2025年6月17日に世界初公開された2026年型新型日産リーフ(ZE2)が、遂にアメリカ市場での価格を発表しました。その結果は業界を驚かせるものとなりました。エントリーグレードのS+が29,990ドル(約4,423,659円)という、現在アメリカで販売されている新車EVの中で最も安い価格設定となったのです。
逆転の価格戦略:新型なのに先代より安い
最も驚くべきは、新型リーフが先代ZE1後期型よりも安価に設定されていることです。例えば、SV+グレードでは:
- 新型ZE2 SV+:34,230ドル(約5,050,071円)
- 先代ZE1後期 SV PLUS:36,190ドル(約5,339,147円)
なんと1,960ドル(約289,147円)も安くなっています。これは、より多くの機能と向上した航続距離を提供しながらの価格設定です。
グレード構成と価格体系の詳細分析
アメリカ市場での価格設定
グレード | 2026年新型ZE2価格 | 先代ZE1後期価格 | 価格差 |
---|---|---|---|
S+ | 29,990ドル(約4,423,525円) | 設定なし | - |
SV+ | 34,230ドル(約5,050,071円) | 36,190ドル(約5,338,025円) | -1,960ドル |
PLATINUM+ | 38,990ドル(約5,751,025円) | 設定なし | - |
バッテリー容量とパフォーマンスの向上
新型リーフは2つのバッテリーオプションを提供:
52kWhバッテリー(Sグレードのみ)
- システム総出力:177ps
- 価格:後日発表予定
75kWhバッテリー(S+、SV+、PLATINUM+)
- システム総出力:218ps
- EPA推定航続距離:最大303マイル(488km)
- 燃費効率:市街地131MPGe、高速道路111MPGe
技術革新と装備の充実
充電インフラの革命的改善
新型リーフにはNACS(North American Charging Standard)ポートが標準装備され、テスラスーパーチャージャーネットワークへのアクセスが可能になりました。これにより、20,000以上の充電ステーションが利用可能となり、長距離ドライブの実用性が大幅に向上しています。
先進的なデザインと機能

外装の革新
- 電動フラッシュドアハンドル(日産初の量産車採用)
- カタナブレード要素を取り入れた流麗なルーフライン
- セグメント初の調光パノラマルーフ
インテリアの進化
- デュアルディスプレイ(S/S+:12.3インチ、SV+/PLATINUM+:14.3インチ)
- フラットフロア設計による広々とした室内空間
- 再設計されたシートによる後席膝元空間の拡大
最新テクノロジーの搭載
Googleビルトイン機能
- Google Maps統合
- インテリジェントルートプランナー
- おなじみのアプリケーション対応
先進安全装備
- インテリジェントアラウンドビューモニター(クラス唯一)
- インビジブルフードビュー
- フロントワイドビュー
日本市場への展開戦略
発売スケジュールと命名規則
日本市場では独自のグレード構成を採用:
B5グレード(52kWhバッテリー)
- 発売時期:2026年春以降
- アリアと同様の命名規則を採用
B7グレード(75kWhバッテリー)
- 発売時期:2025年12月予定
- 価格発表:2025年10月予定
市場への影響と期待
日産の上級副社長ビネイ・シャハニ氏は、「リーフは15年前にEV市場を本格的にスタートさせ、日産は今でも電気自動車運転をすべての人にアクセス可能にすることにコミットしています」と述べています。
EV市場におけるポジショニング戦略
価格競争力の意義
新型リーフの29,990ドルという価格設定は、単なる安価な設定ではなく、15年前の初代リーフ(32,780ドル)よりも安いという驚異的な価格戦略です。これは、技術の進歩とスケールメリットを活用した結果といえるでしょう。
他社EVとの比較優位性
現在のアメリカEV市場において、新車で30,000ドル以下の価格帯は極めて限られています。新型リーフはこの価格帯で:
- 303マイル(488km)の航続距離
- テスラスーパーチャージャーアクセス
- 先進的な安全装備
- 豊富なテクノロジー機能
を提供することで、圧倒的な競争力を持っています。
持続可能なモビリティへの貢献
V2L(Vehicle to Load)機能
新型リーフには家庭用電源機能(V2L)が搭載され、緊急時の電力供給や屋外活動での電源確保が可能になりました。これは、単なる移動手段を超えた「動く発電機」としての価値を提供します。
環境への配慮
15年間にわたるEV開発の経験を活かし、新型リーフはより効率的なエネルギー利用と、環境負荷の軽減を実現しています。日産の「ニッサン・グリーンプログラム」の一環として、持続可能な未来への貢献を目指しています。
まとめ:EV普及の新たな章の始まり
2026年新型日産リーフは、単なるモデルチェンジを超えた意義を持っています。「より多くの機能、より長い航続距離、それでいて30,000ドル以下」というコンセプトは、EV市場の民主化を推進する重要な一歩となるでしょう。
日本市場での価格発表は2025年10月を予定しており、アメリカ市場の価格設定を参考にすると、競争力のある価格での提供が期待されます。EV普及の新たな章が、この新型リーフとともに始まろうとしています。
日産 ニュースリリース