ポルシェの次期「718 ボクスター」と「718 ケイマン」は、電気自動車(EV)だけのモデルとして登場します。ポルシェは2026年10月7日に発表した新しい経営戦略の中で、電気自動車の718 ボクスターとケイマンについて、2028年が生産の最初の通年になると公表しました。
2028年に1年を通して生産するということは、その前に新型が発表され、生産が始まると考えられます。そのため、世界初公開は2027年ごろと予想されています。ただし、発表日、価格、スペック、日本での発売時期は、まだ公式に発表されていません。
718は、ポルシェのミッドシップ(座席の後ろにエンジンを置く形)のスポーツカーで、オープンの「ボクスター」とクーペの「ケイマン」があります。次期型でガソリンエンジンがなくなることは、スポーツカーファンにとって大きなニュースです。
この記事では、次期718 EVについてポルシェが公式に発表していること、予想される姿、歴代モデル、新型を待つべきか今のモデルを選ぶべきかまで、わかりやすくまとめました。なお、記事中の写真はすべて現行モデル(718 スパイダーRS)です。


そもそもポルシェ 718 ボクスター/ケイマンとは?
ボクスターは1996年に登場したポルシェの2人乗りオープンスポーツで、ケイマンはそのクーペ版として2005年に加わりました。どちらもエンジンを座席の後ろに置くミッドシップで、重いものを車の真ん中に集めることで、軽快で正確なハンドリングを実現しています。ポルシェの中では、911より手の届きやすいスポーツカーとして人気を集めてきました。
現行モデルは2016年から「718」の名前で販売されています。「718」は、1950年代から60年代にかけてレースで活躍したポルシェのミッドシップ・レーシングカーにちなんだ名前です。そして次の世代では、パワートレインが電気モーターに切り替わることになります。
ポルシェが公式に発表していること
ポルシェは2026年10月7日、2035年までの新しい経営戦略「Sportwagenschmiede '35(スポーツカー工房 '35)」を発表しました。718に関係するポイントは、以下の通りです。
- 電気自動車だけ:次期718 ボクスターとケイマンは「all-electric(すべて電気自動車)」のモデル
- 2028年が最初の通年:電気自動車の718は、2028年が生産の最初の通年で、販売を支えるとされている
- パワートレインは3本立てを継続:ポルシェ全体では、ガソリン、プラグインハイブリッド、電気自動車の3つを続ける
- 毎年1つ以上の新型:2030年まで、ブランドを象徴する新製品を毎年少なくとも1つ投入する計画
① 次期718は電気自動車だけになる
ポルシェ全体としては、ガソリン車やプラグインハイブリッド車も続ける方針です。そのなかで、718については電気自動車のモデルとして公表されました。つまり、次期型にガソリンエンジンの718は用意されない見込みです。
② 2028年が本格生産の年

ポルシェは、電気自動車の718について、2028年が生産の最初の通年になると説明しています。1年を通して生産する最初の年が2028年なので、世界初公開や生産の開始はそれより前、2027年ごろになると予想されます。日本への導入時期は発表されていません。
③ 911の上には新しいミッドシップも計画
ポルシェは2026年10月15日、911の上に位置するミッドシップのスーパースポーツを示すビジョンモデル「ミッションS」を公開しました。718が電気自動車のエントリースポーツになる一方で、さらに上のクラスにも新しいミッドシップを用意する考えです。ポルシェのミッドシップのラインナップは、これから大きく変わっていきそうです。

新型718 EVの価格は?
価格は、2026年10月時点で発表されていません。ポルシェの電気自動車はバッテリーの費用がかかるため、現行のガソリンの718より高くなるのでは、という見方もありますが、公式な情報はありません。この記事では、予想価格は書かないことにします。価格が発表されたら、この記事を更新します。
新型718 EVのボディサイズとデザインの予想

ボディサイズは発表されていません。ボクスターとケイマンの魅力は、コンパクトなボディと低い重心です。電気自動車になるとバッテリーで車が重くなりがちなので、どこまで軽さとコンパクトさを保てるかが、次期型の一番の注目点になりそうです。
デザインは、ボクスターらしい低く長いノーズと、座席の後ろが盛り上がったミッドシップらしいシルエットを受け継ぐと予想されます。電気自動車はエンジンの冷却が要らないため、ボディ横の大きな空気の取り入れ口がどう変わるかも見どころです。

新型718 EVのパワートレインの予想
次期718は電気自動車なので、エンジンの代わりに電気モーターとバッテリーで走ります。モーターの数、出力、航続距離、充電の速さは、まだ公式に発表されていません。
ポルシェは電気自動車のスポーツカーとして、すでに「タイカン」を販売しており、2026年には電気自動車の「カイエン・エレクトリック」の予約受注も日本で始めました。こうした電気自動車で積み重ねた技術が、718にも生かされると考えられます。電気モーターは踏んだ瞬間から力が出るため、加速の鋭さはガソリン車以上になる可能性があります。
現行718の頂点「718 スパイダーRS」とは?
現行の718シリーズで頂点に立つのが、2023年に発表された「718 スパイダーRS」です。ポルシェ911 GT3から受け継いだ4.0Lの自然吸気・水平対向6気筒エンジンを積み、最高出力は500PSです。オープンのミッドシップに、このエンジンが積まれたのは初めてでした。
次期型が電気自動車だけになることを考えると、高回転まで回る自然吸気エンジンをミッドシップで味わえる718は、とても貴重な存在です。ガソリンエンジンの音や回転の気持ちよさを大切にしたい方にとっては、現行モデルを選ぶ意味が大きくなっています。
ボクスター/ケイマンの歴史をおさらい
初代ボクスター(1996年〜)
1996年に登場した初代ボクスターは、水平対向6気筒エンジンをミッドシップに積んだオープンスポーツでした。手の届きやすいポルシェとして大ヒットし、当時のポルシェを支えるモデルになりました。
2代目ボクスターとケイマンの登場(2004年〜)
2代目のボクスターをベースに、2005年にはクーペの「ケイマン」が加わりました。屋根があることで車体の剛性が高まり、より鋭い走りを求める人に選ばれました。
3代目(2012年〜)
3代目では軽量化とボディの剛性アップが進み、走りの完成度がさらに高まりました。高性能なGT4やスパイダーも用意されました。
718(2016年〜)
2016年からは「718」の名前になり、エンジンは水平対向4気筒ターボが中心になりました。のちにGT4 RSやスパイダーRSなど、6気筒の高性能モデルも追加されています。そして次の世代で、ついに電気自動車へ切り替わります。
電気自動車になる新型718 EVのメリットと気になる点
期待されるメリット
1つ目は、加速の鋭さです。電気モーターはアクセルを踏んだ瞬間から大きな力を出せるため、信号からの発進や追い越しで、ガソリン車とは違う力強さを感じられるはずです。
2つ目は、重心の低さです。重いバッテリーを床下に置けば、車の重心をさらに低くできます。ミッドシップらしい安定したコーナリングに、低い重心が加わることが期待されます。
3つ目は、日常での使いやすさです。自宅で充電できる環境があれば、ガソリンスタンドに行く手間がなくなり、静かに走れるので早朝や夜の出発も気をつかわずに済みます。
気になる点
一方で、バッテリーの分だけ車が重くなりやすいことは心配な点です。ボクスターとケイマンは軽さが大きな魅力だったので、重さをどこまで抑えられるかが評価を分けそうです。また、長距離のドライブでは充電の計画が必要になり、エンジンの音や振動を楽しみたい方には物足りなさが残るかもしれません。
新型718 EVはどんな人に向いている?
新型718 EVは、最新の電動スポーツカーの走りを味わいたい方や、自宅で充電でき、普段の移動にもスポーツカーを使いたい方に向いていそうです。一方、エンジンの音や手応え、マニュアルトランスミッションの操作を楽しみたい方には、現行の718や中古車のほうが満足度は高いかもしれません。どちらの良さを大切にするかで、選ぶべき718は変わります。
新型718 EVの日本発売日はいつ?購入前にチェックしたい3つのポイント
日本での発売時期は発表されていません。ポルシェが2028年を生産の最初の通年としているため、日本への導入はそれ以降になる可能性もあります。
1つ目は、ガソリンの718が欲しいかどうかです。次期型は電気自動車だけになる見込みなので、エンジンの音や手応えを楽しみたい方は、現行モデルや中古車を早めに検討する価値があります。
2つ目は、充電の環境です。電気自動車のスポーツカーを日常で使うには、自宅や近くで充電できるかが大切です。新型を待つ方は、充電の準備も考えておきましょう。
3つ目は、待つ期間の長さです。生産の本格化は2028年で、日本に届くまでにはさらに時間がかかる可能性があります。今すぐスポーツカーが欲しい方は、待つ期間と天秤にかけて考える必要があります。
新型718 EVに関するよくある質問(FAQ)
Q. 次期718 ボクスター/ケイマンは本当に電気自動車になりますか?
A. ポルシェは2026年10月7日の経営戦略の発表で、次期718 ボクスターとケイマンを電気自動車のモデルとして公表しました。
Q. いつ発売されますか?
A. ポルシェは2028年を生産の最初の通年としています。発表日や日本での発売日は、まだ発表されていません。
Q. ガソリンエンジンの718は残りますか?
A. 次期型にガソリンエンジンのモデルは公表されていません。ポルシェ全体ではガソリンやプラグインハイブリッドも続けますが、718は電気自動車として計画されています。
Q. ボクスターとケイマンの両方が電気自動車になりますか?
A. ポルシェの発表では、電気自動車の718として「ボクスター」と「ケイマン」の両方の名前が挙げられています。オープンとクーペの2つのボディが続く見込みです。
Q. 今のガソリンの718を買うのはありですか?
A. エンジンの音や手応えを大切にしたい方には、十分に選ぶ価値があります。次期型は電気自動車だけになる見込みなので、ガソリンエンジンのミッドシップ・ポルシェを新車で味わえる機会は限られてきます。購入を考えている方は、販売店で在庫や受注の状況を確認しておくと安心です。
Q. 価格や航続距離はわかっていますか?
A. 2026年10月時点で、価格、出力、航続距離はどれも発表されていません。
まとめ:新型718 EVは2028年に本格生産、ガソリン派は今が選びどき
ポルシェは、次期718 ボクスターとケイマンを電気自動車だけで展開し、2028年を生産の最初の通年とすると公表しました。発表は2027年ごろと予想されますが、価格やスペック、日本での発売時期はまだわかっていません。
電気自動車の新しい走りを楽しみに待つか、自然吸気やターボのエンジンを積む現行718を選ぶか。どちらを選ぶかは、スポーツカーに何を求めるかで決まりそうです。
ポルシェは2030年まで毎年少なくとも1つ、ブランドを象徴する新製品を出す計画を示しています。電気自動車の718は、その中でも特に注目される1台になりそうです。
最新情報が入り次第、随時更新していきます。

