2026年6月9日、三菱自動車(Mitsubishi Motors North America)は、完全電気自動車(BEV)の新モデルとなる2027年型「エクリプス スポーツバック(Eclipse Sportback)」をグローバル初公開しました。日産・リーフの次世代モデルをベースとしたOEMモデルでありながら、三菱独自のデザインと装備を纏った意欲的な一台です。本記事では、気になるスペック・航続距離・価格・発売日まで、判明している最新情報を徹底解説します。

エクリプス スポーツバックとは?三菱の新世代EVが誕生した背景
三菱自動車は1970年代から電気自動車の開発を続けてきた、EV先進メーカーのひとつです。2009年には世界初の量産型電気自動車「i-MiEV」を発売し、2012年には世界初のプラグインハイブリッドSUV「アウトランダーPHEV」を世界市場に投入。長きにわたって電動化をリードしてきた実績があります。
そのような背景のもと誕生したのが、今回の「エクリプス スポーツバック」です。三菱が掲げる中期経営計画「Momentum 2030」では、電動化を4つの重要柱のひとつとして位置付けており、2030年度まで毎年1車種以上の新型・大幅刷新モデルを発表していく方針を打ち出しています。エクリプス スポーツバックはまさにその戦略の要を担う一台として、アライアンスパートナーである日産自動車との協力のもと開発されました。
「エクリプス」の名は、北米市場に1990年に初登場して以来、三菱にとって象徴的なネームプレートです。現在SUVモデルとして展開している「エクリプスクロス」に続いて、EVモデルにこの名前を採用したことは、三菱が同ブランドを未来のEV時代に向けて再定義しようとしている意志の表れといえるでしょう。
エクリプス スポーツバックの外装(エクステリア)デザイン:三菱らしい力強さを表現
エクリプス スポーツバックのボディデザインは、ベースとなる日産リーフ(次世代モデル)から大きく差別化されており、三菱グローバルラインナップと共通するデザイン言語が随所に取り入れられています。

フロントには、三菱専用の新設計グリルとバンパーが採用されています。ヘッドライト自体の形状はリーフと共通しているものの、内部グラフィックを刷新することで独自の顔つきを実現。三菱のトレードマークである「トリプルダイヤモンド」エンブレムも存在感を放ちます。

リア周りにも抜かりはありません。専用デザインのリアバンパーに加え、テールゲートのカラーリングをブラックからボディ同色へと変更。さらに独自スタイルのLEDテールライトを採用することで、リーフとは一線を画するスポーティかつ精悍な後ろ姿を作り上げています。足元には、三菱らしさを演出するスポーティなアルミホイールが装着されます。全体的なシルエットはスポーツバック(ハッチバック)スタイルのコンパクトSUVに仕上げられており、都市部での取り回しのよさと洗練されたスタイルを両立しています。

エクリプス スポーツバックのボディサイズ:コンパクトでも広い室内空間を確保
三菱 新型エクリプス スポーツバックのボディサイズは以下のとおりです。
- 全長×全幅×全高:4,360mm × 1,810mm × 1,550mm
- ホイールベース:2,690mm
- 車両重量:1,750kg
参考として、兄弟車にあたる「エクリプスクロス」(全長4,545mm × 全幅1,805mm × 全高1,685mm、ホイールベース2,670mm)と比較すると、全長は185mm短縮されています。その一方でホイールベースはわずかに延長されており、車内空間の確保にしっかりと配慮されています。
EVならではの設計の妙として注目したいのが、床下スペースの活用方法です。クロスオーバースタイルのボディ形状によって生み出された床下空間に、大容量バッテリーを効率的に配置。さらに後述する小型化された新世代パワートレイン「3-in-1」の採用により、エンジンルームのスペースを最小化し、その分を室内空間の拡大に充てるという、EVならではのパッケージングが実現されています。
パワートレインとスペック:新世代「3-in-1」電動ユニットが生み出す爽快な走り
エクリプス スポーツバックに搭載される新型電動パワートレイン「3-in-1」は、従来は別々のコンポーネントとして存在していたインバーター・モーター・ギヤ(減速機)を、ひとつのユニットに統合したものです。このパッケージ化により、大幅なコンパクト化と軽量化を実現しています。
システムスペックはバッテリー容量によって異なります。
- 55kWhバッテリーモデル:最高出力 177ps / 最大トルク 35.2kgm
- 78kWhバッテリーモデル:最高出力 218ps / 最大トルク 36.2kgm
駆動方式はFWD(前輪駆動)となります。
パワートレインの小型化に伴い、空調ユニット(HVAC)を室内ではなくモータールーム内に移設しているのも注目ポイントです。これにより室内スペースの有効活用が進み、乗員の快適性がさらに向上しています。また、走行用バッテリーには水冷式の温度調節システムを搭載。特に寒冷地での充電性能・回生性能を強化し、季節や気温に左右されにくい安定した走行性能を発揮します。
ドライビングフィールの面でも、EVならではの個性が盛り込まれています。シーンに合わせて加速感や回生量をカスタマイズできる「PERSONALモード」を含む複数のドライブモードを設定。パドルシフトを使った回生ブレーキコントロールにより、ワンペダルドライブの爽快な感覚も楽しめます。
エクリプス スポーツバックの航続距離と充電性能:最大702kmの長距離走行を実現
EV購入を検討するうえで最も気になる「航続距離」と「充電性能」について、スペックをまとめます。
航続距離(WLTCモード基準)は以下のとおりです。
- 55kWhバッテリーモデル:最大521km
- 78kWhバッテリーモデル:最大702km
充電性能については、最大150kWの急速充電に対応しています。
- 55kWhバッテリーモデル:約30分の急速充電で約330km走行分を充電可能
- 78kWhバッテリーモデル:約35分で10%から80%まで充電可能
78kWhモデルの最大702kmという航続距離は、同クラスのEVとしてクラストップレベルの数値です。1回の充電でも長距離移動が可能なため、遠出や旅行にも気兼ねなく使えます。
さらに「ナビリンクバッテリーコンディショニング」機能を搭載。カーナビと連動して目的地までのルートを解析し、急速充電スポット到着前にバッテリーを最適温度に自動調整します。これにより、充電速度の最大化とエネルギー消費の最適化の両立を実現しています。
V2H・外部給電機能:アウトドアや災害時にも頼れるエネルギーソース
エクリプス スポーツバックは、走るためだけの乗り物にとどまりません。充電ポートに接続する「AC外部給電コネクター」を使えば、車をロックしたままでも1,500Wの電力を外部へ供給可能。室内と荷室には合計2か所の100V AC電源(合計最大1,500W)も備えており、キャンプなどのアウトドアシーンで家電製品を快適に使うことができます。
さらに自宅にV2H(Vehicle to Home)システムを設置すれば、車載バッテリーから家庭への電力供給も可能に。電力需要がピークを迎える時間帯の「電力ピークシフト」として活用できるだけでなく、停電時の非常用電源としても大きな力を発揮します。大容量バッテリーを搭載するEVだからこそ実現できる、生活インフラとしての価値が高く評価されます。
安全装備:プロパイロット2.0搭載で先進の運転支援が充実
三菱 新型エクリプス スポーツバックには、日産グループが開発する最新の運転支援システムが搭載されています。主な安全・運転支援装備は以下のとおりです。
- プロパイロット2.0:高速道路などの自動車専用道路において、手放し(ハンズオフ)運転が可能な高度運転支援システム。長距離ドライブでのドライバーの疲労を大幅に軽減します。
- プロパイロットパーキング/プロパイロット リモート パーキング:駐車操作をシステムが支援。狭いスペースへの駐車や、乗降後に車外からスマートフォンで操作するリモート駐車にも対応します。
- インテリジェントルームミラー:カメラ映像を活用したデジタルインナーミラー。荷物や後席の乗員で後方視界が遮られる場面でも、クリアな視界を確保します。
- インテリジェント ディスタンスコントロール:先行車との車間距離を自動で維持し、渋滞時の発進・停止まで対応。加減速の繰り返しが多いシーンでもスムーズに対応します。
- ドライブレコーダー(前後セット):万が一の交通トラブルに備えた前後カメラ付きのドライブレコーダーを標準装備。
エクリプス スポーツバックの価格は?日産リーフと同水準か
2026年6月時点では、エクリプス スポーツバックの正式な価格は未発表です。ただし、ベースモデルとなる日産リーフの価格帯を参考にすると、以下のようなラインナップが想定されます。
日産リーフ(参考価格):
- 55kWhバッテリー(B5)シリーズ:4,389,000円〜6,162,200円
- 78kWhバッテリー(B7)シリーズ:5,188,700円〜6,513,100円
三菱エクリプス スポーツバックも、日産リーフと同等の価格帯での設定が見込まれます。最新の電動パワートレインや充実した安全装備・先進機能を備えながらも、競争力のある価格設定が期待されます。正式な価格発表は、発売に向けて詳細情報が公開される際に合わせてアナウンスされる見通しです。
エクリプス スポーツバックの発売日:2026年秋〜北米市場でデビュー
三菱 新型エクリプス スポーツバックは、2027年モデルとして2026年の晩夏から秋にかけて(late summer or early fall 2026)、まず北米市場で発売開始される予定です。グローバルデビューは2026年6月9日に行われており、約300の販売ディーラーネットワークを通じて米国市場に展開されます。
北米以外の市場(日本を含む)への導入については現時点では未発表であり、続報が待たれます。今後も三菱の公式発表に合わせて、価格・グレード・仕様などの詳細情報が順次公開される見込みです。
なお、三菱は2027年初頭にはアウトランダーSUVをベースとした新型オフロード派生モデルの発表も予定しており、「Momentum 2030」計画のもとラインナップの拡充を積極的に進めています。エクリプス スポーツバックはその第一弾を飾る、三菱の電動化戦略を象徴する重要なモデルです。
まとめ:三菱 新型エクリプス スポーツバック 主要スペック一覧
| 項目 | 55kWhモデル | 78kWhモデル |
|---|---|---|
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,360×1,810×1,550mm | 同左 |
| ホイールベース | 2,690mm | 同左 |
| 車両重量 | 1,750kg | 同左 |
| 最高出力 | 177ps | 218ps |
| 最大トルク | 35.2kgm | 36.2kgm |
| 航続距離 | 521km | 702km |
| 急速充電(150kW) | 約30分で330km分 | 約35分で10→80% |
| 駆動方式 | FWD | FWD |
| 北米発売時期 | 2026年晩夏〜秋 | 同左 |
三菱 新型エクリプス スポーツバックは、日産リーフゆずりの信頼性の高い新世代EVプラットフォームをベースに、三菱らしいデザインと充実装備を加えた魅力的な一台に仕上がっています。最大702kmという長大な航続距離、プロパイロット2.0による先進の運転支援、V2H対応の外部給電機能など、現代のEVに求められる要素をほぼ網羅しています。北米での正式販売開始と、日本市場への導入発表が今後ますます注目されます。
※本記事の情報は2026年6月9日時点のものです。最新情報は三菱自動車公式サイトをご確認ください。

