トヨタが誇る新世代クラウンシリーズ「クラウンスポーツ」は、一部改良を行い、2025年7月10日に発売を予定しています。特に注目されるのは、新たなエントリーグレード「クラウンスポーツG」の追加と、クラウン生誕70周年を記念した特別仕様車「クラウンスポーツ The 70th」の設定であり、これによりクラウンスポーツの魅力は一段と高まることでしょう。
新型クラウンスポーツ 一部改良 モデルの主なポイント
- 発売予定日: 2025年7月10日
- 価格帯: 520万円から820万円
- 新グレード「クラウンスポーツG」の追加:
- エントリーグレードとして設定され、価格は520万円からと大幅に引き下げられました。
- エクステリアは上級の「Z」グレードの魅力を維持しています。
- 内装は本革シートからファブリック+合成皮革シートへ、デジタルインナーミラーから自動防眩インナーミラーへ変更されました。
- 助手席パワーシート、前席シートヒーター/ベンチレーション、ステアリングヒーター/タッチセンサー、パワーイージーアクセス(ステアリング動作のみ)などが省略されています。
- 予防安全装備「Toyota Safety Sense」の一部機能(緊急時操舵支援、フロントクロストラフィックアラート、レーンチェンジアシスト、アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ、アドバンストドライブ渋滞支援、ドライバーモニターカメラ)が装備されません。
- 特別仕様車「クラウンスポーツ The 70th」の設定:
- クラウン誕生70周年を記念したモデルです。
- 専用ボディカラー(プレシャスメタル×プレシャスホワイトパール、プレシャスメタル×プレシャスブラックパール)が選択可能です。
- マットブラックの21インチアルミホイールを装備しています。
- インテリアにはブラックラスターカラーが採用され、専用ロゴ入りのプレミアムシフトノブ、インストルメントパネル加飾、プロジェクションカーテシイルミなどが特別装備されます。
- 価格はハイブリッドモデルが597万円、PHEVモデルが770万円です。
- 既存グレード「Z」と「RS」の改良点:
- PHEVモデルのインテリアカラーにブラック単色が新設定されました(従来のブラック&センシュアルレッドに加え)。
- 後席ドアハンドルのロック/アンロック機能が追加されました。
- ボディカラーのうち「エモーショナルレッドⅢ」「マスタード」「アッシュ」ではシャークフィンアンテナの色がブラックに変更されます。
新型クラウンスポーツ 一部改良 戦略的な新グレード「G」の導入
これまでのクラウンスポーツは、ハイブリッドの「Z」グレードとプラグインハイブリッド(PHEV)の「RS」グレードの二本柱で展開されておりました。しかし、今回の改良で新たに加わる「クラウンスポーツG」は、より幅広い層のユーザーにクラウンスポーツの魅力をお届けするための戦略的なグレードとして位置づけられています。
「G」グレードは、そのエクステリアデザインにおいて上級の「Z」グレードの洗練された美しさを維持しつつも、インテリアや一部装備の最適化を図ることで、大幅な価格ダウンを実現しているのが特徴です。具体的には、「Z」グレードで採用されていた本革シートはファブリックと合成皮革のコンビネーションシートに変更され、デジタルインナーミラーは自動防眩インナーミラーへと置き換えられます。さらに、助手席パワーシート、前席シートヒーターおよびシートベンチレーション、ステアリングヒーター、ステアリングのタッチセンサーなどが省略される他、パワーイージーアクセスはステアリング操作のみに限定されるのです。
また、安全システムにおいては、緊急時操舵支援、フロントクロストラフィックアラート、レーンチェンジアシスト、アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ、アドバンストドライブ渋滞支援、ドライバーモニターカメラといった一部機能が装備されないことで、よりアクセスしやすい価格設定が実現されています。この「クラウンスポーツG」の導入により、新型クラウンスポーツのスタート価格は従来の590万円から520万円へと大きく引き下げられ、これにより70万円もの価格差が生まれることとなりました。この価格戦略は、「クラウンスポーツ本来の走りの良さをより手軽に体感したい」と願うユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるに違いありません。
新型クラウンスポーツ 一部改良 クラウン生誕70周年を祝う特別仕様車「The 70th」の登場
1955年の初代クラウン誕生から70周年という節目を記念し、クラウンスポーツにも特別仕様車「クラウンスポーツ The 70th」が新たに設定されます。この特別仕様車は、既に「クラウンクロスオーバー」などで設定されていたもので、クラウンスポーツの歴史的な意義をさらに高める存在となることでしょう。
特別仕様車「The 70th」では、その記念モデルにふさわしい特別な内外装が与えられています。ボディカラーは「プレシャスメタル×プレシャスホワイトパール」と「プレシャスメタル×プレシャスブラックパール」の組み合わせから選択可能であり、これらはその存在感を一層際立たせることでしょう。足元にはマットブラックの専用21インチアルミホイールが装着され、精悍な印象を演出します。インテリアにおいては、ブラックラスターのインテリアカラーを基調とし、専用ロゴ入りのプレミアムシフトノブ、インストルメントパネルの専用レーザー加飾、プロジェクションカーテシイルミ、マニュアルケース、そして車両キーに至るまで、随所に70周年を祝う特別なデザインが施されているのです。さらに、オプション設定される専用のサイドデカールは、この特別仕様車であることを明確に主張します。これらの特別装備の数々は、クラウンスポーツ「Z」グレードからは7万円アップ、PHEV「RS」グレードからは5万円アップという価格設定でありながらも、その記念性と希少性を考えると、非常に魅力的な価値を提供していると言えるでしょう。
新型クラウンスポーツ 一部改良 既存グレードへの細やかな改良と機能強化
今回の改良では、新グレードの追加や特別仕様車の設定だけでなく、既存の「Z」および「RS」グレードにも細やかな機能強化が施されています。
特に注目すべきは、PHEVモデルのインテリアカラーにブラックが新たに設定された点です。これまでPHEVモデルのインテリアはブラックとセンシュアルレッドの組み合わせのみでしたが、ユーザーからの「オールブラックのインテリアを追加してほしい」という要望に応える形で、新たな選択肢が加わったのです。これにより、PHEVモデルの持つスポーティなイメージはそのままに、よりシックで落ち着いた空間を選ぶことが可能となりました。
また、「Z」と「RS」の両グレードには、後席ドアハンドルのロック/アンロック機能が追加されています。これは現行ハリアーでも既に採用されている機能であり、利便性の向上に寄与します。このような細やかな改良が、価格据え置きで実施されることは、既存グレードのユーザーにとっても喜ばしいニュースに違いありません。
さらに、ボディカラーの一部においては、シャークフィンアンテナのカラーが変更されるという、マニアックながらもデザインへのこだわりが感じられる改良も行われています。「エモーショナルレッドⅢ」、「マスタード」、「アッシュ」の3色のボディカラーでは、シャークフィンアンテナがブラックに変更されることで、より引き締まった印象を与えることでしょう。
新型クラウンスポーツ 一部改良 スペックについて
スペック | クラウンスポーツ RS(PHEV) | クラウンスポーツ Z(2.5 ハイブリッド) |
---|---|---|
全長 | 4,725mm | 4,725mm |
全幅 | 1,835mm | 1,835mm |
全高 | 1,690mm | 1,690mm |
ホイールベース | 2,690mm | 2,690mm |
エンジン | 直列4気筒 2.5L 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) | 直列4気筒 2.5L 直噴エンジンD-4S +モーター(THSⅡ) |
最高出力 | 130kW(177PS)/ 6,000rpm | 137kW(186ps)/ 6,000rpm |
最大トルク | 219Nm(22.3kgmf)/ 3,600-3,700rpm | 219Nm(22.5kgm)/ 3,600rpm |
フロントモーター 最大出力 | 134kW(182ps) | 88kW(119ps) |
フロントモーター 最大トルク | 270Nm | 202Nm |
リアモーター 最大出力 | 40kW(54.4ps) | 40kW(54.4ps) |
リアモーター 最大トルク | 121Nm(12.3kgfm) | 121Nm(12.3kgfm) |
システム出力 | 225kW(306ps) | 172kW(234ps) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | 電気式無段変速機 |
バッテリー | ニッケル水素電池 8.8kWh | ニッケル水素電池 5Ah |
駆動方式 | 4WD (E-Four) | 4WD (E-Four) |
乗車定員 | 5名 | 5名 |
車両重量 | 2,030kg | 1,800kg |
WLTCモード燃費 | 20.3㎞/L(4WD) | 21.3㎞/L(4WD) |
EV航続距離 | 90km/L(4WD) | - |
新型クラウンスポーツ 一部改良 の価格とグレード構成
今回の改良に伴う新型クラウンスポーツの価格帯は、520万円から820万円となります。
グレード名 | パワートレイン | 駆動方式 | 価格(税込) | 備考 |
---|---|---|---|---|
SPORT G (新設定) | 2.5Lハイブリッド | 4WD | 520万円 | 新規追加グレード |
SPORT Z | 2.5Lハイブリッド | 4WD | 590万円 | 価格維持 |
SPORT RS | 2.5L PHEV | 4WD | 765万円 | 価格維持 |
特別仕様車 The 70th (HEV) | 2.5Lハイブリッド | 4WD | 597万円 | 新規追加グレード |
特別仕様車 The 70th (PHEV) | 2.5L PHEV | 4WD | 770万円 | 新規追加グレード |
特別仕様車 RS LIMITED-MATTE METAL | 2.5L PHEV | 4WD | 820万円 |
新しく設定された「G」グレードにより、クラウンスポーツはより手軽に楽しめるモデルへと進化しました。その一方で、既存の「Z」と「RS」グレードは価格を維持しつつも機能が向上し、さらに「The 70th」特別仕様車は、特別な装備が加わりながらも魅力的な価格設定がなされているのです。
編集部から一言
クラウンスポーツは、新世代クラウンシリーズの第2弾として2023年10月に華々しくデビューしました。その特徴は、後輪操舵システム「ダイナミックリアステアリング」の採用による優れたハンドリング性能、ホイールの締結にハブボルトを使用することで実現した高い剛性、そして先進的な12.3インチデジタルメーターや最新の「トヨタセーフティセンス」による高い安全性にあります。また、トヨタ初となる「調音天井」の採用は、車内の静粛性を高め、上質な移動空間を提供しています。
今回の改良は、クラウンスポーツが市場からのニーズを敏感に捉え、常に進化を続ける姿勢の表れと言えるでしょう。新たなエントリーグレードの追加により、より多くのユーザーにクラウンスポーツの魅力を体験してもらう機会を提供し、特別仕様車の設定は、クラウンの豊かな歴史と未来への期待を象徴するものとなるでしょう。これらの進化は、クラウンスポーツが今後も日本の自動車市場において、注目と人気を集め続けることを示唆しているのです。
この新型クラウンスポーツの改良モデルは、その洗練されたデザイン、先進の技術、そして戦略的な価格設定により、多様なライフスタイルを持つユーザーの心に響くことでしょう。2025年7月10日の発売が、今から待ち遠しく感じられます。
トヨタ クラウン