日産の新型「エルグランド」が、NPO法人 日本自動車殿堂が選ぶ「2026~2027 日本自動車殿堂カーオブザイヤー(国産乗用車)」に選ばれました。2026年11月4日に発表され、第3世代e-POWERと電動4輪制御「e-4ORCE」による走りの愉しさと快適性の両立が評価されています。
4代目となる現行のエルグランド(E53型)は、約16年ぶりのフルモデルチェンジで2026年7月16日に発売されたばかりのプレミアムミニバンです。今回の日本自動車殿堂では、同じ日産の「リーフ」がカーデザインオブザイヤーを受賞し、歴史遺産車には「スカイラインGT-R(BNR32型)」が選ばれるなど、日産にとって実りの多い発表となりました。
この記事では、エルグランドが受賞した理由、投票結果、グレード別の価格、ボディサイズ、スペック、燃費、おすすめグレード、購入前の注意点まで、わかりやすくまとめました。


日本自動車殿堂カーオブザイヤーとは?新型エルグランドの受賞の概要
日本自動車殿堂(JAHFA)は、日本の自動車産業や文化の発展に貢献した人物をたたえ、その功績を後世に伝えることを目的としたNPO法人です。毎年秋に「殿堂者(殿堂入り)」「歴史遺産車」と、その年度に登場した新型車から選ぶ「イヤー賞」を発表しています。
イヤー賞は、国産乗用車から選ぶ「カーオブザイヤー」「カーデザインオブザイヤー」「カーテクノロジーオブザイヤー」と、輸入乗用車から選ぶ「インポートカーオブザイヤー」の4賞です。選考委員は大学教授や研究開発機関の研究者などで、4賞にのべ64名があたります。
2026~2027年度の対象は、2025年10月16日から2026年10月15日までに発表・発売された新型車です。この中から新型エルグランドがカーオブザイヤーに選ばれ、11月4日に発表されました。表彰式典は2026年11月11日に芝浦工業大学 豊洲キャンパスで行われ、日本自動車殿堂の公式サイトでも配信される予定です。
日産車の日本自動車殿堂カーオブザイヤー受賞は今回で4回目で、前回は2022~2023年度の「サクラ」でした(日産発表)。
新型エルグランドの受賞のポイントまとめ
日本自動車殿堂が示した受賞理由は、主に以下の3点です。
- 運転の愉しさと快適性:電動技術の採用で、運転する楽しさと乗る人の快適性を高い次元で両立
- プレミアムミニバンの競争:プレミアムミニバンの市場に、品質と性能で競う流れを持ち込んだ
- 電動化技術の最適化:第3世代e-POWERと4輪駆動力制御を高度に最適化
① 第3世代e-POWERによる「100%モーター駆動」
新型エルグランドのパワートレインは、発電専用に設計された1.5L直列3気筒ターボエンジン「ZR15DDTe」と、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機を一体化した「5-in-1」ユニットを組み合わせた第3世代e-POWERです。走行はすべてモーターで行うため、アクセル操作に対する反応が素早く、エンジン音も抑えられています。

② e-4ORCEとインテリジェント ダイナミックサスペンション
全車に電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用し、発進や加減速のときの車体の揺れを抑えます。さらに、4輪の減衰力を走行状況に合わせて変える「インテリジェント ダイナミックサスペンション(電子制御ショックアブソーバー)」と、停車時の揺り戻しを抑える「スムースストップ」を全車に標準装備しています。カーテクノロジーオブザイヤーの投票でも、エルグランドの「電動駆動・姿勢制御・可変減衰の統合制御による快適性向上」が2位に入っており、この部分の技術が高く評価されたことがわかります。
③ 2列目を主役にしたプレミアムな室内
全席に「ゼログラビティシート」を採用し、2列目にはデュアルリクライニングとオットマンを備えるパワーシートを標準装備しています。助手席と2列目左右の3席で同時にオットマンを使えるなど、後席の乗員が快適に過ごせる工夫が多いのも特徴です。
2026~2027 日本自動車殿堂イヤー賞の投票結果
日本自動車殿堂が公表した各賞の上位3台は次のとおりです。カーオブザイヤーでは、エルグランドが170点満点中100点を集め、2位のトヨタ RAV4に38点の差をつけました。
| 賞 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| カーオブザイヤー (満点170点) | 日産 エルグランド(100点) | トヨタ RAV4(62点) | ホンダ SUPER ONE(58点) |
| インポートカーオブザイヤー (満点170点) | ボルボ ES90/EX90(80点) | アウディ Q3/Q3 スポーツ(66点) | プジョー 5008(58点) |
| カーデザインオブザイヤー (満点170点) | 日産 リーフ(76点) | トヨタ ランドクルーザー FJ(68点) | トヨタ RAV4(60点) |
| カーテクノロジーオブザイヤー (満点130点) | 『Arene』:トヨタ RAV4(78点) | 統合制御による快適性向上:日産 エルグランド(76点) | 完全ステアバイワイヤ:レクサス RZ550e "F SPORT"(52点) |
エルグランドはカーテクノロジーオブザイヤーでも1位と2点差の2位に入り、商品の完成度と技術の両面で評価されました。
新型エルグランドのグレードと価格一覧
カタログモデルは「X e-4ORCE」と「G e-4ORCE」の2グレードで、どちらも4WD(e-4ORCE)の7人乗りです。
| グレード | 駆動 | 乗車定員 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| X e-4ORCE | 4WD | 7人 | 689万7,000円 |
| G e-4ORCE | 4WD | 7人 | 757万9,000円 |
日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)が手がけるカスタムカーの価格は次のとおりです。
| モデル | ベース車 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| AUTECH LINE e-4ORCE | X e-4ORCE | 717万9,700円 |
| AUTECH LINE e-4ORCE "G-spec" | G e-4ORCE | 778万4,700円 |
| ステップタイプ | X e-4ORCE | 714万6,700円 |
| ステップタイプ | G e-4ORCE | 782万8,700円 |
| AUTECH | G e-4ORCE | 824万7,800円 |
| VIP | G e-4ORCE | 869万8,800円 |
受賞にともなう価格の変更や記念モデルの発表は、2026年11月6日時点ではありません。
新型エルグランドのボディサイズ
- 全長:4,995mm
- 全幅:1,895mm
- 全高:1,975mm(プロパイロット 2.0装備車は1,970mm)
- ホイールベース:3,000mm
- 室内寸法(長×幅×高):3,165×1,730×1,315mm
- 最小回転半径:5.8m
- 車両重量:2,430kg(X)/2,440kg(G)
全長とホイールベースは、ライバルのトヨタ アルファード(4,995mm/3,000mm)と同じです。一方で全幅は1,895mmと幅広く、どっしりとした構えになっています。機械式駐車場の幅制限(1,850mm前後が多い)には収まらないことが多いので、マンションなどにお住まいの方は事前に確認しておきましょう。
「The private MAGLEV」!新型エルグランドの外装(エクステリア)
フロントデザイン
デザインコンセプトは「The private MAGLEV」。リニアモーターカーのような滑らかで速そうな姿を目指しています。フロントグリルは日本の伝統的な木工技法「組子」をモチーフにした立体的なデザインで、ひと目で新型エルグランドとわかる顔つきです。

リアデザインとボディカラー
リアコンビランプにも組子のモチーフを取り入れ、左右をつなぐ横一文字のランプで低く幅広く見せています。ボディカラーは全5色で、新色の「FUJI DAWN」と「至極(シゴク)」、この2色を組み合わせたプレミアム2トーンも設定されています。


14.3インチ画面!新型エルグランドの内装(インテリア)
コックピットとディスプレイ
国内の日産車として初めて、14.3インチの統合型インターフェースディスプレイを採用しました(Gに標準、Xはメーカーオプション。Xの標準は12.3インチ)。14.3インチ仕様はGoogle搭載のNissanConnectインフォテインメントシステムで、Googleマップなどを使えます。

シートと装備
シート地はXが合皮、Gが「テーラーフィット」です。Gには前席と2列目のベンチレーションシートが付きます。BOSEの22スピーカー プレミアムサウンドシステムはメーカーオプション、100V AC電源(1500W)はGに標準(Xはオプション)です。7人乗車のまま、機内持ち込みサイズのスーツケースを7個積めるのも魅力です。


新型エルグランドのパワートレインとスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| システム | 第3世代e-POWER+e-4ORCE(4WD) |
| 発電用エンジン | ZR15DDTe 1.5L 直列3気筒ターボ |
| エンジン最高出力/最大トルク | 103kW(140PS)/228N・m |
| フロントモーター | 151kW(205PS)/330N・m |
| リヤモーター | 100kW(136PS)/195N・m |
| サスペンション(前/後) | ストラット式/マルチリンク式 |
| タイヤ | 235/60R18 |
| 燃料・タンク容量 | 無鉛レギュラーガソリン・67L |
ドライブモードは6種類で、アクセル操作だけで加減速しやすい「e-Pedal Step」も備えます。
新型エルグランドの燃費(WLTCモード)
| モード | X e-4ORCE/G e-4ORCE |
|---|---|
| WLTCモード | 16.8km/L |
| 市街地モード | 15.2km/L |
| 郊外モード | 17.8km/L |
| 高速道路モード | 16.9km/L |
車両重量が2.4トンを超える大型ミニバンの4WDとしては良好な数値です。レギュラーガソリン仕様なのも、維持費の面でうれしいポイントです。
新型エルグランドの安全装備「プロパイロット」
- プロパイロット(X)/ナビリンク機能・渋滞時ハンズオフ・車線変更支援付きプロパイロット(Gに標準、Xはオプション)
- プロパイロット 2.0とプロパイロット リモート パーキング(Gにメーカーオプション)
- インテリジェント エマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、衝突回避ステアリングアシスト
- インテリジェント アラウンドビューモニター(3Dビュー機能付)、BSI・BSW(降車時スライドドア作動制御付)
新型エルグランドはどのグレードを選ぶべきか?おすすめグレード
おすすめ① 【装備と価格のバランスなら】G e-4ORCE(7人乗り・4WD)
価格:757万9,000円
Xとの差は68万2,000円ですが、14.3インチのNissanConnectインフォテインメントシステム、ナビリンク機能付きプロパイロット、前席・2列目のベンチレーションシート、ドライブレコーダー、ETC2.0、両側ハンズフリーオートスライドドアなどが標準になり、多くの方にとって選びやすいグレードです。
おすすめ② 【価格重視なら】X e-4ORCE(7人乗り・4WD)
価格:689万7,000円
e-4ORCE、インテリジェント ダイナミックサスペンション、2列目オットマン付きパワーシートなど、受賞理由になった走りと快適性の中核は全車共通です。12.3インチのナビで十分という方や、予算を抑えたい方に向いています。
おすすめ③ 【ショーファー用途なら】VIP(7人乗り・4WD)
価格:869万8,800円
Gをベースに、プレミアムナッパレザーのシート、専用のブラック内装、プレミアム仕様の遮音ガラス、BOSEサウンドなどを備えた最上級仕様です。後席に人を乗せることが多い法人や送迎用途に適しています。

リーフ・スカイラインGT-Rも!日産が受賞したそのほかの賞
カーデザインオブザイヤー:日産 リーフ
3代目となった新型リーフは、「日本の美意識をデジタルな時代に適応させたデザイン」「徹底的な空力設計によるスタイリッシュなEV」などの理由で、カーデザインオブザイヤーに選ばれました。日産車の同賞受賞は4回目で、前回は2011~2012年度です。
歴史遺産車:日産 スカイラインGT-R(BNR32型)
1989年に登場したR32型スカイラインGT-Rは、2.6Lツインターボエンジンと電子制御4WD「ATTESA E-TS」を搭載し、国内のツーリングカーレースで29連勝を記録した名車です。「走りのイメージの復権」に貢献したとして、2026年の歴史遺産車に選ばれました。
新型エルグランドの購入前にチェックしたい3つのポイント
1つ目は納期です。新型エルグランドは発売から約3か月で累計受注が1万台を超えたと日産が発表しており、人気が続いています。最新の納期は販売店で確認しましょう。
2つ目はメーカーオプションの選び方です。プロパイロット 2.0やBOSEサウンド、ツインガラスルーフなどは注文時にしか選べません。特にXの「◇4」セット(14.3インチ画面・ナビリンク付きプロパイロットなど)は、あとから付けられない装備が多いので慎重に決めましょう。
3つ目は駐車環境です。全幅1,895mm、全高1,975mmと大きく、機械式駐車場や古い立体駐車場には入らない場合があります。自宅や勤務先の駐車スペースを事前に測っておくと安心です。
新型エルグランドに関するよくある質問(FAQ)
Q. エルグランドが受賞した賞は何ですか?
A. NPO法人 日本自動車殿堂の「2026~2027 日本自動車殿堂カーオブザイヤー(国産乗用車)」です。2026年11月4日に発表されました。
Q. 新型エルグランドの価格はいくらですか?
A. カタログモデルはX e-4ORCEが689万7,000円、G e-4ORCEが757万9,000円です(税込)。
Q. 燃費はどれくらいですか?
A. WLTCモードで16.8km/L(X・G)です。燃料は無鉛レギュラーガソリンです。
Q. 受賞記念の特別仕様車は出ますか?
A. 2026年11月6日時点で、日産からの発表はありません。
まとめ:新型エルグランドは「走りと快適性」で選ばれたプレミアムミニバン
新型エルグランドは、第3世代e-POWERとe-4ORCE、電子制御サスペンションを組み合わせた走りと快適性が評価され、2026~2027 日本自動車殿堂カーオブザイヤーを受賞しました。投票では2位のRAV4に大差をつけ、カーテクノロジーオブザイヤーでも2位に入っています。
価格は689万7,000円からで、装備と価格のバランスを考えるとG e-4ORCEが最有力です。同時にリーフがカーデザインオブザイヤー、R32型スカイラインGT-Rが歴史遺産車に選ばれ、日産の存在感が際立つ発表となりました。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。

