BYDのハイエンドブランド「仰望(YANGWANG/ヤンワン)」が開発したEVスーパーカー「YANGWANG U9 Xtreme」が、2025年9月に電気自動車の世界最速記録を更新しました。ドイツATP認証の下で測定された最高速度496.22km/hは、これまでの記録を大幅に更新し、電気自動車の新たな可能性を示しています。
BYDが新たなEV世界記録を樹立、ニュルブルクリンクでも圧倒的性能を実証
さらに注目すべきは、世界有数の難関サーキットであるニュルブルクリンク北コースで記録した6分59秒157というラップタイム。これは「最高速度」と「サーキット性能」の両立という、従来の常識を覆す技術的breakthrough(ブレークスルー)を証明しています。
革新的技術の集大成:世界初の1200V超高電圧プラットフォーム
次世代パワートレインシステム
YANGWANG U9 Xtremeの圧倒的性能を支えるのは、世界初の量産型1200V超高電圧プラットフォームです。この革新的システムには以下の最先端技術が搭載されています:
高性能モーターシステム
- 30,000rpmで駆動する高性能モーター4基
- 高強度航空アルミニウム製ハウジング
- 高速ベアリング
- 970MPaローターによる最高水準の構成
驚異的なパワーウェイトレシオ
- 総出力3,000PS超を実現
- パワーウェイトレシオ1,217PS/t
- システム総効率133%向上(従来比)
e⁴プラットフォームとDiSus-X制御システム
サーキット向けに最適化されたe⁴プラットフォームと、DiSus-Xインテリジェント車体制御システムの組み合わせにより、車体姿勢制御を高次元で実現。理論値を超える性能の質的変革をもたらしています。
冷却システムとバッテリー技術の革新
刷新された冷却システム
U9 Xtremeでは冷却システムを根本的に見直し、以下の技術を採用:
- 大流量オイルポンプ
- 立体的モーター冷却方式
- 安定的なピーク性能維持システム
サーキット仕様ブレードバッテリー
BYDが誇るブレードバッテリーもサーキット専用仕様に進化:
- セル設計と内部抵抗の最適化
- 新開発二層冷却構造
- 30Cの超高放電倍率を実現
- リン酸鉄リチウム電池の新基準を確立
制動システムとタイヤ技術の極限追求
新開発チタン合金カーボンセラミックブレーキ
制動性能も大幅に強化され、以下の特徴を持ちます:
- チタン合金カーボンセラミック制動システム
- 通気孔とスリットを備えたディスク
- 軽量化と剛性強化を両立したチタン合金キャリパー
- ニュルブルクリンク専用調整アルゴリズム
- 177カ所のブレーキングポイントで性能低下なし
佳通タイヤとの共同開発専用タイヤ
「GitiSport e·GTR² PRO」セミスリックタイヤの特徴:
- 防弾衣使用の超高強度アラミド繊維
- 500km/h領域での形状変化抑制
- 非対称トレッドパターン
- サイドウォール強化構造
- 超高G旋回時の安定操縦性
世界限定30台:コレクターズアイテムとしての価値
YANGWANG U9 Xtremeは、最先端技術とコレクターズバリューを兼ね備えた希少なモデルとして、世界限定30台での販売が決定されています。この希少性は、自動車史における新たな一章を刻む記念碑的な存在となるでしょう。
EVスーパーカー市場への影響と今後の展望
中国ブランドの技術リーダーシップ確立
U9 Xtremeの成功は、中国ブランドが世界の高性能車市場において確固たる技術リーダーシップを確立したことを明確に示しています。従来、欧州メーカーが独占していたスーパーカー市場に、新たな技術革新をもたらしています。
NEV(新エネルギー車)技術発展の新マイルストーン
この記録達成は、NEV技術開発における重要なマイルストーンであり、電気自動車の可能性を大幅に拡張しました。特に以下の分野で新たな基準を確立:
- 高電圧プラットフォーム技術
- 高性能モーター技術
- バッテリー冷却システム
- インテリジェント車体制御
- 超高速対応タイヤ技術
まとめ:電気自動車の新時代到来
YANGWANG U9 Xtremeは単なる速度記録の更新にとどまらず、電気自動車技術の新たな可能性を世界に示しました。496.22km/hという最高速度とニュルブルクリンク6分59秒157というラップタイムの両立は、EVスーパーカーの概念を根本から変える歴史的偉業です。
世界限定30台という希少性と最先端技術の融合により、YANGWANG U9 Xtremeは自動車愛好家とコレクターにとって究極の選択肢となるでしょう。この革新的なスーパーカーの登場により、電気自動車の未来は新たなステージへと進化しています。
BYD ニュースリリース