トヨタ自動車とダイハツ工業は、今後ダイハツが「軽自動車を中心に据えたモビリティカンパニー」として再生を目指す中で、2024年5月1日付で海外事業における両社の体制を見直すことを2024年4月8日発表しました。
目次
変更の概要
- トヨタブランドの事業・商品企画機能をトヨタの事業・販売ビジネスユニットへ移管
- リソーセス管理・適正化など上記以外の委託に関わる部分もトヨタへのレポートラインに変更し、トヨタと連携を強化
製品企画機能は、トヨタ・ダイハツにまたがる「新興国小型車カンパニー」からトヨタの「Toyota Compact Car Company」へ変更。Toyota Compact Car Companyからダイハツへの委託とすることで、トヨタが開発から認証までの責任を持つ体制に変更しました。
これからの方向性
- ダイハツの強みである「良品廉価」なクルマづくりを磨き、全国のお客様に移動の自由を提供します。
- 国民車ともいえる軽の魅力・可能性を拡張し、軽自動車BEVにも挑戦します。
- 新興国のお客様の生活に必要な小型車をお求めやすい価格で提供します。
- トヨタとの連携を深め、電動化・知能化分野でカーボンニュートラル実現や、自動車産業・経済の発展に貢献します。
再発防止に向けた取組み
信頼回復に向けた取り組み
2月9日に国土交通省に提出した「三つの誓い」に基づく再発防止策を着実に実行し、信頼回復に努めます。
1. 経営改革
- 機能軸・縦割りを排除し、横連携とコミュニケーションを重視した組織に再編
- 統括部長・副統括部長を廃止し、5階層だった組織を3階層へスリム化
- 役割とミッションを明確化した若手プロジェクトリーダーを起用
2. モノづくり・コトづくり改革
- 身の丈に応じた開発日程を設定
- 現場が異常を知らせる「アンドン」体制を整備
- 遅れが発生した場合は、立ち止まってリソーセスを助け合い、日程を見直す
3. 風土改革
- 部門間ローテーションを活性化し、「人間力」を重視したマネジメント人材を配置
- スタッフから管理職への形式的な書面リポートを廃止
- デジタルツールの積極活用による効率的な業務遂行
- ワンボイスのトップダウンとボトムアップをベストミックス
- 「働いて安心」「役割で仕事」「現場主義」を合言葉に組織・人づくりを進める
4. 経営責任の明確化
- 認証不正問題の責任は経営にあると重く受け止めています
- 再発防止策を定め、再発防止に向けたスタートラインに立つ
- 旧経営陣による2023年度の賞与返納を実施
まとめ
- 5月1日付で海外事業における両社の体制を見直す
- これまでトヨタとダイハツの橋渡しの役割を担ってきた新興国小型車カンパニー(ECC)は解消されます。
- 5月から、「開発から認証までの機能」のレポートラインは、トヨタの「Toyota Compact Car Company」へ変更されます。
- 事業・商品計画に関わるリソーセス管理・適正化についても、トヨタが責任を持つ体制に変更されます。
- 小型車はトヨタが開発から認証までの責任を持ちダイハツが委託を受ける形態へ
- ダイハツは軽自動車を中心に
ダイハツは、お客様の生活を豊かにするクルマづくりを目指し、軽自動車と新興国市場に注力していきます。また、小型車開発体制変更により、開発効率化と再発防止策の徹底を図ります。
ダイハツニュースリリース
https://www.daihatsu.com/jp/news/2024/20240408-3.html
トヨタニュースリリース