2025年7月24日、マツダが軽自動車のエントリーモデル「キャロル」のビッグマイナーチェンジを発表しました。価格は122万2,100円からとなり、燃費性能や安全装備の大幅な向上を実現しています。
キャロルは、スズキ・アルトのOEMモデルとして位置づけられており、マツダの軽自動車ラインナップの中核を担っています。今回のビッグマイナーチェンジでは、新デザインの採用による空力性能の向上、最新の安全装備「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」の標準装備など、魅力的な進化を遂げています。
本記事では、新型キャロルの詳細な変更点から価格・燃費性能、競合車種との比較まで、購入検討者に必要な情報を徹底的にお伝えします。
2025年ビッグマイナーチェンジの主な変更点

外観デザインの刷新
新エクステリアデザインの採用 今回のビッグマイナーチェンジで最も注目すべき変更点は、新しいエクステリアデザインの採用です。従来のエアインテークの上部にグリルを配置することで、よりスポーティで精悍な印象を実現しています。
空力性能の向上 新形状のフロント・リアバンパーとルーフエンドスポイラーの追加により、空力性能を大幅に改善。この改良により、燃費性能の向上に寄与しています。
新色の追加 ボディカラーに新色「フォギーブルーパールメタリック2トーンカラー(ベージュルーフ)」を追加し、よりスタイリッシュな選択肢を提供しています。
安全装備の大幅強化
デュアルセンサーブレーキサポートⅡ 従来の「デュアルカメラブレーキサポート」から、最新の「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」に進化。より精度の高い安全支援を実現しています。
標準装備の充実 以下の安全機能が全車標準装備となりました:
- 低速時ブレーキサポート(前進・後退)
- パーキングセンサー(フロント・リア)
- 発進お知らせ機能(先行車・信号切り替わり)
- 車線逸脱抑制機能
- 標識認識機能(一時停止、車両進入禁止、赤信号)
価格・グレード構成
新型キャロルの価格一覧
グレード | 駆動方式 | 価格(税込) |
---|---|---|
C(エネチャージ) | FF | 1,222,100円 |
C(エネチャージ) | 4WD | 1,353,000円 |
G(エネチャージ) | FF | 1,354,100円 |
G(エネチャージ) | 4WD | 1,485,000円 |
HYBRID C(マイルドハイブリッド) | FF | 1,326,600円 |
HYBRID C(マイルドハイブリッド) | 4WD | 1,457,500円 |
HYBRID G(マイルドハイブリッド) | FF | 1,494,900円 |
HYBRID G(マイルドハイブリッド) | 4WD | 1,614,800円 |
グレード構成の変更点
従来の3グレードから4グレードへと拡充され、全グレードで4WDが選択可能になりました。特に注目すべきは、ハイブリッド上級グレードに4WDが新設定されたことです。
エンジン・パワートレイン
搭載エンジンの詳細
エネチャージモデル
- 直列3気筒660cc「R06A」エンジン
- 最高出力:46ps
- 最大トルク:5.6kgm
- トランスミッション:CVT
マイルドハイブリッドモデル
- 直列3気筒660cc「R06D」エンジン
- 最高出力:49ps
- 最大トルク:5.9kgm
- モーター出力:2.6ps/4.1kgm
- トランスミッション:CVT
技術的特徴
R06Dエンジンの進化 マイルドハイブリッドモデルに搭載される「R06D」エンジンは、以下の先進技術を採用:
- デュアルインジェクションシステム
- クールドEGR
- 急速燃焼技術
- 高圧縮比化
これらの技術により、広い範囲での熱効率向上を実現しています。
燃費性能の向上
WLTCモード燃費
- エネチャージモデル:25.8km/L(改善前:25.2km/L)
- マイルドハイブリッドモデル:28.2km/L(改善前:27.7km/L)
燃費改善の要因
- 空力性能の向上:新形状バンパーとルーフスポイラーによる空気抵抗の低減
- エンジン効率の向上:最新エンジン技術による燃焼効率の最適化
- 軽量化:材料の見直しによる車重の最適化
競合車種との比較
主要競合車種
- スズキ・アルト(ベース車両)
- ダイハツ・ミライース
- 日産・デイズ
- 三菱・eKワゴン
キャロルの優位性
燃費性能
- マイルドハイブリッドモデルで28.2km/Lを達成
- 軽自動車トップクラスの燃費性能
安全装備
- 最新の「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を全車標準装備
- 充実した駐車支援機能
価格競争力
- エントリーモデルが122万円台から
- 4WDモデルも豊富に設定
室内空間・利便性
室内寸法の特徴
空間の拡大
- 室内幅:+25mm
- 室内高:+45mm
- ヘッドクリアランス:前席+39mm、後席+27mm
- ショルダールーム:前席+21mm、後席+19mm
収納・積載性
豊富な収納スペース
- ドリンクホルダー(運転席・助手席)
- センターポケット
- フロアコンソールトレイ
- 後席用ドリンクホルダー(2個)
- ショッピングフック
ラゲッジスペース
- 荷室開口部地上高:660mm(前モデル比-30mm)
- 荷室開口高:710mm(前モデル比+20mm)
- 荷室床面長:通常時425mm、リアシート格納時1,225mm
内装・装備
シート・内装材
新開発シート表皮 デニムをイメージした新開発の生地を採用し、綾織りを思わせるバイアス柄と濃淡のある縦糸表現を実現。背面にブラウンを採用することで、デザイン性を向上させています。
快適装備
標準装備
- CVT(全車)
- 電動パワーステアリング
- エアコン
- パワーウィンドウ
上級グレード装備
- ヘッドアップディスプレイ
- 全方位モニター
- カーテンエアバッグ
安全性能
先進安全技術
デュアルセンサーブレーキサポートⅢ
- 単眼カメラ+レーザーレーダーによる高精度検知
- 歩行者・自転車運転者の検知
- 昼夜問わず対応
その他の安全機能
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ハイビームアシスト機能
- 先行車発進お知らせ機能
衝突安全性能
エアバッグシステム
- 運転席・助手席エアバッグ(標準装備)
- サイドエアバッグ(オプション)
- カーテンエアバッグ(上級グレード)
購入時の選び方・おすすめグレード
エンジン選択のポイント
エネチャージモデルがおすすめの方
- 初期費用を抑えたい
- 年間走行距離が少ない(目安:8,000km以下)
- シンプルな機能を求める
マイルドハイブリッドモデルがおすすめの方
- 燃費を重視する
- 最新技術を体験したい
- 年間走行距離が多い(目安:8,000km以上)
駆動方式の選択
FFモデル
- 燃費性能を重視
- 初期費用を抑えたい
- 平坦地での使用が中心
4WDモデル
- 雪道や悪路での走行が多い
- 安心感を重視
- 山間部での使用
維持費・ランニングコスト
年間維持費の目安
税金関係
- 軽自動車税:10,800円/年
- 自動車重量税:6,600円/年(エコカー減税適用)
- 自賠責保険:約12,000円/年
燃料費(年間10,000km走行時)
- エネチャージモデル:約58,000円
- マイルドハイブリッドモデル:約53,000円
メンテナンス費
- 定期点検:約15,000円/年
- 消耗品交換:約20,000円/年
今後の展望
電動化への取り組み
スズキ・アルトベースのキャロルにおいても、将来的には電動化技術の更なる進化が予想されます。現在のマイルドハイブリッドシステムから、より高度な電動化技術への展開が期待されています。
安全技術の進化
自動運転技術の発展に伴い、より高度な運転支援システムの搭載が期待されます。現在の「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」から、さらに進化した安全技術の導入が予想されます。
まとめ
2025年のビッグマイナーチェンジを受けた新型キャロルは、以下の点で大きな魅力を持っています:
主な改良ポイント
- 燃費性能の向上:マイルドハイブリッドモデルで28.2km/Lを達成
- 安全装備の充実:最新の「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を全車標準装備
- デザインの進化:新エクステリアデザインによる精悍な印象
- グレード構成の拡充:4グレード展開で選択肢が豊富
- 全グレード4WD対応:多様なニーズに対応
購入推奨ポイント
- コストパフォーマンス:122万円台からの魅力的な価格設定
- 燃費性能:軽自動車トップクラスの燃費性能
- 安全性能:充実した先進安全装備を標準化
- 実用性:コンパクトながら使い勝手の良い空間設計
軽自動車市場において、実用性と経済性を両立した新型キャロルは、初回車や セカンドカーとして幅広い層におすすめできる魅力的な選択肢となっています。