2026年5月11日、日産自動車は軽バン「クリッパーバン」と軽ワゴン「クリッパーリオ」のマイナーチェンジモデルの発売を正式に発表しました。最新の安全装備「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII)」の採用やデジタルメーターの標準装備、内外装の大幅リフレッシュなど、多岐にわたるアップデートが施された注目モデルです。本記事では、価格・スペック・安全装備・燃費など、新型クリッパーバン/クリッパーリオに関する最新情報を詳しく解説します。
今回のマイナーチェンジ:変更点まとめ
今回のマイナーチェンジにおける最大のトピックは、安全システムの刷新です。従来の「デュアルカメラブレーキサポート」に代わり、自転車や自動二輪車の検知にも対応した新世代の「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII)」が全車に採用されました。これにより、より多様な交通環境でのリスクに対応できるようになっています。

また、エクステリアでは新デザインのフロントグリルとワイドバンパーを採用し、インテリアにはデジタルスピードメーターが新たに搭載されました。クリッパーリオには新色「マジェスティックディープグレー」も追加されています。
主な変更点は以下のとおりです。
- 安全システムを「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII)」に刷新(自転車・自動二輪車の検知にも対応)
- 「車線逸脱防止支援システム」「標識認識機能」を新規設定
- デジタルスピードメーターを全車標準装備
- フロントグリルをブラック基調の新デザインに変更
- フロントバンパーの形状を変更し、ワイド感を向上
- ドアミラーをブラック塗装に変更
- 内装色をブラックで統一
- クリッパーリオに新色「マジェスティックディープグレーパールメタリック」を追加
- クリッパーリオにステアリングヒーターを全車標準装備
- クリッパーリオのフロント・フロントドアガラスの熱吸収率を向上
日産 新型クリッパーバン/クリッパーリオの価格
今回のマイナーチェンジに伴い、各モデルの価格は以下のとおりとなっています。安全装備の充実や内外装の刷新を反映した価格設定で、前モデルと比較するとスタート価格で約121,000円の値上がりとなっています。それでも、追加された機能や装備の水準を考えると、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
- クリッパーバン:1,454,200円〜2,167,000円(前モデル:1,333,200円〜2,002,000円)
- クリッパーリオ:2,135,100円〜2,362,800円(前モデル:1,953,600円〜2,181,300円)
また、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手掛ける特装モデルとして、荷室カスタマイズ仕様の「クリッパーバン マルチラック」と、福祉車両の「クリッパーリオ チェアキャブ」もラインナップされています。
- クリッパーバン マルチラック:2,238,500円〜2,629,000円
- クリッパーリオ チェアキャブ:2,482,000円〜2,622,000円
外装(エクステリア)デザインの変更点
新型クリッパーバン/クリッパーリオのフロントフェイスは、新世代の安全センサーと全方位モニター用カメラを収めるため、ブランドエンブレム下のグリルを大型化・リデザインしました。フロントグリルはブラック基調の精悍なデザインとなり、シャープで引き締まった印象に生まれ変わっています。

さらに、フロントバンパーはワイド感を強調した新形状を採用し、車両全体の重厚感と安定感が増しました。ドアミラーもブラック塗装に統一されており、クロスオーバー的なアクティブな雰囲気を演出しています。実用車でありながらも、スタイリッシュな外観を追求した仕上がりになっています。
ボディサイズ
新型クリッパーバンのボディサイズは軽自動車規格をフルに活用した設計となっており、全幅・全長は規格ギリギリまで使われています。
- 全長×全幅×全高:3,395mm×1,475mm×1,895mm(クリッパーリオは全高1,910mm)
- ホイールベース:2,430mm
比較として日産ルークス(全高1,785mm)と比べると、クリッパーバンで+110mm、クリッパーリオでは+125mmもの全高の余裕があります。この高さが、大きな荷物の積み込みや、ゆったりとした車中泊スペースの確保につながっています。
内装(インテリア)デザインと使い勝手
インテリアは今回のアップデートで大きく進化しました。新たに採用されたデジタルスピードメーターは視認性が高く、速度・走行情報をひと目で確認できるため、長距離ドライブや業務使用でも疲労を軽減してくれます。また、シート生地や内装色がブラックで統一されたことで、全体的に上質でモダンな雰囲気が生まれています。

クリッパーリオでは、後部座席を前後に最大180度まで倒すことができるシートアレンジが可能で、フルフラットな広大なスペースを作り出せます。キャンプや車中泊ユーザーにとっては大きなメリットとなる機能です。さらに、オプションのアクセサリーパーツを組み合わせることで、荷物の積み方や車内空間のカスタマイズ自由度が大きく広がります。

クリッパーリオでは、フロント・フロントドアガラスの熱吸収率も向上しており、夏場の車内温度の上昇を抑制。ステアリングヒーターも全車標準装備となり、季節を問わず快適なドライブを楽しめるようになっています。

エンジン・スペック
新型クリッパーバン/クリッパーリオには、軽自動車規格に対応したスズキ製「R06A型」直列3気筒660ccエンジンが搭載されています。自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類が設定されており、用途に応じて選択が可能です。
- 自然吸気エンジン(R06A型):最高出力 49ps、最大トルク 6.1kgm
- ターボエンジン(R06A型ターボ):最高出力 64ps、最大トルク 9.7kgm(3,000rpmで発生)
- トランスミッション:5速MT または CVT
- 駆動方式:FR(2WD)、パートタイム4WD(5速MT車)、電子制御パートタイム4WD(CVT車)
ターボエンジン搭載モデルはトルクフルな走りを発揮し、荷物を多く積んだ状態での坂道走行や高速走行でも余裕を持ってこなせます。CVT車には「2WD」「4WD AUTO」「4WD LOCK」から選べる3モード電子制御4WDが搭載され、「ぬかるみ脱出アシスト(ブレーキLSDトラクションコントロール)」も備わっています。悪路や雪道などのシーンでも安心感があります。
燃費性能
WLTCモードによる燃費は以下のとおりです。2024年の改良でCVTが採用されて以来、燃費性能は大幅に向上しています。特にターボ車は従来の13.3km/Lから15.1km/Lへと大幅に改善しており、日常的な維持コストの低減にも貢献しています。
- クリッパーバン(自然吸気・5速MT):17.2km/L
- クリッパーバン(自然吸気・CVT):16.4km/L
- クリッパーバン(ターボ・CVT):15.1km/L
- クリッパーリオ(ターボ・CVT):15.1km/L
充実した安全装備:DSBSII搭載で全方位をカバー
今回のマイナーチェンジで最も注目すべき点のひとつが、安全装備の大幅強化です。新採用の「デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII)」は、従来のデュアルカメラ方式に代わり、ステレオカメラとレーダーを組み合わせた検知システムで、歩行者だけでなく自転車や自動二輪車まで幅広く対応します。軽バン・軽ワゴンというカテゴリーとしては非常に充実した安全機能と言えます。
全車に標準装備される安全機能は以下のとおりです。
- デュアルセンサーブレーキサポートII(DSBSII):歩行者・自転車・自動二輪車に対応
- 低速時ブレーキサポート(前進・後進)
- パーキングセンサー(フロント・リヤ)
- 車線逸脱防止支援システム(新規設定)
- 車線逸脱抑制機能
- 標識認識機能(車両進入禁止・はみ出し通行禁止・最高速度・一時停止・転回禁止・赤信号)(新規設定)
- 発進お知らせ機能(先行車・信号切り替わり)
- インテリジェントエマージェンシーブレーキ(性能向上)
- 踏み間違い衝突防止アシスト(性能向上)
- アダプティブクルーズコントロール〔ACC〕(全車速追従機能付き)
特装モデル:マルチラック&チェアキャブも仕様向上
クリッパーバンをベースとした「クリッパーバン マルチラック」は、荷室にスチールラック・有孔ボード・専用ブラケット・防汚フロアをあらかじめ装備した特装モデルです。ラックの高さは4段階に調整でき、配達・移動販売・アウトドア・車中泊など多用途に対応します。脱着式のベッドマットをオプション設定しており、フラットなベッドスペースをすぐに展開できる点も魅力です。
クリッパーリオをベースとした「クリッパーリオ チェアキャブ」は、車いすのまま車内に乗り込めるように設計された福祉車両(ライフケアビークル)です。操作が簡単な手動スロープと電動ウインチを装備し、介護を必要とする方の移動をしっかりサポートします。今回の仕様向上では、ベース車両と同様に安全装備の強化や内外装の刷新が行われています。
発売日
新型クリッパーバン/クリッパーリオは、2026年5月11日に発売されました。全国の日産販売店で購入が可能です。
日産クリッパーの歴史:「おさらい」
クリッパーバンの歴史は2003年にまで遡ります。車名の「クリッパー」は旧プリンス自動車工業が製造していた小型・中型トラック「プリンス・クリッパー」に由来し、「NV」は「日産(Nissan)のバン(Van)」、「100」は「車両総重量1,000kgクラス」を意味していました。
初代は三菱「ミニキャブ」のOEM車両として誕生し、2013年登場の2代目からはスズキ「エブリイ」をベースとするOEMモデルへと変更されました。三菱自動車が軽商用車市場から撤退したことが、この変更の背景にあります。なお2代目の販売期間はわずか1年3ヶ月と非常に短く、2015年のエブリイフルモデルチェンジに合わせて現行3代目へと移行しました。
現行の3代目は2015年に登場し、高張力鋼板ボディや改良エンジンによる走行性能の向上が特徴です。2024年3月の改良では車名が「NV100クリッパー」「NV100クリッパーリオ」から「クリッパーバン」「クリッパーリオ」へとシンプルに改められ、CVTの採用や先進安全技術の充実など大幅なアップデートが施されました。そして今回2026年のマイナーチェンジで、さらなる安全性と快適性の向上を果たしています。
まとめ:新型クリッパーバン/クリッパーリオはどんな人におすすめ?
2026年の新型クリッパーバン/クリッパーリオは、安全装備の充実・デジタルメーターの採用・内外装の刷新など、多角的な進化を遂げたモデルです。ビジネス用途での高い積載性と実用性を求める方はもちろん、レジャーや車中泊を楽しみたいアウトドアユーザーにも幅広くおすすめできます。
特に、DSBSIIや車線逸脱防止支援システム・標識認識機能といった最新安全装備が全車標準装備となったことは、日々の運転における安心感を大きく高める要素です。また、クリッパーバン マルチラック・クリッパーリオ チェアキャブといった特装モデルの充実も、多様なニーズへの対応力を示しています。
価格の上昇はあるものの、その分の価値を十分に感じられるアップデートが凝縮されており、軽バン・軽ワゴン市場において引き続き有力な選択肢となるモデルと言えるでしょう。
クリッパーリオ
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/clipperrio.html
日産 ニュースリリース

