スズキが誇る軽自動車「アルトラパン」が、2025年7月24日にマイナーチェンジを実施します。今回の改良では、最新のマイルドハイブリッドシステムの搭載により、燃費性能と走行性能を大幅に向上させています。
アルトラパンは、スズキの軽自動車ラインナップの中でも特に女性に人気の高いモデルとして位置づけられており、ユーザーの9割以上が女性という特徴的な車種です。今回のマイナーチェンジでは、そうした女性ユーザーのニーズに応えるべく、安全性能や快適性能の向上にも力を入れています。
2025年モデルの主要変更点
パワートレインの大幅刷新
今回の最大の変更点は、マイルドハイブリッドシステムの新採用です。従来の「エネチャージ」システムから、より高効率な「R06D」エンジンとマイルドハイブリッドシステムの組み合わせにより、大幅な性能向上を実現しています。
新マイルドハイブリッドシステムの特徴
- 最新の「R06D」エンジン採用(最高出力:49ps/5.9kgm)
- モーター出力:2.6ps/4.1kgm
- デュアルインジェクションシステム搭載
- クールドEGR採用で燃焼効率向上
- 急速燃焼と高圧縮比化により広範囲で熱効率向上
安全装備の充実化
安全性能面では、従来の「デュアルカメラブレーキサポート」から、最新の「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」へと進化しました。これにより、より精密で信頼性の高い安全サポートを提供します。
新安全装備(全車標準装備)
- デュアルセンサーブレーキサポートⅡ
- 低速時ブレーキサポート(前進・後退)
- パーキングセンサー(フロント・リア)
- 発進お知らせ機能(先行車・信号切り替わり)
- 車線逸脱抑制機能
- 標識認識機能(一時停止、車両進入禁止、赤信号)
コネクティッドサービス対応
2025年モデルでは、コネクティッドサービス「スズキコネクト」に対応し、多彩な機能を利用できるようになります。これにより、より便利で快適なカーライフを提供します。
燃費性能の向上
マイルドハイブリッドシステムの採用により、燃費性能が大幅に向上しました。従来のエネチャージモデルと比較して、約2km/Lの燃費改善を実現しています。
パワートレイン | 駆動方式 | 燃費(WLTCモード) |
---|---|---|
エネチャージ | FF | 26.2km/L |
マイルドハイブリッド(新設定) | FF | 28.0km/L |
この燃費性能の向上により、軽自動車エントリーモデルとしての魅力がさらに高まり、維持費の削減にも貢献します。
エクステリア・インテリアデザイン
エクステリア(外装)
新型アルトラパンのエクステリアは、「ぬくもりのあるカタチ」をコンセプトに、「四角いカタチ」「レトロな雰囲気」「シンプルな造形」を追求したデザインとなっています。
特に「X」グレードでは、メッキフロントグリルを採用し、質感の向上を図っています。また、新設定の「ラパンLC」では、専用のメッキパーツを多数採用し、より上質でレトロなスタイルを演出しています。
インテリア(内装)
インテリアデザインは、外装とイメージを合わせたレトロでシンプルなデザインが特徴です。7インチのディスプレイオーディオを採用し、バックアイカメラ映像の表示や様々な車両情報の確認が可能になっています。
内装の特徴
- 7インチディスプレイオーディオ標準装備
- USB電源ソケット(Type-A/Type-C)全車標準装備
- 「X」グレードに「ナノイー X」搭載フルオートエアコン
- 360°プレミアムUV&IRカットガラス(「X」グレード)
- インパネ中央に家具のような自然な風合いのパーツ採用
シート表皮の選択肢
インテリアカラーは、グレードに応じて複数の選択肢が用意されています。
- ベージュ内装(L、Gグレード)
- ライトブラウン内装(Xグレード)
- ライトグリーン内装(Xグレード)
パワートレインとスペック詳細
項目 | エネチャージ | マイルドハイブリッド(新設定) |
---|---|---|
エンジン | 直列3気筒660cc「R06A」 | 直列3気筒660cc「R06D」 |
最高出力 | 46ps/5.6kgm | 49ps/5.9kgm |
モーター出力 | - | 2.6ps/4.1kgm |
トランスミッション | CVT | CVT |
駆動方式 | FF / 4WD | FF / 4WD |
新設定のマイルドハイブリッドシステムは、リチウムイオンバッテリーとISG(モーター機能付発電機)を採用し、エンジンのアシスト機能により走行性能と環境性能を向上させています。
ボディサイズと重量
項目 | 新型アルトラパン | 参考:アルト |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,525mm | 3,395×1,475×1,525mm |
ホイールベース | 2,460mm | 2,460mm |
車重 | 680kg | 700kg |
アルトラパンは、軽自動車規格を最大限に活用したサイズでありながら、680kgという軽量ボディを実現しています。これにより、軽快な走りと低燃費を両立しています。
価格設定と各グレードの詳細
アルトラパン
グレード | FF | 4WD |
---|---|---|
G(CVT) | 1,328,800円 | 1,441,000円 |
L(CVT) | 1,436,600円 | 1,541,100円 |
X(CVT) | 1,573,000円 | 1,674,200円 |
アルトラパンLC
グレード | FF | 4WD |
---|---|---|
L(CVT) | 1,486,100円 | 1,590,600円 |
X(CVT) | 1,622,500円 | 1,723,700円 |
2025年モデルでは、改良に伴い価格が約5万円程度アップしています。新設定のマイルドハイブリッドモデルは、エネチャージ搭載モデルから約15万円の価格アップとなりますが、燃費性能の向上により、長期的には維持費の削減が期待できます。
発売日と市場投入スケジュール
スズキ新型アルトラパンの発売日は、2025年7月24日に予定されています。
スズキは、ユーザーの9割以上が女性となっているアルトラパンを継続的にアップデートすることで、女性ユーザーのニーズに応え続け、軽自動車市場における競争力を維持・向上させていく方針です。
アルトラパンの歴史と特徴
スズキ・アルトラパンは、2002年の初代登場以来、女性ユーザーを主なターゲットとした軽自動車として発展してきました。「Lapin」はフランス語で「うさぎ」を意味し、エンブレムにもうさぎのモチーフが使用されています。
歴代モデルの特徴
- 初代(2002年):ランチボックスをモチーフとした丸みのある箱型デザイン
- 2代目(2008年):室内空間を拡大、「ラパン・ショコラ」を設定
- 3代目(2015年):女性ワーキンググループによる開発で現在のスタイル確立
- 2025年マイナーチェンジ:マイルドハイブリッド搭載で大幅性能向上
競合車種との比較
軽自動車市場では、アルトラパンは独特のポジションを占めています。レトロでキュートなデザインと実用性を両立した車種として、特に女性ユーザーから高い支持を得ています。
2025年モデルでは、マイルドハイブリッドシステムの搭載により、燃費性能だけでなく走行性能も向上し、同クラスの競合車種に対する優位性をさらに高めています。
購入を検討される方へのアドバイス
新型アルトラパンは、以下のような方に特におすすめです:
- 燃費性能を重視する方
- 可愛らしいデザインを好む方
- 最新の安全装備を求める方
- 軽自動車で上質な仕上がりを求める方
- 維持費を抑えたい方
特に、マイルドハイブリッドシステムの搭載により、従来モデルから燃費性能が大幅に向上しているため、長期的な維持費の削減効果が期待できます。
まとめ
スズキ新型アルトラパンは、2025年7月24日の発売に向けて、マイルドハイブリッドシステムの搭載、安全装備の充実、コネクティッドサービスの対応など、多方面にわたって大幅な改良を実施しています。
女性ユーザーを中心とした支持を背景に、さらなる魅力向上を図った2025年モデルは、軽自動車市場において重要な位置を占める一台となりそうです。
※本記事の情報は2025年5月時点のものです。最新の情報については、スズキ公式サイトまたは販売店にてご確認ください。