日産自動車は2025年10月27日、プレミアムスポーツセダン「スカイライン」の一部仕様向上を発表するとともに、特別限定車「スカイライン400R Limited(400Rリミテッド)」を400台限定で販売することを明らかにしました。注文受付開始は2025年11月13日、納車開始は2025年12月18日が予定されています。
日産スカイライン400R Limitedが登場!400台限定の特別仕様車

1957年の誕生以来、日本の自動車史に燦然と輝く名車として君臨してきたスカイライン。その現行モデルの集大成として登場した400R Limitedは、スポーツ性能と快適性を高次元で両立した、真のスカイラインファンに贈られる特別な一台となっています。

スカイライン400R Limitedの価格とグレード構成
2025年モデルの価格一覧
今回の仕様向上に伴い、グレード体系と価格が改定されました。エントリーグレード「GT」が廃止され、全体的に価格が上昇しています。
- GT Type P(304ps):544万2,800円
- GT Type SP(304ps):572万3,300円
- 400R(405ps):649万5,500円
- 400R Limited(405ps):693万5,500円【400台限定】
400R Limitedは、ベースモデルの400Rから44万円のプライスアップとなっていますが、専用装備の充実度を考えれば納得の価格設定と言えるでしょう。
前モデルからの価格変更幅
改良にあわせて標準モデルは57万~60万円ほど価格が上昇。前モデルのスタート価格が456万9,400円だったのに対し、新型では544万3,000円からとなり、約87万円のアップとなっています。これは安全装備の充実や最新法規への適合、そして装備の見直しによるものです。
スカイライン400R Limitedの専用装備と特別仕様

走行性能を極めた専用チューニング
400R Limitedは、405psを誇るVR30DDTT型3Lツインターボエンジンをさらに活かすべく、シャシーとサスペンションに入念なチューニングが施されています。
専用タイヤ「DUNLOP SP SPORT MAXX GT 600」を採用

19インチアルミホイールには、ダンロップの高性能タイヤ「SP SPORT MAXX GT 600」を専用装着。フロントは+0.5J、リアは+1.0Jとワイド化されており、より確実なグリップ力を実現しています。
サスペンション・スタビライザーの強化

- フロントサスペンションのバネ定数:4%向上
- リアスタビライザーのバネ定数:44%向上
タイヤの幅広化に合わせてリアスタビライザーのバネ定数を大幅に強化することで、ロールを効果的に抑制。ワインディングロードでも気持ちの良いハンドリングを実現しています。
高性能ブレーキシステム

耐フェード性に優れたブレーキパッドを採用することで、高温時でも安定した制動性能を発揮。サーキット走行やスポーツドライビングでも安心して走りを楽しめます。
限定車だけの特別エクステリア

特別カーボンパーツの採用
400台限定モデルならではの特別装備として、以下の部位にカーボンパーツを装着:
- リアスポイラー
- ドアミラーカバー
軽量かつ高級感のあるカーボン素材が、スポーティな印象を一層強調します。
専用「LIMITED」バッジ
トランク部分には、一目で限定車とわかる専用の「LIMITED」バッジを装着。所有する喜びを高める特別なアイテムです。
プレミアムな限定インテリア

シリアルナンバープレート
400台のオーナーだけに与えられる特権として、車両ごとに異なるシリアルナンバープレートをインテリアに装着。限定モデルを所有する特別感を存分に味わえます。
カーボンフィニッシャー
センターコンソールにもカーボンフィニッシャーを採用し、エクステリアとの統一感を演出。スポーティかつ上質なインテリア空間を実現しています。

2025年モデル全体の改良ポイント
新色「ワンガンブルー」の追加
標準モデルにも大きなトピックがあります。それが特別なボディカラー「ワンガンブルー」の新規設定です。
このカラーは、日産フェアレディZにも採用されている特別塗装で、日産の特別なスポーツカーのみに許された色とされています。特殊な顔料を使用することで、太陽光の下と夜の照明下ではまったく異なる表情を見せるのが最大の特徴。時間帯や光の当たり方によって深いブルーから鮮やかなブルーへと変化する、まさにプレミアムスポーツセダンにふさわしいカラーです。
安全性能の向上
インテリジェント エマージェンシーブレーキの進化
従来は車両のみを検知対象としていた自動ブレーキ機能が、今回の改良で歩行者と自転車の検知にも対応。より幅広いシーンでドライバーと歩行者の安全をサポートします。
また、各種最新の法規にも適合し、現代の安全基準を満たす仕様となっています。
グレード体系の見直し
今回の改良で、エントリーグレード「GT」が廃止されました。これにより、ラインナップは以下の3グレード+限定車となります。
- GT Type P(300馬力仕様)
- GT Type SP(300馬力仕様)
- 400R(400馬力仕様)
- 400R Limited(400馬力仕様/限定車)
より高性能・高品質なモデルに絞り込むことで、スカイラインブランドの価値を高める戦略と言えるでしょう。
スカイライン400R Limitedのパワートレインとスペック
VR30DDTT型3Lツインターボエンジン
標準モデル(GT Type P / GT Type SP)
- エンジン型式:VR30DDTT
- 排気量:2,997cc
- 最高出力:304ps(224kW)
- 最大トルク:40.8kgm(400Nm)
400Rシリーズ(400R / 400R Limited)
- エンジン型式:VR30DDTT
- 排気量:2,997cc
- 最高出力:405ps(298kW)
- 最大トルク:48.4kgm(475Nm)
400Rシリーズは、標準モデルから100ps以上も高い出力を誇ります。0-100km/h加速は5秒以下と推定され、国産セダンとしてトップクラスの動力性能を誇ります。
7速ATとFR駆動方式
トランスミッションは全車に7速オートマチックを搭載。駆動方式は後輪駆動(FR)で、スポーツセダンらしい走りの楽しさを追求しています。
燃費性能
WLTCモード燃費:10.0km/L(全グレード共通)
405psを発揮する400Rシリーズでも、標準の304ps仕様と同じ燃費値を達成しているのは特筆すべき点です。高性能と実用性を両立した設計となっています。
スカイライン400Rの走行システムと先進技術
インテリジェント ダイナミックサスペンション
「インテリジェント ダイナミックサスペンション」は、ソレノイドアクチュエーターで減衰力を可変制御するセミアクティブタイプのショックアブソーバーシステムです。
- 通常走行時:減衰力を低くして快適な乗り心地を実現
- コーナーリング時:減衰力を高めて操縦安定性を向上
ステアリング操作に応じてタイヤが動き始める前にロールの発生を抑制するなど、先進的な制御を行います。
ダイレクトアダプティブステアリング
世界初のステアリング・バイ・ワイヤ技術「ダイレクトアダプティブステアリング」を採用。ステアリングホイールとステアリング機構を機械的ではなく電気信号で接続することで、以下のメリットを実現しています。
- 路面の凹凸によるキックバックを抑制
- シャープで正確なハンドリング
- ステアリングフィール調整の自由度向上
- 低速から中速での操舵の過敏さを軽減
プロパイロット2.0
高速道路の同一車線内でハンズオフ走行が可能な「プロパイロット2.0」を搭載(グレードにより設定)。長距離ドライブでの疲労を大幅に軽減します。
スカイラインのボディサイズと取り回し
主要諸元
- 全長:4,815mm
- 全幅:1,820mm
- 全高:1,440mm
- ホイールベース:2,850mm
- 車両重量:約1,700kg(V6ターボモデル)
ミドルクラス上級セダンとして適度なサイズ感を保ちながら、3Lターボエンジンでも車重の増加を最小限に抑えた軽量設計が光ります。
スカイラインのエクステリアデザイン
日産の新デザインアイデンティティ「Vモーション」
2019年の大幅改良で採用された「Vモーション」グリルは、日産ブランドの統一感を示すデザイン言語。力強く印象的なフロントフェイスを形成しています。
また、エンブレムも従来のインフィニティマークから日産エンブレムに変更され、日本市場での存在感を高めています。
伝統の丸型4灯リアランプ
リアには、スカイライン伝統の丸型4灯式リアランプを採用。スポーツエキゾーストフィニッシャーとともに、スカイラインらしい特徴的なリアビューを演出しています。
スカイラインのインテリアデザインと装備
上質な素材と洗練されたデザイン
新型スカイラインのインテリアは、高品質な素材を惜しみなく使用し、セダンとしての質感を追求。選べるインテリアカラーは以下の通りです。
- ブラック:スポーティな雰囲気
- ホワイト:モダンで明るい印象
- ブラウン(オプション):上質でエレガント
先進インフォテインメント
- カラーヘッドアップディスプレイ
- 7インチアドバンスドドライブアシストディスプレイ
- 電動パーキングブレーキ
NissanConnectサービス
- OTA自動地図更新:通信による自動地図更新
- ドアtoドアナビ:乗車前から降車後までシームレスなナビゲーション
- docomo In Car Connect:車内Wi-Fi環境
スカイライン400R Limitedの購入方法と注意点
先着順・台数限定販売
400R Limitedは400台限定で、受注は先着順となります。台数に到達次第、受付終了となるため、購入を検討されている方は早めの注文が必要です。
持込み登録車扱い
400R Limitedは持込み登録車として、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)の扱いとなります。通常の日産ディーラーとは異なる購入プロセスとなる可能性があるため、詳細は販売店に確認することをお勧めします。
注文受付と納車スケジュール
- 注文受付開始:2025年11月13日
- 納車開始:2025年12月18日
年末年始に新しいスカイラインで走り初めができるタイミングです。
スカイラインの歴史と伝統
1957年誕生のプリンス・スカイライン
日産スカイラインの原点は、1957年に富士精密工業(後のプリンス自動車)から発売された初代「プリンス・スカイライン」です。車名の由来は「山並みと青空を区切る稜線」から。
伝説のGT-Rシリーズ
3代目(C10型、通称「ハコスカ」)から始まったGT-Rシリーズは、レースでの圧倒的な強さで「スカイライン伝説」を確立。特にR32型GT-Rは「ゴジラ」の異名で海外でも高い人気を誇りました。
現行モデルの位置づけ
現行V37型スカイラインは13代目にあたり、2014年にデビュー。海外ではインフィニティQ50として販売されており、グローバルなプレミアムセダンとしての地位を確立しています。
2019年の大規模改良で日産エンブレムに変更されて以降、日本市場でのアイデンティティを強化。400Rシリーズの投入により、スポーツセダンとしての魅力を高めてきました。
スカイライン400R Limitedは買いか?専門家の視点
メリット
- 希少性:400台限定という希少性は、将来的な資産価値も期待できる
- 専用チューニング:ベース400Rからさらに走りを磨き上げた専用仕様
- 特別装備:カーボンパーツやシリアルナンバープレートなど、限定車ならではの装備
- コレクターズアイテム:現行スカイラインの集大成として、スカイライン史に残るモデル
検討ポイント
- 価格:約694万円という価格は、競合する輸入プレミアムセダンと比較しても高価格帯
- 維持費:405ps、3Lターボという高性能ゆえの維持費は覚悟が必要
- 転売価値:限定車としての希少性は高いが、セダン市場の縮小傾向も考慮すべき
スカイライン400R Limitedの競合車種
国産ライバル
- レクサスIS500 F SPORT Performance:V8 5.0L、472ps
- マツダ6(アテンザ):直4 2.5Lターボ、252ps
- トヨタクラウン:2.4Lターボハイブリッド、349ps
輸入車ライバル
- BMW M340i:直6 3.0Lターボ、387ps
- メルセデスベンツ AMG C43:直4 2.0Lターボ、408ps
- アウディS4:V6 3.0Lターボ、354ps
405psという出力では、国産車の中でトップクラス。輸入プレミアムスポーツセダンと比較しても遜色ない性能を誇ります。
まとめ:スカイライン400R Limitedは現行型の集大成
日産スカイライン400R Limitedは、1957年から続くスカイラインの伝統を受け継ぎながら、最新技術と走りへのこだわりを凝縮した特別なモデルです。
405psのV6ツインターボエンジン、専用チューニングされたサスペンション、限定車だけの特別装備。これらすべてが、「走りを愛するドライバー」に向けられたメッセージです。
400台という限定台数、先着順という販売方式を考えると、購入を検討されている方は早めの行動が求められます。現行型スカイラインの集大成として、そして日本のプレミアムスポーツセダンの到達点として、スカイライン400R Limitedは特別な価値を持つ一台となるでしょう。
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