2026年春、ホンダが満を持して投入する電気自動車の新型モデル「スーパーワン(Super-ONE)」が、自動車業界で大きな話題を集めています。2025年10月29日のジャパンモビリティショーで初公開され、2026年2月12日には公式ティーザーサイトが先行オープン。令和のシティターボⅡ・ブルドッグとも称される本モデルは、軽自動車EV「N-ONE e:」をベースとしながらも、普通車規格へのサイズアップと高出力化により、まったく新しいコンパクトEVスポーツとして生まれ変わりました。
本記事では、新型スーパーワンの魅力を余すことなく解説していきます。
ホンダ新型スーパーワンとは?コンセプト「e: Dash BOOSTER」の意味

新型スーパーワンは、ホンダが提唱する「e: Dash BOOSTER(イー ダッシュ ブースター)」というグランドコンセプトのもとで開発されました。このコンセプトは、日常の移動を単なる移動手段ではなく、刺激的で気持ちの高ぶる体験へと進化させることを目指しています。
N-ONE e:からの進化ポイント
スーパーワンは2025年9月に発売された軽自動車EV「N-ONE e:」をベースに開発されていますが、単なるマイナーチェンジではありません。以下の点で大きく進化を遂げています。
- 普通車規格へのボディサイズ拡大:軽自動車の制約から解放され、走行性能が大幅に向上
- 高出力EVパワートレインの搭載:64psから110psへと出力が約1.7倍にアップ
- 専用開発のBOOSTモード:EVでありながらスポーティーなエンジン車のような走りを再現
- エクストリームなエクステリアデザイン:ロー&ワイドなスタンスで存在感を強調
2025年7月にイギリスで開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で披露された「スーパーEVコンセプト」の市販バージョンとして、多くの自動車ファンが待ち望んでいたモデルです。
新型スーパーワンの外装デザイン:エクストリームなエアロダイナミクス

ワイド&ローの迫力あるスタンス
新型スーパーワンの外観で最も目を引くのは、そのエクストリームなエクステリアデザインです。ホンダ公式によれば、「空力性能と冷却効率を高めたスーパーワン独自のエアロデザイン」が採用されており、この二つの融合が路面をつかむような安定感をもたらすとのこと。
専用ブリスターフェンダーの採用
- フロント専用ブリスターフェンダー:フロントタイヤ周りのフェンダーが大きく張り出し、ワイドなスタンスを強調
- リア専用ブリスターフェンダー:リアも同様にブリスターフェンダーを装着し、前後のバランスを取りながら迫力ある後ろ姿を演出
このブリスターフェンダーは単なるデザインアクセントではなく、拡大されたトレッド幅による走行安定性の向上に貢献しています。
専用15インチアルミホイールとタイヤ
足元には15インチアルミホイール(マットベルリナブラック+切削光輝)が装着され、スポーティーな印象を与えます。タイヤは185/55R15インチサイズで、YOKOHAMA製ADVAN FLEVA V701を標準装備。このタイヤはスポーツ走行にも対応できる高性能モデルとして知られています。
ボディカラーバリエーション
新型スーパーワンには全9色のボディカラーがラインナップされる予定です。なかでもイメージカラーとなっているブーストバイオレットパールは、ティーザーサイトでも中心的に使用されており、スポーティーかつプレミアムな印象を与える特別なカラーです。
ボディサイズ比較:N-ONE e:からどれだけ大きくなった?
新型スーパーワンのボディサイズ

- 全長:3,500mm
- 全幅:1,550mm
- 全高:1,525mm
- ホイールベース:2,520mm
N-ONE e:のボディサイズ(参考)

- 全長:3,395mm
- 全幅:1,475mm
- 全高:1,545mm
- ホイールベース:2,520mm
- 車重:1,030kg
サイズ拡大のポイント
N-ONE e:と比較すると、新型スーパーワンは以下のように変化しています。
- 全長:+105mm(約10cm以上の延長)
- 全幅:+75mm(軽自動車規格1,480mm制限を大きく超える)
- 全高:-20mm(ローダウン化で低重心を実現)
- ホイールベース:変更なし(2,520mm)
特に全幅の75mm拡大は、軽自動車規格の1,480mm制限から解放されたことで実現した最大のポイントです。これにより、コーナリング時の安定性が向上し、よりスポーティーな走りが可能になっています。一方で全高を20mm下げることで、低重心化とロー&ワイドなスタイリングを両立させています。
内装・装備:プレリュード超えの充実度
スポーティーなコックピット
新型スーパーワンの内装は、「ドライバーの感性を刺激するコックピット」をコンセプトに設計されています。ホールド性の高いスポーツシートを採用し、最適なドライビングポジションを確保できるセパレートシート仕様となっています。
7インチTFT液晶メーターパネル
スーパーワン専用の7インチTFT液晶メーターが搭載され、走行モードに応じて表示が変化します。特にBOOSTモード選択時には専用の演出が施され、3連メーター風のデザインやイルミネーションカラーの変化で、視覚的にもドライバーを高揚させる仕掛けが満載です。
5種類のドライブモード
新型スーパーワンには、以下の5種類のドライブモードが設定されています。
- BOOSTモード:専用開発の最高出力モード。仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールにより、スポーツエンジン車のような走りを再現
- SPORTモード:スポーティーな走りを楽しむモード
- NORMALモード:日常使いに最適なバランス型
- CITYモード:市街地走行に適したモード
- ECOモード:航続距離を最大限に延ばす省電力モード
特にBOOSTモードは、出力を拡大してパワーユニットの性能を最大限に引き出すとともに、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールシステムの連動により、あたかも有段変速機を備えたエンジン車のような迫力あるサウンドと鋭いシフトフィーリングを演出します。
BOSEプレミアムサウンドシステムが標準装備
驚くべきことに、新型スーパーワンには**BOSEプレミアムサウンドシステム(8スピーカー)**が標準装備されます。通常、このクラスのモデルでは上級グレードやオプション設定となることが多いプレミアムオーディオシステムですが、スーパーワンでは1グレード構成でメーカーオプションの設定がないため、すべての購入者が高音質を楽しめます。
快適装備も充実
スポーツモデルでありながら、快適装備も妥協していません。
- フロントシートヒーター:寒い冬でも快適なドライブを実現
- ステアリングヒーター:ハンドルの冷えを解消
- Honda CONNECT 9インチナビゲーションディスプレイ(Googleビルトイン):最新のコネクテッド機能を搭載
- 電制パーキングブレーキ:停車中にブレーキペダルから足を離しても停車状態を保持
- オートブレーキホールド機能:アクセルを踏むと自動解除で再発進可能
これらの装備は、同じホンダから発売されている新型プレリュードと比較しても遜色ない、あるいはそれ以上の充実度といえます。
パワートレインとスペック:110psの高出力EV
新型スーパーワンのスペック
- パワートレイン:電気モーター
- 最高出力:110ps
- 最大トルク:20.5kgm
- 航続距離:250km(WLTC推定値)
- 駆動方式:FWD(前輪駆動)
- 充電時間
- 普通充電:約4.5時間
- 急速充電:約30分(80%まで)
N-ONE e:との比較
- N-ONE e:の最高出力:64ps
- N-ONE e:の最大トルク:16.5kgm
- N-ONE e:の航続距離:295km
N-ONE e:の電気モーターは軽自動車の自主規制により最高出力が64psに抑えられていましたが、新型スーパーワンでは普通車規格となったことで110psまで出力が向上。実に約1.7倍の高出力化を実現しています。トルクも20.5kgmと、64psクラスのエンジン車を大きく凌駕する力強さです。
航続距離250kmの実用性
航続距離はN-ONE e:の295kmから250kmへと若干短くなっていますが、これは高出力化とワイドボディによる空気抵抗増加の影響と考えられます。それでも、日常の通勤や買い物、週末のドライブには十分な航続距離であり、急速充電器を使えば30分で80%まで充電できるため、実用性は高いといえます。
革新的なBOOSTモード体験
新型スーパーワンの最大の特徴といえるのが、専用開発されたBOOSTモードです。このモードでは以下の3つの要素が連動します。
- 出力拡大制御:モーターの出力を最大限に引き出し、力強く鋭い加速を実現
- 仮想有段シフト制御:有段変速機のようなギアチェンジの感覚を再現
- アクティブサウンドコントロール:アクセルなどの運転操作に応じて、迫力のある仮想エンジンサウンドを車内に響かせる
EVでありながら、まるでスポーティーなエンジン車を意のままに操っているかのような運転感覚を提供します。視覚(メーター表示)、聴覚(エンジン音)、体感(加速感・振動)を通じて、走りを全身で楽しめる設計となっています。
安全装備:Honda SENSING搭載
新型スーパーワンには、ホンダの先進安全技術「Honda SENSING」が標準装備されます。N-ONE e:に搭載されているシステムと同等の機能が期待されます。
主な安全機能
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS):前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険がある場合に自動ブレーキを作動
- 誤発進抑制機能:停車時や低速走行時、前方の障害物を検知してアクセルペダルの踏み間違いによる急発進を抑制
- アダプティブクルーズコントロール(ACC):先行車との車間距離を保ちながら自動で加減速
- 車線維持支援システム(LKAS):車線の中央を走行するようステアリング操作をアシスト
- トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能):高速道路などでの渋滞時、自車の走行車線をキープするようステアリング操作をアシスト
- 衝突後ブレーキシステム:エアバッグシステムが衝撃を検知すると、ブレーキを自動的に作動させ、ストップランプも点灯。多重衝突の被害軽減を図る
これらの安全装備により、スポーティーな走りと高い安全性を両立しています。
充電・給電機能:V2H対応で災害時も安心
スマートフォンアプリでリモート管理
新型スーパーワンは、スマートフォンアプリから以下の操作や確認が可能です。
- 充電状況のリモート表示
- お出かけ前タイマー設定
- 充電待機時間設定
- 最大電流量設定
- 最大充電量設定
- 外部給電下限SOC設定
V2H(Vehicle to Home)対応
外部給電にも対応しており、災害や停電など非常時の電源としても利用可能です。バッテリー容量を活かして家庭用電力として活用できるため、単なる移動手段を超えた価値を提供します。
シングルペダルコントロール
アクセルペダルだけで加減速から完全停車まで行えるシングルペダルコントロールを採用。街中の走行や駐車時におけるペダルの踏みかえの煩わしさを軽減し、日常のドライブをより快適にします。また、効率的にエネルギーを回生するブレーキシステムにより、航続距離の最大化にも貢献しています。
価格設定:約350万円からの予想
新型スーパーワンの予想価格
公式発表はまだありませんが、各種情報筋によれば、新型スーパーワンの価格は**約350万円~**になると予想されています。一部では300万円~350万円という情報もありますが、装備の充実度を考えると350万円前後が妥当なラインと考えられます。
N-ONE e:との価格比較
- N-ONE e: G:269万9,400円
- N-ONE e: L:319万8,800円
- CEV補助金:57万4,000円(N-ONE e:の場合)
N-ONE e:の上位グレード「e: L」が約320万円であることを考えると、約30万円程度のプライスアップとなります。しかし、以下の点を考慮すると、むしろコストパフォーマンスは高いといえます。
- 普通車規格へのサイズアップ(全幅+75mm)
- 出力の大幅向上(64ps→110ps)
- BOSEプレミアムサウンドシステム標準装備
- 専用開発のBOOSTモード
- 専用エアロデザイン・ブリスターフェンダー
- 高性能タイヤ(YOKOHAMA ADVAN FLEVA V701)
EV補助金の活用
2026年のEV補助金制度がどうなるかはまだ不明ですが、N-ONE e:と同様に約50万円~60万円程度の補助金が適用される可能性があります。その場合、実質購入価格は約290万円~300万円となり、装備の充実度を考えれば非常に魅力的な価格設定といえます。
発売時期:2026年春(4月~5月頃)
公式発表スケジュール
- 2025年7月:グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで「スーパーEVコンセプト」を初披露
- 2025年10月29日:ジャパンモビリティショー2025で市販モデル「スーパーワン」を公開
- 2026年2月12日:公式ティーザーサイトが先行オープン
- 2026年春(4月~5月頃):正式発売予定
公式サイトによれば、2026年5月下旬の発表・発売が予定されています。ただし、ティーザーサイトが2月に公開されたことを考えると、4月に前倒しになる可能性もあります。
事前予約・商談開始時期
通常、ホンダの新型車は発売の1~2ヶ月前から正式な商談や事前予約が始まります。したがって、2026年3月頃には全国のホンダディーラーで実車を見ながら商談できる可能性が高いでしょう。
競合車種との比較
軽EVとの比較:日産サクラ・三菱eKクロスEV
日産サクラ・三菱eKクロスEV
- 航続距離:180km
- 価格:254万~302万円
- 最高出力:64ps
スーパーワンは軽自動車ではなく普通車規格のため、直接の競合ではありませんが、価格帯が近いため比較対象となります。スーパーワンは出力が110psと大幅に高く、走行性能で大きく上回ります。一方、軽自動車税の安さでは軽EVに軍配が上がります。
コンパクトEVとの比較
国内にはまだコンパクトEVの選択肢が少ないですが、今後はスズキのワゴンR EVコンセプト(2027年3月発売予定)など、競合が登場する見込みです。
輸入EVとの比較:ヒョンデIONIQ 5 N
ヒョンデIONIQ 5 N
- EVスポーツモデル
- 高性能バージョン
- 仮想エンジンサウンド機能搭載
IONIQ 5 Nは本格的なEVスポーツモデルですが、サイズも価格も大幅に上回るため、スーパーワンは「手軽に楽しめるコンパクトEVスポーツ」という独自のポジションを確立できるでしょう。
ホンダのEV戦略における位置づけ
「N」シリーズのEV展開
ホンダは軽自動車「N」シリーズをEV化する戦略を進めています。
- N-VAN e::商用軽EV
- N-ONE e::乗用軽EV(2025年9月発売)
- N-BOX e::軽ハイトワゴンEV(開発中)
- Super-ONE:N-ONEベースの普通車EV(2026年発売)
スーパーワンは、N-ONEの派生モデルではありますが、普通車規格とすることで軽自動車の制約を取り払い、より高性能なスポーツEVとして独自の市場を開拓する役割を担っています。
2030年に向けたEV比率30%目標
ホンダは2030年までに全販売台数の30%をEVにする目標を掲げています。スーパーワンのようなユニークで魅力的なEVを投入することで、EVへの関心が薄かった層にもアピールし、EV普及を加速させる狙いがあります。
まとめ:新型スーパーワンは買いか?
スーパーワンがおすすめな人
- コンパクトで運転しやすいEVが欲しい
- スポーティーな走りを楽しみたい
- EVでもエンジン車のような感覚を味わいたい
- 充実した装備を標準で手に入れたい
- セカンドカーとして日常使いできるEVが欲しい
注意すべきポイント
- 航続距離250kmは長距離ドライブには不向き
- 普通車登録のため軽自動車税の優遇は受けられない
- 後部座席や荷室スペースは限られる
- 発売直後は納車待ちの可能性あり
総合評価
新型ホンダ スーパーワンは、EVの弱点とされる「走りの楽しさ」を独自の技術で補い、日常使いからスポーツ走行まで幅広く楽しめる魅力的なモデルです。約350万円という価格設定は決して安くはありませんが、BOSEサウンドシステムをはじめとする充実した標準装備、専用開発のBOOSTモード、プレミアムな内外装デザインを考えれば、十分に納得できる内容といえるでしょう。
2026年春の発売が今から待ち遠しい一台です。
よくある質問(FAQ)
- スーパーワンとN-ONE e:の最大の違いは?
-
最大の違いは普通車規格への変更です。全幅が75mm拡大され、出力も64psから110psへと大幅に向上しています。専用のBOOSTモードも搭載され、走りの質が大きく異なります。
- 航続距離250kmで足りますか?
-
日常の通勤・買い物・週末のドライブには十分です。ただし、長距離旅行には急速充電を活用する必要があります。N-ONE e:の295kmから短くなっていますが、高出力化の代償として許容範囲と考えられます。
- 補助金は適用されますか?
-
2026年のEV補助金制度は未定ですが、通常のEVと同様に適用される可能性が高いです。N-ONE e:では約57万円の補助金が出ていますので、同程度が期待できます。
- BOOSTモードは常時使えますか?
-
BOOSTモードは5つのドライブモードの1つとして選択可能です。ただし、最高出力を引き出すモードのため、バッテリー消費は大きくなります。シーンに応じて使い分けるのがおすすめです。
- グレード展開はありますか?
-
新型スーパーワンは1グレードのみの設定で、メーカーオプションもありません。すべての機能が標準装備されるため、選択に迷うことなく、フル装備のモデルを手に入れられます。
- 競合車種と比べてどうですか?
-
国内にはこのクラスのコンパクトEVスポーツがほとんど存在しないため、独自のポジションを確立しています。軽EVよりも走行性能が高く、輸入EVよりも手頃な価格とコンパクトなサイズが魅力です。
- いつから予約できますか?
-
正式な予約開始時期は未発表ですが、通常は発売の1~2ヶ月前からです。2026年3月頃にはディーラーで商談が始まる見込みです。
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