ホンダは、ハイパフォーマンスモデル「シビックタイプR」のビッグマイナーチェンジを実施し、2027年モデルを2026年10月1日に発表しました。発売から4年が経過した現行型(FL5)が、走行性能・内外装・快適装備のすべてにわたって磨き上げられています。この記事では、新型シビックタイプR 2027年モデルの変更点、スペック、燃費、サイズ、価格、日本発売日まで、気になるポイントを詳しくご紹介します。
新型シビックタイプR 2027年モデルの変更点まとめ
今回のマイナーチェンジは、見た目のインパクトこそ控えめながら、走りと使い勝手の両面で確かな進化を遂げています。主な変更点は以下の通りです。
エクステリア・走行性能
- より深いフロントスプリッターの採用でダウンフォースを向上
- エアインテークを拡大したアグレッシブなフロントフェイス
- 「+R」ドライビングモードのダンパーセッティングを再調整し、荒れた路面での突き上げを軽減
- ブレーキペダルにヨークスプリングを追加し、リンケージの遊びを抑制してフィーリングを改善
- レブマッチ制御を改善し、シフトダウンをよりスムーズに
- 往年のタイプRのカムカバーを思わせる新デザインのエンジンカバーを採用
- 新色「メテオロイドグレー・メタリック」を追加
インテリア・快適装備
- 3段階調整可能なシートヒーターを新たに標準装備
- シートに新しいパーフォレーションデザインとブラックのストライプを採用
- エアコン操作ノブをブラック、シフトレバー・ドアハンドル・コンソールトリムをダークグレーに変更
- 上部ドアパネルとメーター上部にウルトラスエード生地を採用し、映り込みを軽減
- 「Google ビルトイン」と「Alexa」を採用した最新インフォテインメントシステム
- ワイヤレス充電器の上にUSB-Cポートを2基装備
- 車線維持支援を改善し、「衝突後ブレーキシステム」を追加
空力を高めた新型シビックタイプRのエクステリアデザイン
新型シビックタイプRの外装は、イメージを大きく変えることなく走行性能を引き上げる正常進化型のアップデートが施されました。フロントフェイスはグリル開口部を拡大し、より深いフロントスプリッターを装備することで、従来以上のダウンフォースを発生します。

一方で、サイドビューやリアビューには目立った変更はなく、ひと目で見分けるのは難しいレベルの微妙な変更にとどまっています。それでも、発売から4年を経てついにフロントデザインに手が入ったことは、長く乗り続けるオーナーにとっても嬉しいポイントと言えるでしょう。

ボディカラーには引き締まった印象の新色「メテオロイドグレー・メタリック」が追加され、精悍な佇まいを演出しています。
さらにアグレッシブな「シビック TYPE R HRC」も展開予定
新型シビックタイプRには、よりアグレッシブな派生モデル「シビック TYPE R HRC」の設定も予定されています。これはトヨタ「GR」や日産「NISMO」に対抗するブランドとして、ホンダのモータースポーツ部門「HRC(Honda Racing Corporation)」から展開されるもので、東京オートサロン2026でコンセプトモデルが公開されました。

ベースモデルからさらに過激なエアロを採用して走行性能を高めるほか、専用アクセントで個性を強調。「HRC」モデルは2027年からの展開が予告されており、タイプRファンにとって見逃せない存在となりそうです。
最新装備を満載した新型シビックタイプRのインテリア
内装は、質感と機能性が大きく向上しました。これまで設定されていた「Racing Black Package」に近い上質な仕立てが標準化された印象です。

快適装備では、待望の3段階調整可能なシートヒーターがついに標準装備化。シートには新しいパーフォレーションデザインとブラックのストライプが採用され、スポーティさと上質感を両立しています。エアコン操作ノブはブラック仕上げ、シフトレバーやドアハンドル、コンソールトリムはダークグレーとされ、インテリア全体が引き締まった雰囲気に。上部ドアパネルとメーター上部にはウルトラスエード生地を使用し、フロントガラスへの映り込みや反射を軽減しています。

インフォテインメントでは、「Google ビルトイン」と「Alexa」を初採用。ステアリングを握ったまま電話やメール、音楽再生、車内温度の調節ができる「Google アシスタント」、リアルタイム交通情報に対応する「Google マップ」、使い慣れたアプリを車内で利用できる「Google Play」に対応します。ワイヤレス充電器の上には2つのUSB-Cポートを備え、利便性も向上しました。

走りのための装備も健在です。10.2インチのフルデジタルメーターには「+R」モード専用デザインを用意し、サーキット走行で必要な情報を瞬時に認識できるレイアウトを採用。TYPE R専用データロガーアプリ「Honda LogR」も標準搭載され、Gメーター表示の「パフォーマンスモニター」、公道走行を採点する「オートスコア」、サーキットでのログやタイム計測が可能な「データログ」に対応します。


新型シビックタイプRのスペックと走行性能
新型シビックタイプR 主要スペック

- エンジン:直列4気筒2.0Lターボ「VTEC Turbo」(K20C)
- トランスミッション:6速MT
- 駆動方式:FF(前輪駆動)
搭載エンジンは、現行同様の2.0Lターボ「VTEC Turbo」を継続。今回のマイナーチェンジでは最高出力の変更はなく、米国仕様では315hp(319PS)/310lb-ft(420Nm)を発生します。パワーアップこそ見送られたものの、ヘリカルLSDによる優れたトラクション性能や、FF最強クラスの完成度はそのままに、レスポンスとフィーリングの磨き込みに注力しているのが今回の狙いです。
最大の改良ポイントは、これまで「硬すぎて跳ねる」という声が多かった「+R」モードのダンパーセッティングの再調整です。これにより、サーキット以外の荒れた路面でのバウンドや突き上げが軽減され、より幅広いシーンで扱いやすくなりました。加えて、ブレーキペダルへのヨークスプリング追加でペダルフィールが向上し、レブマッチ制御の改善によってシフトダウンがさらにスムーズになっています。
車重は約1,446kgと軽量で、0-60mph(約97km/h)はおよそ5秒。FFとは思えない加速性能を誇り、スピードが乗るほど4WD勢に対する軽さのアドバンテージが際立つキャラクターです。
新型シビックタイプRの燃費
新型シビックタイプRの燃費
- 12.5km/L(WLTCモード想定/前モデルは12.8km/L)
走行性能を最優先しながらも、燃費は前モデルとほぼ同等の水準を維持しています。ハイパフォーマンスモデルとしては、日常使いでも十分に現実的な数値と言えるでしょう。
新型シビックタイプRのボディサイズ
新型シビックタイプR ボディサイズ

- 全長×全幅×全高:4,595×1,890×1,405mm
- ホイールベース:2,735mm
- 車両重量:約1,430kg
- 乗車定員:4名
ベースとなる「シビック」と同じく、前モデルから全長とホイールベースが延長されています。ボディは高張力鋼とアルミニウムを組み合わせることで、ねじり剛性を8%、曲げ剛性を13%向上。アンダーボディをフラット化して空力性能を高め、高速域で路面に張り付くような安定した走りを実現しています。
新型シビックタイプRの価格
新型シビックタイプRの価格
- 米国仕様:49,990ドル(約790万円)
- 参考:前モデル(米国仕様)48,690ドル(約770万円)
- 参考:前モデル(日本仕様)Racing Black Package 6,179,800円
価格は、米国仕様で約1,300ドル(約20万円)の値上げとなりました。装備の充実と内装の質感向上を考えれば妥当な範囲ですが、ライバルと比較してもVW「ゴルフR」と並ぶ高価格帯に位置します。それでも、ポルシェ911 GT3に手が届かない層にとって、6速MTとピュアな走りを味わえるシビックタイプRは依然として魅力的な選択肢です。日本仕様も同等の価格改定が予想されます。
新型シビックタイプRの日本発売日はいつ?
マイナーチェンジした新型シビックタイプRは、2026年10月1日にワールドプレミアされ、まず米国で販売を開始します。日本での販売は2026年末に予定されています。
なお、欧州市場では厳しい排出ガス規制の強化により、シビックタイプRは2026年をもって終売となります。世界的に規制が厳しさを増すなか、ホンダが米国と日本でタイプRを継続して提供する姿勢は、ファンにとって心強いニュースと言えるでしょう。
歴代シビックタイプRの歩み
シビックタイプR(Civic Type R)は、1997年に初代が登場したホンダを代表するスポーツカーです。「NSXタイプR」「インテグラタイプR」に続くタイプRシリーズ第3弾として誕生しました。
初代(EK9型)は6代目シビックをベースに、185馬力の1.6L VTECエンジン「B16B」を搭載。鈴鹿製作所で生産されました。2代目(EP3型)は英国工場製で、2L「K20A」と6速MTを採用。3代目(FD2/FN2型)では出力を225馬力に向上させ、日本仕様は4ドアセダン、欧州仕様は3ドアハッチという二本立てとなりました。
4代目(FK2型)では、シリーズ初のターボ付き2L「K20C」を搭載し出力を310馬力に大幅アップ。ニュルブルクリンク北コースで量産FF車最速タイムを記録し、日本では750台限定で抽選販売されました。5代目(FK8型)を経て、2022年に登場した現行の6代目(FL5型)が、今回のマイナーチェンジで新たなステージへと進化します。
四半世紀以上にわたって走る楽しさを追求し続けてきたシビックタイプR。2027年モデルは、ピュアなスポーツ性能に日常での扱いやすさと上質さを加え、完成度をさらに高めた一台となっています。日本導入が待ち遠しいモデルです。
ホンダニュースリリース

