2026年8月、レクサスの公式ウェブサイト(lexus.jp)にて、主力コンパクトSUV「NX350」(2.4Lガソリンターボ)の販売終了が正式にアナウンスされました。「NX350は販売終了いたしました。長らくのご愛顧ありがとうございました。」という一文がトップページに掲載されたことで、多くのレクサスファンに衝撃が走っています。
本記事では、NX350販売終了の経緯と背景、現在のNXラインナップ、そして今後の代替モデルについて詳しく解説します。
NX350 販売終了の概要:
今回の販売終了に関する基本情報は以下の通りです。
- 発表時期:2026年8月
- 販売終了モデル:NX350(2.4L直列4気筒ガソリンターボ)
- 公式アナウンス媒体:レクサス公式ウェブサイト(lexus.jp/models/nx/)
- 発表方法:ニュースリリースではなく、公式サイトへの告知掲載
注目すべきは、発表形式が「ニュースリリースなし・公式サイトへの直接掲載」であることです。最近のレクサスは販売終了の際にニュースリリースを出さず、ウェブサイトでの告知を主流としています。過去に同様の形式でアナウンスが行われた車種には「RC」シリーズ、「UX300e」、「LCシリーズ」があり、いずれもモデルそのものが終了しています。つまり今回のアナウンス方法は、「NX350という名称の後継モデルが存在しない」ことを事実上示唆しています。
なぜNX350は販売終了になったのか?背景と理由:
NX350の販売終了は突然の出来事ではなく、レクサスが数年前から進めてきた電動化戦略の必然的な帰結です。
まず、レクサスはブランド全体として2035年までにBEV(純電気自動車)比率100%を目指す電動化ビジョンを掲げています。この方針に沿って、段階的に純ガソリンモデルをラインナップから削減する動きが続いています。NXシリーズで見ると、まず2025年6月に自然吸気エンジンを搭載するエントリーグレード「NX250」(2.5L)が販売終了となり、今回のNX350廃止によってNXシリーズからガソリン車が完全に消滅しました。

次に、2027年モデルのビッグマイナーチェンジにおいて、NXシリーズには新世代THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)を搭載したモデルが準備されており、ガソリンモデルの設定はない見込みです。Arene OS(トヨタの次世代車載OS)の搭載も予定されており、クルマとしての性格が大きくアップデートされることになります。このことからも、現行のガソリンターボモデルを継続させる必要性がなかったと考えられます。
さらに、環境性能割の廃止(時限措置)によりハイブリッドモデルとガソリンモデルの実質的な支払い差額が縮まったことで、消費者がわざわざガソリンモデルを選ぶ理由が薄れてきていたことも、廃止判断の一因として挙げられます。
NX350とはどんなクルマだったか?スペックと魅力の振り返り:
販売終了となったNX350の主要スペックを改めて振り返ります。
- エンジン:2.4L 直列4気筒ガソリンターボ
- 最高出力:279ps(275hp)
- 最大トルク:43.8kgm
- トランスミッション:Direct Shift-8AT
- 駆動方式:AWD(4WD)のみ
- WLTCモード燃費:12.2km/L

NX350の最大の魅力は、モーターアシストのない純粋なガソリンターボエンジンのフィーリングにありました。回転数が上がるにつれてパワーが伸びていく感覚や、エンジンの鼓動を直接感じられるダイレクト感は、ハイブリッド車では代替できない独自の価値です。特に「F SPORT」や「OVERTRAIL」グレードとの組み合わせにおいて、スポーティで走りを楽しみたいユーザーから根強い支持を集めていました。車両価格は「F SPORT」が630万6,000円、「OVERTRAIL」が650万6,000円(いずれも税込)と設定されており、コンパクトSUVとしての実用性とレクサスブランドの高級感を両立した一台でした。
2026年8月現在のレクサスNX ラインナップ:
NX350の販売終了により、現在のNXシリーズはHEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)のみに集約されました。現在購入可能なグレードと税込価格は以下の通りです。
- NX350h(標準)FF:550万円 / AWD:577万円
- NX350h “version L” FF:637万6,000円 / AWD:664万6,000円
- NX350h “F SPORT” FF:640万6,000円 / AWD:667万6,000円
- NX350h “OVERTRAIL” AWD:687万6,000円
- NX450h+ “version L” AWD:749万5,000円
- NX450h+ “F SPORT” AWD:758万5,000円
- NX450h+ “OVERTRAIL” AWD:772万5,000円
エントリーモデルであったガソリン車が消えたことで、NXシリーズのスタート価格はNX350h(FF)の550万円からとなります。購入のハードルが若干上がった印象を受けるユーザーもいるかもしれませんが、NX350hはレクサスのハイブリッド技術の集大成ともいえる完成度を誇り、WLTCモード燃費はFF仕様で22.2km/L(AWD仕様で21.6km/L)と非常に優れた数値を実現しています。
NX350h・NX450h+ の特徴と選び方:
NX350h(2.5Lハイブリッド)は、トヨタのTHSを搭載した最もオーソドックスな選択肢です。静粛性が高く、滑らかな発進加速が特徴で、街乗りから長距離ドライブまで幅広いシーンで快適に使えます。充電設備が自宅にない方や、日常的にガソリンスタンドでの給油で問題ない方にはこちらがおすすめです。

NX450h+(2.5Lプラグインハイブリッド)は、自宅や充電スタンドで外部充電が可能なモデルです。EV走行可能距離は約90kmと優秀で、日常の通勤や買い物程度であればガソリンをほとんど使わずに走行できます。システム出力も305psと強力で、アクセルを踏んだときの加速感はNX350hをも上回ります。自宅に充電設備を設置できる環境であれば、燃料費の節約と爽快な走りを同時に実現できる非常に魅力的な選択肢です。

2026年以降のNXの展望:ビッグマイナーチェンジで何が変わるか:
現行NXの2027年モデル(ビッグマイナーチェンジ版)は、内外装のデザイン刷新に加え、以下のような大きな変更が予定されています。
- Arene OS搭載:トヨタ・レクサスの次世代車載OS。OTA(Over-The-Air)によるソフトウェアアップデートに対応し、クルマをまるでスマートフォンのように継続的に進化させることができます。ESやRAV4、RXなど他車種でも順次採用が進んでいます。
- 12.3インチディスプレイへの刷新:Tazuna Conceptに基づく新世代のコックピットデザインが採用される見込みです。
- Lexus Safety System+ 4.0搭載:最新の予防安全技術で、AHSやAHBなどの機能が強化されます。
- Lexus Teammate「Advanced Drive」対応:0km/hから40km/hの渋滞時ハンズオフ機能をサポート。
なお、この形でのアナウンスがNX350にのみ行われ、NX350hやNX450h+には行われていない点も重要です。これはハイブリッドモデルが大規模マイナーチェンジを経て次世代版として継続されることを意味しており、NX350hやNX450h+は近い将来に「2027年型NX」として生まれ変わると見られています。

NX350販売終了後の代替モデルとして「RX350」が注目される理由:
ガソリンターボの乗り味にこだわりがある方の代替選択肢として、現在最も注目されているのが同じく2.4Lガソリンターボを搭載する**「RX350」**です。
実際、2026年4月以降のRXシリーズの販売データを見ると、RX350の販売比率が大幅に高まり、それまでRXシリーズの王座を占めていたRX500hを上回る状況が続いています。NXよりも一回り大きいボディサイズとゆとりある室内空間を持ちながら、同じ2.4Lターボエンジンのパワフルな走りを楽しめる点が評価されています。リセールバリューの高さも人気を後押しする要因の一つです。
ただし、RX350についても将来的な廃止の可能性がないわけではありません。NXでガソリンターボが廃止されたことで「RXも近い将来に廃止になるのでは」と考えるユーザーも増えており、RX350の購入需要がさらに高まる可能性があります。RX2027年モデルの受注開始(お盆明け以降に開始されると予測される)のタイミングが近づく中で、現行RX350の人気がさらに加速する可能性は十分にあります。

2026年8月時点でのレクサスのガソリンモデル残存状況:
NX350の販売終了により、2026年8月13日時点でレクサスのラインナップに残るガソリンモデルは以下の4車種のみとなりました。
- LX600(V型6気筒ツインターボ)
- GX550(V型6気筒ツインターボ)
- RX350(直列4気筒ターボ)
- LBX MORIZO RR(直列3気筒ターボ)
一部情報では、今後のビッグマイナーチェンジでLX600が廃止されてLX700hのみになるという噂も浮上しており、ガソリンモデルの終焉はいよいよ現実のものとなりつつあります。
購入前に確認すべき注意点:
NX350を新車でオーダーすることは現時点ではできません。もしどうしても純ガソリンターボのNXを購入したい場合は、ディーラーの未登録在庫車を探すか、レクサス認定中古車(CPO)などの中古市場で探す必要があります。在庫は急速に減少していることが予想されるため、早めの行動が重要です。
一方、現行NXの購入を検討している方にとっては、2027年モデルのビッグマイナーチェンジが近づいているため「今買うべきか待つべきか」の判断が難しい時期でもあります。Arene OSや新世代インフォテインメントシステムを重視するなら、新型を待つ選択肢も十分に合理的です。現行モデルの値引き交渉などのコストメリットを優先する場合は、現在のNX350hやNX450h+を購入するのも賢明な選択といえます。
まとめ:
レクサスNX350の販売終了は、単なる一グレードの廃止にとどまらず、レクサスブランド全体の電動化加速を象徴する出来事です。NX250に続くガソリンモデルの廃止によって、NXシリーズは完全に電動化ラインナップへと移行しました。純ガソリンターボの独特な走りの楽しさが失われることは惜しまれますが、残されたNX350h(HEV)とNX450h+(PHEV)は、いずれも高い完成度と優れた環境性能を誇る実力派のモデルです。
2027年モデルのビッグマイナーチェンジでは、Arene OSや最新の安全技術を搭載した次世代NXが登場する見込みです。購入タイミングを見極めながら、自身のライフスタイルや充電環境に合わせて最適なモデルを選択してください。
LEXUS NX

