学の違いが明確に指摘されています。
2. ボディサイズ・パッケージング比較 - わずかな差が使い勝手に影響


ボディサイズ比較表
| 項目 | トヨタ・ハイラックス9代目 | 三菱トライトン |
|---|---|---|
| 全長 | 5,320mm | 5,320mm(GSR)/ 5,360mm(GLS) |
| 全幅 | 1,855mm | 1,865mm(GSR)/ 1,930mm(GLS) |
| 全高 | 1,800mm | 1,795mm(GSR)/ 1,815mm(GLS) |
| ホイールベース | 3,085mm | 3,130mm |
| 最低地上高 | 215mm(推定) | 220mm |
| 最小回転半径 | 6.4m(推定) | 6.2m |
| 荷台積載量 | 500kg | 500kg |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 |
サイズの特徴:
- ホイールベース:トライトンが45mm長く、直進安定性と居住性で有利
- 最小回転半径:トライトンが6.2mとやや小さく、取り回しで有利
- 全幅:トライトンGLSは1,930mmとワイド設定、ハイラックスは1,855mmとスリム
- 最低地上高:トライトンが220mmで、オフロード走破性でわずかに有利
パッケージングの違い
ハイラックス9代目の強み:
- リアバンパーに一体化したサイドステップで荷台へのアクセス性向上(業界初のアイデア)
- よりスリムなボディ(1,855mm)で日本の狭い道でも扱いやすい
- 全高1,800mmで立体駐車場の制約が少ない
トライトンの強み:
- 長いホイールベース(3,130mm)による安定した乗り心地と広い室内空間
- 最小回転半径6.2mで意外と取り回しが良い
- 220mmの最低地上高で本格オフロード走行に対応
3. パワートレイン・走行性能比較 - 500Nm vs 470Nmのトルク対決
エンジンスペック比較表
| 項目 | トヨタ・ハイラックス9代目 | 三菱トライトン |
|---|---|---|
| エンジン型式 | 2.8L 直列4気筒ディーゼルターボ | 2.4L 直列4気筒ディーゼルターボ 4N16 |
| 排気量 | 2,755cc | 2,442cc |
| 最高出力 | 150kW(204PS)/ 3,000-3,400rpm | 150kW(204PS)/ 3,500rpm |
| 最大トルク | 500Nm(51.0kgm)/ 1,600-2,800rpm | 470Nm(47.9kgm)/ 1,500-2,750rpm |
| トランスミッション | 6速AT | 6速AT |
| 駆動方式 | 後輪駆動 / 4WD | 2WD / 4WD |
| WLTC燃費 | 11.3km/L(予想) | 11.3km/L |
ハイラックスがトルクで上回る!500Nmの圧倒的な力
新型ハイラックス9代目の大幅進化:
新型ハイラックスは、従来の2.4Lエンジンから2.8L直列4気筒ディーゼルターボに排気量アップし、性能が劇的に向上しました。この2.8Lエンジンは、ランドクルーザー250やプラドと共通のパワートレインで、高い信頼性と耐久性を誇ります。
性能比較のポイント:
- 最高出力:両車とも204PSで完全に互角
- 最大トルク:ハイラックスが500Nmで、トライトンの470Nmを30Nm(約6%)上回る
- トルクバンド:ハイラックスは1,600-2,800rpm、トライトンは1,500-2,750rpm
500Nmのトルクがもたらす実用メリット
ピックアップトラックにとって、最大トルクは最も重要な性能指標です。ハイラックスの500Nmという数値は、この用途において大きなアドバンテージとなります。
実用面でのメリット:
- 重い荷物を満載した状態での加速性能:500kg積載時でも余裕の加速
- 急勾配での登坂能力:オフロードでの登坂や山道でのストレスフリーな走行
- トレーラー牽引時の安定性:最大牽引能力を活かせる十分なトルク
- オフロード走行時の低速トルク:岩場やぬかるみでのトラクション確保
トルクバンドも1,600-2,800rpmと1,200rpmの広範囲にわたり、日常使用からオフロードまで扱いやすい特性です。トライトンより100rpm高い回転域からトルクが立ち上がりますが、実用上の差はほとんど感じられないでしょう。
2.8Lエンジン採用の戦略的意義
トヨタがハイラックス9代目に2.8Lディーゼルターボを採用した理由は明確です:
1. ランドクルーザーシリーズとの共通化
同じ2.8Lエンジンを採用することで、開発コスト削減、部品共通化、メンテナンス性向上を実現。ランドクルーザーで実証された信頼性と耐久性をハイラックスにも継承。
2. グローバル市場での競争力強化
海外のライバル(フォードレンジャー2.0Lターボ、いすゞD-MAX 3.0Lディーゼルなど)に対抗するためのパワーアップ。
3. トライトンへの真っ向勝負
三菱の高性能4N16エンジン(204PS/470Nm)に対し、トルクで上回ることで性能面での優位性を確保。
4WDシステムの違い
ハイラックス9代目:
- パートタイム4WD
- 電子制御式トランスファー
- リアデフロック(上級グレード)
- ダウンヒルアシストコントロール
トライトン:
- Super Select 4WD-II:三菱伝統の高性能4WDシステム
- 4H(フルタイム4WD)、4HLc(センターデフロック4WD)、4LLc(低速4WD)の切り替え可能
- 4WDモードでも高速道路走行が可能なフルタイム4WDモード搭載
- 電子制御式デフロック
4WDシステムの使い勝手:
トライトンのSuper Select 4WD-IIは、舗装路ではフルタイム4WDとして快適に走行でき、オフロードではセンターデフをロックして本格的な走破性を発揮できる、非常に使い勝手の良いシステムです。
ハイラックスのパートタイム4WDは、4WDモード時は基本的にオフロード専用となりますが、よりシンプルで故障リスクが低く、メンテナンス性に優れるというメリットがあります。
走行性能の総合評価
- エンジン性能:ハイラックスがトルクで上回り、わずかに優位
- 4WDシステム:トライトンのSuper Select 4WD-IIが使い勝手で優位
- 燃費性能:両車とも11.3km/L前後で同等(予想)
- 信頼性:ハイラックスのランドクルーザー共通エンジンは実績豊富
4. インテリア・装備比較 - 高級感 vs 実用性
トヨタ・ハイラックス9代目のインテリア:ランドクルーザーDNAを継承

特徴:
- 12.3インチ大型ディスプレイオーディオ(予想)
- 12.3インチデジタルメーター(予想)
- ランドクルーザー250/プラドと共通のステアリング・シフトノブ
- オクタゴン(八角形)デザイン:C面を多用した立体的なデザイン
- 物理スイッチ中心:手袋装着時でも操作しやすいトグルスイッチ採用
- 高い位置の水平ダッシュボード:外観デザインとの統一感
- 大型センターコンソール:収納力と操作性を両立
設計思想:プロユースを意識した実用性重視
ランドクルーザーシリーズと同じく、手袋をしたままでも確実に操作できる設計思想が貫かれています。静電式タッチパネルを極力排除し、物理スイッチを大きく配置。トグルスイッチは指先だけでなく、手袋をした手の甲でも操作可能な形状です。
インテリアのデザインテーマも、エクステリアの「高い位置に横一文字」というコンセプトと連動しており、ダッシュボード上部に機能を集約した水平基調のレイアウトが特徴的です。
三菱トライトン:金属インゴットのような無骨な質感

特徴:
- 9インチWVGAディスプレイオーディオ(MITSUBISHI TOUCH)
- 7インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ
- ホライゾンタルアクシスデザイン:水平基調の一体感あるダッシュボード
- 金属インゴットのような質感:硬質で無骨なデザイン
- シルバーメッキの効果的な使用:工業製品としての美しさを表現
- デリカから受け継ぐDNA:三菱のSUV/ピックアップ共通の造形言語
設計思想:硬質で男らしい無骨さの追求
トライトンはまるで金属の塊のようなインテリアデザインが特徴です。ダッシュボード中央のセンターコンソールは、まさに鉄のインゴットがドンと置かれたような存在感。メッキパーツを効果的に使用し、工業製品としての美しさを表現しています。
ステアリングやシフトノブは標準的なサイズで、ハイラックスのような「プロユース特化」ではなく、一般ユーザーにも扱いやすい設計です。
インテリア比較まとめ
| 項目 | ハイラックス9代目 | トライトン |
|---|---|---|
| ディスプレイサイズ | 12.3インチ(予想) | 9インチ |
| メーター | 12.3インチデジタル(予想) | 7インチTFT |
| デザインテーマ | オクタゴン・現代的 | ホライゾンタル・無骨 |
| 質感 | プレミアムSUV的 | ヘビーデューティ的 |
| スイッチ類 | 大型で操作性重視 | 標準サイズ |
| ステアリング | ランクル共通の太グリップ | 標準的な握りやすさ |
高級感と先進性ではハイラックス、無骨な実用性ではトライトンという棲み分けが明確です。
5. 先進安全装備比較 - トライトンが一歩リード
先進安全装備比較表

| 機能 | ハイラックス9代目 | トライトン |
|---|---|---|
| 衝突被害軽減ブレーキ | ○(Toyota Safety Sense 3.0・予想) | ○(FCM) |
| 車線逸脱警報・支援 | ○ | ○(LDW/LDP) |
| オートハイビーム | ○ | ○(AHB) |
| アダプティブクルーズコントロール | ○(全車速追従型・予想) | ○(0km/h対応) |
| ブラインドスポットモニター | ○ | ○(BSW/LCA) |
| 標識認識 | ○ | ○(TSR) |
| 後退時車両検知警報 | ○ | ○(RCTA) |
| ヒルスタートアシスト | ○ | ○(HSA) |
| ダウンヒルアシスト | ○ | ○(HDC) |
| ヨーコントロール | ○ | ○(ASTC) |
| コネクティッド機能 | ○(T-Connect・予想) | ○(MITSUBISHI CONNECT) |
トライトンの強み:ACC 0km/h対応が標準装備
三菱トライトンの大きなアドバンテージは、全グレードでACCが0km/hから対応している点です。これにより、渋滞時の停止・発進まで自動追従が可能で、長距離ドライブや高速道路での疲労を大幅に軽減します。
2025年4月の改良で、トライトンは以下の機能を標準装備化しました:
- ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)0km/h対応
- 全車速追従機能
- 渋滞時の停止保持機能
Toyota Safety Sense 3.0の進化(予想)
新型ハイラックスには、ランドクルーザー250/プラドと同等のToyota Safety Sense 3.0が搭載される見込みです。
期待される機能:
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
- 緊急時操舵支援(ESA)
- 交差点右折時の対向車検知
- 右左折後の横断歩行者検知
- ドライバー異常時対応システム
- 全車速追従型ACC(0km/h対応)
現行8代目ハイラックスのACCは約30km/h以上からの作動でしたが、9代目では全車速追従型に進化し、トライトンと同等の機能を持つと予想されます。
安全装備の総合評価
- 現時点での完成度:トライトン(すでに0km/h対応ACC標準装備)
- 将来性:ハイラックス(Toyota Safety Sense 3.0の進化版搭載予想)
- コネクティッド機能:両車とも専用アプリで車両管理可能
6. 価格帯比較 - ハイラックスの価格競争力に注目
現行モデルの価格(参考)
三菱トライトン(2025年モデル):
- GLS:4,988,500円
- GSR:5,408,700円
トヨタ・ハイラックス8代目(2023年モデル):
- Z:4,072,000円
- Z GR SPORT:4,312,000円
価格差は約90万円
現行モデルでは、トライトンGSRがハイラックスZ GR SPORTより約109万円高い設定です。この価格差の要因は以下の通りです:
トライトンが高い理由:
- 完全新規設計(全パネル新規開発)
- 高性能エンジン(当時はトライトンが性能で上回っていた)
- Super Select 4WD-IIの採用
- 充実した装備(ACC 0km/h対応など)
ハイラックスが安い理由:
- ドアパネル流用などのコスト削減策
- 既存エンジンの継続使用(当時は2.4Lエンジン)
- 価格競争力の維持を重視した戦略
新型ハイラックス9代目の予想価格
予想価格帯:
- ベースグレード:430万円〜450万円
- 中級グレード(GR SPORT相当):470万円〜490万円
- 上級グレード(OVERLAND相当):520万円〜550万円
価格設定の根拠:
- 2.8Lエンジン搭載によるコストアップ:+20〜30万円
- 最新装備の追加(12.3インチディスプレイ×2など):+10〜20万円
- インフレと円安の影響:+10万円程度
- 合計:現行モデルから30〜50万円程度の値上げ
トヨタはドアパネル流用などのコスト削減策により、価格競争力を維持する戦略を取ると予想されます。それでも2.8Lエンジンと最新装備の追加により、ある程度の値上げは避けられないでしょう。
価格帯別の競争力
430万円台:ハイラックスベースグレードの独壇場
この価格帯では、フルサイズピックアップトラックとして唯一の選択肢となります。予算重視のユーザーにとってハイラックス一択です。
470万円〜490万円:激戦区
ハイラックス中級グレード vs トライトンGLS
- ハイラックス:500Nmのトルク、最新装備、トヨタブランド
- トライトン:Super Select 4WD-II、完全新規設計、0km/h対応ACC標準装備
520万円〜540万円:プレミアム対決
ハイラックス上級グレード vs トライトンGSR
- ハイラックス:ランドクルーザー直系の高級感、最新技術
- トライトン:本格オフロード性能、完成度の高い装備
コストパフォーマンスの結論
- 絶対的な価格の安さ:ハイラックス(50〜90万円安い)
- 装備の充実度:ほぼ互角(ハイラックスは画面が大きく、トライトンはACC標準装備)
- 性能対価格:ハイラックス(500Nmのトルクをより安価に入手可能)
7. どちらを選ぶべきか?ユーザー別おすすめ診断
トヨタ・ハイラックス9代目がおすすめな人
✓ こんな人におすすめ:
- トヨタブランドの信頼性とディーラーネットワークを重視
- 500Nmの強大なトルクで重い荷物を頻繁に運ぶ
- 都会的でスタイリッシュなデザインが好み
- 価格を抑えつつ最新装備を楽しみたい
- 将来的なリセールバリューを重視
- ランドクルーザーシリーズとの統一感を求める
- 先進的な大画面ディスプレイ(12.3インチ×2)に魅力を感じる
- トヨタカスタマイズ(GRパーツなど)を楽しみたい
- 手袋をしたままでも操作しやすい大型スイッチを評価
ハイラックスの決定的な魅力:
- 500Nmの最大トルク:トライトンを30Nm上回る圧倒的な力
- ランドクルーザー共通の2.8Lエンジン:実績豊富で高い信頼性
- 価格競争力:トライトンより50〜90万円安い(予想)
- トヨタブランドのリセールバリュー:3年後でも高値で売却可能
- 豊富なアフターパーツ:GRパーツ、TRDカスタマイズなど選択肢が多い
三菱トライトンがおすすめな人
✓ こんな人におすすめ:
- 本格的なオフロード走行を頻繁に行う
- Super Select 4WD-IIの高度な4WDシステムに魅力を感じる
- 舗装路でもフルタイム4WDで快適に走りたい
- 無骨で男らしい、直線的なデザインが好み
- 0km/h対応のACCなど最新の運転支援機能を今すぐ使いたい
- 三菱の伝統的なSUV/ピックアップのDNAを評価
- 他人とは違う選択をしたい(希少性を求める)
- 完全新規設計の最新モデルに乗りたい
- 最小回転半径6.2mの取り回しの良さを評価
トライトンの決定的な魅力:
- Super Select 4WD-II:パジェロ直系の高性能4WDシステム
- 0km/h対応ACC標準装備:渋滞でも使える全車速追従
- 完全新規設計:すべてのパネルが最新設計で統一感がある
- 無骨なデザイン:ピックアップトラックらしい硬派なスタイル
- 最小回転半径6.2m:ハイラックスより取り回しが良い
用途別の選び方
仕事で使う(建設・造園・農業など)
→ ハイラックス:500Nmのトルクと信頼性、価格の安さ、全国のトヨタディーラー網
週末のアウトドアがメイン
→ どちらでもOK:デザインの好みで選ぶ
本格オフロード走行(林道・クロカンなど)
→ トライトン:Super Select 4WD-IIの使い勝手、220mmの最低地上高
通勤+レジャーの兼用
→ ハイラックス:都会的なデザイン、スリムなボディ(1,855mm)
長距離ドライブが多い
→ トライトン:0km/h対応ACCの快適性、長いホイールベースの安定性
8. 電動化への対応:BEV・FCEV展開
ハイラックスの電動化戦略:BEVとFCEVの二本柱
トヨタは2025年11月の発表で、**ハイラックスのBEV(バッテリーEV)モデル「TRAVO-e」**をタイで公開しました。
TRAVO-e(BEV)のスペック:
- バッテリー容量:59.2kWh
- 航続距離:240km(WLTP)/ 300km(NEDC)
- 最高出力:196ps(144kW)
- 最大トルク:269Nm
- 駆動方式:4WD(eAxle方式・前後モーター駆動)
BEVモデルの評価:
航続距離240km(WLTP)は、ピックアップトラックとしては物足りない数値です。これは59.2kWhという比較的小容量のバッテリーを搭載しているためで、商用利用やプロユースには向かないと言わざるを得ません。
しかし、これはあくまで初期モデルであり、今後バッテリー容量を拡大したモデルや、より高効率なパワートレインを搭載したモデルが登場する可能性は十分にあります。
FCEVモデルの展開予定
トヨタの真の狙いは、FCEV(燃料電池車)モデルにあると考えられます。
FCEV展開の可能性:
- 投入時期:2028年頃(予想)
- システム:新型MIRAIと共通の燃料電池システム
- 航続距離:500km以上(予想)
- 水素充填時間:3〜5分
トヨタは水素社会の実現に向け、商用車・トラックでのFCEV展開を重視しています。ハイラックスFCEVは、以下のメリットから非常に有望です:
- 航続距離の長さ:BEVの弱点を克服
- 短い充填時間:業務用途でも実用的
- 積載量への影響が少ない:燃料電池は軽量でコンパクト
- 環境性能:走行時CO2排出ゼロ
トライトンの電動化は?
三菱自動車は現時点でトライトンのBEV/PHEV化を公式発表していませんが、三菱の電動化戦略を考えると、PHEVモデルの投入が最も現実的です。
トライトンPHEVの可能性:
- 投入時期:2027年以降(予想)
- システム:アウトランダーPHEVと共通のパワートレイン
- EV走行距離:60〜80km(予想)
- 総航続距離:800km以上(予想)
アウトランダーPHEVで培った技術を活かし、ピックアップトラックに最適化したPHEVシステムを搭載すれば、日常はEV走行、長距離やオフロードではエンジン併用という理想的な使い方が可能になります。
電動化の比較まとめ
| 項目 | ハイラックス | トライトン |
|---|---|---|
| BEV | ○(TRAVO-e既発表) | ?(未発表) |
| PHEV | ? | ○(高い可能性) |
| FCEV | ○(2028年頃予想) | × |
| 電動化の本気度 | 非常に高い | 中程度 |
電動化への対応では、トヨタ・ハイラックスが一歩リードしています。特にFCEV展開を見据えた戦略は、長期的にピックアップトラック市場でのアドバンテージとなるでしょう。
総合評価:2026年のピックアップトラック市場を制するのは?
性能ではハイラックスが逆転、使い勝手ではトライトンが優位
三菱トライトンの勝利ポイント:
- Super Select 4WD-IIの優れた使い勝手(舗装路でもフルタイム4WD可能)
- 0km/h対応ACC標準装備(渋滞時も使える全車速追従)
- 完全新規設計の硬派なデザイン(すべてのパネルが統一感ある造形)
- 最小回転半径6.2m(ハイラックスより取り回しが良い)
- 220mmの最低地上高(オフロード走破性で有利)
トヨタ・ハイラックス9代目の勝利ポイント:
- 2.8Lエンジンで500Nmの最大トルク(トライトンを30Nm上回る)
- ランドクルーザーシリーズと共通の信頼性高いパワートレイン
- 価格競争力(トライトンより50〜90万円安い予想)
- トヨタブランドの信頼性とリセールバリュー
- 先進的なインフォテインメント(12.3インチディスプレイ×2・予想)
- 将来的なBEV/FCEV展開(電動化への本気度が高い)
- 豊富なカスタマイズパーツとGRラインナップ
- 全国のトヨタディーラー網(メンテナンス・サービスの安心感)
2026年の結論:真のライバル対決が実現
新型ハイラックスが**2.8Lエンジン(500Nm)**を搭載したことで、パワートレイン性能ではトライトンとほぼ互角、トルクではハイラックスが上回るという構図になりました。これにより、両車の競争は新たな次元に突入します。
性能面での優劣:
- エンジントルク:ハイラックス 500Nm > トライトン 470Nm
- 4WDシステムの使い勝手:トライトン > ハイラックス
- 運転支援機能(現時点):トライトン(0km/h対応ACC標準) ≧ ハイラックス(予想)
総合力での優劣:
- 価格競争力:ハイラックス >> トライトン
- ブランド力・リセールバリュー:ハイラックス > トライトン
- デザインの完成度:トライトン ≧ ハイラックス(ドア流用が惜しい)
- 電動化への対応:ハイラックス >> トライトン
市場シェアの予想
トヨタの販売力、価格優位性、ブランド力を考えると、販売台数ではハイラックスが圧倒すると予想されます。特に以下の層でハイラックスが支持されるでしょう:
- 商用・プロユース:トヨタディーラー網、価格の安さ、500Nmのトルク
- 若年層の初めてのトヨタ車:トヨタの入り口としての尖った商品戦略
- リセール重視層:トヨタブランドの高いリセールバリュー
一方、トライトンは以下のようなコアなファン層に支持されると予想されます:
- 本格オフローダー:Super Select 4WD-IIの性能を評価
- 三菱ファン:パジェロ、デリカの伝統を継承する唯一のピックアップ
- 希少性を求める層:人とは違う選択をしたいユーザー
最終的な選択基準
どちらを選ぶかは、以下の優先順位で決まります:
1. 価格を最重視するなら → ハイラックス
50〜90万円の価格差は大きい。同じ500Nmクラスのトルクをより安価に入手可能。
2. 4WDシステムの使い勝手を最重視するなら → トライトン
Super Select 4WD-IIは舗装路でもオフロードでも最適なモードを選択可能。
3. ブランドとリセールバリューを最重視するなら → ハイラックス
トヨタブランドの信頼性と、3年後・5年後の高いリセールバリューは魅力。
4. デザインの好みで選ぶなら → 好み次第
都会的でスタイリッシュなハイラックス vs 無骨で硬派なトライトン
5. 電動化を見据えるなら → ハイラックス
BEV「TRAVO-e」既発表、2028年にはFCEVも予想される充実のラインナップ。
まとめ:2026年、日本のピックアップトラック市場は黄金期を迎える
2026年、新型ハイラックス9代目の登場により、日本のピックアップトラック市場は史上最もエキサイティングな時代を迎えます。
500Nm vs 470Nmのトルク対決、2.8L vs 2.4Lの排気量対決、トヨタ vs 三菱のブランド対決、価格 vs 装備のバリュー対決——。あらゆる面で拮抗した、真の意味でのライバル対決が実現します。
どちらを選んでも、日本国内で販売される最高峰のピックアップトラックであることに変わりはありません。ぜひ両車を実際に見比べて、試乗して、あなたのライフスタイルと使用目的に最も合った一台を選んでください。
2026年のピックアップトラック市場から、目が離せません。
参考リンク:

