マツダの人気ミドルクラスSUV「CX-5」が、2025年7月10日に第3世代となるフルモデルチェンジを発表しました。2026年1月の日本発売を予定している新型CX-5は、大幅なボディサイズ拡大、先進的なインフォテインメントシステム、そして2027年に投入予定の新世代ハイブリッドシステムなど、従来モデルから大きく進化を遂げています。
グローバル累計販売台数450万台を超えるベストセラーSUVの最新モデルについて、詳細なスペック情報から価格予想まで徹底解説します。
2026年新型マツダCX-5の主要な変更点とアップデート内容
デザインの進化:洗練された「魂動」デザインの新次元
新型CX-5は、マツダの哲学である「魂動(こどう)-Soul of Motion」デザインをさらに進化させました。今回のコンセプトは「機能的でありながらスタイリッシュな服装」にインスパイアされ、様々なシチュエーションに適応できる洗練されたデザインを実現しています。
フロントデザインの特徴:
- シグネチャーウィンググリルを中心とした表情豊かなフロントマスク
- より大型化されたエアインテークによるスポーティな印象
- グリルを囲むように配置されたアンギュラーなヘッドライト
- ボディカラーのアクセントを内部に持つ洗練されたライト形状
サイドビューの革新:
- よりエッジの効いたショルダーラインによる力強さの表現
- 2列目乗員の乗降性向上のために拡大されたリアドア
- 車体下部のスタイルを引き締めるサイドスカート
- 19インチホイールオプションによる上質感の向上
リアデザインの特徴:
- 従来のエンブレムに代わる「MAZDA」ロゴの採用
- 細くワイドに広がるテールランプデザイン
- デュアルエキゾーストシステムとグロスブラックアクセント
- より洗練された全体的なプロポーション
ボディサイズの大幅拡大:室内空間とユーティリティの向上
新型CX-5の最も注目すべき変更点の一つが、ボディサイズの大幅な拡大です。
新型CX-5のボディサイズ(欧州仕様値)
- 全長:4,690mm(+115mm)
- 全幅:1,860mm(+15mm)
- 全高:1,695mm(+5mm)
- ホイールベース:2,775mm(+75mm)
この大幅なサイズアップにより、特にリアシートの居住性が大きく向上し、クラス最大級の後席空間を実現しています。また、ラゲッジスペースも長さ+51mm、高さ+25mmと拡大され、約61リットル(2.2立方フィート)の追加容量を獲得しています。
最先端技術を導入したインテリアデザイン
15.6インチ大型インフォテインメントシステム
新型CX-5の内装で最も印象的なのが、マツダ史上最大となる15.6インチのインフォテインメントシステムです。
Googleビルトイン機能:
- Google マップの統合
- Google アシスタント対応
- Google Play ストアへのアクセス
- リアルタイム交通情報の活用
エントリーグレードとの差別化: ヨーロッパ仕様では、エントリーモデルに12.9インチの小型ディスプレイを設定し、グレード間の差別化を図っています。
デジタルメーターとステアリング周りの革新
- 10.25インチデジタルインストルメントクラスター
- 「Mazda」ロゴを採用した新デザインステアリングホイール
- ハードボタン式スイッチによる直感的操作性
- ボタン類の戦略的削減による洗練されたコックピット
快適性とアンビエント機能
- パノラミックサンルーフ(オプション)
- 7色展開のアンビエントライトシステム
- ドアパネルまで拡張される照明演出
- 改良されたシート設計による快適性向上
パワートレインの革新:現在と未来のハイブリッド戦略
2026年発売時のパワートレイン仕様
日本・北米仕様:
- エンジン:2.5L SkyActiv-G 直列4気筒
- 最高出力:187hp(139kW/190PS)
- 最大トルク:185lb-ft(251Nm)
- トランスミッション:6速オートマチック
- 駆動方式:標準AWD
ヨーロッパ仕様(マイルドハイブリッド):
- エンジン:2.5L e-SkyActiv G + 24Vマイルドハイブリッド
- 最高出力:140hp(104kW/141PS)
- 最大トルク:176lb-ft(238Nm)
- 駆動方式:FF/AWD選択可能
- ブレーキ・バイ・ワイヤシステム搭載
2027年投入予定:革新的なSkyActiv-Zハイブリッド
マツダは2027年に、新世代エンジン「SkyActiv-Z」とストロングハイブリッドシステムを組み合わせた画期的なパワートレインの投入を予告しています。
予想スペック(ストロングハイブリッド):
- システム出力:270ps/50.0kgm
- 燃費性能:22.0km/L(予想)
- 環境規制対応と高出力の両立
この新システムにより、従来の2.2Lディーゼルモデルを大幅に上回る燃費性能と、より高いパフォーマンスの実現が期待されています。
先進安全装備とドライバーアシスト機能
i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)の進化
新型CX-5には、マツダの先進安全技術パッケージ「i-ACTIVSENSE」の最新版が標準装備されます。
主要な安全機能:
- 夜間歩行者認識精度を向上させた自動緊急ブレーキ
- アダプティブLEDヘッドライト(左右分割制御)
- 停止〜再発進対応アダプティブクルーズコントロール
- 車線維持支援システム
コ・パイロットコンセプトの採用
ドライバー異常時対応システム(DEA):
- ドライバーの体調急変や居眠り検知
- 段階的警告システム
- 無反応時の自動停止機能
- 緊急時の安全確保
燃費性能と環境対応
現行パワートレインの燃費性能
マイルドハイブリッド仕様(欧州値):
- FF車:約14.3km/L(7.0L/100km)
- AWD車:約13.5km/L(7.4L/100km)
2027年ストロングハイブリッド(予想):
- 燃費性能:22.0km/L超(予想)
- 前モデルディーゼル車(19.5km/L)を大幅上回る性能
従来モデルとの比較
前モデル(参考値):
- 2.0Lガソリン:14.6km/L
- 2.5Lガソリン:13.8km/L
- 2.2Lディーゼル:19.5km/L
新型では、ボディサイズ拡大にもかかわらず、マイルドハイブリッド技術により従来モデル同等の燃費性能を維持しています。
価格設定と市場ポジショニング
予想価格帯
新型CX-5の価格予想:
- エントリーグレード:295万円〜
- 最上位グレード:450万円程度
- 前モデルからの値上がり:約15万円(エントリー)
競合車種との価格比較
マツダ内での位置づけ:
- CX-50:30,500ドル〜(北米)
- CX-60:300万円台前半〜
- 新型CX-5:295万円〜450万円(予想)
価格帯の重複により、CX-50との競合が懸念されますが、CX-5の方がよりファミリー向けのユーティリティを重視した設定となっています。
発売スケジュールと市場展開
発売タイムライン
- 2025年7月10日:ワールドプレミア発表
- 2026年1月:日本国内発売予定
- 2026年前半:北米市場投入予定
- 2027年:ストロングハイブリッドモデル追加
市場戦略とターゲット
新型CX-5は、従来のファミリー層に加えて、より上質な内装と先進技術を求めるユーザー層の獲得を目指しています。特に、大型インフォテインメントシステムとGoogleビルトイン機能は、テクノロジーに敏感な若年層へのアピール要素となっています。
CX-5の歴史と進化
初代CX-5(2012年〜)
2012年に初代が発売されたCX-5は、マツダの「魂動」デザインを初めて量産車に適用したモデルとして話題を集めました。SKYACTIVエンジンの搭載により、SUVながら優れた燃費性能を実現し、マツダSUVラインナップの基盤を築きました。
2代目CX-5(2016年〜)
2016年にフルモデルチェンジした2代目は、「洗練された力強さ」をテーマに、より成熟したデザインと走行性能を獲得。月間販売目標2,400台に対し、発売前の1ヶ月半で9,055台の予約を獲得する人気を博しました。
3代目CX-5(2026年〜)
そして今回の3代目は、電動化時代に対応しながらも、マツダらしい走る歓びを追求した次世代SUVとして位置づけられています。
まとめ:新型CX-5の市場への影響と将来性
2026年に登場する新型マツダCX-5は、単なるマイナーチェンジではなく、ブランドの未来を担う戦略的なフルモデルチェンジと言えます。大幅なボディサイズ拡大、最先端のインフォテインメントシステム、そして2027年に控える革新的なハイブリッドシステムの投入により、競合ひしめくミドルクラスSUV市場での地位をさらに強固なものにすることが期待されます。
特に、Googleビルトイン機能の搭載は、従来のマツダユーザーだけでなく、テクノロジー志向の新しい顧客層の獲得につながる可能性があります。また、2027年のSkyActiv-Zハイブリッドシステムは、環境性能とドライビングプレジャーの両立という、マツダの哲学を体現する技術として注目されます。
グローバルで450万台以上の販売実績を持つCX-5の新世代モデルが、どのような市場反応を示すか、そして日本のSUV市場にどのような影響を与えるかが今後の注目ポイントです。