スバルは、電動SUVラインナップに新たな旗艦モデルとなる「トレイルシーカー(TRAILSEEKER)」を2025年4月16日に発表し、2026年1月の発売を予定しています。この新型トレイルシーカーは、同日にマイナーチェンジが発表された電気自動車SUV「ソルテラ」と基盤を共有しながらも、そのボディサイズを拡大し、より広々とした室内空間と、スバルブランドのスポーツモデル「WRX」をも凌駕する圧倒的なパフォーマンスを実現しています。ニューヨークオートショーでの世界初公開を経て、その詳細なスペックや装備に対する期待が高まっています。本記事では、最新技術とスバルのこだわりが凝縮された新型トレイルシーカーの魅力を、内外装のデザイン、拡大されたボディサイズ、最新の装備、パワフルな走行性能、そして先進の安全装備に至るまで、徹底的に解説します。
迫力を増したエクステリアデザイン
新型トレイルシーカーのエクステリアは、スバルの最新デザイン哲学に基づき、その存在感を際立たせています。ベースとなるソルテラから進化し、より力強く、冒険心を掻き立てるスタイリングが与えられました。特に、ホイールアーチには、ソルテラではボディ同色であった部分にブラックを採用することで、SUVとしてのタフなイメージを強調しています。フロントマスクからリアにかけて、一貫したデザインラインが、洗練された印象と安定感を両立させています。リアデザインにおいては、左右のテールランプが接続され、「SUBARU」のロゴが中央に配置されることで、ワイドで安定感のある印象を与えます。足元には、18インチと20インチのホイールが設定され、ユーザーの好みに合わせた選択が可能です。公開された画像からは、SUVというよりもワゴンのような印象を受けるかもしれませんが、ソルテラから受け継いだ角張ったデザイン言語は、トレイルシーカーにもしっかりと息づいています。
拡大されたボディサイズと居住空間
新型トレイルシーカーは、ソルテラと比較してボディサイズが大幅に拡大されています。その具体的な数値を見ると、全長は4840mm、全幅は1860mm、全高は1675mm、そしてホイールベースは2850mmとなっています。これは、ソルテラの全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm、ホイールベース2850mmと比較して、全長が150mm、全高が25mm増加していることを示しています。特に全長と全高の拡大は、室内空間の広さの向上に大きく貢献しており、乗員にとってより快適な移動空間を提供します。参考として、スバルの人気SUVであるフォレスターのボディサイズは、全長4655mm、全幅1830mm、全高1730mm、ホイールベース2670mmであり、トレイルシーカーの全長とホイールベースが、フォレスターよりもさらに大きいことがわかります。
最新技術が息づくインテリアデザインと装備
新型トレイルシーカーのインテリアは、最新の装備と洗練されたデザインにより、質感の高い空間へと進化しています。特に目を引くのは、スバル車として最大となる14インチの大型インフォテインメントディスプレイの搭載です。これにより、ナビゲーション、オーディオ、車両情報など、様々な機能が直感的かつスマートに操作できるようになります。また、センターコンソールには、ワイヤレススマートフォン充電パッドが2基標準装備されており、スマートフォンを複数持つユーザーにとって、非常に便利な機能と言えるでしょう。これにより、ドライブ中の充電に関する煩わしさが軽減され、より快適なドライビング体験を提供します。
新開発されたパワートレインと驚異的な走行性能
新型トレイルシーカーには、新開発された高性能なEVパワートレインが搭載されています。AWDモデルのスペックを見ると、バッテリー容量は74.7kWh、最高出力は380psを発揮します。この強力なパワーにより、0-96km/h加速はわずか4.4秒という驚異的な数値を記録し、これは、かつての高性能スポーツモデルであるWRX STIや現行のWRX TRの0-97km/h加速5.6秒を大きく上回る、スバル史上最速の加速性能を誇ります。航続距離は、米国値で418km以上とされており、日常使いから長距離ドライブまで、幅広いシーンに対応できる性能を備えています。さらに、トレイルシーカーは1,590kgの牽引能力も確保しており、アウトドアアクティビティなど、多様なニーズに応えることができます。走行性能を支える重要な要素として、「X-MODE」ドライブモードシステムが採用されており、雪道や悪路、深雪や泥など、様々な走行状況に合わせて最適な走行モードを選択することが可能です。グリップコントロールやヒルディセントコントロールといった機能も搭載されており、悪路走破性を高め、ドライバーに安心感を提供します。バッテリーに関しては、最適な温度に保つためのバッテリープレコンディショニング機能が搭載されており、低温時における急速充電時間の短縮にも貢献します。
先進の安全技術「SUBARU Safety Sense」
安全性能においても、新型トレイルシーカーは最新の技術が投入されています。トヨタの技術を基に開発された「SUBARU Safety Sense」は、車両、歩行者、自転車に加え、新たに二輪車(昼間)の検知範囲を拡大し、より多くの状況下での衝突回避または被害軽減を支援します。特に、事故発生率の高い交差点における支援機能が強化されています。さらに、「プロアクティブドライビングアシスト」は、歩行者の横断や飛び出しといった潜在的なリスクを予測し、ステアリングやブレーキ操作をサポートすることで、安全運転を支援します。高度運転支援技術である「リモート機能付きアドバンスト パーク」も搭載されており、駐車時の操作をサポートし、利便性を向上させています。
価格と市場への期待
新型トレイルシーカーの価格は760万円と発表されています。これは、ベースとなるソルテラの価格帯と比較して、ボディサイズの拡大、出力の向上、そして装備の充実を考慮すると、妥当な範囲と言えるでしょう。ソルテラの価格帯は、FWDモデルのET-SS(18インチホイール)が627万円、AWDモデルのET-SSが671万円、そしてAWDモデルの最上位グレードであるET-HS(20インチホイール)が715万円です。トレイルシーカーは、スバルの電気自動車SUVラインナップにおける新たなフラッグシップモデルとして、その高い性能と質感で、市場に新たな選択肢を提供することが期待されます。
発売日と今後の展望
スバル新型トレイルシーカーは、2025年4月16日のワールドプレミアを経て、2026年1月の発売が予定されています。スバルは、この新しい電気自動車モデルを投入することで、世界的に高まる電気自動車のニーズに対応し、持続可能な社会の実現に貢献していく考えです。今後、新型スバル・トレイルシーカーに関する新たな情報が発表されることが予想され、その詳細に引き続き注目が集まります。スバルがこのトレイルシーカーを通じて、どのような新しい価値をユーザーに提供するのか、今後の展開が非常に楽しみです。
スバルニュースリリース
https://media.subaru.com/pressrelease/2307/1/all-new-2026-subaru-solterra-ev-debuts-updated