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トヨタ 新型BEV「bZ7」上海モーターショー2025で2025年4月23日発表 電動化戦略を加速

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トヨタは新型BEVセダン「bZ7」を2025年4月23日、中国・上海で開幕した第21回上海モーターショー2025にて発表しました。世界最大級の自動車市場である中国で開催されるこのショーは、各メーカーが最新技術や将来のビジョンを発表する重要な舞台となっています。その中で、トヨタは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた独自の「マルチパスウェイ」戦略に基づき、中国市場におけるバッテリーEV(BEV)のラインアップを大幅に拡充する計画を発表しました。トヨタブランドからは新型BEVセダン「bZ7」、レクサスブランドからは次世代電動車の先駆けとなる新型「ES」が世界初公開され、電動化が急速に進む中国市場への強いコミットメントを示す形となりました。

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上海モーターショー2025での発表概要

  • トヨタ自動車は、上海モーターショー2025にて、カーボンニュートラル実現に向けた「マルチパスウェイ」戦略に基づき、中国市場におけるバッテリーEV(BEV)ラインアップの拡充を発表しました。
  • トヨタブランドでは、既存のbZシリーズ(bZ4X, bZ3, bZ3X, bZ5)に続く新型BEVとして、フラッグシップセダン「bZ7」を発表しました。
  • レクサスブランドでは、既存のBEV(UX, RZ)に続くモデルとして、BEVとHEV(ハイブリッド)を設定する新型「ES」を発表しました。

トヨタの基本戦略「マルチパスウェイ」

  • トヨタは「もっといいクルマづくり」を基本理念とし、商品と地域を軸にした経営を推進しています。
  • カーボンニュートラルに向けては、BEVだけでなくHEV、PHEV、FCEV(燃料電池車)といった多様な電動車の選択肢を用意し、各地域や顧客のニーズ、インフラ状況に応じた最適なモビリティを提供する「マルチパスウェイ」戦略を推進しています。

中国市場への注力

  • 中国は新車販売におけるBEV比率が極めて高く、電動化をリードする最先端市場と位置づけられています。
  • トヨタは、現地の顧客ニーズに寄り添い、「マルチパスウェイ」の取り組みを中国でさらに加速させる方針です。

新型BEV「bZ7」の特徴

  • トヨタブランドの中国BEVラインアップにおけるフラッグシップモデルです。
  • 広州汽車集団(GAC)、広汽トヨタ(GTMC)、トヨタ知能電動車研究開発センター(IEM by TOYOTA)との共同開発による現地開発モデルです。
  • トヨタの品質・安全性と中国の最先端技術を融合させています。
  • 全長5メートルを超える大型セダンタイプのBEVです。
  • スマートコックピットや運転支援、先進安全技術など、最新の知能化技術を搭載予定です。
  • 1年以内の発売を目指して開発が進められています。

トヨタの今後の電動化戦略

  • 今後も「マルチパスウェイ」に基づき、HEV、PHEV、FCEVを含む多様な選択肢の開発を推進します。
  • BEV開発も加速させ、bZシリーズの拡充や全固体電池などの次世代技術開発に取り組みます。
  • ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)への対応を強化し、コネクテッドサービスやOTAアップデートなどを推進します。
  • 製品だけでなく、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも進めます。
目次

トヨタブランドの新たな旗艦:新型BEVセダン「bZ7」の詳細

今回発表された新型「bZ7」は、トヨタブランドの中国におけるBEVラインアップの頂点に立つ、フラッグシップモデルとして開発されました。その最大の特徴は、トヨタ単独ではなく、現地の有力パートナーである広州汽車集団有限公司(GAC)、広汽トヨタ自動車有限会社(GTMC)、そしてトヨタの中国における研究開発拠点であるトヨタ知能電動車研究開発センター(中国)有限会社(IEM by TOYOTA)との共同開発によって生み出された点にあります。この協業体制は、トヨタが長年培ってきた安全・安心・高品質なモノづくりのノウハウと、GACをはじめとする中国企業が持つ最先端の電動化技術やコネクティビティ技術といった強みを融合させることを目的としています。これにより、中国市場のニーズを的確に捉え、競争の激しいBEVセグメントにおいて強い存在感を発揮することが期待されます。

車両の概要としては、全長が5メートルを超える堂々としたサイズのセダンタイプのBEVであり、広々とした室内空間と存在感のあるスタイリングを両立させていることがうかがえます。公開されたエクステリアデザインは、bZシリーズに共通する先進的かつクリーンなモチーフを取り入れつつ、フラッグシップにふさわしい伸びやかさと重厚感を表現しているようです。インテリアに関しても、イメージ画像からは、大型ディスプレイを中心とした先進的なデジタルコックピットが採用されていることが示唆されており、快適性と機能性を高度に両立した空間が追求されていると考えられます。

「bZ7」には、中国BEVラインアップのフラッグシップモデルにふさわしく、最新の「知能化技術」が搭載される予定です。具体的には、直感的でシームレスな操作性を実現する「スマートコックピット」、高度なセンシング技術とAIを活用した「運転支援システム」、そして万が一の事故被害を最小限に抑えるための「先進安全技術」などが含まれると発表されています。これらの技術は、単に利便性や安全性を向上させるだけでなく、中国の消費者が特に重視するコネクティビティ機能やエンターテインメント機能においても、高いレベルの体験を提供することを目指していると考えられます。例えば、自然な対話が可能な音声認識システム、リアルタイムの交通情報やオンラインサービスとの連携、そしてOTA(Over-the-Air)によるソフトウェアアップデート機能などは、現代のBEVに不可欠な要素であり、「bZ7」もこれらの機能を充実させてくることが予想されます。

パワートレーンに関する詳細なスペック(バッテリー容量、航続距離、モーター出力など)は現時点では明らかにされていませんが、フラッグシップセダンとして、長距離移動にも十分対応できる実用的な航続距離と、スムーズかつ力強い加速性能が与えられることは間違いないでしょう。トヨタがこれまで培ってきた電動化技術、特にバッテリーの安全性や耐久性に関する知見は、「bZ7」においても最大限に活かされるはずです。

トヨタは、この新型「bZ7」を1年以内に中国市場で発売することを目指し、現在も開発を継続しています。価格設定やグレード構成、そしてより詳細な技術仕様については、今後の正式発表が待たれるところです。テスラ Model SやNIO ET7、Xpeng P7といった強力なライバルがひしめく中国のプレミアムBEVセダン市場において、「bZ7」がどのような競争力を見せるのか、大きな注目が集まります。トヨタの品質と信頼性、そして中国の先進技術が融合したこのモデルは、トヨタの中国におけるBEV戦略を新たなステージへと引き上げる可能性を秘めています。

カーボンニュートラル実現への道筋:「マルチパスウェイ」戦略の深化

トヨタは長年にわたり、「もっといいクルマづくり」という理念を掲げ、顧客満足度の向上と持続可能な社会への貢献を目指してきました。その経営の中心には、常に「商品」と「地域」という2つの軸が存在します。世界各地の多様な顧客ニーズやインフラ状況、エネルギー事情などを踏まえ、最適なモビリティを提供することこそが、真の顧客満足につながると考えているのです。この思想は、地球規模の課題であるカーボンニュートラルへの取り組みにおいても貫かれています。トヨタが推進する「マルチパスウェイ」戦略は、単一のパワートレーンに固執するのではなく、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)、そしてバッテリーEV(BEV)といった多様な電動車の選択肢を用意し、それぞれの地域や顧客の状況に応じて最適なソリューションを提供することを目指すものです。

一部ではBEVへのシフトが唯一の解であるかのような論調も見られますが、トヨタは、エネルギー供給の状況、インフラ整備の進捗、車両の使われ方、そして顧客の経済的な負担能力などが国や地域によって大きく異なる現実を直視しています。例えば、再生可能エネルギーの比率が低い地域で大量のBEVを導入しても、ライフサイクル全体でのCO2削減効果は限定的になる可能性があります。また、長距離移動が多いユーザーや、集合住宅などで充電環境の確保が難しいユーザーにとっては、HEVやPHEVが現実的な選択肢であり続けるでしょう。さらに、水素エネルギーの活用を見据えたFCEVも、特に商用車分野などでの将来的な可能性を秘めています。「マルチパスウェイ」は、こうした複雑な現実を踏まえ、多様な技術開発を進めることで、より多くの顧客にカーボンニュートラルへの貢献の道を開き、社会全体のCO2排出量削減を実効的に進めていくための、現実的かつ包括的なアプローチなのです。

電動化の最先端市場、中国におけるトヨタの挑戦

今回の発表の舞台となった中国は、世界最大の自動車市場であると同時に、新車販売におけるBEV比率が極めて高く、電動化を強力にリードする最先端市場としての地位を確立しています。政府による積極的なEV普及策や、国内メーカーの急速な技術革新、そして消費者の環境意識の高まりなどが、この急速な電動化シフトを後押ししています。このようなダイナミックな市場環境において、トヨタは、現地の顧客ニーズに真摯に寄り添いながら、「マルチパスウェイ」の取り組みをさらに加速させる必要性を認識していました。

これまでもトヨタは、中国市場において、現地パートナーとの合弁事業を通じて、HEVモデルを中心に環境対応車の普及に努めてきました。近年では、グローバルBEVシリーズである「bZ」ブランドの展開を開始し、「bZ4X」や「bZ3」といったモデルを投入してきました。そして今回の上海モーターショー2025では、既存の「bZ4X」「bZ3」「bZ3X」「bZ5」に続くトヨタブランドの新たなBEVとして、フラッグシップモデルとなる新型「bZ7」を発表。さらに、プレミアムブランドであるレクサスにおいても、既存のBEV「UX300e」や「RZ」に加え、ブランドの主力モデルである「ES」にBEVを設定し、次世代電動車ラインアップの先陣を切るモデルとして発表しました。これは、トヨタが中国市場の重要性を深く理解し、電動化戦略の核となる地域として位置づけ、本格的な攻勢を開始したことを明確に示すものです。

トヨタの電動化戦略の未来:多様性と進化への挑戦

今回の上海モーターショー2025におけるトヨタとレクサスの発表は、単なる新型車のお披露目にとどまらず、トヨタグループ全体の電動化戦略が新たなフェーズに入ったことを示す重要なマイルストーンと言えます。特に、世界最大の電動車市場である中国において、トヨタブランドのフラッグシップBEV「bZ7」と、レクサスブランドの中核モデル「ES」のBEVを発表したことは、この市場に対するトヨタの本気度を明確に示しています。

しかし、トヨタはBEV一辺倒の戦略をとるわけではありません。今後も「マルチパスウェイ」の理念に基づき、HEV、PHEV、FCEVを含む多様な電動車の開発を継続し、各地域のエネルギー事情や顧客ニーズに最適な選択肢を提供していく方針を改めて強調しています。HEVは、依然として多くの地域で現実的かつ効果的なCO2削減手段であり、さらなる効率向上と性能向上が追求されます。PHEVは、日常の短距離移動はEVとして、長距離移動はハイブリッドとして走行できる利便性の高さから、今後も重要な役割を担うと考えられます。そしてFCEVは、大型トラックやバスなどの商用車利用や、将来の水素社会実現に向けたキーテクノロジーとして、研究開発が続けられます。

一方で、BEV開発の加速も間違いなく進められます。「bZ」シリーズは今後もラインアップが拡充され、多様なセグメントとニーズに対応していくでしょう。さらに、航続距離の大幅な向上や充電時間の短縮を実現する可能性を秘めた「全固体電池」などの次世代バッテリー技術の開発にも注力しており、将来的なBEVの性能向上に大きな期待が寄せられています。

また、現代の自動車開発において欠かせないのが、ソフトウェアの重要性です。トヨタは、「ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)」の考え方に基づき、車両の機能をソフトウェアによって定義し、OTAによるアップデートを通じて、購入後もクルマの価値を進化させ続けることを目指しています。「bZ7」や新型「ES」に搭載される「知能化技術」は、その取り組みの一環であり、コネクテッドサービスや先進運転支援システムの高度化は、今後のトヨタ車、レクサス車においてますます重要になっていくでしょう。

カーボンニュートラルの実現は、製品単体だけでなく、部品の調達から生産、輸送、使用、そして廃棄・リサイクルに至るまでの、サプライチェーン全体での取り組みが不可欠です。トヨタは、生産工程における再生可能エネルギーの導入や、サプライヤーとの連携によるCO2排出量削減など、バリューチェーン全体での環境負荷低減にも積極的に取り組んでいます。

編集部から一言

上海モーターショー2025で発表された新型「bZ7」と新型「ES」は、電動化が加速する中国市場において、トヨタとレクサスがその存在感をさらに高めようとする強い意志の表れです。これらのモデルは、トヨタグループが持つ高い技術力、品質へのこだわり、そして市場のニーズに応える適応力を示す象徴となるでしょう。

しかし、その根底にあるのは、あくまで「マルチパスウェイ」という包括的な戦略です。BEVの開発を加速させると同時に、HEV、PHEV、FCEVといった多様な選択肢を提供し続けることで、世界中のあらゆる顧客がカーボンニュートラルに貢献できる道筋を用意する。この現実的かつ着実なアプローチこそが、トヨタが目指す持続可能なモビリティ社会の姿なのです。

自動車業界が100年に一度の大変革期を迎える中、トヨタは、長年培ってきた「もっといいクルマづくり」の精神と、「マルチパスウェイ」戦略を両輪として、未来への挑戦を続けています。今後、トヨタとレクサスがどのような革新的なモビリティを生み出し、私たちを驚かせてくれるのか、その動向から目が離せません。

レクサス ニュースリリース

https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/42646432.html

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この記事を書いた人

KAZUのアバター KAZU 編集長

自動車専門メディア『最新自動車情報』編集長のKAZU。IT企業から独立後、自動車専門サイト『最新自動車情報』を立ち上げ、編集長として12年間運営に携わってまいりました。これまでに、新車・中古車、国産車(日本車)から輸入車(外車)まで、あらゆるメーカーの車種に関する記事を6,000本以上執筆。その経験と独自の分析力で、数々の新型車種の発表時期や詳細スペックに関する的確な予測を実現してきました。『最新自動車情報』編集長として、読者の皆様に信頼性の高い最新情報、専門的な視点からの購入アドバイス、そして車(クルマ)の奥深い魅力をお届けします。後悔しない一台選びをしたい方、自動車業界のトレンドをいち早く知りたい方は、ぜひフォローをお願いいたします。

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