三菱自動車の燃費試験データ不正問題で、新たに1車種でも法令とは違う方法で燃費試験用データが測定されていたことが2016年4月21日分かった。ほかに4車種でも同じ方法だった可能性が高い。三菱自が現在、国内で生産・販売している全車種のうち半数以上が法令と違う方法で測定されていた可能性が出てきた。
i-MiEVも疑い 燃費試験における不正行為
関係者によると、20日に国土交通省に報告した4車種のほかに、「i-MiEV」でも道路運送車両法で定める方法とは異なる方法で燃費試験用データが測定されていた。「RVR」「アウトランダー」「パジェロ」「ミニキャブ・ミーブ」の4車種も同じ方法だった可能性が高いという。この方法について、国交省は「法令に沿っていない」と指摘している。先に国交省に報告した4車種のうち2車種は日産自動車が販売していることから、三菱自が国内で生産・販売する約10車種のうち、不適正な方法で測定されている車種は少なくとも3車種となった。いずれについても、同法が定める方法で測定した上でデータを再提出。燃費試験を再度実施する。一方、三菱自は、多数の問い合わせが予想されるため、現時点で判明している不正の内容を販売店に説明するなど顧客対応を本格化させた。外部有識者による委員会も設置し、誰が関与したのかなどを調査する。国交省は21日、同法に基づき、三菱自の名古屋製作所・技術センター(愛知県岡崎市)に立ち入り検査を実施。
燃費試験用データを意図的に操作した動機や方法などの解明を進める。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、三菱自の不正に関し「極めて深刻な事案だ」と強い表現で批判した上で「厳正に対応する」と述べた。