日産自動車と中国合弁会社の東風日産乗用車公司(DFN)は2026年4月8日(現地時間)、中国市場向けの新型EV SUV「NX8」を正式発売しました。新型NX8は、中国向けに開発したプラグインハイブリッドセダン「N6」、バッテリーEVのミッドサイズセダン「N7」に続くNシリーズ第3弾として登場した、ミドルクラスEV SUVです。「すべての家族にとって理想的なSUV」をコンセプトに開発され、快適性・先進装備・安全性能の3領域における71項目の装備を全グレードに標準搭載しながら、15.99万元から20.99万元(日本円換算で約320万円から約420万円相当)という競争力の高い価格帯を実現しています。なお、EVモデルは4月8日より発売開始、レンジエクステンダーモデルは2026年5月中下旬より順次納車予定となっています。
EVとレンジエクステンダーの2種類のパワートレインで中国市場の多様なニーズに対応
新型NX8は、中国市場の多様なニーズに対応するため、バッテリーEV(電気自動車)とレンジエクステンダー(REEV)の2種類のパワートレインをラインアップしています。EVモデルは「580 Pro」「580 Max」「650 Max」の3グレード、REEVモデルは「150 Pro」「150 Max」「310 Max」の3グレードが用意されており、合計6つのグレード構成となっています。

EVモデルの航続距離は最大650キロメートル(CLTCモード)を実現しており、800V・5Cの超急速充電に対応しています。この超急速充電技術により、わずか6分の充電で約300キロメートル相当の電力を充電することが可能です。EVユーザーが抱える航続距離への不安を払拭するに十分な性能であり、日常使いから長距離移動まで幅広いシーンに対応しています。
一方、REEVモデルはEV走行距離が310キロメートル、総合航続距離は1,450キロメートルという驚異的な数値を実現しています。ガソリン走行時の燃費は4.51L/100km(約22.17km/L)という高い燃費性能も確保されており、長距離移動でも充電の心配をせずに経済的な走行が可能です。EVとREEVの2種類のパワートレインを用意することで、充電インフラの整備状況や走行距離に応じて、ユーザーが自分のライフスタイルに合ったパワートレインを選択できる柔軟な商品構成が実現されています。
「どの席も主役」コンセプト、後席室内高1285mmで同クラス最高を実現
新型NX8のインテリアは、「どの席も主役」という考え方のもと、乗員全員が心地よく過ごせる室内空間が追求されています。後席の室内高は同クラス最高となる1285ミリメートルを実現しており、子どもが立って着替えられるほどの十分な高さが確保されています。ファミリーカーとしての実用性にこだわった設計は、「すべての家族にとって理想的なSUV」というコンセプトを体現しています。
シート機能も充実しており、前席にはAIゼログラビティシート2.0が採用されています。25個のマッサージエアバッグとサポートエアバッグを内蔵しており、長距離ドライブでも体への負担を大幅に軽減します。後席には電動リクライニングシートが装備されており、電動リクライニング、通気、加温、マッサージ機能を備えた上質な設備が提供されています。また、AI非接触風コントロールシステムにより、乗員に直接風が当たらない快適な空調環境が実現されています。
さらに、乗り物酔い防止技術3.0も搭載されており、酔いやすい乗員でも快適に過ごせる環境が整えられています。車内温度を適切に維持する機能に加え、誤操作防止やペットの置き忘れを通知する機能を備えた「ペット保護モード」も搭載されており、ペットを乗せる機会の多いユーザーにも配慮した設計となっています。
773Lの大容量ラゲッジと-6℃〜55℃対応の車載冷温庫を装備
新型NX8の実用性の高さを示す装備として、773リットルという大容量のラゲッジスペースが確保されています。これはスーツケースが35個収納可能なほどの容量であり、大家族でのレジャーや長期旅行でも荷物の積載に困ることはありません。ミドルクラスSUVとして同クラストップレベルの積載量を誇るこの大容量ラゲッジは、ファミリーユースでの使い勝手を大幅に向上させています。
また、-6℃から55℃という幅広い温度設定が可能な両開き式冷温庫が車内に装備されています。飲み物を冷やすだけでなく、温かい食べ物を保温することもできる便利な装備であり、長距離ドライブや車内での食事シーンを大幅に豊かにします。電気自動車ならではの豊富な電力を活用したこのような快適装備は、NX8のファミリーカーとしての魅力をさらに高めています。
15.6インチデュアルディスプレイとNISSAN OS 2.0を搭載した先進インフォテインメント
新型NX8のインフォテインメントシステムは、最先端の技術が結集した装備となっています。メインディスプレイには15.6インチのデュアル大型ディスプレイが採用されており、広大な画面で各種情報を視認性高く表示できます。ディスプレイの性能を最大限に活かすため、Qualcomm Snapdragon 8295Pチップと256GBの大容量ストレージが搭載されており、スムーズで快適な操作環境が実現されています。
車載OSには、中国市場向けに開発された「NISSAN OS 2.0」が採用されており、中国のデジタルエコシステムとシームレスに連携する機能が提供されています。AI音声アシスタントも搭載されており、音声操作による直感的なコントロールが可能です。ナビゲーション、音楽、空調など、様々な機能を音声で操作できるため、運転中に手や視線を使わずに操作できる安全性の高いインターフェースとなっています。
さらに、約63インチ相当の表示が可能なAR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)も搭載されています。フロントガラスに重要な情報が表示されることで、視線を道路から外すことなく必要な情報を確認できます。ナビゲーションの矢印を実際の道路に重ねて表示するAR機能は、初めて走る道でも安心して運転できる環境を提供します。自動駐車支援機能も搭載されており、縦列駐車や狭いスペースでの駐車もシステムがサポートします。
CATLバッテリーと146項目の安全試験をクリアしたクラウドシールドバッテリー2.0
電動車において最も重要な安全性については、バッテリーから車両全体に至るまで多層的な安全対策が採用されています。バッテリーには、世界最大のバッテリーメーカーであるCATL製の高品質セルを使用した「クラウドシールドバッテリー2.0」が搭載されており、146項目に及ぶバッテリー安全試験をクリアしています。この厳しい試験をパスしたバッテリーは、過充電、過放電、衝突、浸水などあらゆる状況においても高い安全性を確保しています。
さらに、24時間体制のクラウド監視システムが常時バッテリーの状態を監視しており、異常を早期に検知することで重大なトラブルを未然に防ぎます。日常の使用から長距離走行まで、常に高い安心感を提供するこのシステムは、電気自動車ユーザーが持つバッテリーへの不安を払拭する重要な役割を果たしています。
2000MPa級高強度鋼材と鋼・アルミハイブリッド構造で高い衝突安全性を確保
車体構造においては、2000MPa級という超高強度鋼材を用いた鋼・アルミハイブリッド構造が採用されています。2000MPaという強度は、一般的な自動車用高張力鋼板と比較して非常に高い強度を持ち、衝突時の乗員保護性能を大幅に向上させています。また、アルミ材を適所に活用することで、高強度を維持しながら車体重量の軽量化も実現しており、走行性能と安全性を両立しています。
さらに、世界最多のOLED発光ユニットを備えたリアコンビネーションランプが採用されており、後続車からの視認性が大幅に向上しています。OLEDテクノロジーによる均一で鮮やかな発光は、夜間や悪天候時にも高い被視認性を確保し、追突リスクの低減に貢献しています。このデザイン性と安全性を兼ね備えたリアランプは、NX8の外観上の特徴の一つともなっています。
Momenta社との共同開発による高度な運転支援システム
新型NX8には、Momenta社と共同開発した高度な運転支援システムが搭載されています。MomentaはAI技術を専門とする中国のテクノロジー企業であり、自動運転分野で先進的な技術を持っています。このMomentaの技術と日産の自動車開発技術を組み合わせることで、中国市場のニーズに最適化された運転支援システムが実現されています。
この運転支援システムは、前述のAR-HUDと組み合わせることで、長距離運転時のドライバーの負担を軽減し、安全で快適な走行をサポートします。高速道路での長距離移動が多い中国市場において、ドライバーの疲労を軽減しながら安全性を高めるこのシステムは、NX8の大きな競争優位点の一つとなっています。
Nシリーズ第3弾としての位置づけと中国市場への戦略的展開
新型NX8は、中国市場向けに開発された日産のNシリーズとして、セダンの「N6」「N7」に続く第3弾として登場しました。N6はプラグインハイブリッド(PHEV)セダン、N7はバッテリーEVのミッドサイズセダンとして展開されており、NX8はNシリーズ初のSUVモデルとなります。セダンからSUVへのラインアップ拡充は、中国市場でのSUV需要の高まりを受けた戦略的な展開であり、日産が中国市場での存在感を高める上で重要な役割を担うモデルとなっています。
71項目の充実装備を全グレードに標準搭載しながら、15.99万元から20.99万元という競争力の高い価格帯を実現したことは、コストパフォーマンスを重視する中国の消費者に強くアピールする商品企画となっています。電動化が急速に進む中国市場において、EV専用モデルとレンジエクステンダーモデルの両方を用意することで、充電インフラの整備状況に関わらず幅広いユーザーが選択できる商品構成となっており、日産が中国市場での競争力を維持・強化していくための重要な一手となることが期待されます。
日産ニュースリリース

