トヨタは次世代燃料電池自動車「TOYOTA FCV CONCEPT」(第43回東京モーターショー2013 世界初出展)を公開する。
次世代燃料電池自動車「TOYOTA FCV CONCEPT」
セダンタイプの専用ボディに、小型・軽量化した自社開発の新型燃料電池(FCスタック)や70MPa高圧水素タンク2本を、床下に配置した高効率パッケージエクステリアは、FCVならではの「空気を吸い水を生成する機能」とモーターによる「力強い走り」の イメージを具現化。フロントは、空気を吸い込む大型サイドラジエーターグリルを強調したデザインを採用。 サイドは、空気から水への流れを豊かなドア断面で表し、リヤは、カタマラン(双胴船)をモチーフに水が流れるイメージを表現。また、充填リッドには水の波紋をモチーフにしたデザインを採用。新型FCスタックは、旧型モデル「トヨタ FCHV-adv」に搭載したスタックに比べ、2倍以上の出力密度 3kW/ℓを実現。小型・軽量化を実現しつつ、出力は100kW以上を達成FCシステムには、高効率の昇圧コンバーターを採用。高電圧化により、モーターの小型化と燃料電池のセル数削減を可能とし、FCシステムの小型・高性能化とシステムコストの低減に寄与実用航続距離は500㎞以上。また、水素充填は3分程度とガソリン車並みの短時間で満充填可能外部電源供給能力は、一般家庭の使用電力1週間分以上。
実用性の高いセダンタイプの次世代燃料電池自動車(FCV)のデザインコンセプト。未来の水素エネルギー社会実現に向け、トヨタは2015年にFCVの市販を開始。
スペック | TOYOTA FCV CONCEPT |
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全長 | 4,870mm |
全幅 | 1,810mm |
全高 | 1,535mm |
ホイールベース | 2,780mm |
最低地上高 | 130mm |
FCスタック | FCA110 固体高分子形 圧縮水素:2本 |
最高出力 | 100kW以上 |
JC08モード走行距離 | 700km |
出力密度 | 3.0kW/L |
タンク貯蔵性能 | 5.7wt% (世界トップレベル) |
駆動方式 | FF |
乗車定員 | 4名 |
燃料電池車とは
水素と酸素を化学反応させて電気をつくる燃料電池を動力源とするクルマです。車両の開発には、トヨタが培ってきたハイブリッド技術をコアテクノロジーとして応用しています。ガソリンに代わる燃料である水素は、環境にやさしく、さまざまな原料からつくることができるエネルギー。トヨタは、「サスティナブル・モビリティ」実現に向けての理想的なクルマとして、その早期普及を目指し、世界に先駆けて、2002年から燃料電池ハイブリッド車「トヨタFCHV」を日米で限定販売するなど、燃料電池車の開発で確固たる実績をつくってきた。
燃料電池車のこれから
現在残っている課題は、コスト削減、小型・軽量化、FCスタックの耐久性向上などです。 たとえば、コストダウンについては、FCスタックや水素タンクなどのシステム全体で、「トヨタFCHV-adv」の1/10程度まで下がってきています。今後、本格的な市販に向けて、さらにこの半分以下、つまり1/20以下にすることを目指し、開発を進めています。
トヨタFCHV-advに続く新型乗用車は、2015年までに、水素インフラが整備される見込みの大都市周辺で、セダンタイプの新型を一般ユーザー向けに販売する計画です。これから先、プリウスと同じ衝撃を受けることになりそうだ。
トヨタ(FCV)