三菱自動車のオーストラリア法人とニュージーランド法人が、新型の電気自動車(EV)「ASX VR-e(エーエスエックス ブイアール イー)」の装備・スペックを公式サイトで公開しました。オーストラリアでは2026年第4四半期(10〜12月)に導入予定で、ニュージーランドではすでに価格が発表されています。
ASX VR-eは、三菱にとって「i-MiEV」以来となるバッテリーEVです。台湾の鴻華先進科技(Foxtron Vehicle Technologies)との提携を生かして開発され、デザインにはイタリアのピニンファリーナが関わっています。最上級グレード「GSR」は前後2モーターの4WDで、最高出力342kW、0-100km/h加速3.9秒という、三菱としては異例の俊足ぶりです。
日本では「ASX」は「RVR」の名前で販売されていましたが、RVRは2024年に国内販売を終えています。ASX VR-eの日本導入は、2026年10月時点で発表されていません。
この記事では、三菱 新型 ASX VR-eの概要、グレードと価格、ボディサイズ、内外装、スペック、航続距離、安全装備、おすすめグレード、日本導入の可能性まで、わかりやすくまとめました。


そもそも三菱 新型 ASX VR-eとは?
「ASX」は「Active Sports Crossover」の略で、オーストラリアやヨーロッパで親しまれてきた三菱のコンパクトSUVの名前です。今回のASX VR-eは、その名前を受け継ぎながら、中身はゼロから電気自動車として作られた新しいモデルです。
車名の「VR-e」は、かつての高性能セダン「ギャラン VR-4」へのオマージュだと三菱オーストラリアは説明しています。ランサーエボリューションと並んで三菱のスポーツイメージを支えた「VR-4」の名前を、EVの時代に「VR-e」として復活させた形です。
開発は鴻海グループのEV会社Foxtronとの提携によるもので、三菱のチームがオーストラリアで走行テストと調整を行ったとしています。
三菱 新型 ASX VR-eの特徴まとめ
新型ASX VR-eの主な特徴は以下の通りです。
- 100%電気自動車:容量57.7kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)電池を全車に搭載
- 2つのパワートレイン:後輪駆動の1モーター(171kW)と、GSR専用の4WD・2モーター(342kW)
- 航続距離:WLTPモードで最大403km(LS)
- 充電:CCS2の急速充電は最大134kW、10→80%を約30分
- デザイン:ピニンファリーナが手がけたスタイリング、前後の横一文字LEDライトバー、空気を整える「S-Duct」
- 装備:15.6インチのタッチスクリーン、OTA(無線)アップデート、充実した運転支援
① 三菱史上最速クラスの加速を持つGSR
最上級のGSRは、前後に1基ずつモーターを積む4WDです。最高出力は342kW(約465PS)、最大トルクは700Nmに達し、0-100km/h加速は3.9秒(30cmロールアウト計測)と発表されています。ニュージーランド法人は「同国で販売する三菱車で最も速いモデル」と紹介しています。

② 空力を意識した「S-Duct」とアクティブグリルシャッター
フロントバンパー中央から取り込んだ空気をボンネットの上へ流す「S-Duct」を採用しました。モータースポーツの考え方を取り入れたもので、走行状況に応じて空気抵抗を減らすアクティブグリルシャッターも備えています。
③ 長い保証とOTAアップデート(オーストラリア)
オーストラリアでは、三菱の販売店で定期点検を受けることを条件に、最長10年または20万kmの新車保証が付きます(条件を満たさない場合は5年または10万km)。10年・15万kmまでの定額点検プランも用意され、ソフトウェアは販売店に行かずにOTAで更新できます。
三菱 新型 ASX VR-eのグレードと価格一覧
グレードは4つです。オーストラリアは「LS/ASPIRE/EXCEED/GSR」、ニュージーランドは「LS/XLS/EXCEED/GSR」という構成で、2番目のグレード名だけが異なります。ニュージーランドの価格は次の通りです(希望小売価格、諸費用別)。
| グレード(NZ) | 駆動 | 乗車定員 | 価格(NZドル) |
|---|---|---|---|
| LS | 後輪駆動(1モーター) | 5人 | 5万7,990ドル |
| XLS | 後輪駆動(1モーター) | 5人 | 6万3,990ドル |
| EXCEED | 後輪駆動(1モーター) | 5人 | 6万7,990ドル |
| GSR | 4WD(2モーター) | 5人 | 7万2,990ドル |
オーストラリアの価格は、2026年10月時点で未発表です。日本円での価格も、日本導入が決まっていないため未発表です。
三菱 新型 ASX VR-eのボディサイズ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,315×1,885×1,535mm |
| ホイールベース | 2,800mm |
| トレッド(前/後) | 1,639/1,638mm |
| 最低地上高 | 155mm |
| 最小回転円(直径) | 11.17m |
| 車両重量 | 1,884kg(LS)〜2,045kg(GSR) |
| 荷室容量(VDA) | 320L(フラットフロア上は276L) |
| フロントトランク | 30L(LS以外) |
全長4,315mmはコンパクトSUVの中心的なサイズですが、全幅は1,885mmとかなりワイドです。ホイールベースは2,800mmと長く、全長のわりに室内の前後方向に余裕を持たせた設計です。日本で使う場合、全幅1,885mmは立体駐車場の制限(1,850mmなど)を超えることがある点は覚えておきたいところです。

ピニンファリーナがデザイン!三菱 新型 ASX VR-eの外装(エクステリア)
フロント
フロントは、車幅いっぱいに伸びるLEDライトバーが印象的です。ヘッドライトはLEDで、オートハイビームを全車に装備し、ASPIRE(NZではXLS)以上はアダプティブドライビングビームになります。バンパー中央には先ほどのS-Ductの開口部があり、低く構えたワイドなスタンスを強調しています。

リア・足元
リアにもフロントと同じ横一文字のLEDライトバーを配置し、前後で統一感のある表情に仕上げています。ドアハンドルはボディと面一になるフラッシュタイプで、LSは手動、ASPIRE以上は自動で出てくる仕組みです。ホイールはLS・ASPIREが18インチ(215/55R18)、EXCEED・GSRが20インチの2トーン(235/40R20)です。

ボディカラー
公式サイトでは、セージグリーン、パシフィックブルー、ソルスティスレッド、ステルスブラックなどが紹介されています。GSRはルーフを黒くした2トーン塗装が専用の装備です。
15.6インチ画面が主役!三菱 新型 ASX VR-eの内装(インテリア)
コックピット
運転席の前には9.2インチのデジタルメーター、中央には15.6インチの大型タッチスクリーンを配置しています。スマートフォンのアプリと連携する「コネクテッドカー」機能や音声操作にも対応し、空調はデュアルゾーンのオートエアコンが全車標準です。

ディスプレイ・装備
回生ブレーキの強さは5段階で調整でき、アクセルだけで加減速できるワンペダル走行も選べます。ドライブモードはECO/Comfort/Sport(オーストラリア仕様)の3種類です。ASPIRE以上には64色のアンビエントライト、EXCEEDとGSRにはサブウーファー付きの12スピーカー「SEAS」プレミアムオーディオとパノラマガラスルーフが付きます。

シート・荷室
シート表皮は、LSがファブリック、ASPIRE・EXCEEDが黒の合成皮革、GSRが合成皮革とマイクロスエードの組み合わせに青いステッチが入ります。ASPIRE以上は運転席8ウェイ電動(メモリー付き)、前席シートヒーター・ベンチレーションを装備します。後席は60:40の分割可倒式で、荷室は320L(VDA)。EXCEEDとGSRにはハンズフリーの電動テールゲートが付きます。

三菱 新型 ASX VR-eのパワートレインとスペック
| 項目 | LS/ASPIRE(XLS)/EXCEED | GSR |
|---|---|---|
| モーター | 永久磁石式同期モーター×1 | 永久磁石式同期モーター×2 |
| 駆動方式 | 後輪駆動 | 4WD |
| 最高出力 | 171kW | 342kW |
| 最大トルク | 350Nm | 700Nm |
| 0-100km/h加速 | 未発表 | 3.9秒 |
| バッテリー | LFP(リン酸鉄リチウム)57.7kWh | |
| ブレーキ | 4輪ベンチレーテッドディスク | |
1モーター車でも171kW(約232PS)と、コンパクトSUVとしては十分以上の出力です。電池は熱に強く寿命が長いとされるLFPタイプで、全グレード共通の容量になっています。
三菱 新型 ASX VR-eの航続距離と充電
| グレード(NZ) | 航続距離(WLTP) | 電費(WLTP) |
|---|---|---|
| LS | 403km | 16.3kWh/100km |
| XLS | 398km | 16.5kWh/100km |
| EXCEED | 380km | 17.4kWh/100km |
| GSR | 328km | 19.5kWh/100km |
充電は、急速充電(CCS2)が最大134kWで、10→80%が約30分です。普通充電は最大6.6kWで、32Aの充電器なら10→100%が約10時間、家庭用の10Aケーブル(モード2)では約32時間かかります。20インチホイールの上位グレードほど航続距離が短くなるので、遠出が多い人はグレード選びの際に意識しておきたいポイントです。
三菱 新型 ASX VR-eの安全装備
運転支援と安全装備は、全グレードでかなり充実しています。
- 衝突被害軽減ブレーキ、前方衝突警報
- アダプティブクルーズコントロール、渋滞時運転支援、車線維持支援
- ブラインドスポット警報、後退時車両接近警報、降車時の開扉警報
- 標識認識、先行車発進お知らせ、ドライバーモニタリング
- 車内の子どもの置き去り検知、緊急通報(eCall)
- リモート駐車支援(前進・後退)
- 360度カメラ(ASPIRE/XLS以上)、自動駐車(ASPIRE以上)
- 前席・助手席・前席中央・サイド・カーテンエアバッグ
三菱 新型 ASX VR-eはどのグレードを選ぶべきか?おすすめグレード
おすすめ① 【装備と航続のバランスなら】XLS(ASPIRE)(5人乗り・後輪駆動)
価格:6万3,990NZドル
LSとの差額は6,000NZドルですが、前席のシートヒーター・ベンチレーション、電動シート、360度カメラ、前後12個の駐車センサー、フロントトランク、アダプティブドライビングビームが加わります。航続距離は398kmとLSとほぼ同じで、毎日の使い勝手を考えると最もバランスの良いグレードです。
おすすめ② 【走りを楽しむなら】GSR(5人乗り・4WD)
価格:7万2,990NZドル
342kW・700Nmの2モーター4WDで、0-100km/h 3.9秒の加速は「VR」の名前にふさわしい性能です。EXCEEDの装備に加えて、2トーン塗装とマイクロスエードの専用内装が付きます。ただし航続距離は328kmと最も短いため、長距離移動が多い人よりも、走りの楽しさを優先したい人向けです。
おすすめ③ 【価格重視なら】LS(5人乗り・後輪駆動)
価格:5万7,990NZドル
航続403kmはシリーズ最長で、15.6インチ画面や運転支援装備は上位グレードと共通です。装備はシンプルになりますが、EVとしての基本性能を最も安く手に入れられます。
三菱 新型 ASX VR-eは日本で発売される?
日本での発売については、三菱自動車から何も発表されていません。日本では「ASX」にあたる「RVR」が2024年に国内販売を終えており、コンパクトSUVの枠が空いている状況です。
オーストラリア・ニュージーランドは日本と同じ左側通行で、ASX VR-eも右ハンドル仕様が用意されています。ただ、それ以外に日本導入を判断できる公式の材料はまだありません。日本の充電規格(CHAdeMO)への対応なども含め、日本導入の可能性は今後の公式発表を待つ必要があります。
三菱 新型 ASX VR-eの発売日はいつ?
オーストラリアでは、2026年第4四半期(10〜12月)にラインナップへ加わると発表されています。公式サイトは「Coming Soon」の扱いで、購入希望者の登録を受け付けている段階です。ニュージーランドでは価格が公表され、試乗予約や見積もりの案内も始まっています。
購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は、全幅が1,885mmあることです。コンパクトSUVのつもりで選ぶと、駐車場によっては入らない場合があります。
2つ目は、グレードによる航続距離の差です。LSの403kmに対してGSRは328kmと、70km以上の差があります。走りの性能と航続距離のどちらを優先するかを先に決めておくと、グレード選びで迷いにくくなります。
3つ目は、充電環境です。家庭用コンセント(10A)では満充電に約32時間かかるため、EVとして快適に使うには、32Aクラスの普通充電器を自宅に用意できるかが大きなポイントになります。
三菱 新型 ASX VR-eに関するよくある質問(FAQ)
Q. ASX VR-eはどこで発売されますか?
A. 三菱自動車のオーストラリア法人とニュージーランド法人が公式サイトで紹介しています。オーストラリアでは2026年第4四半期の導入予定です。
Q. 日本で発売されますか?
A. 2026年10月時点で、日本導入は発表されていません。
Q. 航続距離はどのくらいですか?
A. WLTPモードでLSが403km、XLSが398km、EXCEEDが380km、GSRが328kmです(ニュージーランド仕様)。
Q. 急速充電にかかる時間は?
A. 最大134kWのCCS2急速充電で、10→80%が約30分です。
まとめ:三菱 新型 ASX VR-eは「VR」の名にふさわしい俊足EV
三菱 新型 ASX VR-eは、Foxtronとの提携で生まれた三菱の新しいバッテリーEVです。57.7kWhのLFP電池で最大403kmを走り、最上級のGSRは342kW・0-100km/h 3.9秒という、ギャラン VR-4の名を受け継ぐにふさわしい性能を持っています。
オーストラリアでは2026年内に導入予定で、ニュージーランドでは5万7,990NZドルからの価格が発表されました。日本導入は未発表ですが、RVRの販売終了で空いたコンパクトSUVの枠を埋める存在として、今後の動きに注目です。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。

