GAZOO Racingは2026年5月11日、GRヤリスおよびGRカローラのオーナーに向けた2つの重要なアップグレード商品を発表しました。その名も「GR Yaris/GR Corolla Performance Softwareシリーズ」と「GR Corolla Performance Upgrade」です。両商品は2026年5月13日より、全国のGR Garageにて発売が開始されます。モータースポーツで培った最先端の制御技術をタイムリーにユーザーへ届けるというGAZOO Racingの理念が、この2つの商品に凝縮されています。
GR Performance Softwareシリーズとは何か?
2024年8月にサービス開始された「サーキットモード」をさらに大きく進化させた形で登場したのが、今回の「GR Yaris/GR Corolla Performance Softwareシリーズ」です。従来のサーキットモードはサーキット走行専用の限定的な機能にとどまっていましたが、新たなソフトウェアシリーズでは、街乗りから競技本番まで、あらゆるシーンに対応した3段階のソフトウェアが用意されました。GR Garageでの施工後、専用スマートフォンアプリ「GR PERFORMANCE」(旧「CIRCUIT MODE」アプリ、5月13日より名称変更・リニューアル、無料)を通じて、ユーザー自身が走りの細部をパーソナライズできる点が最大の特徴です。
対象車種はGRヤリスが2024年4月〜2025年4月販売モデル(24式)と2025年5月〜2026年3月販売モデル(25式)、GRカローラが2025年3月〜2025年10月販売モデル(25式前期)と2025年11月発売の現行モデル(25式後期)です。なお、2026年4月発売の最新26式GRヤリスは現時点では対象外となっており、標準搭載のサーキットモードのみ利用可能な点に注意が必要です。
3つのソフトウェアの特徴と違い
STREET——日常のドライブをもっとスポーティに:
「いつもの道でスポーティーな走りを楽しみたい」というユーザーのためのソフトウェアです。従来サーキット内でしか使えなかった「シフトタイミングインジケーター」が公道でも使用可能になり、7ステップ・ギア比連動表示に加え、3ステップまたは4ステップの表示方式も選択できるようになりました。また、アクセルレスポンス、四輪駆動力配分、カップリングプレトルク、ステアリングアシストをドライバー好みにカスタマイズ可能です。日常の通勤や週末のドライブでも、GRならではの緊張感あふれる走りを味わえます。価格は99,000円(税込)です。
CIRCUIT——サーキットで自分だけのセッティングを:

STREETの全機能に加え、6MT車向けの「フラットシフト」機能が追加されます。アクセルを踏んだままクラッチ操作だけでシフトアップが可能となり、シフト操作の手間を減らしてスポーツ走行に集中できる環境が整います。さらに、ターボラグを低減する「アンチラグ」機能では、強度レベルの選択肢に新たに「強+」が追加され、無/弱/中/強/強+の5段階設定となりました(強+は6MT車のみ対応)。GR-DAT車では変速制御の変更によりシフト時の応答性も向上しており、サーキット攻略に特化したセッティングが可能です。シフトタイミングインジケーターも、STREETよりきめ細かいタイミング設定に対応しています。価格は173,800円(税込)です。
COMPETITION——競技で勝つための精密セッティング:

3種類の中で最も競技志向が強いソフトウェアです。GR-DAT車ではシフト応答性がさらに高まり、従来はパドル操作が必要だった1速へのシフトダウンも自動で積極的に行う制御が採用され、競技において1速高回転域を有効活用できます。四輪駆動力配分は前後配分比70:30〜30:70の範囲で1%単位、カップリングトルクは0〜299Nmの間を1Nm単位でセッティング可能という驚異的な精度を誇ります。ステアリングアシストもGRヤリスでは合計8段階(オリジナル含む)から6種類の組み合わせを、GRカローラでは3種類の組み合わせを選択できます。
さらに、競技用4WD設定ではGRAVELモード(ダートトライアル向け・車体の安定性重視)とTRACKモード(ジムカーナ・ミニサーキット向け・旋回性重視)のそれぞれで四輪駆動力配分やカップリングプレトルクが競技特化の値に自動変更されます。ただし、COMPETITIONは競技使用を前提としているため、施工後の四輪駆動システムに関わる故障・不具合はメーカー保証対象外となる点は事前に理解しておく必要があります。価格は265,100円(税込)です。
主要機能まとめ
Performance Softwareシリーズで利用できる主な機能は次のとおりです。これらは各グレードによって公道・サーキットそれぞれでの使用可否が異なります。
- シフトタイミングインジケーター — 視覚でシフトアップタイミングを把握。STREET以上で公道使用可能
- アクセルレスポンス — ペダル踏み込みに対する応答性を変更。STREET以上で公道・サーキット両対応
- 四輪駆動力配分 — 前後トルク配分の細かい調整。STREET以上で公道・サーキット両対応
- カップリングプレトルク — 減速時の後輪へのトルク維持量を調整。STREET以上で公道・サーキット両対応
- ステアリングアシスト — ハンドルのアシストフィーリング変更(GR Garageで施工)。STREET以上で公道・サーキット両対応
- アンチラグ — ターボラグ低減制御。STREET以上でサーキット使用可能
- フラットシフト(6MT限定) — アクセルオンのままシフトアップ。CIRCUIT以上でサーキット使用可能
- DAT設定(GR-DAT限定) — 変速制御をサーキット・競技向けに変更。CIRCUIT以上で対応
- 競技用4WD設定 — 4WDシステムを競技特化設定に変更。COMPETITIONのみ対応
- クーリングファン風量MAX / アイドルアップ / スピードリミッター — サーキット走行サポート機能。STREET以上でサーキット使用可能
アップグレードパスと価格一覧
すでにSTREETまたはCIRCUITを購入したユーザーが上位ソフトウェアへ移行するためのアップグレード商品も、2026年6月以降に発売予定です。差分の費用を払うだけでステップアップできるのは、長く乗り続けるオーナーにとって嬉しい設計です。
STREET=99,000円
CIRCUIT=173,800円
COMPETITION=265,100円
STREET→CIRCUIT アップグレード=82,500円
STREET→COMPETITION アップグレード=182,600円
CIRCUIT→COMPETITION アップグレード=100,100円
(すべて消費税込み。工賃は別途発生)
GR Corolla Performance Upgrade——旧型カローラを最新型と同等に進化させる
「GR Corolla Performance Upgrade」は、ソフトウェアだけでなくハードウェアの変更も含む、より踏み込んだアップグレードサービスです。対象は2022年12月〜2023年10月販売の22式、2022年12月発売のモリゾウエディション、そして2023年11月〜2025年2月販売の23式のGRカローラです。すでに購入したオーナーが、モータースポーツ参戦を通じて進化を続けてきた最新GRカローラと同等のパフォーマンスを手に入れられる点が、この商品の本質的な価値です。

エンジン面では最大トルクが370Nmから400Nmへと30Nmアップし、特にコーナー立ち上がりで活きる中速域のトルクが大幅に向上します。これにより、2025年3月発売の25式前期および2025年11月発売の25式後期と同等のエンジン特性を実現します。なおモリゾウエディションは標準で400Nmのため、エンジントルクアップは対象外となっています。
4WD制御モードもアップグレードされ、従来のFRONT(前60:後40)/ REAR(前30:後70)/ TRACK(前50:後50)の固定3モードから、NORMAL(前60:後40)/ GRAVEL(前50:後50)/ TRACK(前60〜30:後40〜70の連続可変)という最新世代の3モード構成に変更されます。4WDモードセレクトスイッチ自体も新しいものに交換され、モード名表記も刷新されます。ハードウェアの変更としてはブレーキダクトとNACAダクト付きアンダーカバーの追加が含まれており、冷却性能の向上もあわせて実現されています。
価格は車両状態やオプション装着状況によって異なります。ブレーキダクト未装着の22式・23式オーナーは166,232円、すでにブレーキダクトを装着済みの22式・23式オーナーは129,580円、モリゾウエディションオーナーは74,580円となっています(いずれも消費税込み、工賃別)。
GAZOO Racingが示す「進化し続けるクルマ」という哲学
今回の2商品が示すのは、単なるオプション追加ではなく、「購入後も進化できるクルマ」という新しいモビリティの在り方です。レースやラリーという極限の環境で得た知見を、ソフトウェアやハードウェアのアップグレードという形で既存オーナーにも届けるというGAZOO Racingのアプローチは、自動車業界においても非常に先進的な取り組みといえます。
GRヤリスやGRカローラを所有するドライバーにとって、自分の走りのスタイルや目標に応じて車両のキャラクターを段階的に高めていけるこの仕組みは、まさに「自分だけの一台」を育てる喜びを提供するものです。街乗りでの楽しさを求めるならSTREET、サーキット攻略を目指すならCIRCUIT、そして競技の頂点を狙うならCOMPETITIONと、ライフステージや目標に合わせてアップグレードできる柔軟な設計は、長期オーナーシップの満足度を大きく高めるでしょう。
施工は全国のGR Garageにて受け付けており、施工後は専用アプリ「GR PERFORMANCE」を通じて各種セッティングを手軽に変更・管理できます。GRカローラやGRヤリスのオーナーは、ぜひ最寄りのGR Garageに問い合わせてみてください。
GR Yaris/GR Corolla Performance Software

